【高卒公務員】東京都庁三類の教養試験科目は?傾向や勉強方法を解説

東京都三類の教養試験勉強法

この記事でわかること

  • 教養試験の傾向
  • 教養試験の出題科目
  • 教養試験の勉強方法(対策方法)

東京都職員三類採用試験(高卒)の一次試験で実施される教養試験。

試験科目・範囲が膨大なので、「何から勉強すればいいの?」と悩んでいる方はとても多いです。

そこで本記事では、教養試験の傾向や試験科目を徹底解説します。効率的な勉強方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

試験の概要を知ることは、合格への第一歩。

まずは、教養試験がどんなものか、大まかにつかんでいきましょう。

*合格に向けて準備を始めたい方は『【高卒公務員】東京都庁三類の試験内容は?傾向と対策方法を解説』をご覧ください。試験の全体像を網羅したガイドブックです。

タップできる目次

【高卒】東京都庁三類の教養試験概要

教養試験は、一次試験で行われる筆記試験の一つです。

概要は次のとおり。

試験時間120分
問題数45問(全問必答)
出題形式択一式(マークシート)
レベル高校卒業程度
令和5年度の試験情報

受験者の思考力や判断力を測る試験のため、速読・速答が求められれます。

単純計算すると、1問にかけられる時間はわずか2分ほど。マークシートへの記入や見直しの時間も考えると、テンポよく解答していくことが必要です。

実際に、時間が足りずに問題を解ききれない人は少なくありません。本番での時間配分を考えながら事前に過去問題集で練習しておくなど、十分な対策を取りましょう。

【高卒】東京都庁三類の教養試験科目

教養試験の科目は、 計算力や読解力を測る『一般知能科目』と、今までに勉強してきた基礎学力を測る『一般知識科目』で構成されています。

具体的な試験科目は次のとおり。

一般知能数的処理数的推理|判断推理|空間把握|資料解釈
文章理解現代文|英文
一般知識社会科学政治|経済|社会
人文科学日本史|世界史|地理|国語
自然科学物理|化学|生物|地学
令和5年度の情報

科目の特徴や問題例を紹介します。

数的処理

計算力や推理力を問う分野で、次の4科目から構成されます。

  • 数的推理
  • 判断推理
  • 空間把握
  • 資料解釈

初めて見る科目ばかりだと思いますが、要は小・中学校で習った算数・数学のような科目です。

数的処理の問題例

東京都三類の問題(数的推理)
数的推理の問題

中学校で習う「速さ」の問題だったり…。

東京都三類の問題(判断推理)
判断推理の問題

文章から正解を推理したりする問題が多く出題されています。

このように数学的要素が強いため、苦手とする受験者は多いです。しかし、出題数が一番多い分野なので苦手のままだと詰みます。

  • 数的処理:20問
  • 文章理解:8問
  • 社会科学:6問
  • 人文科学:7問
  • 自然科学:4問

*令和5年度の情報

苦手意識が強い人は、簡単な参考書で解法パターンを把握することから始めましょう。

文章理解

日本語と英語で書かれた300字〜400字程度の文章を読み解く力を測る分野で、次の2科目から構成されます。

  • 現代文
  • 英文

問題は、大きく「趣旨・内容把握」「文章整序」「空欄補充」の3タイプに分けられます。

文章理解の問題例

東京都三類の問題(英文)
文章理解(英文)の問題

文章の段落構成や論理の流れを把握して正解を出します。

時間をかければ正解できる問題は多いです。しかし、解くのに時間がかかるので、時間配分に気をつけてください。

社会科学

高校までの基礎学力(社会科目の知識力)を測る分野で、以下の3科目で構成されます。

  • 政治
  • 経済
  • 社会

憲法や選挙制度、日本国内外の政治経済、そして社会時事(話題になっている近年の社会問題)などから出題があります。

社会科学の問題例

東京都三類の問題(政治)
社会科学(政治)の問題
東京都三類の問題(社会)
社会科学(社会)の問題

日頃から新聞・ニュース等で取りあげられる政治、経済、社会問題にアンテナを貼っておけば解ける問題もあるので、きちんと情報収集をしましょう。

人文科学

高校までの基礎学力(歴史や語学の知識力)を測る分野で、以下の4科目で構成されています。

  • 日本史
  • 世界史
  • 地理
  • 国語

科目から想像できるように、The 暗記科目です。1科目あたりの出題範囲が膨大なので、ポイントを絞りつつ要点を整理して覚えることが大切。

人文科学の問題例

東京都三類の人文科学問題
人文科学(日本史)の問題
東京都三類(国語)の問題
人文科学(国語)の問題

範囲が狭く、覚えることが限定的な国語は確実に正解できるようにして、他は高校での選択科目を中心に勉強しましょう。

自然科学

高校までの基礎学力(数学や理科の知識力)を測る分野で、以下の4科目で構成されています。

  • 物理
  • 化学
  • 生物
  • 地学

理系科目がメインなので、捨て科目にする人は多いです。

自然科学の問題例

東京都庁三類(理科)
自然科学(化学)の問題
東京都庁三類(生物)
自然科学(生物)の問題

僕も理系科目は嫌いだったので、自然科学を捨てたくなる気持ちはわかります。でも化学や生物、地学は暗記するだけでも点が取れる問題もありますよ

全部捨てて点数を下げるよりは、そういった問題を取ることが重要です。

以上が、東京都職員三類(高卒)における教養試験の出題科目です。科目数はハンパないので、きちんと傾向を理解して勉強することが大事

【高卒】東京都庁三類 教養試験の勉強方法

教養試験は、科目も範囲も膨大です。そのため、適当に勉強することはNGです。

ここでは、効率よく勉強する方法を解説します。

  • 参考書・問題集を準備する
  • 主要科目から勉強する
  • 点になる科目と捨て科目の選定
  • 頻出分野に時間をかける
  • 復習メインでインプット&アウトプット

1.参考書・問題集を準備する

公務員試験用のテキストは数種類あるので、自分に合うものをチョイスしましょう。

どのテキストを使ってもいいですが、次の2つがあれば十分です。

えもと

参考書を読みこむときは、全ページを通読するのではなく、必要な箇所(出題頻度の高い章)だけ読むこと。

2.主要科目から勉強する

まずは数的推理と空間把握、そして社会科学を優先的に勉強するといいでしょう。

計算を含み、原理を理解するのに時間がかかる、または物理的に量が多いからです。

また、これらの科目だけで全体の約4割を占めています。

  • 数的推理:8問
  • 空間把握:5問
  • 社会科学:6問

合計:19問 / 45問中(42.2%)

これらの科目にある程度メドが立たないと、合格は光の彼方なので、勉強当初は、これら主要科目に時間を使ってください。

出題数が少ない科目に時間をかけても総合点は上がりません。すべてを勉強して中途半端になるよりも、まずは出題数の多い科目を確実に正解することが大切です。

3.点になる科目と捨て科目の選定

試験科目は多いですが、全科目から均等に出るわけではありません。

なので、どの科目で点を取り、どの科目は手を抜くのかを考えることが大事です。

次の科目別問題数一覧を参考に、勉強計画を考えてみましょう。

科目別出題数一覧

数的推理8
判断推理2
空間把握5
資料解釈5
現代文4
英文4
政治2
経済2
社会2
日本史2
世界史2
地理2
国語1
物理1
化学1
生物1
地学1
  • 令和5年度の情報
  • 上記の科目別出題数は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。

「出題率」や「範囲の絞りやすさ」をもとに考えると、

◎点になる科目
判断推理、資料解釈、国語、地理

◎捨て科目
世界史、日本史、理科科目(地学以外)

あたりかなと、僕は考えます。

あなたの学力や得手不得手で、どの科目に時間を割き、どの科目は捨てるのか考えてください。

4.頻出分野に時間をかける

どの科目も出題範囲は広いですが、最初から最後まで満遍なく出ません

例えば、判断推理では、全国的に「分野:対応関係」が頻出です。しかし、東京都三類ではまったく出てないんですよね。

具体的なデータがこちら。

東京都三類の出題範囲
*数字は出題数です。

どれだけ対応関係を勉強しても、出ないので時間の無駄ですよね。一方で、集合は100%出ているので率先して勉強する意味があります。

やみくもに取り組むのではなく出題傾向を見極めて効率的に勉強を進める意識が大切です。

出題範囲を知る(過去問分析する)のは簡単ではありませんが、出ない分野をどれだけ勉強しても0点なので、メンドーですが早めに理解しましょう!

過去10年間の出題範囲をまとめたデータを次の記事で公開しています。

5.復習メインでインプット&アウトプット

また、勉強において重要なのは先に進むことよりもどれだけ復習をしたかということです。

復習するタイミングですが、僕は勉強した箇所は3日連続で見るというルールで覚えていきました。要するにその日に解いた問題は短いスパンで3回見るというものです。

1日目問題1〜10をやる
2日目問題1〜10を見直して、問題11〜20をやる
3日目問題1〜20を見直して、問題21〜30をやる…

とくに重要なのが翌日の復習

勉強した次の日に復習しないだけで一気に知識の定着が悪くなります。記憶の法則で有名なエビングハウスの忘却曲線でも人間の記憶力は翌日にガタ落ちすることが立証されていますからね。

最初のうちはけっこうシンドイですが、1カ月ほど続けてみれば結果が見えてくるので、反復練習を意識して勉強していきましょう。

【高卒】東京都庁三類 教養試験対策でよくある質問FAQ

教養試験について、よくある相談や質問に回答します。

  • オススメの参考書・問題集はありますか?
  • 過去問はどこで入手できますか?
  • ボーダーラインは何割ですか?
  • 何から勉強すればいいですか?

オススメの参考書・問題集はありますか?

結論、次の3冊がオススメです。

  1. オープンセサミシリーズ(セサミ)
  2. スーパー過去問ゼミ(スー過去)
  3. 教養試験攻略マニュアル(note)

公務員予備校”東京アカデミー”が監修している”初心者〜上級者向け“の参考書(全5冊)です。

大きな特徴は「情報量が豊富」。

これ1冊だけで、ほとんどの試験範囲を網羅できます。しかし、無駄な情報もそれなりに含まれているので出題範囲を絞って使いましょう。

編集:東京アカデミー
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過去問はどこで入手できますか?

結論、東京都ホームページから直近2年分をダウンロードできます。

また、次の記事でも一部の問題・解答をまとめているので参考にしてください。

ボーダーラインは何割ですか?

結論、6割(25~29/45問)程度です。

ボーダーラインは年度によって変動するため一定ではありませんが、例年6割前後で推移しています。

なので、最低6割を目安に7~8割取れるように準備してください。

何から勉強すればいいですか?

結論、出題数が多い科目出題頻度の高い分野からです。

科目ごとの出題数は科目別出題数一覧を、分野ごとの出題頻度は次の記事を参考にしてください。

教養試験は出題傾向を知れば楽勝!

東京都職員三類(高卒)の教養試験は、高校までにきちんと勉強してきた人からすればそれほど難しいわけではありません。

それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、試験科目・範囲が膨大だからです。

事実、「科目が多くて何から勉強すればいいか分からない」という相談・お問合せが相当多いんですよね。

教養試験を効率よく勉強するには、出題範囲の理解(=過去問分析)がとても重要です。必要な科目・分野に沿って勉強すれば、これまでよりずっとラクに合格点を超えるようになると僕は考えます。

合格点は6割程度です。そんなに高くありません。なので、闇雲に無駄な勉強をするのではなく、過去の出題傾向を軸に勉強してください。

まずは科目ごとの出題範囲を理解する。
そこから始めていきましょう!

過去10年間の頻出分野を科目別にまとめた一覧を次の記事で公開しています。

えもと

上記の記事を読めば「どこから勉強すればいいの?」という悩みを即解決できるので、ぜひ参考にしてください。

タップできる目次