東京消防庁消防官採用試験の一次選考で行われる論作文試験。
「読書感想文みたいなやつでしょ?」と何となく内容を想像するけど、イマイチどんな試験なのか把握できていないのではないでしょうか。
そこで本記事では、これから論作文対策を始める方向けに、傾向や過去の出題テーマを紹介します。対策方法も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
その他、東京消防庁の難易度などはこちらで解説しています。

東京消防庁採用 論作文試験の傾向
論作文試験とは、課題に対して文章を書かせることで、受験者の考え方や熱意といった人間性を総合的に判断しようとする記述式の試験です。
ただ単に文章を書くのではなく、 課題を正しく読み取り、自分の経験や体験を盛り込みつつ説明できるかなど、知識の総合的な応用力が問われます。

一類は論文、三類は論作文が行われます!
試験時間と文字数
試験時間 | 90分 |
---|---|
文字数 | 800字以上~1200字以内 |
制限時間内で文章を適切に構成し、要点を明確に伝えることが重要です。また、普段から時間配分を意識して書く練習をしてください。



僕なら、テーマの把握と見直しに5分ずつ、その他の時間を執筆にあてます!
何文字書く?
結論、8割以上書きましょう。
最大字数は1200字なので960字程度です。
- 文字数をオーバーしてはいけない。
- 文字数は少なすぎても減点
- 半分も埋まっていなければ採点されない場合がある
文字数は誰が見ても一発でわかる評価基準なので、極端に文字数が少ないと減点もしくは採点不可の判定を受けることになるんですよね。



半分も書けていないと厳しいですね…。
知識や語彙が乏しいと多くの文字を書くのは難しいので、普段から語彙力も増やしておくといいでしょう。
合否に大きく影響
一次合格者の決定方法を知っていますか?
選考・試験方法について
第1次試験では、教養試験の成績が一定点に達しない場合は、論論作文の採点及び資格・経歴の評定を行いません
令和5年度消防官採用選考案内より
つまり、最初に教養試験で人数を篩にかけて、最終的に論論作文の結果で判定するってことです。事実、教養試験の点数が高い人よりも低い人の方が合格する逆転現象が頻繁に見受けられるんですよね。
なので、教養試験の対策ばかりに気を取られないようにしてくださいね。
東京消防庁採用 論論作文のテーマ
こでは、東京消防庁の論論作文で出題された過去のテーマをまとめています。
令和5年度(2023年実施)
第1回 | 消防職員の使命についてあなたの考えとその達成に向けてあなたができることを述べよ。 |
---|---|
第2回 |
令和4年度(2022年実施)
第1回 | 都民から信頼される消防官となるために、あなたが実践することを具体的に述べよ。 |
---|---|
第2回 | 今後の社会情勢をふまえ質の高い行政サービスを提供するために、消防官としてあなたが取り組むことを述べよ。 |
令和3年度(2021年実施)
第1回 | デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現が人間社会にどのような影響を与えるのか、あなたの考えを具体的に述べなさい。 |
---|---|
第2回 | 実施なし |
令和2年度(2020年実施)
下の資料から傾向を読み取り、行政機関が発信する情報を都民に広く周知するための効果的な方法を考え、具体的に述べなさい。
-1.png)
-1.png)
令和元年度(2019年実施)
資料「救急車を呼んだ理由」から読み取れる課題と対応策について、あなたの考えを具体的に述べなさい。
-1.png)
-1.png)
平成30年度(2018年実施)
都民に信頼されるためにあなたが消防官になって努力すべきことを具体的に述べなさい。
-1.png)
-1.png)
東京消防庁採用 論作文試験の対策方法
論作文の書き方を3ステップで解説していきます。
- テーマをしっかり把握する
- 文章構成を知る
- 書く→添削を繰り返す
テーマ(傾向)をしっかり把握する
まず、課題を正確に把握することが重要です。
なぜなら、課題からズレた内容を書いてしまえば、どれだけ文章力があっても評価されないからです。
たとえば、「挫折した経験とそこから得たこと」という課題の場合、『挫折した経験から何を得たか』がメインテーマなので、挫折経験だけで終わっている論作文では課題を正確に把握しているとはいえません。
論作文を書くときは何を書かせたいのか(求めているのか)を把握したうえで書き始めましょう。
文章構成を知る
次に、どんな順番で書けばいいのか「文章構成」を考えましょう。
なぜなら、どのような順番で書いていくのかを検討しないと、テーマに矛盾があったり、話がとびとびになったりして、評価をもらえる合格答案を書くことができないからです。
たとえるなら家の設計図。お家を建てるときは、最初に設計図を組み、その通りに家を建てないと欠陥住宅になりかねませんよね。
文章構成をあらかじめ決めておけば、スムーズに書き始めることができる点にくわえ、論理的な文章になるため採点者も読みやすい=評価は上がるという算段です。
なお、より詳しい手順については、こちらで解説しています。


書いて添削をうける
文章構成が決まったら、その型どおりに書いていきましょう。知識があっても、それを文章にすることは難しいからです。
ここまで解説したとおり、論作文では課題テーマの把握や文章構成が評価を上げるために必要です。しかし、これらの観点は素人がどれだけ頑張っても理解することはできません。
そこで重要になるのが、第三者に見てもらい客観的な評価を受けること。しっかりした人に添削をしてもらえば自分の弱点や伸ばすべきポイントも簡単に把握できるため効率よく論作文対策を進めていくことができます。
オススメの添削サービスをこちらで紹介しています。頼れる人がいない人は参考にしてください。


東京消防庁採用 論作文試験で落ちないように対策を始めよう!
本記事は、東京消防庁採用の論作文試験について傾向や過去のテーマをまとめていました。
論作文で落ちる人に共通する理由って何だと思いますか?
結論をいえば、「独学で論作文対策をしている」というのが僕の意見です。なぜなら、知識のない人が適当に文章を書いても、
- テーマの読み取り
- 文章構成
- 原稿用紙の使い方
- 正しい語句、文法
- 誤字・脱字
といった部分を、きちんと書けているのかどうか判断できないからです。ここが判断できずに独学で突き進んだ結果、落ちてしまう人を何十人も見てきたんですよね…。
また、論作文を書いたら書きっぱなしってことが多いです。答案を書いて誰にも見せないというのは、問題を解いても答え合わせをしないのと同じこと。過去問を眺めるだけでは、論作文を攻略できません。過去問を使って答案を作成し、添削を受けることで徐々に上達します。
論作文が原因で不合格にならにように、早めに(遅くても試験の3ヶ月前を推奨)準備を始めていきましょう。
今回は以上です。
その他、東京消防庁の内容はこちらで解説しています。

