国家一般職(高卒)の試験科目はどれくらいあるか知っていますか?
結論から言うと、国家一般職(高卒)の試験科目は5分野22科目です。
そのため、「何から勉強すればいいの?」と悩んでいる方はとても多いんですよね…。
そこで本記事では、国家一般職(高卒)の試験科目を徹底解説します!効率よく勉強する方法もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
*合格に向けて準備を始めたい方は『【内容と傾向】国家一般職(高卒)対策の教科書【一次・二次】』をご覧ください。試験の全体像を網羅したガイドブックです。
【高卒】国家一般職の試験科目は5分野22科目
国家一般職の筆記試験(基礎能力試験)科目は、次の5分野22科目で構成されています。
分野 | 科目 | |
---|---|---|
一般知能 | 数的処理 | 数的推理|判断推理|空間把握|資料解釈 |
文章理解 | 現代文|英文|古文 | |
一般知識 | 社会科学 | 政治|経済|社会|思想 |
人文科学 | 日本史|世界史|地理|国語|英語 | |
自然科学 | 数学|物理|化学|生物|地学|(情報) |
令和6年度から”情報科目”が加わります!
科目ごとの特徴を解説します。
科目①:数的処理
計算力や推理力を問う分野で、次の4科目から構成されます。
- 数的推理
- 判断推理
- 空間把握
- 資料解釈
初めて見る科目ばかりだと思いますが、要は小・中学校で習った算数・数学のような科目です。
数的処理の問題例
中学校で習う「速さ」の問題だったり…。
文章から正解を推理したりする問題が多く出題されています。
このように数学的要素が強いため、苦手とする受験者は多いです。しかし、出題数が一番多い分野なので苦手のままだと詰みます。
- 数的処理:13問
- 文章理解:7問
- 社会科学:6問
- 人文科学:9問
- 自然科学:5問
*令和5年度の情報
苦手意識が強い人は、簡単な参考書で解法パターンを把握することから始めましょう。
科目②:文章理解
日本語と英語で書かれた300字〜400字程度の文章を読み解く力を測る分野で、以下の3科目から構成されます。
- 現代文
- 英文
- 古漢文
問題は、大きく「趣旨・内容把握」「文章整序」「空欄補充」の3タイプに分けられます。
文章理解の問題例
書かれている文章を読んで、主題に合う設問を選んだり…。
文章の段落構成や論理の流れを把握したりして正解を出します。
時間をかければ正解できる問題は多いです。しかし、解くのに時間がかかるので、時間配分に気をつけてください。
科目③:社会科学
高校までの基礎学力(社会科目の知識力)を測る分野で、以下の4科目で構成されます。
- 政治
- 経済
- 社会
- 倫理
憲法や選挙制度、日本国内外の政治経済、そして社会時事(話題になっている近年の社会問題)などから出題があります。
社会科学の問題例
日頃から新聞・ニュース等で取りあげられる政治、経済、社会問題にアンテナを貼っておけば解ける問題もあるので、きちんと情報収集をしましょう。
科目④:人文科学
高校までの基礎学力(歴史や語学の知識力)を測る分野で、以下の5科目で構成されています。
- 日本史
- 世界史
- 地理
- 国語
- 英語
科目から想像できるように、The 暗記科目です。1科目あたりの出題範囲が膨大なので、ポイントを絞りつつ要点を整理して覚えることが大切。
人文科学の問題例
出題数の多い国語は確実に正解できるようにして、他は高校での選択科目を中心に勉強しましょう。
科目⑤:自然科学
高校までの基礎学力(数学や理科の知識力)を測る分野で、以下の5科目で構成されています。
- 数学
- 物理
- 化学
- 生物
- 地学
- 情報(令和6年度から追加)
理系科目がメインなので、捨て科目にする人は多いです。
自然科学の問題例
僕も理系科目は嫌いだったので、自然科学を捨てたくなる気持ちはわかります。でも化学や生物、地学は暗記するだけでも点が取れる問題もありますよ。
全部捨てて点数を下げるよりは、そういった問題を取ることが重要です。
以上が、国家一般職(高卒)における基礎能力試験の出題科目です。科目数はハンパないので、きちんと傾向を理解して勉強することが大事。
なお、国家一般職(高卒)の過去問は次の記事でまとめています。あわせて確認してみましょう!
【高卒】国家一般職の効率的な勉強方法5ステップ
国家一般職(高卒)の試験科目は5分野22科目もあるため、勉強に苦労している人は多いです。
ここでは、効率よく勉強する方法を解説します。
- 参考書・問題集を準備する
- 主要科目から勉強する
- 点になる科目と捨て科目の選定
- 頻出分野に時間をかける
- 復習メインでインプット&アウトプット
ステップ①:参考書・問題集を準備する
公務員試験の参考書や問題集は数種類あるので、自分に合うものをチョイスしましょう。
どの参考書・問題集を使ってもいいですが、オススメは次の3冊。
公務員予備校”東京アカデミー”が監修している”初心者〜上級者向け“の参考書(全5冊)です。
大きな特徴は「情報量が豊富」。
これ1冊だけで、ほとんどの試験範囲を網羅できます。しかし、無駄な情報もそれなりに含まれているので出題範囲を絞って使いましょう。
ステップ②:主要科目から勉強する
まずは数的推理と判断推理、そして社会科学を優先的に勉強するといいでしょう。
計算を含み、原理を理解するのに時間がかかる、または物理的に量が多いからです。
また、これらの科目だけで全体の約4割を占めています。
- 数的推理:4問
- 判断推理:5問
- 社会科学:6問
合計:15問 / 40問中(37.5%)
これらの科目にある程度メドが立たないと、合格は光の彼方なので、勉強当初は、これら主要科目に時間を使ってください。
出題数が少ない科目に時間をかけても総合点は上がりません。すべてを勉強して中途半端になるよりも、まずは出題数の多い科目を確実に正解することが大切です。
国家一般職(高卒)のボーダーラインは6割(24/40問)程度です。
ボーダーラインは年度によって変動するため一定ではありませんが、例年6割前後で推移しています。
なので、最低5割を目安に6割〜7割取れるように準備してください。
ステップ③:点になる科目と捨て科目の選定
試験科目は多いですが、全科目から均等に出るわけではありません。
なので、どの科目で点を取り、どの科目は手を抜くのかを考えることが大事です。
次の科目別問題数一覧を参考に、勉強計画を考えてみましょう。
科目別出題数一覧
数的推理 | 4 |
---|---|
判断推理 | 5 |
空間把握 | 2 |
資料解釈 | 2 |
現代文 | 4 |
英文 | 2 |
古文漢文 | 1 |
政治 | 2 |
経済 | 1 |
社会 | 2 |
倫理 | 1 |
日本史 | 1 |
---|---|
世界史 | 2 |
地理 | 2 |
国語 | 2 |
英語 | 2 |
数学 | 1 |
物理 | 1 |
化学 | 1 |
生物 | 1 |
地学 | 1 |
- 上記の科目別出題数は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。
「出題率」や「範囲の絞りやすさ」をもとに考えると、
◎点になる科目
国語、倫理、地理、地学
◎捨て科目
世界史、数学、理科科目(地学以外)
あたりかなと、僕は考えます。
あなたの学力や得手不得手で、どの科目に時間を割き、どの科目は捨てるのか考えてください。
ステップ④:頻出分野に時間をかける
どの科目も出題範囲は広いですが、最初から最後まで満遍なく出ません。
例えば、日本史で縄文時代〜江戸時代を勉強している人は落ちる可能性が極めて高いです。
理由は簡単でして、試験に出ていないから。
具体的なデータがこちら。
どれだけ平安時代や鎌倉時代を勉強しても、出ないので時間の無駄ですよね。
やみくもに取り組むのではなく出題傾向を見極めて効率的に勉強を進める意識が大切です。
出題範囲を知る(過去問分析する)のは簡単ではありませんが、出ない分野をどれだけ勉強しても0点なので、メンドーですが早めに理解しましょう!
過去10年間の出題範囲は次の記事で解説してい流ので、参考にしてください。
ステップ⑤:復習メインでインプット&アウトプット
また、勉強において重要なのは先に進むことよりもどれだけ復習をしたかということです。
復習するタイミングですが、僕は勉強した箇所は3日連続で見るというルールで覚えていきました。要するにその日に解いた問題は短いスパンで3回見るというものです。
1日目 | 問題1〜10をやる |
---|---|
2日目 | 問題1〜10を見直して、問題11〜20をやる |
3日目 | 問題1〜20を見直して、問題21〜30をやる… |
とくに重要なのが翌日の復習。
勉強した次の日に復習しないだけで一気に知識の定着が悪くなります。記憶の法則で有名なエビングハウスの忘却曲線でも人間の記憶力は翌日にガタ落ちすることが立証されていますからね。
最初のうちはけっこうシンドイですが、1カ月ほど続けてみれば結果が見えてくるので、反復練習を意識して勉強していきましょう。
【高卒】国家一般職の試験科目は多いので出題傾向に沿って対策しよう
国家一般職(高卒)の基礎能力試験は、高校までにきちんと勉強してきた人からすればそれほど難しいわけではありません。
それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、試験科目・範囲が膨大だからです。
科目数の多い基礎能力試験を効率よく勉強するには、出題範囲の理解(=過去問分析)がとても重要です。
合格点は6割程度です。そんなに高くありません。なので、闇雲に無駄な勉強をするのではなく、過去の出題傾向を軸に勉強してください。
必要な科目・分野に沿って勉強すれば、これまでよりずっとラクに合格点を超えるようになると僕は考えます。
まずは科目ごとの出題範囲を理解する。
そこから始めていきましょう!
今回は以上です。
上記の記事を読めば「どこから勉強すればいいの?」という悩みを即解決できるので、ぜひ参考にしてください。