作文対策を始めたものの、きちんと書けたはずなのに評価がまったく上がらない・・・なんで?と思っている人は多いのではないでしょうか。
それもそのはず!
作文には書き始めるまでの事前準備や評価を上げるための工夫が必要で、ただ必死になって文字を書いただけでは合格点をもらえる答案は作れないからです。
そこで本記事では、特別区職員三類採用試験の作文で不合格になってしまう理由や対策をいつから始めるべきかを詳しく解説していきます。
過去に問われたテーマもまとめているので参考にしてくださいね。この記事を参考にして、論作文で落ちないように準備をはじめましょう!
▼この記事を書いている人▼

公務員試験の指導を13年間やっています。新卒で大手専門予備校に就職→公務員課で5年間勤務、在職中に公務員試験を受験するも不合格→退職→公務員試験の勉強→国立大学法人、政令市、市役所に合格→現在、某大学の職員として8年目。 2018年6月からサイトを運営中。普段はカフェで珈琲飲んでます。
【高卒】特別区三類 作文試験の概要
作文試験とは、課題に対して文章を書かせることで、受験者の考え方や熱意といった人間性を総合的に判断しようとする記述式の試験です。
ただ単に文章を書くのではなく、 課題を正しく読み取り、自分の経験や体験を盛り込みつつ説明できるかなど、知識の総合的な応用力が問われます。
概要は以下のとおり。
実施 | 一次試験 |
試験時間 | 80分 |
文字数 | 600字~1000字 |
配点 | ※非公開 |
評価基準 | 【内容】 ・課題に適合しているか、長さは適当か ・中身のある作文か。幼稚すぎることはないか。 【表現】 ・わかりやすく、よくまとまっているか。 ・用語や表現は適切か。 【文字】 ・誤字やあて字が多すぎないか ・字体はていねいに読みやすく書かれているか。 |
※作文試験の配点について
受験者からの報告や開示データ、他県の採用試験から20%〜25%程度だと推測できます。
実際、教養試験の点数が低い方が合格していることからも作文の重要度は高いと言えるでしょう。


このように筆記試験の点数が低くても、作文の結果次第で合格できているんですよね。したがって、教養試験の勉強ばかりに時間を使うことはNGです。
よく作文試験=筆記試験と思っている受験者は多いですが、文章から人間性を探るという性質上、人物試験(面接)に近いと僕は思います。
勉強すればした分だけ成果が見える筆記試験とは違い、解答は添削者の力量次第で変わってくるため、なんとも厄介な試験といえるでしょう。苦手意識がある人は特に注意が必要です。
【高卒】特別区三類 作文試験で落ちる理由
「独学で作文対策は難しい」というのが僕の意見です。
なぜなら、知識のない人が適当に文章を書いても、
- テーマの読み取り
- 文章構成
- 原稿用紙の使い方
- 正しい語句、文法
- 誤字・脱字
といった部分を、きちんと書けているのかどうか判断できないからです。ここが判断できずに独学で突き進んだ結果、落ちてしまう人を何十人も見てきたんですよね…。
採点方法を知らない
論作文は2~3人の試験官が採点しています。試験官が独自の感覚で採点すると評価に偏よりが出てしまいます。それを防ぐためには、採点基準をそろえる必要がありますよね。
そこで採用されているのが「減点法」です。
実際に書いた答案から、
- 文字数が少ない(多い):マイナス10点…
- 論点からずれている:マイナス3点…
- 文章構成がでたらめ:マイナス5点…
- 漢字ミスがある:マイナス1点…
- 熟語の使い方が違う:マイナス2点…
といった感じで点数を引いていき総合点を決定するのです。
当然、作文を書いたところで独学では判断できませんよね…。
内容が大事だと思っている
ということは…、どんなに内容が良くても上記で示した観点が守られていないと点数は上がらないのです。つまり不合格。
僕自身、作文は内容が良ければ点数もいいだろう!って感じで勉強していました。でも、論旨からズレていたり、文法ミスがあったりして思ったように高評価をもらえなかったんですよね…。
模範解答を読み込んで書けるつもりになっている人は多いです。模範解答で知識をどれだけ頭に入れても、作文の基礎ができていないと意味がありません。
内容も大事ですが、論旨把握や文章構成がきちんとできているかを考えて書いた方がいいわけです。
書いたら書きっぱなし
作文で落ちる人ほど、書いたら書きっぱなしってことが多いんですよね…。
作文を書いて誰にも見せないというのは、問題を解いても答え合わせをしないのと同じことです。正解不正解がわからないまま対策を続けても成績は伸びないので、書いた答案は必ず添削してもらいましょう。
学生なら学校の先生、社会人なら予備校やオンライン添削サービスなど、方法はたくさんありますよ。
なお、オススメの添削サービスを以下の記事でまとめています。周りに頼れる人がない方は参考にしてみてください。
【高卒】特別区三類 作文対策は、いつから始めればいいか
結論をいえば、人によります。
「何を当たり前のことを言っているんだ!」と思うかもしれませんが、事実なので…。
というのも、あなたが文章を書くのが得意と思いこんでいるなら本番1カ月前でもよいかもしれませんし、まったく苦手ならもっと早くやるべきだからです。
書けるまでに最低3ヶ月は必要
作文で減点されないように書くには、
- 課題の把握力(読解力)
- 文章構成力
- 表現力
- 語彙力
- 漢字(日本語)の知識
などを身につける必要があります。
そしてこれらの力は短期間で身につくものではありません。
語彙力や漢字の知識くらいなら1ヶ月でも何とかなりますが、他の力を短期間で身につけるのは厳しいです。
作文の書き方を勉強する
↓
実際に書いてみる
↓
添削を受けて、弱点を知る
↓
何度か繰り返す(最低でも3回)
こういった順番で勉強することになるので、やはり最低でも3ヶ月は必要だと思って学習スケジュールを組んでみてください。
なお、オススメの参考書はよくわかる! 公務員試験(初級)のための論作文術です。よければ参考にしてください。

実力を確認してから始める
何度も言うように、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあります。
なので、とりあえず書いてみて評価を受けてから対策する時期の判断をしてみましょう。
書くテーマは後述している過去問を使えばOK。
添削は学校の先生や予備校にお願いしてみましょう。今はオンラインで論作文添削してくれるサービスも豊富なので、それを利用するのもありですね!
オススメの添削サービスを以下の記事でまとめています。周りに頼れる人がない方は参考にしてみてください。
作文対策は明確な解答がないため、独学では限界があります。そのことを踏まえて練習してください。

添削を受けてみて、ある程度書けていれば月に1~2枚ぐらい書く、まったくダメなら繰り返し書く。このように判断するといいですよ。
【高卒】特別区三類 作文試験の過去問テーマ
ここでは、特別区三類の本試験で出題された作文の課題を紹介します。
内容の確認をしたり、傾向をつかんだりしてみましょう!
2022年(令和4年度)
5年後になりたい自分とそれに向けて実行していくこと
2021年(令和3年度)
正確に仕事を進めるために必要なことについて
2020年(令和2年度)
私が地域に対してできること
2019年(令和元年度)
これからの公務員に求められる資質について
2018年(平成30年度)
住み続けたいまちづくりについて
なお、2018年以前の過去問は以下の記事で公開しています。たくさん練習したい方は確認してください。
まとめ:特別区採用三類の作文で落ちない方法=早めに対策する!
本記事は、特別区職員三類採用試験の作文試験で落ちてしまう理由と対策を始める時期を解説しました。
- 採点方法を知らない
- 内容が大事だと思っている
- 書いたら書きっぱなし
- 理想は本試験日の3ヶ月より前
- 実力を把握して時期を決める
作文は「何を書けばいいの?」と内容ばかりに気を取られる人は多いですが、内容が良くても合格できません。
それよりも、
- 課題をきちんと読み取る
- 文字数は9割以上書く
- 原稿用紙のルールを守る
といった部分に注視すべきですよ。
内容があまり良くなくても、文字数や表現、誤字脱字がなければ大きく減点されることはありません。
そこを意識して論作文対策を始めてみてくださいね。
当ブログでは、他にも特別区職員三類採用試験の攻略記事を書いています。ぜひ参考にしてください。

