対策ガイド2024|海上保安官採用試験(大卒程度)の内容と傾向

海上保安官の試験内容

今回は、海上保安官採用試験(大卒程度・大学校「初任科」)の試験内容を徹底解説します。

日々の学校や仕事で忙しい中、効率よく試験対策できるかどうかは、選考内容や傾向をどれだけ理解しているかが重要です。

本記事を読めば「試験概要から最終合格するには何をすればいいかまで」網羅的に理解できますよ。

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海上保安官採用試験(大卒程度)の概要

海上保安官採用試験(大卒程度)は、海上保安庁の「幹部」となる職員を養成するため、令和2年度から新設された試験です。

まずは試験概要(令和5年度)を紹介します。

  • 選考課程(コース)
  • 受験資格
  • 採用人数
  • 選考スケジュール
  • 実施状況

受験資格

1993年4月2日以降に生まれた者で、大学を卒業した者及び2024年3月までに卒業する者。

採用予定人数

30人

過去の採用予定人数

令和4年度30人
令和3年度30人
令和2年度30人

試験日程

課程初任科
一次試験日2023年6月4日(日)
二次試験日2023年7月11日(火)〜19日(水)

詳しい流れは、「2023年海上保安大学校の試験日はいつ?出願から合格発表日までの流れ」でまとめています。

実施状況

令和5年度令和4年度令和3年度
2.9倍4.6倍5.5倍

過去の倍率や受験人数等の詳細は、「【課程別】海上保安大学校の倍率【一次・二次の結果】」で詳しくまとめています。

海上保安官採用試験(大卒程度)の内容

一次試験基礎能力試験
課題論文
二次試験体力検査
身体検査
口述試験
令和5年度の試験情報

筆記試験の他にも体力検査や面接試験などが行われます。

それぞれの傾向を解説するので参考にしてください。

基礎能力試験

試験時間140分
問題数40問
出題形式択一式
レベル大卒
試験科目15科目
配点比率3/6

基礎能力試験とは、 計算力や読解力を測る『一般知能』と、今までに勉強してきた基礎学力を測る『一般知識』で構成される筆記試験のことです。

本科は高卒レベル、初任科は大卒レベルの問題を解きます。

出題科目

分野科目
一般知能数的処理数的推理|判断推理|空間把握|資料解釈
文章理解現代文|英文|古文
一般知識社会科学政治|経済|社会
人文科学日本史|世界史|地理
自然科学物理|化学|生物
2022年度の情報

また、社会時事(最近、日本や世界で起こった出来事)等に関する問題もあります。そのため、ニュースを見たり、新聞を読んだりして、普段の生活から情報収集をしておきましょう。

具体的な出題傾向や勉強方法は、「海上保安官採用(大卒)の勉強法!基礎能力試験科目と出題傾向」で解説しています。ぜひ、参考にしてください。

課題論文 

試験時間180分
問題数2題
文字数1500字
配点比率2/6
2023年度の情報

作文試験(課題論文)は、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。

筆記試験では判断できない、論理的思考力や読解力、人間性などを総合的に測ることを目的としています。

課題論文は、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあります。

勉強すればしただけ成果が見える筆記試験とは違い、客観的な評価(添削してもらうこと)でしか習熟度がわからないため、なんとも厄介な試験といえるでしょう。

毎年、課題論文で評価がもらえずに不合格となる受験者は一定数いるので、早めに準備をしてください。

傾向やテーマは、「海上保安官採用試験の課題論文とは?傾向やテーマ、対策方法を解説」でまとめています。

人物試験(面接)

受験者の人柄や対人能力(コミュニケーション)をみるための試験で、個人面接により行われます。

試験時間15分
人数1人
面接官3人
配点比率1/6

人物試験は、志望動機や自己アピールなどを問うことで、あなたが海上保安官として相応ふさわしいかどうかを評価・判断する面接試験です。

受験者の人柄や対人能力(コミュニケーション)をみるための試験で、個人面接により行われます。

配点比率は低いですが、人物試験でC評価(A~Eの5段階)以上ないと足切り(=不合格)なので注意してください。

最終合格者の決定方法

第1次試験合格者のうち、(作文試験)、身体検査、身体測定及び体力検査に合格し、かつ人物試験においてA~Cの評価である者について、第1次試験を含む全ての試験種目の標準点を合計した得点に基づいて最終合格者を決定します。

勉強時間の多くを基礎能力試験や学科試験に充てるのは正しいですが、面接対策を後回しにしたため落ちてしまった人を何人もみてきました。

そんな不幸な結末を迎えないためには、筆記対策と並行して面接練習を行うことが重要です。自分らしさや海上保安官への熱意をアピールできるように準備していきましょう。

面接の過去質問や対策方法は、「海上保安大学校の面接で落ちる理由【過去質問や対策方法】」で詳しくまとめています。

体力検査

上体起こし

ひざを曲げ、あおむきに寝た姿勢で、30秒間のうちに何回上体を起こすことができるかを検査します。

反復横跳び

100cm間隔に引かれた3本のライン上で、20秒間のうちに何回サイドステップすることができるかを検査します。

鉄棒ぶら下がり

水平に設置された直径2.8cmの鉄棒を両手でにぎり、両足を床から離してぶら下がれるか検査します。

これらを行い、それぞれ基準を満たすかどうかを検査します。

基準(回数)

種目男性女性
上体起こし21回以上13回以上
反復横跳び44回以上37回以上
鉄棒10秒以上10秒以上

「体力検査は出来て当たり前」の部分が強いので、日頃からトレーニングをしておきましょう。

なお、基準に達しないものが一つでもある場合は、不合格となります。得意種目を伸ばすだけでなく、苦手種目を減らせるように頑張ってみてください。

えもと

どの種目も正しい方法で取り組まないと回数にカウントされないので、「新体力テスト実施要項(文部科学省)」に目を通して方法や基準を知ってくださいね。

海上保安官採用試験(大卒程度)でよくある質問FAQ

最後に、海上保安官採用試験(大卒程度)でよく相談される質問に回答します。

過去問はどこで入手できますか?

過去の問題と解答はこちらでまとめています。

ボーダーラインは何点くらいですか?

だいたい5割です。そんなに高くありません。

より詳しい点数はこちらでまとめているので、参考にしてください。

まとめ|海上保安官採用試験(大卒程度)合格に向けて対策を始めよう!

今回は、海上保安官採用試験(大卒程度)の試験内容と傾向を解説しました。効率よく対策を始めるには試験内容の理解が重要なので、必ず把握してください。

再度、試験内容をまとめます。

対策することは多いので、やみくもに進めるのではなく、傾向を把握してから始めましょう。

今回は以上です。

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