【高卒公務員】東京都庁三類の試験内容は?傾向と対策方法を解説

東京都三類の試験内容

一口に公務員試験といっても、内容は選考によって異なります。

そのため、「どうやって対策すればいいかわからない」という人は多いです。

日々の学校や仕事で忙しい中、効率よく試験対策できるかどうかは、選考内容や傾向をどれだけ理解しているかが重要です。

本記事は、東京都職員三類(高卒)採用試験の内容をまとめています。傾向や対策方法も解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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【高卒】東京都庁三類 一次試験の内容

東京都職員三類採用試験の一次試験では、次の種目が行われます。

  • 教養試験
  • 専門試験
  • 作文試験

教養試験

「一般知能科目」と「一般知識科目」で構成される筆記試験です。全区分共通問題を解きます。

試験の大きな特徴は、その科目数の多さで次の17科目から出題されること。

一般知能数的処理数的推理、判断推理、空間把握、資料解釈
文章理解現代文、英文
一般知識社会科学政治、経済、社会
人文科学日本史、世界史、地理、国語
自然科学物理、化学、生物、地学
令和5年度試験問題より作成

見ての通り中学~高校までに学んだ内容から多く出題されるので、”科目の多い大学入試共通テスト“のような試験です。

共通テストとの大きな違いは、科目選択の有無。

共通テストであれば、社会なら日本史か世界史、理科なら物理か生物のように、受験に必要な科目を選択して試験を受けられます。しかし、教養試験では全科目が必須なので注意が必要です。

問題数は45問必答で、試験時間は120分しかありません。1問あたり2分程度で正答を導きだす速答力もいるので、なんとも厄介な試験といえるでしょう。

出題範囲は広いので、どの分野が多くでるのか、どの分野は苦手なのか、出題傾向を理解したうえで勉強することがポイントです。

東京都三類の教養試験について、詳しくは次の記事で解説しています。

専門試験

志望区分に関する専門知識力を測る筆記試験です。

えもと

土木、建築、機械、電気が対象です!

試験科目は専攻区分によって異なります。具体的な内容は次のとおり。

  • 数学
  • 工業技術基礎
  • 情報技術基礎
  • 土木基礎力学
  • 測量
  • 土木施工
  • 土木構造設計
  • 社会基盤工学

出題数は5題で、好きな問題を3つ選択して解答します。試験時間は90分しかないため、時間配分に注意が必要です。

出題形式は記述式であるため難度は高めですが、部分点をもらえるため白紙で提出しないようにしましょう。

高校の教科書を中心にインプットし、適宜、過去問を使いながら勉強してください。

東京都職員三類の過去問について、詳しくは次の記事でまとめています。

作文試験

作文試験は、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。

筆記試験では判断できない、論理的思考力や読解力、人間性などを総合的に測ることを目的としています。

試験時間80分
問題数1題
文字数600~1000字
評価基準・内容
・表現
・文字
令和5年度の情報

作文は、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあります。

勉強すればしただけ成果が見える筆記試験とは違い、客観的な評価(添削してもらうこと)でしか習熟度がわからないため、なんとも厄介な試験といえるでしょう。

毎年、作文で評価がもらえずに不合格となる受験者は一定数いるので、早めに準備をしてください。

東京都職員三類の作文試験について、詳しくは次の記事でまとめています。

【高卒】東京都庁三類 二次試験の内容

東京都職員三類採用試験の二次試験では、次の種目が実施されます。

口述試験(面接)

口述試験(面接)

口述試験とは、志望動機や自己アピールなどを問うことで、あなたが東京都職員として相応ふさわしいかどうかを評価・判断する面接試験のことです。

試験時間30分
面接官3人
形式個人面接
全区分共通

個人面接は、あなた1人に集中して様々な観点から話を聞けるため、あなたの特性を正確に評価できます。

たとえば、「学生時代に頑張ったことは何ですか」という質問に「部活動です!」と回答しただけでは、まだあなたに協調性やコミュニケーション能力があるかは判断できません。

そこで、「練習で工夫したことはありますか」とか「役職は何か就いていましたか」など、より理解を深めるために掘り下げた質問をして、正確に評価を行えるような情報を聞き出し、評価するのです。

より具体的な情報を面接官に伝えることができるかどうかが合否を分けるポイントなので、自己分析に時間をかけて語れるように準備しましょう。

【高卒】東京都庁三類でよくある質問FAQ

最後に、東京都職員三類採用試験でよく相談される質問に回答します。

  • 過去問はどこで入手できますか?
  • 倍率はどれくらいですか?
  • 難易度は高いですか?

Q1 過去問はどこで入手できますか?

A.東京都のホームページに2年分が掲載されています。

解説はありませんが、問題形式やレベルの確認には十分使えますよ。次の記事でもまとめています。

Q2 倍率はどれくらいですか?

A,だいたい4倍くらいです。

令和5年度の全体倍率は4.1倍でした。区分ごとの結果は次のとおり。

区分受験者数合格者数倍率
事務6171095.7
土木100531.9
建築832.7
機械18101.8
電気35152.3
合計7781904.1
令和5年度実施状況(三類)

過去の実施結果などを次の記事でまとめています。

Q3 難易度は高いですか?

結論、東京都庁三類の難易度・・・は決して高くないです。

理由は以下のとおり。

  • 試験問題は中学〜高校レベル
  • 合格ラインは4~5割程度
  • 倍率は2~3倍

試験問題は中学〜高校1年レベル

公務員試験の問題は、今までに勉強してきた内容が試験範囲です。なので、高校までにきちんと勉強してきた人からすれば、それほど難しいわけではありません。

たとえば、次はメイン科目の一つである数的推理の問題です。

東京都庁(高卒)の問題 (1)

「速さ」という単元で、中学校1年生で学習するような問題です。算数、数学が苦手な人は少し悩むかもしれませんが、少し勉強すれば思い出すのではないでしょうか。

たまに大学入試レベルの問題も出ていますが、多くは中学〜高校入試ぐらいの問題です。

ボーダーラインは6割程度

採用者数や作文試験の出来によって変動しますが、6割あれば筆記試験をパスできています。

同じ事務系国家公務員でも裁判所事務官は8割の正答率が必要なので、東京都庁三類(高卒者試験)のボーダーはそこまで高くないことがわかりますね。

倍率は4倍程度

平均倍率は4.0倍ほど。

この数値の中には、まともに対策していない人も多く含まれているので、実際はもっともっと低いです。

事務区分の倍率は少し高めですが、沖縄県22.4倍や神戸市19.0倍に比べると大したことありませんね。

えもと

こんな感じで、東京都庁三類の難易度・・・はそこまでハードじゃありません。

まとめ:東京都庁三類は難しいけどやり方次第で合格可能

難易度だけで考えれば、東京都庁三類はそんなに難しくないです。試験問題は中学〜高校レベルですし、ボーダーも6割程度ですからね。

しかし、合格するのは簡単ではありません。

「これをやれば確実に合格できる」という方法はありませんが、「効率よく対策するために意識するポイント」はあります。

具体的には以下の4つ。

  • スキマ時間を有効活用する
  • 教養試験は効率よく勉強する
  • 作文対策を後回しにしない
  • 面接対策は早めに準備を始める

このようなポイントを踏まえて対策できれば短期間でも十分に合格を狙えます。適当に勉強を進めるのではなく、試験内容や傾向ををきちん理解してから効率よく行いましょう。

この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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