本記事では、海上保安学校(特別=5月試験)の試験内容を徹底解説します。
日々の学校や仕事で忙しい中、効率よく試験対策できるかどうかは、志望先の試験内容をどれだけ理解しているかが重要です。
本記事を読めば、「試験内容はもちろん、傾向や最終合格するにはどう対策すればいいか」まで網羅的に理解できるので、ぜひ参考にしてください。
海上保安学校の難易度は下記記事で解説中!
海上保安学校(特別)の試験内容は?
海上保安学校(特別)は、一次選考と二次選考にわけて試験を行なっています。
一次選考試験の内容
海上保安学校(特別)の一次選考試験では、基礎能力試験(教養試験)、作文試験が行われます。
一次選考 | 基礎能力試験 | 海上保安官(公務員)として必要な基礎学力(一般知能・知識)に関する筆記試験。(択一式:90分 / 40問) |
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作文試験 | 与えられたテーマに基づき、自分の思いや考えを自由な形で表現する試験です。海上保安官として直面する様々な課題や、社会情勢に対する自分なりの見解や対策を述べることが求められます。(600字 / 50分) |
一次選考の合格者は、基礎能力試験の点数順に決定します。
- 作文は最終合否にのみ影響する。
二次選考試験の内容
海上保安学校(特別)の二次選考試験では、面接試験、体力試験、身体検査が行われます。
二次選考 | 面接試験 | 海上保安官としての対応力や人柄、コミュニケーション能力などに関する面接試験。過去の経験や将来ビジョンについて質問されます。(1人20分程度) |
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体力試験 | 海上保安官の職務を行う上で必要な基礎体力に関する検査 | |
身体検査 | 胸部疾患や血圧、身長体重等に関する検査 |
二次試験の合格者(最終結果)は、一次及び二次選考試験の結果を総合的に判定し、決定されます。
合格者の決定方法や合格点は下記記事で解説しています。
海上保安学校(特別)の基礎能力試験
基礎能力試験は、 計算力や読解力を測る『一般知能』と、今までに勉強してきた基礎学力を測る『一般知識』で構成される筆記試験です。
基礎能力試験の概要
試験時間 | 90分 |
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問題数 | 40問 |
レベル | 高校卒業程度 |
解答方法 | 択一式(マークシート) |
問題数40問に対して、試験時間は90分しかありません。
1問あたり2分半で解かないと時間に間に合わないので、各問題にかける時間をしっかりと配分することが重要です。
基礎能力試験の出題科目
計算力や読解力を問う「一般知能科目」と、中学から高校までに学んだ基礎的な学力を測る「一般知識科目」から出題されます。
一般知能 | 数的推理 | 数学的な知識や論理的思考能力を用いて問題を解く科目。数字や図形を用いた問題から規則性を見つけ出したり、数量関係を正確に推理したりする能力が求められます。 |
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判断推理 | 与えられた情報や条件から結論を導き出す科目。情報の整理や論理構成の正確性を判断し、複雑な状況や問題に対する推論力が求められます。 | |
空間把握 | 図形の形状や位置関係、空間内の動きや変換を理解し、視覚情報をもとに問題を解く能力を評価する科目。空間認識力や図形の理解が問われます。 | |
資料解釈 | グラフや表、図などの資料から重要な情報を読み取り、分析・解釈する科目です。統計データの理解や資料を基にした計算力が求められます。 | |
文章理解 | 300~400字の現代文や英文を読み、趣旨や内容に合致するものを選ぶ科目。読解力や速読力が求められる。 | |
一般知識 | 社会科学 | 中学〜高校で学んだ政治経済や倫理の理解力を測る科目。 |
人文科学 | 中学〜高校で学んだ地理歴史や国語の理解力を測る科目。 | |
自然科学 | 中学〜高校で学んだ数学、理科、情報の理解力を測る科目。 |
1科目あたりの出題範囲も広範にわたるため、出題傾向を把握し、効率よく勉強してください。
2024年度試験から情報科目が追加されます!
基礎能力試験対策のポイント
どの科目から手をつけるのか、どの分野は捨てていいのかなど、出題傾向(範囲)を理解し、効率よく勉強することが重要です。
たとえば、数的推理や判断推理は4~5問出ますが、数学や日本史は1問ずつしか出題されていません。
- 数的推理:4問
- 判断推理:5問
- 数学 :1問
- 日本史 :1問
- 本試験問題(2023年度)より作成
- 上記の科目別出題数は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。
どの分野(科目)の勉強に多くの時間を使うかは明白ですよね。
もちろん、本試験までに時間がたっぷりあるなら一通り勉強するのも良いでしょう。でも、出ない科目に時間をかけたり、頻出なのに後回しにしてしまったりするのは勿体ないと僕は思います。
どの科目から手をつけるのか、どの分野は捨てていいのかなど、出題傾向を理解し、効率よく勉強しましょう。
より詳しい傾向や対策はこちら。
海上保安学校(特別)の作文試験
作文試験は、与えられたテーマに基づき、自分の思いや考えを自由な形で表現する試験です。
船舶運航システム課程を対象に行われます。
作文試験の概要
作文試験は、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。
筆記試験では判断できない、論理的思考力や読解力、人間性などを総合的に測ることを目的としています。
試験時間 | 50分 |
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問題数 | 1題 |
文字数 | 600字以内 |
作文は点数化されず、合否判定のみですが、毎年、作文で評価がもらえずに不合格となる受験者は一定数いるので、早めに準備をしてください。
作文試験のテーマ
出題テーマは、近年のトレンドや自分自身の感性に関する内容が頻出です。
2023年度 | 学校生活において、あなたが感謝する人について |
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2022年度 | 事件・事故のない社会実現に向けて必要なこと |
2021年度 | AI(人工知能)について思うこと |
作文試験対策のポイント
文章の書き方を勉強したうえで、自己分析を深めましょう。
自分自身について深掘りができていないと、説得力のある内容が書けないからです。
また、定期的に作文を書き、学校の先生などに見せることも大切です。自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあるんですよね。
毎年、評価がもらえずに不合格となる受験者は多いので早めに準備をしてください。
より詳しい傾向や対策はこちら。
海上保安学校(特別)の体力検査
体力検査は、海上保安官として必要な、基礎的な体力が備わっているかどうかを判断する試験のことです。
体力検査の概要
- 上体起こし
-
ひざを曲げ、あおむきに寝た姿勢で、30秒間のうちに何回上体を起こすことができるかを検査します。
- 反復横跳び
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100cm間隔に引かれた3本のライン上で、20秒間のうちに何回サイドステップすることができるかを検査します。
- 鉄棒ぶら下がり
-
水平に設置された直径2.8cmの鉄棒を両手でにぎり、両足を床から離してぶら下がれるか検査します。
これらを行い、それぞれ基準を満たすかどうかを検査します。普段から鍛えていれば難度は低いと思います。
体力検査の基準回数
種目 | 男性 | 女性 |
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上体起こし | 21回以上 | 13回以上 |
反復横跳び | 44回以上 | 37回以上 |
鉄棒 | 10秒以上 | 10秒以上 |
基準に達しないものが一つでもある場合は、不合格となります。得意種目を伸ばすだけでなく、苦手種目を減らせるように頑張ってみてください。
体力検査のポイント
正しくやることが重要です。
正確なフォームで行わないとカウントされないので注意してください。
- 我流でやってもカウントしてもらえなかった。
- 腕立て伏せはかなり低い位置まで下げないとノーカン。
- 監視員によって評価が曖昧なところが気になる。
受験者たちからは、このような感想をいただいています。
しっかりルールを把握して対策しましょう。
なお、正しいフォームややり方は文部科学省の資料「新体力テスト実施要項」を参考にしてください。
海上保安学校(特別)の面接試験
面接試験は、志望動機や自己アピールなどを問うことで、あなたが海上保安官として相応しいかどうかを評価・判断する面接試験です。
面接試験の概要
実施形式 | 個人面接 |
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試験時間 | 20分程度 |
面接官 | 3人 |
面接カード | あり(二次試験日に提出) |
配点比率は低いですが、人物試験でC評価(A~Eの5段階)以上ないと足切り(=不合格)なので注意してください。
受験者の人柄や対人能力(コミュニケーション)をみるための試験で、個人面接により行われます。
面接試験の質問内容
- 自己PRをしてください。
- 今までに挑戦したことを1つ教えてください。
- 好きな学科は何ですか。
- 高校では、何か委員会に所属していましたか。
- 部活動は何をやっていましたか。
- 志望動機をいってください。
- 第一希望のコースとその選んだ理由を言ってください。
- 志望する管区とその理由を教えてください。
- 管区とコースではどちらを優先しますか。
- 試験に不合格だったらどうしますか。
「なぜ海上保安官になりたいのか」を深く突っ込まれるのも特徴。この質問に論理的に回答し、「海上保安学校に入学し、海上保安官にどうしてもなりたい!」という熱意をアピールすることがカギとなります。
また、面接官は現役の海上保安官や海上保安庁職員です。海上業務に精通している熟練者でもあるので、海上保安官の仕事内容だけでなく、海上保安庁の取り組みについてもHPをチェックし、アピールできるように準備しましょう。
過去の質問一覧はこちら。
面接試験対策のポイント
自己分析に時間をかけましょう。
なぜなら、近年の面接試験では、一つの回答に対し、より掘り下げて受験者の行動特性を把握する「コンピテンシー評価型」で行われるからです。
たとえば、「どのような状況でリーダーシップを発揮したことがありますか?」という質問に「学生時代に学級委員を務め、チームワークを駆使して成功に導いた経験があります」と回答しただけでは、まだあなたに海上保安官としての適性や素質があるかは判断できません。
そこで、「その取り組みで直面した具体的な課題は何でしたか?」とか「チーム内で意見の対立があった場合、どのように解決しましたか?」など、より理解を深めるために掘り下げた質問をして、正確に評価を行えるような情報を聞き出し、判断するのです。
しっかり自己分析ができていないと、深掘り質問に対応できません。過去に聞かれた質問に根拠を踏まえて回答できるよう、早め早めに準備を始めましょう。
より詳しい傾向や対策はこちら。
海上保安学校(特別)の内容まとめ
今回は、海上保安学校(特別)の試験内容を徹底解説しました。
再度、試験内容の確認です。
一次選考 | 基礎能力試験 | 海上保安官(公務員)として必要な基礎学力(一般知能・知識)に関する筆記試験。(択一式:90分 / 40問) |
---|---|---|
作文試験 | 与えられたテーマに基づき、自分の思いや考えを自由な形で表現する試験です。海上保安官として直面する様々な課題や、社会情勢に対する自分なりの見解や対策を述べることが求められます。(600字 / 50分) | |
二次試験 | 面接試験 | 海上保安官としての対応力や人柄、コミュニケーション能力などに関する面接試験。過去の経験や将来ビジョンについて質問されます。(1人20分程度) |
体力試験 | 海上保安官の職務を行う上で必要な基礎体力に関する検査 | |
身体検査 | 胸部疾患や血圧、身長体重等に関する検査 |
これらの試験を通じて、海上保安官として求められる資質や能力が総合的に評価されます。
試験内容は幅広いです。やれることからコツコツ始めていきましょう。本記事で解説したコツを意識しながら、効率よく対策できると良いですね。
以上、海上保安学校(特別)の内容についてでした。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!