本記事では、海上保安学校(特別)における面接試験を徹底解説します。
「面接試験の傾向や対策方法が知りたい」「質問内容(過去問)は?」「面接カードって何?」という方は、ぜひ参考にしてください。
その他の試験内容についても下記記事で解説しています。
海上保安学校(特別) 面接試験の質問内容(過去問)
海上保安学校(特別)の面接試験で聞かれた質問内容(過去問)を紹介します。
主な質問内容を抜粋し、まとめているので参考にしてください。
- 自己PRをしてください。
- 今までに挑戦したことを1つ教えてください。
- 好きな学科は何ですか。
- 高校では、何か委員会に所属していましたか。
- 部活動は何をやっていましたか。
- 志望動機をいってください。
- 第一希望のコースとその選んだ理由を言ってください。
- 志望する管区とその理由を教えてください。
- 管区とコースではどちらを優先しますか。
- 試験に不合格だったらどうしますか。
- 海上保安官の具体的な仕事内容を知っていますか。
- どのような仕事がしたいですか。
- 海上保安官のイメージを言ってください。
- 海上保安学校は厳しいですが、大丈夫ですか。
- 第十管区はどこにあるか知っていますか。
- 緊張していますか。
- 就職での面接は初めてですか。
- 合格通知に同封していた手引きはしっかり読みましたか。
- 海上保安庁のニュースで知っていることはありますか。
- 最近の関心事を教えてください。
- 最近気になるニュースとそれに対する意見を教えてください。
何を聞かれるのかがあらかじめわかっていれば、事前に備えることができます。一方で、何を聞かれるのかが不明瞭では、準備のしようがありませんからね。
なお、ここには掲載しきれなかった質問や模範回答例を次の記事でまとめています。たくさん練習したい方は、ぜひ参考にしてください。
海上保安学校(特別)の面接試験とは?
海上保安学校(特別)の面接試験とは、第二次選考で行われる人物面に関する試験のことです。
これまでに頑張ったことや海上保安学校への進学理由などを問うことで、あなたが将来の海上保安官として相応しいかどうかを評価・判断します。
面接試験の概要
実施形式 | 個人面接 |
---|---|
試験時間 | 30分程度 |
面接官 | 3人 |
面接カード | あり |
配点 | 1/4 |
形式は個人面接です。集団面接とは違い、受験者は自分一人だけなので緊張しやすい形式ですが、他の受験者がいないことから集中でき、自分をアピールしやすいという利点があります。
面接試験の流れ
- 面接カードの提出
- 控え室で待機
- 順番になったら、面接室の前で待機
- 入室→着席→面接
- 退室
控え室や、面接が終わった後も見られている可能性があるので油断しないようにしましょう。
また、面接の終盤は気が抜けがち。
終わった後に安心して挨拶や退室が雑にならないように、最後まで集中を切らさないでくださいね。
面接試験の評価基準
項目 | 着眼点 |
---|---|
積極性 | ・自ら課題解決に当たれるか。 ・必要な自己主張ができるか。 ・やる気を持って、物事に取り込めるか。 |
堅実生 | ・真面目で、中途半端なところはないか。 ・粘り強く物事を進めることができるか。 ・組織の一員として自覚を持って行動できるか。 |
判断力 | ・物事を的確に判断できる。 ・集中して物事に取り組める。 ・冷静に状況を判断できる。 |
表現力 | ・質問に対する応答は的確か,的外れなところはないか ・話している内容に一貫性があるか,矛盾しているところはないか ・話し方がわかりやすく簡潔か,要領を得ないところはないか |
態度 | ・まじめに応答しているか,質問をはぐらかすところはないか ・動作はきちんとしているか,だらしのないところはないか ・落ち着いており安定感があるか,動揺しやすいところはないか |
3人の面接官それぞれが項目ごとにa~eの5段階で評価を行い、最終的にA~Eの総合判定をつけます。
なお、面接試験の評価がD、E評価は足切りとなり即不合格なので注意しましょう。
【参考】最終合格者の決定方法
第1次試験合格者のうち、人物試験においてA~Cの評価であり、かつ、作文試験、身体検査、身体測定及び体力検査に合格した者について、基礎能力試験及び人物試験の標準点を合計した得点に基づいて最終合格者を決定します。
2024年度海上保安学校(特別)合格者の決定方法より
面接試験を軽視する人は多いですが、筆記試験が満点でも面接の評価が悪いと最終合格できません。筆記試験と違い面接試験は、どのような対策をすれば良いのかが分かりにくく、努力がそのまま結果に繋がらない不透明な試験です。
自己分析をしたり、志望動機を考えたり、想像の何倍もやることが多い試験なので試験日の2~3ヶ月前くらいから徐々に準備を始めましょう。
海上保安学校(特別)の面接カードとは?
面接カードとは、面接試験で使用される資料のことです。
氏名や学歴などの基本情報にくわえ、志望動機や自己PRなど、面接官が「受験者はどんな人物なのか?」を見極めるための役割があります。
面接カードの内容
- 個人情報
- 志望動機・受験動機
- 専攻分野・得意分野(学業や職務経験を通じたもの)
- 最近関心や興味を持った事柄(社会生活、時事問題、社会情勢)
- 印象深かったこれまでの体験(学校生活や職務、ボランティア活動、アルバイト)
- 自己PR(長所や人柄について)
- 趣味・特技
面接カードは、一次試験の合格発表後に人事院HPからダウンロードし、二次試験日に提出します。
面接カードの書き方
これ、とても重要です。
面接カードだけでなく、論作文でも、面接試験でも、これからの社会人生活でも…「結論」と「根拠」を分かりやすく明確に伝えるようにしましょう。
もっとも大切なのは『結論』なので、それが面接官に伝わらないとまったく意味がないですよね。また、その根拠をシンプルに説明できないと納得してもらえません。
だから結論を先に書く!
その根拠(の要約)も最初に説明しておく!
この2点を厳守するだけで、あなたの自己PRや志望動機は格段にレベルアップしますよ。
自己PRや志望動機がわかりにくい人は、一文が長い(無駄な表現が多い)です。
たとえば、次の文章を見比べてみると…。
私が海上保安官を志望した理由は、海の安全を守りたいと思ったことや昔から海上保安官に憧れていたこと、そしてこれまでの人生経験を存分に活かせると思ったからです。
私が海上保安官を志望した理由は、海の安全を守りたいと思ったからです。また、昔から海上保安官に憧れがあり、これまでの人生経験を存分に活かせると思ったからです。
内容は同じですが、文章Bの方が読みやすいですよね。
一文が長くなると途端に読みにくくなりますし、主述の関係もわかりにくく理解が難しくなります。また、ギッシリと一文を詰め込みすぎるのも読みにくくなる原因なので、余白を上手く使ってみてください。
少しでも面接官に伝わる自己PRや志望動機を書きたいのであれば、抽象的な表現を使わずに文章を書きましょう。
たとえば「社交性」とか「協調性」などです。そもそも社交性、協調性とは?ってなりますし、だいたい使い方を間違っているケースがほとんとです。
抽象的な表現を使うときは、かならず簡単な〝例″を添えるなどしてわかりやすくするように心がけてください。
繰り返しになりますが、面接官は面接カードの内容をもとに質問してきます。
「丁寧に書かれていない」「書いてある内容が意味不明」、そんな面接カードでは、面接試験が始まる前から不合格が決まったようなものです。
わざわざ自分を不利にする必要はないので、時間をかけて仕上げましょう。
海上保安学校(特別) 面接試験の対策方法
海上保安学校(特別)の面接対策を始めるときの手順を解説します。
定番の質問内容を把握する
まずは、面接試験で問われる定番質問を把握しましょう。
なぜなら、筆記試験のように面接試験にも傾向があるからです。
- 基本的な質問事項が多いのか
- 時事的な質問は聞かれるのか
- 専門的な(海上保安に特化した)質問はあるのか
このような傾向を把握しておけば、面接の準備を効率よく進めることができます。
たとえば、「自己PRをしてください」や「志望動機は何ですか?」のような一般的な質問が多ければ、書店に売っている参考書を読み込んで対策できます。
一方で、「数ある職業の中で海上保安官を志望する理由は?」や「成人年齢の引き上げについてどう思いますか?」といった質問が多ければどうでしょうか?
このような海上保安官に関連した質問や時事的な質問が多ければ、仕事内容や組織、社会情勢についても深く知っておく必要がありますよね。
無駄な時間を過ごさないためにも、よく出る定番質問に目を通し、傾向を押さえておきましょう。
模範回答を作り込む
続いて、定番質問をもとに回答を作成しましょう。
回答を作るときのポイントは、結論+理由(根拠)+具体例(体験談)のセットで考えること。
たとえば、「あなたの長所は何ですか」と聞かれたら何と回答しますか?
- 「リーダーシップが取れる」
- 「責任感がある」
- 「計画的に行動できる」
これくらいなら、少し考えれば回答できると思います。
では、なぜ「それが長所なのですか?」とか、「どんなときに長所を活かせましたか」と理由や経験を聞かれたどう回答しますか?
何も考えていなければ、スラスラ答えることはできないと思います。
しかし、面接官が一番聞きたいのは、ココ(理由や経験)なんですよね。自分の回答に対して論理的に答えられないと評価は上がらないのです。
ぜひ、時間をかけて自分自身をきちんと理解(自己分析)してください。
模範回答例は下記記事で紹介しています。
人に話す練習をする
ある程度、話す内容を考えたら第三者に聞いてもらいましょう。
自分で考えていることを分かりやすく伝えるのは難しいからです。
僕自身、毎年多くの自己PRや志望動機を見たり、聞いたりしますが、初っ端から理解できる内容はほとんどありません。せっかく面接カードに良い内容を書いているのに、自分の言葉で伝えられずに損している人を多く見てきました。
面接は、あなたの発言内容を聞いて第三者である面接官が客観的に評価します。なので、どんなにいいことを発言しても伝わらなければ意味がないのです。
恥ずかしがらずに自分の言葉でスラスラ喋れるまで練習してください。
模擬面接は最低2回受ける
最後は、模擬面接を受けて実践力を鍛えましょう。
- 本番特有の緊張感
- 回答に困る深掘りポイント
- 客観的な評価
このように1人で面接練習をしていては気が付かない部分がたくさん発見できるからです。
練習相手は友達や家族でもいいですが、できるだけ経験者(予備校やその道のプロ)にもみてもらってください。
まとめ:海上保安学校(特別)の面接試験
海上保安学校(特別)に受かるには、面接試験の攻略が必要不可欠です。
面接攻略には次のステップに沿って対策することがポイント。
早い段階から定番質問や回答を作り、自分の考えをわかりやすく話す(伝える)練習を繰り返すようにしましょう。
面接対策は筆記試験よりもやることが多く、上達するまでかなり時間が必要です。
できるだけ早めに手をつけて攻略していきましょう!
今回ご紹介させていただいたのはほんの一例ですが、ぜひ取り入れていただければ幸いです。
海上保安学校(特別)の定番質問や模範回答例は下記を参考にしてください。