対策ガイド2024|航空管制官になるには?採用試験の内容と傾向

航空管制官採用試験内容

日々の学校や仕事で忙しい中、効率よく試験対策できるかどうかは、選考内容や傾向をどれだけ理解しているかが重要です。

今回は、航空管制官採用の試験内容を徹底解説します。

本記事を読めば「試験概要から最終合格するには何をすればいいかまで」網羅的に理解できますよ。

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航空管制官になるには

航空管制官になるには
国土交通省HPより

人事院が行う「航空管制官採用試験」に合格しなければいけません。

この採用試験に合格(採用)して、航空保安大学校で研修を終えれば航空管制官としてのキャリアが始まります。

航空管制官採用試験の概要

ここでは航空管制官採用試験の概要を紹介します。

※令和5年度の情報です。

  • 受験資格(年齢制限)
  • 試験地
  • 採用人数
  • 試験日程
  • 実施状況

受験資格(年齢制限)

1993年4月2日〜2022年4月1日までに生まれた人

※学歴条件はないため、高卒者でも受験できます。

試験地

一次試験と二次試験は、好きな都市を選んで受験できます。

一次試験地二次試験地
札幌市、岩沼市、東京都、新潟市、常滑市、泉佐野市、広島市、松山市、福岡市、宮崎市、那覇市札幌市、東京都、泉佐野市、福岡市、那覇市

三次試験(最終選考)は「泉佐野市」のみです。

えもと

試験地は出願時に指定します。その後の変更はできないので気をつけましょう!

採用予定人数

85人の採用を予定しています。

※採用予定数は2023年2月1日現在の見込みであり、今後変動する場合があります。

過去の採用数

202270
202135
202035
201995
2018120
2017120
2016120
201585
201475

試験日程

受付期間2023年3月1日(水)〜20日(月)
一次試験2023年6月4日(日)
一次試験
合格発表
2023年6月27日(火)
二次試験2023年7月5日(水)
二次試験
合格発表
2023年8月15日(火)
三次試験2023年8月24日(木)〜25日(金)
最終合格2023年10月2日(月)
えもと

同じ日に国税専門官や労働基準監督官なども試験を行っています!

実施状況

  • 令和4年度:4.4倍
  • 令和3年度:11.6倍
  • 令和2年度:10.3倍
  • 令和元年度:5.1倍
  • 平成30年度:4.3倍

受験者数や合格人数の詳細、試験別の実施状況は、「【2023年最新】航空管制官採用試験の倍率【一次〜三次別】」でまとめています。

航空管制官採用試験の内容

一次試験基礎能力試験$$\frac{2}{12}$$
適性試験$$\frac{2}{12}$$
外国語試験
(聞き取り)
$$\frac{1}{12}$$
外国語試験
(多肢選択式)
$$\frac{3}{12}$$
二次試験外国語面接$$\frac{1}{12}$$
人物試験$$\frac{3}{12}$$
三次試験適性試験合否判定のみ
身体検査
身体測定

筆記試験の他にも面接試験が行われます。

それぞれの傾向を解説するので参考にしてください。

基礎能力試験

試験時間140分
問題数40問
出題形式択一式
レベル大学卒業程度
出題科目15科目
配点比率$$\frac{2}{12}$$
令和5年度の試験情報

基礎能力試験とは、 計算力や読解力を測る『一般知能』と、今までに勉強してきた基礎学力を測る『一般知識』で構成される筆記試験のことです。

出題科目

分野科目
一般知能数的処理数的推理|判断推理|空間把握|資料解釈
文章理解現代文|英文
一般知識社会科学政治|経済|社会
人文科学日本史|世界史|地理
自然科学物理|化学|生物
2022年度の情報

このように中学~高校までに学んだ内容から多く出題されるので、”科目の多い大学入試共通テスト“だと僕は思っています。

共通テストとの大きな違いは、科目選択の有無です。

例えば共通テストであれば、社会なら日本史か世界史、理科なら物理か生物のように、受験に必要な科目を選択して試験を受けられます。しかし、基礎能力試験では全科目が必須です。

なので、社会なら日本史も世界史も、理科なら物理も生物もすべて勉強しないといけません。

また、社会時事(最近、日本や世界で起こった出来事)等に関する問題もあります。そのため、ニュースを見たり、新聞を読んだりして、普段の生活から情報収集をしておきましょう。

勉強方法や出題傾向は、「【攻略】航空管制官の勉強法!基礎能力試験の試験科目と出題傾向」で解説しています。ぜひ、参考にしてください。

適性試験Ⅰ

試験時間45分
問題数60問
出題形式択一式
配点比率$$\frac{2}{12}$$
令和5年度の試験情報

記憶力や空間把握力を測る筆記試験です。

問題例

まずは5分間で下記の図を記憶してください。

航空管制官(適性試験の問題)

※時間になると回収されます。

航空管制官(適性試験の問題)

難しい試験ではありませんが、試験時間に対する問題数が多いため速解力が求められます。

外国語試験(聞き取り)

試験時間40分
問題数10問
出題形式択一式
配点比率$$\frac{1}{12}$$
令和5年度の試験情報

英語のヒアリング試験です。

中学校や高校でやったリスニングテストだと思ってください。

えもと

合格者によると、レベルは「大学入試共通テスト〜英語検定準1級」とのことです。

外国語試験(多肢選択式)

試験時間120分
問題数30問
出題形式択一式
配点比率$$\frac{3}{12}$$
令和5年度の試験情報

外国語力を測る筆記試験で、次の3領域で構成されています。

  • 英文解釈(長文読解)
  • 和文英訳
  • 文法(空欄補充)

問題例

航空管制官(外国語試験の問題例)

最初の英文解釈に時間を取られると、時間切れになってしまいます。

そのため、文法→和文英訳→英文解釈という順番で解くといいでしょう。

試験レベルは大学入試共通テスト〜国大二次試験です。

人物試験

試験時間20分
人数1人
面接官3人
配点比率$$\frac{3}{12}$$

人物試験は、志望動機や自己アピールなどを問うことで、あなたが航空管制官として相応ふさわしいかどうかを評価・判断する面接試験です。

受験者の人柄や対人能力(コミュニケーション)をみるための試験で、個人面接により行われます。

配点比率は高く、人物試験でC評価(A~Eの5段階)以上ないと足切り(=不合格)なので注意してください。

二次試験合格者の決定方法

第1次試験合格者のうち、外国語試験(聞き取り)及び外国語試験(面接)において基準点以上であり、かつ、人物試験においてA~Cの評価である者について、基礎能力試験、適性試験Ⅰ部、外国語試験(多肢選択式)、外国語試験(聞き取り)、外国語試験(面接)及び人物試験の標準点を合計した得点に基づいて第2次試験合格者を決定します。

勉強時間の多くを基礎能力試験や外国語試験に充てるのは正しいですが、面接対策を後回しにしたため落ちてしまった人を何人もみてきました。

そんな不幸な結末を迎えないためには、筆記対策と並行して面接練習を行うことが重要です。自分らしさや航空管制官への熱意をアピールできるように準備していきましょう。

航空管制官採用試験でよくある質問FAQ

最後に、航空管制官採用試験でよく相談される質問に回答します。

過去問はどこで入手できますか?

過去の問題と解答はこちらでまとめています。

ボーダーラインは何点くらいですか?

だいたい6割程度です。そんなに高くありません。

詳しくは次の記事でまとめています。

航空管制官の試験内容を理解して対策しよう!

今回は、航空管制官採用試験の試験内容と傾向を解説しました。効率よく対策を始めるには試験内容の理解が重要なので、必ず把握してください。

再度、試験内容をまとめます。

一次試験基礎能力試験$$\frac{2}{12}$$
適性試験$$\frac{2}{12}$$
外国語試験
(聞き取り)
$$\frac{1}{12}$$
外国語試験
(多肢選択式)
$$\frac{3}{12}$$
二次試験外国語面接$$\frac{1}{12}$$
人物試験$$\frac{3}{12}$$
三次試験適性試験合否判定のみ
身体検査
身体測定

対策することは多いので、やみくもに進めるのではなく、傾向を把握してから始めましょう。

今回は以上です。

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