✓特別区三類の面接対策は何からやればいいの?
✓特別区三類の面接カードはいつ出すの?内容は?
✓特別区三類の面接は何が質問されるの?
このようなお悩みを解決します。
今回は、特別区(東京23区)職員3類採用試験の個人面接に関する内容です。
- 特別区三類の面接概要
- 特別区三類の面接カード
- 特別区三類の面接で聞かれた質問
- 特別区三類の面接対策4ステップ
頑張って一次試験を突破しても、二次試験(面接)に受からないことには東京23区の公務員として働くことはできません。
これから面接に臨むにあたり、対策をしようと思うものの、「結局、何から始めればいいのかわからない」と思っている人も多いことでしょう。実際に僕も面接対策には頭を抱えましたからね……。
そこで本記事では、面接試験の傾向や面接カードの重要性から過去の質問まで解説しています。また、実際に僕がやっていた対策についても触れているので参考にしてください。
関連記事:【高卒】特別区職員三類採用試験は難しい?難易度と落ちない対策方法を解説
▼この記事を書いている人▼

公務員試験の指導を12年間やっています。新卒で大手専門予備校に就職→公務員課で5年間勤務、在職中に公務員試験を受験するも不合格→退職→公務員試験の勉強→国立大学法人、政令市、市役所に合格→現在、某大学の職員として7年目。 2018年6月からサイトを運営中。普段はカフェで珈琲飲んでます。
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【高卒】特別区職員三類採用試験 面接試験の傾向
特別区職員採用試験は「東京23区の公務員になる(就職する)試験」なので、筆記試験の他に面接試験も実施されています。
面接試験のねらいは、公務員としての適性をみることと、筆記だけでは判断することのできない受験者の熱意や意欲、志望度を把握することにあります。
面接形態は個人面接
特別区三類の面接形態は、3人の面接官に対して受験者が一人で行う個人面接です。
個人面接は1人の受験者に対して、集中してチェックできるため、面接官は様々な観点から評価することができます。
面接の回数は2回
特別区の面接は2回あります。
1回目は一次試験の合格者全員が受ける特別区人事委員会の面接、2回目は二次試験の合格者を対象とした採用面接(区ごと)です。
よくある勘違いとして、二次試験に合格すれば終わりだと思っていること。あくまでも二次試験は特別区人事委員会の採用候補者リストに登録されるだけにすぎません。その後は自分が希望する区の面接を受け、そこで合格をもらうことが最終目標です。

採用面接は区ごとに傾向が異なるので、本記事は1回目の面接に関する情報をまとめています。
最初に3分間の自己アピール
特別区面接の特徴は冒頭3分間で自己アピールをすること。
時間が決まっているので、2分30〜3分以内で話せるように準備することがポイントです。
第一印象を決めてしまう重要な部分なのでたくさん練習するようにしましょう。
面接時間は25~30分
受験者の報告によると面接時間は25~30分程度が多く、事前に提出する面接カードに基づいて過去の経歴や経験、志望動機や今後の抱負など、幅広く聞かれています。
試験となれば筆記対策ばかりに気をとられがちですが、最近の公務員試験は人間性がかなり重要視されているということをきちんと認識したうえで対策してください。
個人面接は自分一人だけなので緊張しやすい形式ですが、他の受験者がいないことから集中でき、自分をアピールしやすいという利点があります。
間違いのない回答を目指すことも重要ですが、あまりマニュアルに頼るのではなく、それ以上に自分らしさや特別区への想いをアピールできるように準備していきましょう。
面接(二次試験)の合格率
過去5年間の二次試験合格率は約30〜50%(令和3年度は36.8%)となっています。
数字だけ見ると意外と合格率が高いと感じる方も多いのではないでしょうか?
とはいえ、努力しただけ合格率を上げられる筆記試験とは違い、面接試験は第三者の評価が大きく関わってくるため数値以上に難度は高いです。また、受験者たちは一次試験をパスしている、きちんと対策してきたガチ勢ばかりなので、対策不足で落ちる人は多いですよ。
少しでも合格率を上げるためには、最近の公務員試験は人物重視であることを理解して、早めに対策をはじめることが大事です。
関連記事:【高卒】特別区職員三類採用試験の倍率は高い?過去の推移と一次・二次の倍率
【高卒】特別区職員三類採用試験 面接カードの重要性
面接カードとは、面接で使用される資料のことです。氏名や学歴などの基本情報にくわえ、志望動機や自己PRなどを記入して提出します。
面接カードの役割は、採用者が「受験者はどんな人物なのか?」を見極めるための資料なので、わかりやすくアピールできる内容を作成しなくてはいけません。
面接カードの提出はいつ?
一次試験の合格通知に面接カードが同封されているので、記入して試験日に提出します。
面接は提出した面接カードをもとに行われるので、しっかり準備することが大切です。
面接カードの内容は?
- 特別区職員を志望する理由は何ですか。また、あなたの持つ強みを活かして、特別区職員としてどのような仕事に取り組みたいか教えてください。
- ここ数年で、あなたが最も挑戦したといえることは何ですか。また、それをどのようにやり遂げましたか
- チームやグループで協力して取り組んだ課題や目標について教えてください。また、その中でのあなたの役割と、どのような工夫をして貢献したか教えてください
- 学生生活
- 職歴(アルバイトは除く)
- 最終学歴
- 就職活動状況
出典:令和2年度特別区三類の面接カードより作成

自筆で書くので、読みやすく、丁寧に書くことがポイントです。
面接カードの書き方は?
面接カードを作成するときは次の4つを意識して書くことがポイントです。
一つ目のポイントはアピールポイントを絞ること。
やりがちな失敗例として「やってきたことを盛り込みすぎて、内容が浅くなってしまう」というケースがあります。30分程度の試験時間ですべてを伝えることは難しく、かえって中身のない人物と思われてしまいます。
自分の魅力を十分にわかってもらえるように、様々な経験の中から「自分で行動し、結果につながったこと」をアピールできるように絞って考えてみてください。
二つ目のポイントは具体的に書くこと。
面接官が内容をイメージしやすいように「5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)」を上手く盛り込んで書けるといいでしょう。
3つ目のポイントは、質問されても大丈夫な内容を書くこと。
面接カードに書いてある内容をもとに質問されるので、深堀されても答えられるように準備しておくことが重要です。
とくに最近の面接は受験者の行動特性(コンピテンシー)に着目した質問をする傾向が強いため、書いた内容と矛盾がないように気を付けましょう。
丁寧にわかりやすく書くこともポイントの一つです。
とくに誤字・脱字は社会人としての常識を疑われることになります。また、一文が長いと内容がわかりにくくなります。文章が苦手な人は「PREP法」を使って書くことをおすすめしています。
- P:結論、主張(Point)
- R:理由、根拠(Reason)
- E:例、体験(Example)
- P:結論、主張(Point)
PREP法とは文章を簡潔・論理的に伝える型のことでストレスなく伝わりやすい文章を書くことができます。この型を意識して伝わりやすい文章を書いていきましょう。
面接カードは書き方ひとつで面接試験の内容が決定してしまうといえるほど、重要なものです。また、面接官は試験が始まるまでの短い時間で内容を確認しなければならないため、一目でわかる内容を書かなければなりません。
そのため、丁寧で読みやすく、内容が伝わりやすい表現を心掛けて作成してください。なお、自己PRや志望動機を作る際のコツを下記記事で解説しています。併せて確認してください。
関連記事:【聞かれる質問を公開!】特別区3類(高卒)の面接対策で必要な過去問まとめ
【高卒】特別区職員三類採用試験 面接は何が質問される?
面接も筆記対策と同じように過去問を把握することが重要です。
なぜなら、実際の面接で何がどのように聞かれているのかを知り、自分がどのくらい答えられるのかを知っておく必要があるからです。
また、過去問を見ておけば、よく聞かれている質問、あまり聞かれていない質問との差がわかるので、メリハリをつけて対策ができますよ。
ここでは、実際に受験者から教えてもらった質問の一部を紹介します。
詳細は次のとおり。
受験時の状況:区内在住の高校3年生(18歳)
- 試験までにご飯は食べましたか。
- 会場までどうやって来ましたか。
- 3分間で自己PRをしてください。
- 希望する部署はありますか。
→希望する部署に入れなかったらどうしますか。 - 高校で一番頑張ったことは何ですか。
→アルバイトは学校が許可を出していましたか。
→アルバイトで何が大変でしたか。 - 公務員試験の勉強はいつからやっていましたか。
→学校の勉強と両立は上手くできましたか。 - 人間関係で苦労したことはありますか。
→友達と喧嘩した場合はどうやって解消しますか。 - 苦手な人はどんな人ですか。
→上司がその苦手な人だったらどうしますか。 - ストレスはどんな時に感じますか。
→どうやって発散していますか。
→それでも発散できないときはどうしますか。 - コロナの影響を感じることはありますか。
→特別区がコロナ対策としてやれることは何だと思いますか。
受験時の状況:区内在住の高卒社会人(19歳)
- 緊張していますか。
- 3分間で自己PRをしてください。
→今言った長所以外で何かありますか。
→具体的にその長所が活かされた経験はありますか。 - 特別区を志望した理由は何ですか。
→他の公務員試験は受験していませんか。
→国家公務員を受けている理由は何ですか。また希望している官庁はどこですか。 - 公務員を志望する理由を教えてください。
- 大学へ進学せず就職した理由は何ですか。
→特別区に転職する理由は何ですか。 - 高校時代に一番つらかったことは何ですか。
→つらかった出来事は1人で解決したのですか。
→周りの人から援助をもらえない場合はどうしますか。 - ストレスはどんなときに感じますか。
→どうやって発散しますか。 - クレームを受けた経験はありますか。
→理不尽なクレームも多いですが耐えられると思いますか。 - 親友とよべる友達はどれくらいいますか。
→友人からはどんな人物だと思われていると思いますか。 - どんな特別区職員になりたいですか。
→そのために努力していることはありますか。
受験時の状況:千葉県在住の高校3年生(17歳)
- 試験が終わったら東京で観光したい場所はありますか。
- どうやって東京まで来ましたか。
- 3分間で自己PRをしてください。
- 今までの一番頑張ったことは何ですか。
→逆に苦労したことは何ですか。
→その経験から仕事に活かせる力は身につきましたか。 - 長所と短所を教えてください。
→短所を克服するために頑張っていることはありますか。 - 特別区の職員としてどんなことにチャレンジしたいですか。
- 部活動は何をやっていますか。
→どんなことを学びましたか。
→仕事をやるうえで活かせそうな力は身につきましたか。 - 公務員を目指したのはいつからですか。
→なぜ地元ではなく特別区を志望するのですか。
→千葉県庁や千葉市は受験しないのですか。
→千葉市と特別区の両方に合格したらどうしますか。 - 今後挑戦してみたいことはありますか。
質問内容は高校生活の話から仕事の話まで幅広いです。自己分析を深堀して話すネタを考えておきましょう。
また、最近の面接では回答した内容を深堀して、受験者の行動特性を探る技法で行っています(コンピテンシー型面接)。具体的な問われ方(技法)や他にも過去に聞かれた質問を下記記事でまとめているので、参考にしてください。
関連記事:【聞かれる質問を公開!】特別区3類(高卒)の面接対策で必要な過去問まとめ
【高卒】特別区職員三類採用試験 面接対策4ステップ
面接対策といってもするべきことはたくさんあるので、いつ、何をするべきか計画を立てることが大切です。
面接対策は思っている以上に時間がかかるため、まだ先のことだからと後回しにしていると十分な対策ができないまま面接を受けることになってしまいます。後で慌てなくてもいいように、余裕を持って面接対策をはじめましょう!
ここからは、実際に僕がしていた面接対策を次の4ステップで紹介します。
- 面接のノウハウを勉強する
- 質問内容(過去問)の把握
- 話す内容を考える(自己PR・志望動機の作成)
- 模擬面接を繰り返す
ステップ①:面接のノウハウを勉強する
まずは参考書を使って、面接試験の流れやルールなどのノウハウを勉強しましょう。
おすすめの面接対策本は「公務員試験 現職採点官が教える! 合格面接術」です。現職の採点官がノウハウを解説している参考書です。
現職採点官が教える!合格面接術の特徴
特徴はマンガ形式で解説されているので、すごく読みやすく覚えやすいんですよね。様々な質問に対して、良い回答例と悪い回答例を勉強することができます。
なかでも、悪い回答例は落ちる人の共通点ともいえるので、徹底して読み込むといいでしょう。
ステップ②:質問内容(過去問)の把握
続いて、面接の過去問を把握しましょう。
なぜなら、実際の面接で何がどのように聞かれているのかを知り、自分がどのくらい答えられるのかを知っておく必要があるからです。
また、過去問を見ておけば、よく聞かれている質問、あまり聞かれていない質問との差がわかるので、メリハリをつけて対策ができますよ。
実際に特別区三類受験者から教えてもらったリアルな情報を下記記事で公開しています。併せて確認してください。
関連記事:【聞かれる質問を公開!】特別区3類(高卒)の面接対策で必要な過去問まとめ
ステップ③:話す内容を考える
ステップ①、②で把握した内容をもとに、次の手順で自己PRや志望動機を考えていきました。
過去問を一問一答形式で使い、何でもいいので、思いつくだけ回答を書き出します。
例)長所は?→明るい、元気、面倒見がいい、責任感がある。
STEP1で書き出した内容に、根拠(理由)を添えていきます。
例)長所は?→明るい(なぜ?)→落ち込むことがあっても表に出さないから。
STEP2で考えた理由を裏付ける経験や体験を付け足します。
例)長所は?→明るい(なぜ)→落ち込むことがあっても表に出さないから→高校の部活動で〜。
このようにアピールしたいことを深掘りしていくことで、本来の自分が見えるようになってきます。面接官が知りたい部分でもあるので、時間をかけて考えてください。
自己PRや志望動機の特徴や作り方が分からないって人は、下記記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
関連記事:【聞かれる質問を公開!】特別区3類(高卒)の面接対策で必要な過去問まとめ
ステップ④:模擬面接を受ける
最後は模擬面接を通して実践練習をしましょう。
考えた内容を実際に表現することは難しいからです。
また、面接では話す内容よりも表情や伝え方のような印象面が評価されやすいので、模擬面接をやらないと何もわかりません。
自分がどれだけ最高の志望動機を考えても、笑顔でハキハキ話せていると思っても、面接官(第三者)に伝わらなければ、それはただの自己満足なんですよね。
面接で落ちる人は共通して「ちゃんと喋れたのに落ちた理由がわからない…。」って言うんですけど、伝わっていないから落ちるんですよ。
とくに面接が苦手と思っている人は、1回や2回の模擬面接くらいでは何も見えてこないので、時間がある限り回数を重ねていくことをおすすめします。

僕自身、面接はものすごく苦手だったので、なんとか形になるまで練習しまくりましたよ。無料、有料問わずに15回は実践練習をしました!
【高卒】特別区職員三類採用試験 面接対策まとめ
本記事は特別区(東京23区)職員三類の面接試験でよく聞かれる質問と対策法を解説していました。
面接は筆記試験に比べて不透明な部分が多く、努力が直結しない試験です。そのためやり方がわからずに対策不足で落ちてしまう原因になります。
面接対策は筆記試験よりもやることが多く、かなり時間が必要です。できるだけ早めに手をつけて攻略していきましょう!