
高卒程度の特別区採用試験はどれくらいの倍率ですか?どうやったら合格できるのか知りたいです。
こんな疑問を解決します。
今回は、特別区職員三類(高卒程度)を受験(予定)する方向けに倍率を詳しく紹介します。その他区分を受験する方はこちら。
- 特別区三類の倍率推移(過去~最新)
- 特別区三類の一次と二次の倍率
- 特別区三類に落ちないために必要なこと
最近は高卒で特別区三類を目指す方の相談をよく受けていますが「倍率を気にしている」人はやっぱり多いです。
結果的に倍率が高かろうが、低かろうがやることは同じなんですけど、実施状況を知っておくことは大切なので、このタイミングで確認しておきましょう。

一次試験と二次試験それぞれの倍率もまとめています。これから対策するときに必要なデータなので併せて確認してください。
▼この記事を書いている人▼

公務員試験の指導を12年間やっています。新卒で大手専門予備校に就職→公務員課で5年間勤務、在職中に公務員試験を受験するも不合格→退職→公務員試験の勉強→国立大学法人、政令市、市役所に合格→現在、某大学の職員として7年目。 2018年6月からサイトを運営中。普段はカフェで珈琲飲んでます。
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【高卒】特別区職員三類採用試験の倍率推移
特別区人事委員会は2021年11月19日、令和3年度特別区職員3類採用試験の最終倍率は7.4倍だったと発表しました。
- 志望者数:3,638人(前年度比1,645人減)
- 受験者数:2,904人(同988人減)
- 合格者数:392人(同6人減)
特別区の採用試験を受験する以上は、倍率について知っておくべきです。以下に過去10年間(2012〜2021年実施)の倍率推移をまとめているので、どのような状況にあるのか把握しましょう。
年度 | 受験者 | 合格者 | 倍率 |
---|---|---|---|
2012 | 1,760 | 229 | 7.7 |
2013 | 1,605 | 213 | 7.5 |
2014 | 2,996 | 334 | 9.0 |
2015 | 2,778 | 353 | 7.9 |
2016 | 3,192 | 351 | 9.1 |
2017 | 3,476 | 403 | 8.6 |
2018 | 4,729 | 471 | 10.0 |
2019 | 3,663 | 476 | 7.7 |
2020 | 3,892 | 398 | 9.8 |
2021 | 2,904 | 392 | 7.4 |
倍率をみて、高い(低い)など感想をもったと思いますが、あまり気にする必要はありません。
結局のところ、2倍でも落ちる人は落ちるし、逆に10倍でも受かる人は合格するからです。倍率が2倍でも10倍でも対策することは同じですよね。なので、倍率を気にしても時間の無駄なんですね。
合格に向けてやるべきことをやっていきましょう!
関連記事:【高卒】特別区職員三類採用試験は難しい?難易度と落ちない対策方法を解説
【高卒】特別区職員三類採用試験の倍率を一次・二次試験ごとに解説!
続いて、試験(一次、二次)ごとの倍率を確認しましょう。試験ごとの倍率を知ることで、どの試験にどれぐらいの時間を使って対策するのか判断できるからです。
たとえば、最終倍率は5倍でも試験ごとにみると、一次1.5倍、二次2.5倍みたいなことはよくあります。この場合、一次対策に時間をたくさん使うよりも、二次対策に全力を出す方が合格しやすいですよね。
効率よく時間を使うためにも、試験ごとの倍率を把握してみてください。
一次試験の倍率
年度 | 受験者 | 合格者 | 倍率 |
---|---|---|---|
2012 | 1,760 | 459 | 3.8 |
2013 | 1,605 | 402 | 4.0 |
2014 | 2,996 | 600 | 5.0 |
2015 | 2,778 | 686 | 4.0 |
2016 | 3,192 | 707 | 4.5 |
2017 | 3,476 | 826 | 4.2 |
2018 | 4,729 | 1,051 | 4.5 |
2019 | 3,663 | 1,059 | 3.5 |
2020 | 3,892 | 1,052 | 3.7 |
2021 | 2,904 | 979 | 3.0 |
一次試験の倍率は、だいたい3~4倍ですね。高いと思いますか?
ぶっちゃけ、一次倍率はそこまで気にする必要はありません。なぜなら、対策をまともにしていない人(=記念受験組)もかなり含まれているからです。
運要素も絡んでくる面接試験だけならワンチャン受かるかもですが、それなりの対策が必要な筆記試験ではまず合格できないでしょう。
ですので、きちんと対策していれば数値以上に低倍率です。

一次試験は「教養試験」と「作文試験」が実施されます!詳しくは下記記事で解説中!
関連記事:【過去問を徹底分析】特別区三類合格のための「正しい」勉強法
関連記事:【高卒】特別区職員三類採用試験の作文対策|文字数と書き方5ステップ
二次試験の倍率
年度 | 受験者 | 合格者 | 倍率 |
---|---|---|---|
2012 | 411 | 229 | 1.8 |
2013 | 368 | 213 | 1.7 |
2014 | 494 | 334 | 1.5 |
2015 | 573 | 353 | 1.6 |
2016 | 578 | 351 | 1.6 |
2017 | 664 | 403 | 1.6 |
2018 | 846 | 471 | 1.8 |
2019 | 797 | 476 | 1.7 |
2020 | 578 | 398 | 1.5 |
2021 | 797 | 392 | 2.0 |
二次試験の倍率は、だいたい2倍前後となっています。
一次試験よりは低いと思ったかもですが、二次倍率は数値以上に難しいんですよね……。
というのも、努力しただけ合格率を上げられる筆記試験とは違い、面接試験は第三者の評価が大きく関わってくるからです。また、受験者たちは一次試験をパスしている、きちんと対策してきたガチ勢ばかりなので、さらに難度は高くなります。
少しでも合格率を上げるためには、最近の公務員試験は人物重視であることを理解して、早めに対策をはじめることが大事です。

せっかく一次試験を突破しても、ここから約半分は落ちているわけですからね。僕は自信を持って落ちる方には入らない!って言えないです…。
【高卒】特別区職員三類採用試験に落ちないための対策方法
ここまで解説したように、特別区三類の倍率は決して低いとはいえないため、合格するためにはきちんと対策する必要があります。
まずは筆記対策から
特別区の公務員試験対策で一番時間がかかるのは筆記試験です。選考方針が人物重視だとしても、筆記で6割~7割の点数が取れなければ一次試験をパスできません。
試験科目・範囲は膨大なので早め早めにスタートしましょう。
一般的な学習期間は9カ月~1年程度。高校生なら2年生の冬休みを目途に始められるといいでしょう。一番まとまった時間を確保できる最大のチャンスです!
また、単純に試験範囲を最初からしても意味がありません。
なぜなら、科目ごとに頻出分野があるからです。そういった無駄な時間を使わないためには、実際の過去問で出題されている問題を確認するところから始めてみるとよいでしょう。詳しくは下記記事で解説しています。
関連記事:【過去問を徹底分析】特別区三類合格のための「正しい」勉強法
面接・作文もはやめに手をつける
筆記対策にある程度のメドがついたら、論作文や面接の対策も早めにしましょう。筆記と違って上達するのにかなり時間がかかるからです。
面接や作文は第三者が評価する試験なので、どれだけ努力しても達成感があまりありません。それ故に自信を持てるまで何度でも練習する必要があるんですね。
自己PRや志望動機を考える、書いた作文を見せて添削を受けるなど、やれることはたくさんあるので早めに対策をはじめましょう。

面接や作文って答えがないんですよね…。なので、対策不足で落ちるって人が多いため注意が必要!
倍率は参考程度にして合格に向けた準備をはじめよう
今回は、特別区職員三類採用試験(高校卒業程度)の倍率をまとめていました。
特別区三類は全国から志望者が集まるため、他の自治体に比べると少し倍率は高くなりやすいです。とはいえ、本気で合格を目指して対策している人は想像よりもはるかに少ないため、数値ほど恐れる必要はありません。
結局のところ倍率2倍でも、10倍でも、合格するためにやることは同じです。倍率を気にして一喜一憂するのでなく、一問で多く問題を解く、論作文を書く、志望動機を考えるなどして合格の可能性を高めることに時間を使いましょう。
以上を参考に、特別区三類の合格に向けた対策をはじめてください。