海上保安学校は、海や船に関する知識や技術を身につけることができる学校です。しかしその入学試験は厳しく、基礎能力試験はその中でも重要な試験の1つです。
そこで本記事では、海上保安学校学生採用試験の基礎能力試験の科目や出題傾向、勉強方法などを解説していきます。
- 基礎能力試験の概要(試験科目や合格点)
- 基礎能力試験の出題傾向を徹底解説
- 基礎能力試験の効率的な勉強方法
対象区分:特別(10月入校)、船舶、航空、情報、管制、海洋科学
※海上保安大学校(初任科・本科)を受験する人は海上保安大学校(初任科・本科)の基礎能力試験|科目と傾向を解説を参考にしてください。
海上保安学校を目指す方は、この記事を参考にして、基礎能力試験の攻略を目指してください。本記事で紹介する内容を理解して実践すれば、効率よく勉強ができるようになりますよ。
海上保安学校の出題傾向を科目別・分野別に分類したデータを作成しました。科目ごとにどの分野が良く出ている(出ていない)のか簡単に把握可能!無駄な時間や労力を消費せず、効率よく勉強を進めたい方にはオススメです。

【概要】海上保安学校の基礎能力試験とは?
基礎能力試験とは、計算力や読解力を測る『一般知能(数的処理、文章理解)』と、今までに習った基礎学力を測る『一般知識(社会・人文・自然科学)』で構成される筆記試験のことです。
試験の概要
試験時間 | 90分 |
問題数 | 40問 |
レベル | 高校卒業程度 |
出題形式 | 五肢択一式 |
解答方式 | マークシート |
試験科目
海上保安学校の基礎能力試験では、以下の5分野21科目から出題されます。各分野の内容は以下のとおりです。
分野 | 科目 |
---|---|
数的推理 | 数的推理、判断推理、空間把握、資料解釈 |
文章理解 | 現代文、英文、古漢文 |
社会科学 | 政治、経済、社会、倫理 |
人文科学 | 日本史、世界史、地理、国語、英語 |
自然科学 | 数学、物理、化学、生物、地学 |
このように、基礎能力試験にはさまざまな科目があり、幅広い知識が求められます。各科目の試験範囲も広いため、出題傾向を理解し、効率的に勉強することが大事です。
合格ライン
海上保安学校の基礎能力試験の合格ラインは4〜5割程度です。21科目もの量を勉強して、合格点が8~9割なら無理ゲーですが、5割ぐらいなら出題傾向を理解して正しく勉強すれば十分に取れますよ。
満点を目指して勉強ガチ勢になるのもいいですが、6割を安定してとれるような勉強をしてください。詳しい点数は【点数表あり】海上保安学校の合格ラインは何割?対策ポイントも解説でまとめているので、参考にしてください。
以上が、基礎能力試験の概要です。
高校・大学受験に比べると試験科目が倍増するので、科目の多さに手こずることがあります。これまでの受験勉強とは少し違った工夫が必要なので、次の章では対策方法を詳しく紹介しますね。
【対策】海上保安学校の基礎能力試験を効率よく勉強するポイント
海上保安学校の基礎能力試験は、高校までにきちんと勉強してきた人からすれば、それほど難しいわけではありません。しかし、試験科目は5分野21科目もあり、出題範囲も膨大なので、対策に多くの時間を取られてしまいます。
やみくもに勉強するのではなく、以下のポイントに注目して効率よく対策してみましょう。
優先順位をつける
まずは、科目別の問題数を確認し、どの科目にどの程度の時間を割くべきかを判断しましょう。
試験科目 | 出題数 (配点) |
---|---|
数的推理 | 4 |
判断推理 | 5 |
空間把握 | 2 |
資料解釈 | 2 |
現代文 | 4 |
英文 | 2 |
古文 | 1 |
政治 | 2 |
経済 | 2 |
社会 | 1 |
倫理 | 1 |
日本史 | 1 |
世界史 | 2 |
地理 | 2 |
国語 | 2 |
英語 | 2 |
数学 | 1 |
物理 | 1 |
化学 | 1 |
生物 | 1 |
地学 | 1 |
この表をみると、判断推理、数的推理、現代文などの科目は出題数が多いことがわかります。したがって、これらの科目から勉強を始め、その後、あなたの得意科目に時間を割くようにしましょう。
出題傾向に合わせて勉強する
公務員試験は受験する試験によって出題範囲が異なります。
例えば、数的推理では『速さ』が良く出ると言われていますが、海上保安学校の数的推理でも同様の傾向があるかどうかは、過去問を分析をしないと判断できません。
せっかく時間をかけて勉強したのに、その範囲がまったく出ていなかったら努力が水の泡です。そうならないためにも、出題傾向に合わせた勉強をしてください。
復習に重点をおく
また、勉強において重要なのは先に進むことよりもどれだけ復習をしたかということです。
復習するタイミングですが、僕は勉強した箇所は3日連続で見るというルールで覚えていきました。要するにその日に解いた問題は短いスパンで3回見るというものです。
1日目 | 問題1〜10をやる |
---|---|
2日目 | 問題1〜10を見直して、問題11〜20をやる |
3日目 | 問題1〜20を見直して、問題21〜30をやる… |
とくに重要なのが翌日の復習。
勉強した次の日に復習しないだけで一気に知識の定着が悪くなります。記憶の法則で有名なエビングハウスの忘却曲線でも人間の記憶力は翌日にガタ落ちすることが立証されていますからね。
最初のうちはけっこうシンドイですが、1カ月ほど続けてみれば結果が見えてくるので、反復練習を意識して勉強していきましょう。
【解決策】海上保安学校の基礎能力試験に関する質問FAQ
ここでは、お問い合わせフォームからよく寄せられる質問をまとめています。
5月試験(特別)と9月試験の傾向は同じですか?
問題レベルや出題数(科目別の問題数)は同じです。しかし、出題範囲は違います。なので、験する試験の出題範囲を理解してから勉強するようにしてください。
参考書・問題集や勉強のやり方は同じでOKです。
過去問はどこで入手できますか?
人事院に開示請求すれば入手できます。やりとりが面倒くさいって人は「海上保安学校採用試験問題集ーその傾向と対策」がオススメです。
手っ取り早く問題と解答・解説を見れるので1冊持っておくといいでしょう。また、過去10年分の出題傾向はこちらの「note」で公開しています。

オススメの参考書は?
東京アカデミーの「オープンセサミ」です。

試験範囲の多くを網羅している情報量の多い参考書ですが、使い方を誤ると勉強時間を無駄にしてしまうことがあります。
そこで、これらの参考書に合わせて過去10年分の出題範囲を科目別・分野別に分類した「note」を公開しています。このデータを活用することで、試験範囲を正確に理解し、勉強時間の効率化につなげることができますよ。ぜひ活用してください。
海上保安学校の基礎能力試験を徹底分析したデータ!
過去10年間の出題傾向を集約した「note」はこちら!
まとめ|海上保安学校の出題傾向を理解して対策を始めよう!
今回は、海上保安学校の基礎能力試験について、試験科目や傾向、効率的な勉強の進め方まで解説しました。
基礎能力試験の問題は、高校までにきちんと勉強してきた人からすれば、それほど難しいわけではありません。それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、試験科目が多いからです。
数的推理 | 数的推理、判断推理、空間把握、資料解釈 |
文章理解 | 現代文、英文、古漢文 |
社会科学 | 政治、経済、社会、倫理 |
人文科学 | 日本史、世界史、地理、国語、英語 |
自然科学 | 数学、物理、化学、生物、地学 |
1科目あたりの範囲も広いので、出題傾向を理解してから勉強することが大切です。出題のない分野に時間をかけても意味がありません。出題範囲を把握して、無駄な時間と労力を省き勉強しましょう。
海上保安学校の基礎能力試験の出題傾向を科目別・分野別に分類したデータを作成しました。科目ごとにどの分野が良く出ている(出ていない)のか簡単に把握可能!無駄な時間や労力を消費せず、効率よく勉強を進めたい方にはオススメです。