本記事は、海上保安”大学校“の受験者向けです。
- 海上保安学校は「海上保安学校の勉強法!基礎能力試験の科目と出題傾向を徹底解説」
- 海上保安官(大卒)は「海上保安官採用(大卒)の勉強法!基礎能力試験科目と出題傾向」
海上保安大学校採用試験の一次試験で実施される基礎能力試験。
試験科目・範囲が膨大なので、「何から勉強すればいいの?」と悩んでいる方はとても多いです。
本記事では、海上保安大学校学生採用試験の基礎能力試験に関する下記内容を解説します。
- 基礎能力試験の概要
- 基礎能力試験の科目と問題例
- 基礎能力試験の出題傾向
- 基礎能力試験の勉強法
「基礎能力試験はどんな科目・傾向なのか」「基礎能力試験の効率的な勉強方法が知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
試験の概要を知ることは、合格への第一歩。まずは、基礎能力試験がどんなものか、大まかにつかんでいきましょう。
※その他、海上保安大学校の試験情報は「【難易度】海上保安大学校の試験内容と傾向【2023年対策】」でまとめています。初めて受験する人は参考にしてください。
海上保安大学校 基礎能力試験の概要
海上保安大学校の基礎能力試験は、一次試験に実施される筆記試験の一つです。
試験概要は次のとおり。
試験時間 | 90分 |
問題数 | 40問 |
レベル | 高校卒業程度 |
出題形式 | 五肢択一式 |
解答方式 | マークシート |
基礎能力試験では、あなたの思考力や判断力を測る試験のため、速読・速答が求められれます。
試験時間と問題数を見てわかるように、1問にかけられる時間はわずか2分強。
マークシートへの記入や見直しの時間も考えると、テンポよく解答していくことが必要です。
実際に、時間が足りずに問題を解ききれない人は少なくありません。本番での時間配分を考えながら事前に過去問題集で練習しておくなど、十分な対策を取りましょう。
海上保安大学校 基礎能力試験の科目と問題例
基礎能力試験の科目は、計算力や読解力を測る『一般知能(数的処理、文章理解)』と、今までに勉強してきた基礎学力を測る『一般知識(社会、人文、自然科学)』で構成されています。
具体的な試験科目は次のとおり。
一般知能 | 数的処理 | 数的推理、判断推理、空間把握、資料解釈 |
---|---|---|
文章理解 | 現代文、英文、(古漢文) | |
一般知識 | 社会科学 | 政治、経済、社会、倫理 |
人文科学 | 日本史、世界史、地理、(国語)、(英語) | |
自然科学 | (数学)、物理、化学、生物、(地学) |
科目の特徴や問題例を紹介します。
数的処理
計算力や思考力、空間認識力などを測る分野で、以下の4科目で構成されています。
- 数的推理
- 判断推理
- 空間把握
- 資料解釈
数学的要素が強いため、苦手とする人が多いんですよね。僕自身も超苦手でした…。
とはいえ、出題数が一番多い分野なので苦手のままだと詰みます。
いきなり問題集で勉強するよりは、簡単な参考書で解法パターンを把握することが大事!多くの類似問題を解いて、速く正確に解けるようにしましょう。
問題例
こんな感じで計算が必要だったり、あれこれと思考したりする問題がたくさん出ています。
文章理解
日本語と英語で書かれた300字〜400字程度の文章を読み解く力を測る分野で、以下の3科目で構成されています。
- 現代文
- 英文
- 古文(本科のみ出題)
出題形式は、文章の主旨や要旨を問うものがよく出題されています。
時間をかければ正解できる問題は多いですが、1問あたり2分程度で解かないと時間切れになりやすいので注意が必要です。普段の勉強から時間を計ることが大事。
なお、出題数は多いので得点源にできると他科目の負担を減らせますよ。
問題例
文章理解はガッツリ勉強する科目ではないので、毎日1~2問をコンスタントにやっていきましょう。
社会科学
高校までの基礎学力(社会科目の知識力)を測る分野で、以下の4科目で構成されています。
- 政治
- 経済
- 社会
- 倫理(思想)
憲法や選挙制度、日本国内外の政治経済、そして社会時事(話題になっている近年の社会問題)などから出題があります。
問題例
日頃から新聞・ニュース等で取りあげられる政治、経済、社会問題にアンテナを貼っておけば解ける問題もあるので、きちんと情報収集をしましょう。
人文科学
高校までの基礎学力(歴史や語学の知識力)を測る分野で、以下の5科目で構成されています。
- 日本史
- 世界史
- 地理
- 国語
- 英語
科目から想像できるように、The 暗記科目です。1科目あたりの出題範囲が膨大なので、ポイントを絞りつつ要点を整理して覚えることが大切。
問題例
高校での選択科目を中心に勉強しましょう。
自然科学
高校までの基礎学力(数学や理科の知識力)を測る分野で、以下の5科目で構成されています。
- 数学
- 物理
- 化学
- 生物
- 地学
理系科目がメインなので、捨て科目にする人は多いです。
しかし理系科目といっても、生物や地学は暗記するだけで点が取れる分野もあります。そういった問題だけでも正解できるように勉強しましょう。
問題例
以上が、海上保安大学校の基礎能力試験科目です。
科目数はハンパないので、きちんと傾向を理解して勉強することが大事。
【過去問】海上保安大学校の入試問題と解答【使い方と目的も紹介】」でまとめています。
実際の過去問(問題と解答)は、「海上保安大学校 基礎能力試験の出題傾向
基礎能力試験の科目は多いですが、問題数は科目によって異なります。
次の科目別出題数一覧を参考にして、どの科目から手をつけるのか考えてみましょう。
数的推理 | 6 |
判断推理 | 5 |
空間把握 | 2 |
資料解釈 | 3 |
現代文 | 6 |
英文 | 5 |
古文 | – |
政治 | 2 |
経済 | 1 |
社会 | 3 |
倫理 | 1 |
日本史 | 1 |
世界史 | 1 |
地理 | 1 |
国語 | – |
英語 | – |
数学 | – |
物理 | 1 |
化学 | 1 |
生物 | 1 |
地学 | – |
※上記の科目別出題数は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。
まずは出題数の多い数的推理や判断推理から勉強を始めるといいでしょう。
なお、過去10年間の頻出分野を科目別にまとめた一覧を次の記事で公開しています。
上記の記事を読めば「どこから勉強すればいいの?」という悩みを即解決できるので、ぜひ参考にしてください。
海上保安大学校 基礎能力試験を効率よく勉強するポイント
基礎能力試験は高校までにきちんと勉強してきた人からすれば、それほど難しいわけではありません。しかし、試験科目・範囲が膨大なので、対策に多くの時間を取られてしまいます。
やみくもに勉強するのではなく、以下のポイントに注目して効率よく対策してみましょう。
優先順位をつける
科目数は多いですが、配点(問題数)はバラバラです。なので、適当に勉強を進めるのではなく、どの科目から勉強すれば点を伸ばしやすいか考える必要があります。
配点の低い科目に多くの時間を使っても総合点は上がらないため、どの科目から勉強するのかを優先順位をつけて決めましょう。
上記で紹介した科目別出題数一覧を参考に、まずは数的処理を優先的に勉強するといいでしょう。これらの科目だけで全体の約5割を占めています。
- 数的推理:6問
- 判断推理:5問
- 空間把握:2問
- 資料解釈:3問
合計:16問 / 40問中(40.0%)
ここで点が取れなければ6割に達することは難しいです。気合を入れて取り組みましょう。
出題数が少ない科目に時間をかけても総合点は上がりません。すべてを勉強して中途半端になるよりも、まずは出題数の多いかつ勉強できる科目を確実に正解することが大切です。
出題範囲を把握して勉強する
科目によって出題数に大きな違いがあるだけでなく、科目内においても頻出分野とそうでないものがあります。
たとえば、日本史は縄文時代から現代まで相当範囲が広いです。何となくイメージできますよね。
でも、次の出題傾向表を見ると、実際に試験に出ているのは明治時代以降だとわかるはず。
この表を見てわかるように江戸時代より前はまったく出ていないので、縄文時代から勉強しても時間と労力の無駄です。
また、日本史は1問しか出ないので捨ててもいいのですが、出題範囲が江戸以降とわかっているため、捨てずに勉強したほうがいいと僕は思います。
このような出題範囲を知る(過去問分析する)のは簡単ではありませんが、出ない分野をどれだけ勉強しても0点なので、メンドーですがやりましょう!
なお、過去10年間の頻出分野を科目別にまとめた一覧を次の記事で公開しています。手っ取り早く傾向が知りたい方は参考にしてください。
復習に重点をおく
また、勉強において重要なのは先に進むことよりもどれだけ復習をしたかということです。
復習するタイミングですが、僕は勉強した箇所は3日連続で見るというルールで覚えていきました。要するにその日に解いた問題は短いスパンで3回見るというものです。
1日目 | 問題1〜10をやる |
---|---|
2日目 | 問題1〜10を見直して、問題11〜20をやる |
3日目 | 問題1〜20を見直して、問題21〜30をやる… |
とくに重要なのが翌日の復習。
勉強した次の日に復習しないだけで一気に知識の定着が悪くなります。記憶の法則で有名なエビングハウスの忘却曲線でも人間の記憶力は翌日にガタ落ちすることが立証されていますからね。
最初のうちはけっこうシンドイですが、1カ月ほど続けてみれば結果が見えてくるので、反復練習を意識して勉強していきましょう。
海上保安大学校の基礎能力試験に関する質問FAQ
ここでは、お問い合わせフォームからよく寄せられる質問をまとめています。
過去問はどこで入手できますか?
次の「【過去問】海上保安大学校の入試問題と解答【使い方と目的も紹介】」で問題と解答をまとめているので、参考にしてください。
ボーダーラインは何割ですか?
基礎能力試験のボーダーラインは5割程度です。
試験科目が多く、合格点が8~9割なら無理ゲーですが、5割ぐらいなら出題傾向を理解して正しく勉強すれば十分に取れますよ。
オススメの参考書はありますか?
- オープンセサミ
- スーパー過去問ゼミ
この2冊をやれば十分です。
オープンセサミ(参考書)
公務員予備校東京アカデミーが監修している”初心者〜中級者向け“の参考書です。
情報量が豊富でこれ1冊を覚えるだけでかなりの点数が取れます。
しかし、無駄な情報もそれなりに含まれているので出題範囲を絞って使いましょう。
スーパー過去問ゼミ
実務教育出版が監修している”上級者向け”の参考書です。
要点が絞られており問題+解説という構成で勉強しやすい。
情報量はやや少なめなので、ある程度知識のある方や一通り勉強を終えた方には最適ですが、まったくの初心者がこれ1冊だけで試験に臨むのはリスクが高いかもです。
まとめ|出題傾向を理解して対策を始めよう!
今回は、海上保安大学校の基礎能力試験について、試験科目や傾向、効率的な勉強の進め方まで解説しました。
基礎能力試験の問題は、高校までにきちんと勉強してきた人からすれば、それほど難しいわけではありません。それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、試験科目が多いからです。
また、1科目あたりの範囲も広いので、出題傾向を理解してから勉強することが大切です。
出題のない分野に時間をかけても意味がありません。出題範囲を把握して、無駄な時間と労力を省き勉強しましょう。
まずは科目ごとの出題範囲を理解する。
そこから始めていきましょう!
過去10年間の頻出分野を科目別にまとめた一覧を次の記事で公開しています。