特別区職員採用試験の”個別面接”について解説!
個別面接とはどんな試験か?試験時間や合格基準は?
面接カードはどうやって書くのか?どんな質問がなされるのか?…などなど
これから面接対策を始めようと考えている初心者向けにくわしく解説します!
頑張って一次試験を突破しても、二次試験(面接)に受からないことには特別区職員として働くことはできません。
これから面接に臨むにあたり、対策をしようと思うものの、「結局、何から始めればいいのかわからない」と思っている人も多いことでしょう。実際に僕も面接対策には頭を抱えましたからね……。
そこで本記事では、面接試験の傾向や面接カードの重要性、過去の質問まで解説しています。
本記事を参考にして、面接で落ちないように準備をはじめましょう!

対象は一類(大卒)と三類(高卒)だよ!
特別区職員採用試験の面接試験とは?傾向を解説!
特別区職員採用試験は「特別区(東京23区)の公務員になる(就職する)試験」なので、筆記試験の他に面接試験も実施されています。
面接試験のねらいは筆記試験では判断できない、
に、あります。
多くの受験者は筆記試験の勉強ばかりに時間を使っていますが、それだけでは合格できません。
第1次試験、第2次試験の結果を総合的に判断し、最終合格者を決定します。
このように、どれだけ筆記試験で高得点が取れても、面接で評価をもらえないと最終合格できません。そこを認識したうえで対策してくださいね。
まずは面接試験の傾向を紹介します。確認してください。
面接形態は個人面接
特別区職員の面接形態は、3人の面接官に対して受験者が一人で行う個人面接です。
個人面接は1人の受験者に対して、集中してチェックできるため、面接官は様々な観点から評価することができます。また、集団面接とは違い、受験者は自分一人だけなので緊張しやすい形式ですが、他の受験者がいないことから集中でき、自分をアピールしやすいという利点があります。
間違いのない回答を目指すことも重要ですが、あまりマニュアルに頼るのではなく、それ以上に自分らしさや特別区職員への熱意をアピールできるように準備していきましょう。
面接の回数は2回
特別区の面接は2回あります。
1回目は一次試験の合格者全員が受ける特別区人事委員会の面接、2回目は二次試験の合格者を対象とした採用面接(区ごと)です。
よくある勘違いとして、二次試験に合格すれば終わりだと思っていること。
あくまでも二次試験は特別区人事委員会の採用候補者リストに登録されるだけにすぎません。その後は自分が希望する区の面接を受け、そこで合格をもらうことが最終目標です。



希望する区は出願のときに3つ自由に選ぶことができます。一度、選ぶと変更できないので真剣に働きたい区を考えよう!
面接の試験時間は25~30分
受験者の報告によると面接時間は25~30分程度が多く、事前に提出する面接カードに基づいて過去の経歴や経験、志望動機や今後の抱負など、幅広く聞かれています。
一般的な面接時間は10〜15分なので、特別区の面接時間は少し長いといえるでしょう。
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20分くらいで終わったんだけど・・・。これって不合格フラグなんかな?
面接時間がたとえ20分程度と短かった場合でも、不合格だと決めつける必要はありません。
短すぎるから不合格とは限らず、採用側の事情で短い時間しかとれないときや、すでに結果が見えているときは、短い時間でも合格の場合があります。
限られた時間であってもしっかりと自己アピールができていれば、採用されることも十分考えられるので安心して臨みましょう。



逆に長くて落ちることもあるからね・・・。面接時間はあまり気にしなくてOK!
最初に3分間の自己アピール
特別区面接の特徴は冒頭3分間で自己アピールをすること。
時間が決まっているので、2分30〜3分以内で話せるように準備することがポイントです。
第一印象を決めてしまう重要な部分なのでたくさん練習するようにしましょう。
以上が、特別区職員採用試験の面接試験の傾向(特徴)です。
特別区職員採用試験 面接カードとは?特徴を解説!
氏名や学歴などの基本情報にくわえ、志望動機や自己PRなど、面接官が「受験者はどんな人物なのか?」を見極めるための役割があります。
実際の試験では、提出する面接カードに基づいて過去の経歴や経験、志望動機や今後の抱負など幅広く聞かれているので、わかりやすくアピールできる内容を作成しなくてはいけません。
面接カードの提出は出願のとき
これまでは、一次合格発表のときに配布されていたので、自己PRや志望動機を考えるのは少し後でもよかったです。
しかし、事前提出に変わったことで試験よりも早い時期に自己分析を行う必要がでてきたんですよね。当然、提出した面接カードをもとに面接は進められるため適当に書くとアウトです。
内容は自己PRや志望動機など
- あなたが特別区でどのような仕事に挑戦したいか、あなたの強みと志望動機も含めて具体的に入力してください。(250文字以内)
- あなたが一つのことをやり遂げた経験を挙げ、その中で最も困難だと感じたことと、それをどのように乗り越えたかを入力してください。(250文字以内)
- 目標達成に向けてチーム行った経験において、チームへの貢献につながったあなた独自のアイディアを、ご自身の役割とともに入力してください。(250文字以内)
出典:2022年度特別区職員採用試験より作成



パソコンで入力するので、打ちミスや変換ミスに注意が必要です。
特別区職員採用試験 面接カードの書き方
面接カードを作成するときのポイントと書き方を紹介します。
①自己分析
まずは、自分自身はどんな人間なのか、なぜ特別区職員を志望するのか、といった自己分析をしましょう。
面接では、自己PRと志望動機を中心に問われるため、自己分析がきちんとできていないと面接官を納得させられないからです。
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これまでの人生で自己PRできるようなことをしてきてないよ…。
このように悩んでいる方もいるかもしれませんが、必ず、自分を見つめなおせば、「好きなこと」「熱中したこと」「やりたいこと」が見えてきます。
面接カードに書く内容は、自分が経験したことや考えていることを正直に書くものです。
しかし、0から1をつくってはいけませんが、1を100にふくらますことは許されます。
これはあくまで例ですが、とにかく特別区職員に向いている、素質がある人材だということをアピールしなきゃいけないので、自分の好きなこと・やりたいことに関する話1を100に盛って、特別区職員として活かせる能力を得られたというアピールを考えてみましょう。



僕自身、大学サークルは2年間しかやっていませんでしたが、4年間全うしたことにしましたよ…(苦笑)
②結論から書く
これ、とても重要です。
面接カードだけでなく、作文でも、面接試験でも、これからの社会人生活でも…
「結論」と「根拠」を分かりやすく明確に伝えるようにしましょう。
もっとも大切なのは『結論』なので、それが面接官に伝わらないとまったく意味がないですよね。また、その根拠をシンプルに説明できないと納得してもらえません。



回りくどい説明や、結論がどこに書いてあるか分からない面接カードは、ただただ迷惑でしかない!
だから結論を先に書く!
その根拠(の要約)も最初に説明しておく!
この2点を厳守するだけで、あなたの自己PRや志望動機は格段にレベルアップしますよ。
③抽象的な表現を多用しない
少しでも面接官に伝わる自己PRや志望動機を書きたいのであれば、抽象的な表現を使わずに文章を書きましょう。
たとえば「社交性」とか「協調性」などです。そもそも社交性、協調性とは?ってなりますし、だいたい使い方を間違っているケースがほとんとです。
抽象的な表現を使うときは、かならず簡単な〝例″を添えるなどしてわかりやすくするように心がけてください。



読みにくい文章の人って、やたら抽象的な表現を使いたがるんですよね…。
なので、文章を書くときには「小学生程度の子どもでもわかるように書く」ことを意識してみるといいでしょう。
小難しい文章を書くよりも、シンプルでわかりやすい文章のほうが面接官からしても評価は高いのです。
④一文を長くしない
自己PRや志望動機がわかりにくい人は、一文が長い(無駄な表現が多い)です。
たとえば、次の文章を見比べてみると…
私が特別区職員を志望した理由は、区民が安心して生活できるまちづくりをしたいと思ったことや昔から特別区職員に憧れていたこと、そしてこれまでの人生経験を存分に活かせると思ったからです。
私が特別区職員を志望した理由は、区民が安心して生活できるまちづくりをしたいと思ったからです。また、昔から特別区職員に憧れがあり、これまでの人生経験を存分に活かせると思ったからです。
内容は同じですが、文章Bの方が読みやすいですよね。
一文が長くなると途端に読みにくくなりますし、主述の関係もわかりにくく理解が難しくなります。また、ギッシリと一文を詰め込みすぎるのも読みにくくなる原因なので、余白を上手く使ってみてください。



接続詞「~ので」、「~だが」を使いすぎると長くなりやすいので注意!
⑤装飾をうまく活用する
基本的に面接官は短時間でササっと内容を確認しますし、1日に何十人もの面接カードに目を通すのでたくさんの文章なんて読みたくない!と思っていることを前提に書く必要があります。
実際、面接官はあなたが思っているほどには内容を読みこんでくれません。
だいたいの場合は冒頭や結末、強調箇所だけをひろって流し読みするだけです。
これは実際に面接官役をやってみるとわかりますが、短時間で一言一句を読むことはできませんし、頭に入ってきません。
となれば、少しでも伝わるように書き方を工夫する必要がありますよね。
さっき説明したように結論を先に書いたり、抽象的な表現を避けたり、一文を短くしたり…という工夫もそのためです。
そのほかにも重要な部分を『』【】で目立たせる…という文字修飾も、面接官に少しでも内容を伝えるようにするために大切なのですね。



とはいえ、やりすぎは厳禁です!ゴチャゴチャしてよけいに読みにくくなるので…。
以上が、特別区職員採用試験の面接カードの書き方です。
特別区職員採用試験 個人面接の質問内容(過去問)
受験者が面接試験で最も気になるのは「面接で何を質問されるのか」ではないでしょうか。
面接も筆記対策と同じように過去問を把握することが重要です。
なぜなら、実際の面接で何がどのように聞かれているのかを知り、自分がどのくらい答えられるのかを知っておく必要があるからです。
何を聞かれるのかがあらかじめわかっていれば、事前に備えることができます。一方で、何を聞かれるのかが不明瞭では、準備のしようがありませんからね。
ここでは、過去の面接試験で具体的に聞かれた質問をまとめています。自分なりの回答を練って対策をはじめましょう!
一類(一般方式)
- 会場までどのようにして来ましたか。
- 3分間で自己アピールをしてください。
- 特別区でどのような仕事をやりたいのか3分間でプレゼンしてください。
- 特別区を志望する理由はなぜですか。
⇒それは本当ですか。
⇒なぜその仕事をしたいのですか。
⇒きっかけはありますか。 - 東京都ではなく特別区を志望する理由は何ですか。
- アルバイトはしていますか。
⇒なぜそのアルバイトを選んだのですか。
⇒大変だったことはなんですか。
⇒学んだことを仕事にどう活かしますか。 - 部活動やサークルはやっていましたか。
⇒役職には就いていましたか。
⇒大変だったことはありますか。
⇒その経験を仕事にどう活かしますか。 - 周りからどのような人間だと思われていますか。
- 区民のニーズを把握するにはどうすればいいですか。
- 最後に意気込みを言ってください。
- 面接に自己評価してみてください。
これだけの過去問(質問)じゃ満足できない人は、他にも過去の質問をこちらの記事で集約しているので参考にしてください。
三類(高卒程度)
- 試験までにご飯は食べましたか。
- 会場までどうやって来ましたか。
- 3分間で自己PRをしてください。
- 希望する部署はありますか。
→希望する部署に入れなかったらどうしますか。 - 高校で一番頑張ったことは何ですか。
→アルバイトは学校が許可を出していましたか。
→アルバイトで何が大変でしたか。 - 公務員試験の勉強はいつからやっていましたか。
→学校の勉強と両立は上手くできましたか。 - 人間関係で苦労したことはありますか。
→友達と喧嘩した場合はどうやって解消しますか。 - 苦手な人はどんな人ですか。
→上司がその苦手な人だったらどうしますか。 - ストレスはどんな時に感じますか。
→どうやって発散していますか。
→それでも発散できないときはどうしますか。 - コロナの影響を感じることはありますか。
→特別区がコロナ対策としてやれることは何だと思いますか。 - 大学へ進学せず就職した理由は何ですか。
- →特別区に転職する理由は何ですか。
- 高校時代に一番つらかったことは何ですか。
→つらかった出来事は1人で解決したのですか。
→周りの人から援助をもらえない場合はどうしますか。 - 今後挑戦してみたいことはありますか。
- どんな特別区職員になりたいですか。
→そのために努力していることはありますか。
これだけの過去問(質問)じゃ満足できない人は、他にも過去の質問をこちらの記事で集約しているので参考にしてください。
以上が、特別区職員採用試験の面接でなされた過去問(質問)です。
まとめ|特別区職員採用試験の面接を甘く見ると落ちる
試験内容を考えれば、一番時間がかかるのは筆記試験なので優先して勉強することは正しいです。とはいえ、面接で一定の評価をもらえないと教養試験の得点が満点でも落ちるので、対策を後回しにすることはNG。
まずは面接試験で重要な資料「面接カード」の作成から始めましょう!面接カードを作成するときのポイントと書き方は以下の5点。
繰り返しになりますが、面接官はあなたが期待するほどには面接カードを読んでくれません。
だからこそ、少しでも長く文章を読んでもらえるように、わかりやすく内容が伝わるように工夫する必要があるのです。
また、面接試験の過去問を使いながら回答を練ることも忘れずにやってください。面接対策は筆記試験よりもやることが多く、上達するまでかなり時間が必要です。
できるだけ早めに手をつけて攻略していきましょう!
今回ご紹介させていただいたのはほんの一例ですが、ぜひ取り入れていただければ幸いです。