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刑務官採用試験は受かりやすいって聞いたけど本当?難易度や対策方法が知りたいです。
こんなお悩みを解決できる記事を書きました!
結論からいうと、問題レベルやボーダーライン、倍率から考えれば刑務官は受かりやすいと言えます。
しかし…、簡単に合格できるような試験ではありません。そこは勘違いしないようにしてください。
そこで本記事では、「これから刑務官を目指したい」「受験勉強を始めたばっかり」という高校生や大学生、社会人を対象に、刑務官採用試験の難易度や難しさを解説します。
試験傾向や対策ポイントも紹介しているので、ぜひ参考に受験勉強を始めてみてくださいね。
刑務官は受かりやすい?難易度を徹底解説
刑務官採用試験の難易度は決して高くないです。
理由は以下のとおり。
- 試験問題は中学〜高校レベル
- 合格ラインは4~5割程度
- 倍率は2~3倍
試験問題は中学〜高校1年レベル
公務員試験の問題は、今までに勉強してきた内容が試験範囲です。なので、高校までにきちんと勉強してきた人からすれば、それほど難しいわけではありません。
たとえば、次はメイン科目の一つである数的推理の問題です。


「速さ」という単元で、中学校1年生で学習するような問題です。算数、数学が苦手な人は少し悩むかもしれませんが、少し勉強すれば思い出すのではないでしょうか。
たまに大学入試レベルの問題も出ていますが、多くは中学〜高校入試ぐらいの問題です。
なお、刑務官採用試験の過去問はこちらで公開しています。


ボーダーラインは4割~5割程度
採用者数や地域によって変動しますが、4~5割あれば筆記試験をパスできています。
同じ事務系国家公務員でも裁判所事務官は8割の正答率が必要なので、刑務官のボーダーは低いことがわかりますね。
刑務官採用試験のボーダーラインは以下の記事を参考にしてください。


倍率は2倍~3倍
地域によって差はありますが、最新の倍率は2倍~3倍ぐらいです。
地域 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
北海道 | 65 | 32 | 2.0 |
東北 | 71 | 41 | 1.7 |
関東 | 405 | 166 | 2.4 |
東海 | 105 | 47 | 2.2 |
近畿 | 213 | 120 | 1.8 |
中国 | 88 | 39 | 2.3 |
四国 | 72 | 32 | 2.3 |
九州 | 280 | 77 | 3.6 |
沖縄 | 91 | 7 | 13.0 |
この数値の中には、まともに対策していない人も多く含まれているので、実際はもっともっと低いです。
高卒公務員の倍率は10倍を超えることが多いので、数値だけ見れば”刑務官は受かりやすい”と思っても仕方ないですね。
刑務官採用試験の倍率は、こちらの記事で詳しくまとめています。合わせて確認してください。





こんな感じで、刑務官採用試験の難易度はそこまでハードじゃありません。
刑務官になるには?
刑務官とは、刑事施設(刑務所や拘置所)の収容者に対し、日常生活の指導、職業訓練指導、悩みごとなどの指導を行うとともに、刑事施設の保安警備に従事する国家公務員のことです。
刑務官になるには、人事院が実施する「刑務官採用試験」に合格しなければいけません。


この採用試験に合格すれば、志望する管轄地域内の刑務所や拘置所などに配属されて、刑務官としての仕事がスタートします。
刑務官採用試験の概要
ここでは、令和5年度の情報をもとに、刑務官採用試験の概要を解説します。
- 受験資格(年齢制限)
- 採用の仕組み
- 採用人数
- 試験日程
- 試験内容
年齢制限(受験資格)
- 刑務A・B(高卒・大卒)
-
1994年4月2日~2006年4月1日までに生まれた人
- 刑務A・B(社会人)
-
1983年4月2日~1994年4月1日までに生まれた人



Aは男性、Bは女性の区分です!
学歴は関係ないので、高卒でも大卒でも社会人でも、年齢制限を満たしていれば受験できます。
採用の仕組み
刑務官採用試験は全国を九つの地域(ブロック)にわけて実施されます。
地域 | 採用時の勤務地 |
---|---|
北海道 | 北海道 |
東北 | 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 |
関東甲信越静 | 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 山梨県 新潟県 長野県 静岡県 |
東海北陸 | 岐阜県 愛知県 三重県 富山県 石川県 福井県 |
近畿 | 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 |
中国 | 鳥取県 島根県 広島県 岡山県 山口県 |
四国 | 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 |
九州 | 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 |
沖縄 | 沖縄県 |
地域規模によって採用者数は大きく異なってくるため、志望地域の現状をしっかり把握しておくことが大切です。



試験日や試験内容はどの地域も同じです!
採用人数
地域 | 高卒・大卒 | 社会人 |
---|---|---|
北海道 | 20 | 5 |
東北 | 15 | 6 |
関東 | 105 | 35 |
東海 | 25 | 7 |
近畿 | 40 | 10 |
中国 | 30 | 7 |
四国 | 20 | 7 |
九州 | 40 | 10 |
沖縄 | 5 | – |



採用予定数は6月14日現在の見込みであり、今後変動する場合があります。
試験日程
受付期間 | 2023年7月18日~27日 |
---|---|
一次試験 | 2023年9月17日(日) |
一次試験 合格発表 | 2023年10月11日 |
二次試験 | 2023年10月19日~25日の間で指定された日 |
最終合格 | 2023年11月21日 |
試験内容
試験は大きく「筆記試験」と「面接試験」に分類できます。
選考は段階式で行われ、まず一次選考で受験者を篩にかけ人数を絞ります。その後、一次選考の合格者を対象に二次選考を行い最終合格者を決定するという流れです。
一次試験 | 基礎能力試験 | 公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての筆記試験 |
---|---|---|
作文試験 | 文章による表現力、課題に対する理解力などについての筆記試験 | |
二次試験 | 人物試験 | 人柄、対人的能力などについての個別面接 |
身体検査・測定 | 一般内科系検査 | |
体力検査 | 立ち幅跳び、反復横跳び、上体起こしによる身体の筋持久力等についての検査 |
最終合格するには筆記と面接の両方で点数を取ることが重要なので、いずれかの試験に偏った対策をするのではなく、計画を立ててバランスよく対策しましょう。
なお、刑務官の試験内容はこちらで詳しく紹介しています。


刑務官採用試験に合格するのは難しい理由
刑務官採用試験の難易度は高くありませんが、決して受かりやすいわけじゃないです。
理由は以下の3つ。
- 競争試験だから
- 試験科目が多いから
- 頭がいいだけでは合格できない
競争試験だから
刑務官採用試験は、一定数の採用枠に対して、成績上位者から順に合格が決まる競争試験です。そのため、受験者全員が合格できるわけではなく、ライバルたちとの競争によって合否が決まります。
また、資格試験(英検や漢検など)であれば合格ラインはある程度決まっていますが、競争試験の場合は、採用人数や受験者数によって変動するのです。


そのため、どの程度の点数を目指せばよいかが判断しにくく、努力がそのまま結果につながらない、という難しさがあります。
試験科目が多いから
刑務官の試験科目は5分野21科目あります。
分野 | 科目 |
---|---|
数的処理 | 数的推理|判断推理|空間把握|資料解釈 |
文章理解 | 現代文|英文|古文 |
社会科学 | 政治|経済|社会|倫理 |
人文科学 | 日本史|世界史|地理|国語|英語 |
自然科学 | 数学|物理|化学|生物|地学 |
高校・大学入試の約3倍の科目数なので、対策には相当な時間が必要です。そのため、受験者にとっては大変な試験の一つと言えるでしょう。
問題レベルは、中学校から高校までに学んだことのある内容ばかりですが、それをもう一回勉強しないといけないので簡単ではありません。やみくもに勉強を始めるのではなく、出題傾向を理解して効率よく勉強することがポイントです。
頭がいいだけでは合格できない
刑務官採用試験では、知識や学力だけでなく、刑務官・社会人としての適性・資質や人間性(コミュニケーション能力)も評価されます。つまり、単純な学力だけでなく、多角的な能力が求められることになります。
これまでの入学試験や資格試験では、知識を詰め込んでいれば合格できたものが、刑務官採用試験では、能力を総合的に評価されるため、単に知識を詰め込んでいるだけでは合格できないのです。
最終合格者の決定方法
第1次試験合格者のうち、身体検査、身体測定及び体力検査に合格し、作文試験において基準点以上であり、かつ人物試験においてA~Cの評価である者について、第1次試験を含む全ての試験種目の標準点を合計した得点に基づいて最終合格者を決定します。
2023年度刑務官採用試験の合格者の決定方法(人事院)
つまり、どれだけ筆記試験の点数が高くても、作文や面接で一定の評価を得られないと最終合格に至らない可能性があるということ。
何かの試験に偏った対策をするのではなく、どの試験科目もバランスよく対策しましょう。
刑務官採用試験 合格に向けた対策方法
刑務官採用試験に合格するには、しっかりとした対策が必要です。これから対策を始めるためのポイントを3つ紹介します。
スキマ時間を有効活用する
始めにこれを伝えておかなければいけません。
公務員試験でとにかく大切なことは、『時間は無限ではない』ということです。
じゃあ具体的にどうやって時間を捻出するの?というと、『スキマ時間を有効活用する』という結論に達します。
- 通学時間
- 学校での休み時間
- 食事の前後
- 入浴時間
- 寝る前の10分間 など
全てを使うのは難しくても、自分の生活スタイルに合わせてこの中のいくつかを取り入れるだけでも十分スキマ時間を活用できますよ。
これが1日の中で3回(朝、昼、夜)繰り返されるだけで、年間365時間も勉強できることになりますよね。
最終合格までに必要な勉強時間は400~500時間なので、スキマ時間だけでも6~7割ぐらいの勉強ができてしまうのです。
基礎能力試験は効率よく勉強する
数ある試験の中でも、基礎能力試験は厄介な試験科目の一つです。
5分野21科目から出題があり、範囲も広いため、やみくもに勉強を進めると相当な時間がかかってしまいます。



僕自身、最初から最後まで勉強して大変なことになりましたからね…。
まずは、各科目の出題傾向を理解し、必要な科目から重点的に勉強することがポイントです。
具体的な科目や出題傾向については、こちらの記事で詳しく解説しています。


作文対策を後回しにしない
作文は、公務員として必要とされる表現力や思考力を評価するもので、最終合格するには対策が必要です。
作文試験の対策は、過去問題に取り組むことが一番効果的。また、日常的に読書をすることで、語彙力を増やしたり、表現力を高めたりすることもできます。
まずはこちらの記事で過去のテーマや傾向を把握してから準備を始めましょう。


早めに面接対策の準備を始める
口述試験(個別面接)では、刑務官になりたい志望動機や過去の経験、今後のキャリアプランなど、あなたに関する質問が多く問われます。
対策としては、まずは自己分析を行い、自分の長所や短所を把握することが重要です。仕事内容を調べたり、模擬面接を受けて話し方や表現力を確認したりと、面接対策は、とにかくやることが多いです。
また、繰り返しになりますが、最終合格するには面接試験の結果が必要です。なので、筆記試験の勉強だけやっていても合格できません。それなりに面接練習もする必要があるのです。
面接力をある程度のレベルにもっていくには時間がかかるので、早めに準備を始めることがポイントです。
なお、面接試験の傾向や過去問はこちらの記事で詳しくまとめています。ぜひ、参考にしてください。


以上のように、刑務官に合格するためには、効率的な勉強方法を取り入れると同時に、作文や面接にも時間をかけて取り組むことが大切です。
まとめ:刑務官は難しいけどやり方次第で合格可能
本記事では、刑務官採用試験の難易度や受かるためのコツを解説しました。
難易度だけで考えれば、刑務官はそんなに難しくないです。試験問題は中学〜高校レベルですし、倍率も3倍程度ですからね。
しかし、合格するのは簡単ではありません。
「これをやれば確実に合格できる」という方法はありませんが、「効率よく対策するために意識するポイント」はあります。
具体的には以下の4つ。
このようなポイントを踏まえて対策できれば短期間でも十分に合格を狙えます。適当に勉強を進めるのではなく、試験内容や傾向ををきちん理解してから効率よく行いましょう。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!