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国家一般職(高卒者試験)は受かりやすいって聞いたけど本当?難易度や対策方法が知りたいです。
こんなお悩みを解決できる記事を書きました!
結論からいうと、問題レベルやボーダーライン、倍率から考えれば国家一般職(高卒者試験)は受かりやすいと言えます。
とはいえ、簡単に合格できるような試験ではありません。そこは勘違いしないようにしてください。
そこで本記事では、「これから国家公務員一般職を目指したい」「受験勉強を始めたばっかり」という人を対象に、国家一般職(高卒者試験)の難易度や難しさを解説します。
試験傾向や対策ポイントも紹介しているので、ぜひ参考に受験勉強を始めてみてくださいね。
▼この記事を書いている人▼


公務員試験の指導を12年間やっています。新卒で大手専門予備校に就職→公務員課で5年間勤務、在職中に公務員試験を受験するも不合格→退職→公務員試験の勉強→国立大学法人、政令市、市役所に合格→現在、某大学の職員として7年目。 2018年6月からサイトを運営中。普段はカフェで珈琲飲んでます。
国家一般職(高卒者試験)の概要
国家一般職とは、各省庁や各地域の出先機関における職員を募集するため、人事院が実施する公務員試験のひとつです。
合格後は採用された省庁、出先機関において勤務がスタートします。
まずは試験概要を確認しましょう。
年齢制限(受験資格)
20歳まで受験できます。(2022年試験の場合)
採用はブロック制(地域別)
選考は全国を九つの地域にわけて実施され、採用後は受験した地域内に属する自治体へ配属されます。(試験日は統一)
ブロック | 採用地域 |
---|---|
北海道 | 北海道 |
東北 | 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 |
関東甲信越 | 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 山梨県 新潟県 長野県 |
東海北陸 | 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 富山県 石川県 福井県 |
近畿 | 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 |
中国 | 鳥取県 島根県 広島県 岡山県 山口県 |
四国 | 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 |
九州 | 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 |
沖縄 | 沖縄県 |
地域規模によって採用者数も大きく異なってくるため、志望地域の現状をしっかり把握しておくことが大切です。
採用までの流れ(試験日程)
国家一般職(高卒者試験)は段階式で行われます。
※一次試験の合格者を対象に二次試験を実施して合格者を決める方法。
受付期間 | 2022年6月20日~29日 |
一次試験 | 2022年9月4日(日) |
一次試験 合格発表 | 2022年10月6日 |
二次試験 | 2022年10月12日~21日の間で指定された日 |
最終合格 | 2022年11月15日 |
試験内容
試験は大きく「筆記試験」と「面接試験」に分類できます。
選考は段階式で行われ、まず一次選考で受験者を篩にかけ人数を絞ります。その後、一次選考の合格者を対象に二次選考を行い最終合格者を決定するという流れです。
選考 | 試験種目 | 配点比率 |
---|---|---|
一次試験 | 基礎能力試験 | 4/9 |
適性試験 | 2/9 | |
作文試験 | 1/9 | |
二次試験 | 個人面接 | 2/9 |
最終合格するには筆記と面接の両方で点数を取ることが重要なので、いずれかの試験に偏った対策をするのではなく、計画を立ててバランスよく対策しましょう。
詳しい内容や傾向は以下の記事で解説しています。
合格率
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2022 | 8,061 | 2,341 | 29.0% |
2021 | 9,951 | 2,187 | 21.9% |
2020 | 10,767 | 2,187 | 20.3% |
なお、合格率は地域によって異なります。
詳しくは以下の記事でまとめているので、参考にしてください。
国家一般職(高卒者試験)の難易度
国家一般職(高卒者試験)の難易度は決して高くないです。
理由は以下のとおり。
- 試験問題は中学〜高校レベル
- 合格ラインは6割程度
- 倍率は3倍程度
試験問題は中学〜高校1年レベル
公務員試験の問題は、今までに勉強してきた内容が試験範囲です。
なので、高校までにきちんと勉強してきた人からすれば、それほど難しいわけではありません。
たとえば、次はメイン科目の一つである数的推理の問題です。
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「速さ」という単元で、中学校1年生で学習するような問題です。
算数、数学が苦手な人は少し悩むかもしれませんが、少し勉強すれば思い出すのではないでしょうか。
たまに大学入試レベルの問題も出ていますが、多くは中学〜高校入試ぐらいの問題です。
ボーダーラインは6割程度
採用者数や地域によって変動しますが、6割あれば筆記試験をパスできています。
同じ事務系国家公務員でも裁判所事務官は8割の正答率が必要なので、国家一般職(高卒者試験)のボーダーは低いことがわかりますね。
国家一般職(高卒)のボーダーラインは以下の記事を参考にしてください。
倍率は3倍〜
地域によって差はありますが、最新の倍率は3倍〜6倍ぐらいです。
地区 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
北海道 | 439 | 178 | 2.5 |
東北 | 721 | 167 | 4.3 |
関東 | 3,994 | 1,387 | 2.9 |
東海北陸 | 533 | 160 | 3.3 |
近畿 | 484 | 144 | 3.4 |
中国 | 363 | 59 | 6.2 |
四国 | 215 | 43 | 5.0 |
九州 | 1,016 | 165 | 6.2 |
沖縄 | 296 | 40 | 7.4 |
この数値の中には、まともに対策していない人も多く含まれているので、実際はもっともっと低いです。
高卒公務員の倍率は10倍を超えることが多いので、国家一般職はかなり低い方に分類されるんですよね。
こんな感じで、国家一般職(高卒者試験)の難易度はそこまでハードじゃありません。
国家一般職(高卒者試験)に合格するのは難しい
国家一般職(高卒者試験)の難易度は高くありませんが、決して受かりやすいわけじゃないです。
理由は以下の3つ。
試験科目が多い
国家一般職の問題は高校までにきちんと勉強してきた人からすれば、それほど難しいわけではありません。
それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、試験科目が多いからです。なんと21科目もあるんですよね…。
基礎能力試験の科目
分野 | 科目 |
---|---|
数的処理 | 数的推理|判断推理|空間把握|資料解釈 |
文章理解 | 現代文|英文|古文 |
社会科学 | 政治|経済|社会|倫理 |
人文科学 | 日本史|世界史|地理|国語|英語 |
自然科学 | 数学|物理|化学|生物|地学 |
中学・高校受験でも5~7科目くらいですからね…約3倍はあるのです。
中学校から高校までに一度は学んだことのある科目ばかりだと思いますが、それをもう一回勉強しないといけないので…正直、キツイですね。
》国家一般職(高卒)の試験科目や問題は以下の記事で詳しく解説しています。


頭がいいだけでは合格できない
賢い(頭がいい)だけでは公務員になれません。
あなたがこれまでに経験してきた入学試験(中学・高校入試)や資格試験では、単純な学力だけが問われ、知識を詰め込んでいれば合格が狙えました。
しかし、採用試験の内容は筆記試験だけではありません。作文や面接もあるんですよね…。
『公務員になるための試験=就職試験』でもあるため、公務員としての適性・資質や人間性(コミュニケーション能力)も総合して評価されるのです。
》国家一般職(高卒者試験)の試験内容はこちら



単純に筆記の点数だけでは合格できないので、努力がそのまま結果に結びつかない難しさがあります。
モチベーション維持
対策はやることが多いので…まぁ、シンドイです。
合格するために必要な勉強時間は過去のデータから500時間~600時間ほど。1日2時間の勉強を約1年間続けるようなものです。
合格目標「600時間」の勉強計画
1日の勉強時間 | 600時間に到達するまでの日数 |
---|---|
2時間 | 300日(約10ヶ月) |
3時間 | 200日(約7ヶ月) |
4時間 | 150日(約5ヶ月) |
実際、合格を目指して勉強を始める人は多いですが、途中で挫折する人も相当多いです。100人いて30〜50人ぐらい、半分はいなくなります。
モチベーションを長期間保ちながら筆記対策も面接対策もする必要があるため、相当な覚悟が求められます。
想像してみてください、周囲が遊んでいる中で自分だけ勉強漬けの毎日、文化祭や部活動の誘いをシャットアウトしながら勉強に集中して高いパフォーマンスを維持しなければならないのです。



同じ志をもつ仲間を集めたり、合格後の姿を想像したりしてモチベーション維持を図ることが大事!
試験内容が難しいというよりは、対策内容が多く、メンタルのコントロールが大変って感じですね。
国家一般職(高卒者試験)に落ちないためのコツ
確実に合格する方法はありませんが、少しでも合格率を上げるコツならあります!
スキマ時間を有効活用する
始めにこれを伝えておかなければいけません。
公務員試験でとにかく大切なことは、『時間は無限ではない』ということです。
じゃあ具体的にどうやって時間を捻出するの?というと、『スキマ時間を有効活用する』という結論に達します。
- 通学時間
- 学校での休み時間
- 食事の前後
- 入浴時間
- 寝る前の10分間 など
全てを使うのは難しくても、自分の生活スタイルに合わせてこの中のいくつかを取り入れるだけでも十分スキマ時間を活用できますよ。
これが1日の中で3回(朝、昼、夜)繰り返されるだけで、年間365時間も勉強できることになりますよね。
最終合格までに必要な勉強時間は500~600時間なので、スキマ時間だけでも6~7割ぐらいの勉強ができてしまうのです。
出題傾向を理解してから勉強する
試験内容は幅広いですが、時間の多くを筆記対策に充てなければいけません。
基礎能力試験の科目が多いのは説明しましたが、出題範囲も膨大です。なので、点が取れるまで時間がかかりますし、やり方によって差がつきやすいです。
科目・範囲ともに広範な基礎能力試験を攻略するには、出題傾向をきちんと理解することがポイントです。
基礎能力試験の勉強方法や出題傾向は以下の記事で解説しています。


作文を軽視しない
作文は基礎能力試験と違い独学では十分な対策ができません。
独学でできることは、
- 過去問を見て傾向をつかむ
- 参考書を読んで『書き方』を学ぶ
- 時間を計って書く
くらいしかできないんですね。
十分じゃないの?と思ったかもしれませんが、作文は自力で答案を書く練習をしないと書けるようになりません。
そして、実際に書いた答案を学校の先生や予備校講師などに添削してもらうことでしか改善点(テーマのズレや誤字脱字、文法の誤りなど)に気づけないので、まったく十分じゃありません。
たとえるなら、Youtubeでホームランの打ち方を学び、懸命に素振りを重ねてもいきなり実践でホームランが打てないのと同じです。
コーチからアドバイスをもらい修正と検証を繰り返すことで、なんとか打てるようになりますよね。対策を後回しにすればするだけ合格から遠のいていくことは覚えておいてくださいね。


面接対策を試験日の2ヵ月前から始める
最終合格するには、面接試験の評価も必要になってきます。
そのため筆記試験の勉強だけに時間を費やしても最終合格できませんし、今まで面接を受けたことのない初心者が合格基準に達するには、繰り返し練習する必要があるため、かなりの時間が必要です。
すでに面接でA、B評価をもらえる人なら一次試験が終わってからでも十分間に合うかもしれませんが、面接に自信を持てない人がマネすると確実に落ちてしまいます。
面接試験で評価を得るには準備が必要です。長所短所を考えたり、志望動機を考えたり…と、かなり時間がかかりますよ。
使える時間は限られているので、以下の記事を参考にして早めに面接対策もやってくださいね。


まとめ:国家一般職(高卒者試験)の難易度は低いが簡単に合格はできない
本記事では、国家一般職(高卒者試験)の難易度や受かるためのコツを解説しました。
難易度だけで考えれば、国家一般職はそんなに難しくないです。試験問題は中学〜高校レベルですし、倍率も3倍程度ですからね。
しかし、合格するのは簡単ではありません。
と、試験内容が難しいというよりは、対策内容が多く、メンタルのコントロールが大変って感じですね。
「これをやれば確実に合格できる」という方法はありませんが、「効率よく対策するために意識するポイント」はあります。
具体的には以下の5つ。
このようなポイントを踏まえて対策できれば短期間でも十分に合格を狙えます!
小難しい話になりましたが、要は、対策は難しいけど効率よく勉強すれば合格は余裕だよ!ってことです。焦る必要はないので、やれることから少しずつやっていきましょう。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

