刑務官採用試験の”個別面接”について解説!
個別面接とはどんな試験か?試験時間や合格基準は?
面接カードはどうやって書くのか?どんな質問がなされるのか?…などなど
これから面接対策を始めようと考えている初心者向けにくわしく解説します!
頑張って一次試験を突破しても、二次試験(面接)に受からないことには刑務官として働くことはできません。
これから面接に臨むにあたり、対策をしようと思うものの、「結局、何から始めればいいのかわからない」と思っている人も多いことでしょう。実際に僕も面接対策には頭を抱えましたからね……。
そこで本記事では、面接試験の傾向や面接カードの重要性、過去の質問まで解説しています。
本記事を参考にして、面接で落ちないように準備をはじめましょう!

刑務官採用試験 面接試験の傾向
刑務官採用試験は「刑務所の番人になる(就職する)試験」なので、筆記試験の他に面接試験も実施されています。
まずは面接試験の傾向を紹介します。
面接形態は個人面接
刑務官の面接形態は、3人の面接官に対して受験者が一人で行う個人面接です。
個人面接は1人の受験者に対して、集中してチェックできるため、面接官は様々な観点から評価することができます。また、集団面接とは違い、受験者は自分一人だけなので緊張しやすい形式ですが、他の受験者がいないことから集中でき、自分をアピールしやすいという利点があります。
間違いのない回答を目指すことも重要ですが、あまりマニュアルに頼るのではなく、それ以上に自分らしさや刑務官への熱意をアピールできるように準備していきましょう。
面接の試験時間は20分
一般的な面接時間は10〜15分なので、刑務官の面接時間は平均的といえるでしょう。
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10分くらいで終わったんだけど・・・。これって不合格フラグなんかな?
面接時間がたとえ10分程度と短かった場合でも、不合格だと決めつける必要はありません。
短すぎるから不合格とは限らず、採用側の事情で短い時間しかとれないときや、すでに結果が見えているときは、短い時間でも合格の場合があります。
限られた時間であってもしっかりと自己アピールができていれば、採用されることも十分考えられるので安心して臨みましょう。



逆に長くて落ちることもあるからね・・・。面接時間はあまり気にしなくてOK!
面接の評価基準
刑務官採用試験の個人面接は、以下の評価基準(着眼点)に沿って判定されます。
項目 | 観点 |
---|---|
積極性 | ・自ら課題解決に当たれるか。 ・必要な自己主張ができるか。 ・やる気を持って、物事に取り込めるか。 |
堅実性 | ・真面目で、中途半端なところはないか。 ・粘り強く物事を進めることができるか。 ・組織の一員として自覚を持って行動できるか。 |
判断力 | ・物事を的確に判断できる。 ・集中して物事に取り組める。 ・冷静に状況を判断できる。 |
表現力 | ・質問に対する応答は的確か,的外れなところはないか ・話している内容に一貫性があるか,矛盾しているところはないか ・話し方がわかりやすく簡潔か,要領を得ないところはないか |
態度 | ・まじめに応答しているか,質問をはぐらかすところはないか ・動作はきちんとしているか,だらしのないところはないか ・落ち着いており安定感があるか,動揺しやすいところはないか |
これらの観点に沿って面接官それぞれがA~E(1~5)で評価をつけ、最終的にそれぞれの評価を突き合わせて最終評価となります。
D評価以下は足切り(即不合格)
なお、面接試験の評価がD、E評価は足切りとなり即不合格なので注意しましょう。
どんなに基礎能力試験の点数が高くても、体力検査が満点でも落ちてしまいます。
逆に基礎能力試験の点数が低くても、面接の評価次第で逆転も可能ということなので早めに準備をはじめてくださいね。
刑務官採用試験 面接カードの内容と書き方
氏名や学歴などの基本情報にくわえ、志望動機や自己PRなど、面接官が「受験者はどんな人物なのか?」を見極めるための役割があります。
実際の試験では、提出する面接カードに基づいて過去の経歴や経験、志望動機や今後の抱負など幅広く聞かれているので、わかりやすくアピールできる内容を作成しなくてはいけません。
面接カードのダウンロードと提出日
面接カードは一次試験の合格発表日に人事院のHPからダウンロードします。
そして提出は二次試験(面接)の日なので、忘れないように、汚れないように持っていきましょう。
内容は自己PRや志望動機など
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》自己PR・志望動機の特徴や考え方は以下の記事でくわしく解説しています。


面接カードの書き方
面接カードを作成するときのポイントと書き方を紹介します。
①自己分析
まずは、自分自身はどんな人間なのか、なぜ刑務官を志望するのか、といった自己分析をしましょう。
面接では、自己PRと志望動機を中心に問われるため、自己分析がきちんとできていないと面接官を納得させられないからです。
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これまでの人生で自己PRできるようなことをしてきてないよ…。
このように悩んでいる方もいるかもしれませんが、必ず、自分を見つめなおせば、「好きなこと」「熱中したこと」「やりたいこと」が見えてきます。
面接カードに書く内容は、自分が経験したことや考えていることを正直に書くものです。
しかし、0から1をつくってはいけませんが、1を100にふくらますことは許されます。
これはあくまで例ですが、とにかく刑務官に向いている、素質がある人材だということをアピールしなきゃいけないので、自分の好きなこと・やりたいことに関する話1を100に盛って、刑務官として活かせる能力を得られたというアピールを考えてみましょう。



僕自身、大学サークルは2年間しかやっていませんでしたが、4年間全うしたことにしましたよ…(苦笑)
②結論から書く
これ、とても重要です。
面接カードだけでなく、作文でも、面接試験でも、これからの社会人生活でも…
「結論」と「根拠」を分かりやすく明確に伝えるようにしましょう。
もっとも大切なのは『結論』なので、それが面接官に伝わらないとまったく意味がないですよね。また、その根拠をシンプルに説明できないと納得してもらえません。



回りくどい説明や、結論がどこに書いてあるか分からない面接カードは、ただただ迷惑でしかない!
だから結論を先に書く!
その根拠(の要約)も最初に説明しておく!
この2点を厳守するだけで、あなたの自己PRや志望動機は格段にレベルアップしますよ。
③抽象的な表現を多用しない
少しでも面接官に伝わる自己PRや志望動機を書きたいのであれば、抽象的な表現を使わずに文章を書きましょう。
たとえば「社交性」とか「協調性」などです。そもそも社交性、協調性とは?ってなりますし、だいたい使い方を間違っているケースがほとんとです。
抽象的な表現を使うときは、かならず簡単な〝例″を添えるなどしてわかりやすくするように心がけてください。



読みにくい文章の人って、やたら抽象的な表現を使いたがるんですよね…。
なので、文章を書くときには「小学生程度の子どもでもわかるように書く」ことを意識してみるといいでしょう。
小難しい文章を書くよりも、シンプルでわかりやすい文章のほうが面接官からしても評価は高いのです。
④一文を長くしない
自己PRや志望動機がわかりにくい人は、一文が長い(無駄な表現が多い)です。
たとえば、次の文章を見比べてみると…
私が刑務官を志望した理由は、脱税のない社会を作りたいと思ったことや昔から刑務官に憧れていたこと、そしてこれまでの人生経験を存分に活かせると思ったからです。
私が刑務官を志望した理由は、脱税のない社会を作りたいと思ったからです。また、昔から刑務官に憧れがあり、これまでの人生経験を存分に活かせると思ったからです。
内容は同じですが、文章Bの方が読みやすいですよね。
一文が長くなると途端に読みにくくなりますし、主述の関係もわかりにくく理解が難しくなります。また、ギッシリと一文を詰め込みすぎるのも読みにくくなる原因なので、余白を上手く使ってみてください。



接続詞「~ので」、「~だが」を使いすぎると長くなりやすいので注意!
⑤装飾をうまく活用する
基本的に面接官は短時間でササっと内容を確認しますし、1日に何十人もの面接カードに目を通すのでたくさんの文章なんて読みたくない!と思っていることを前提に書く必要があります。
実際、面接官はあなたが思っているほどには内容を読みこんでくれません。
だいたいの場合は冒頭や結末、強調箇所だけをひろって流し読みするだけです。
これは実際に面接官役をやってみるとわかりますが、短時間で一言一句を読むことはできませんし、頭に入ってきません。
となれば、少しでも伝わるように書き方を工夫する必要がありますよね。
さっき説明したように結論を先に書いたり、抽象的な表現を避けたり、一文を短くしたり…という工夫もそのためです。
そのほかにも重要な部分を太字にしたり、『』【】で目立たせたり…という文字修飾も、面接官に少しでも内容を伝えるようにするために大切なのですね。



とはいえ、やりすぎは厳禁です!ゴチャゴチャしてよけいに読みにくくなるので…。
刑務官採用試験 個人面接の質問内容(過去問)
ここでは、過去の面接試験で具体的に聞かれた質問をまとめています。
自分なりの回答を練って対策をはじめましょう!
- 緊張していますか。
- 志望動機を言ってください。
⇒なぜ、数ある公務員の中でも刑務官を志望するのですか。 - 全国転勤は大丈夫ですか。
- 高校生活で印象に残っている出来事を教えてください。
- 高校を卒業してからは何をやっていましたか。
- 受験者は怖い人も多いですが大丈夫ですか。
- 得意なことと不得意なことを教えてください。
⇒得意なことを仕事にどう活かしますか。 - 趣味はありますか。
- 会場までどうやって来ましたか。
- 刑務官の他に受けている公務員試験はありますか。
- なぜ刑務官を志望するのですか。
- 最近気になっていることはありますか。
⇒それはなぜ気になっているのですか。
⇒他に気になったことはありますか。 - 大学生活で心掛けていたことはありますか。
- ストレスは溜まりやすいですか。
⇒どうやってストレス発散していますか。 - コロナ禍で注意していたことはありますか。
- 自己PRを言ってください。
- 昨日は眠れましたか。
- このような面接は初めてですか。
⇒面接練習はどこでやっていましたか。 - 志望動機を言ってください。
- 刑務官の仕事内容をどのくらい知っていますか。
- 今までに苦労した経験を教えてください。
- 仕事では夜勤もありますが大丈夫ですか。
- 辛い仕事も多いですが大丈夫ですか。
- 刑務官になることを誰かに相談していますか。
⇒親は刑務官になることをどのように思っていますか。 - 最後に何か質問はありますか。
》この他にも刑務官採用試験の質問内容や回答例を以下の記事でも集約しているので参考にしてください。


まとめ|刑務官採用試験の面接を甘く見ると落ちる
配点だけを考えれば、筆記:面接=2:1なので筆記ばかりに時間を使うのは正しいです。とはいえ、面接が最終合否に関わってくることも事実なので、対策を後回しにすることはNGです。
まずは面接試験で重要な資料「面接カード」の作成から始めましょう!面接カードを作成するときのポイントと書き方は以下の5点。
繰り返しになりますが、面接官はあなたが期待するほどには面接カードを読んでくれません。
だからこそ、少しでも長く文章を読んでもらえるように、わかりやすく内容が伝わるように工夫する必要があるのです。
また、面接試験の過去問を使いながら回答を練ることも忘れずにやってください。面接対策は筆記試験よりもやることが多く、上達するまでかなり時間が必要です。
できるだけ早めに手をつけて攻略していきましょう!
今回ご紹介させていただいたのはほんの一例ですが、ぜひ取り入れていただければ幸いです。