海上保安学校の基礎能力試験とは?試験科目と出題傾向を徹底解説!

海上保安学校の基礎能力試験対策

本記事では、海上保安学校学生採用試験(9月試験=4月入校)における基礎能力試験(教養試験)の出題傾向を徹底解説します。

「何から勉強すればいいの?」「効率よく勉強したい」という方は、ぜひ参考にしてください。

その他の試験内容についても下記記事で解説しています。

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海上保安学校学生採用試験の基礎能力試験とは?

基礎能力試験とは、一次選考試験で行われる筆記試験のことです。

海上保安官(公務員)として備えておくべき基礎学力(思考力や一般教養)を測る目的があります。

配点比率は異なりますが、すべての課程(コース)が同じ問題を解きます。

基礎能力試験の概要

試験時間90分
問題数40問
出題形式五肢択一式(マークシート)
レベル高校卒業程度
配点比率3/4
海上保安学校(船舶運航システム課程) 基礎能力試験の概要

基礎能力試験の出題科目

試験科目(出題科目)は、「一般知能(思考力や判断力を測る科目)」と「一般知識(高校までに習った基礎学力を測る科目)」で構成されます。

分野科目出題数
一般知能数的処理数的推理4
判断推理7
資料解釈2
文章理解現代文4
英文2
古文1
一般知識社会科学政治2
経済2
社会1
人文科学日本史1
世界史2
地理2
国語2
英語2
思想1
自然科学数学1
物理1
化学1
生物1
地学1
海上保安学校(全区分共通) 科目別出題内訳
  • 2023(令和5)年度本試験より作成
  • 2024(令和6)年度より情報科目が追加されます。
  • 上記の科目別出題数は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。

このように、基礎能力試験は科目の多さが特徴的です。

闇雲に勉強するのではなく、出題傾向を踏まえた対策が必要不可欠といえるでしょう。

海上保安学校学生採用試験 基礎能力試験の出題傾向

海上保安学校学生採用試験の基礎能力試験について、出題傾向を解説します。

数的推理

数的推理は、思考力や計算力を測る数的処理の1科目です。

出題数は4〜5問で、次の8分野から構成されています。

分野主な項目
方程式方程式、不等式、平均算・年齢算
割合比、混合算、仕事算、ニュートン算
速さ速さ、旅人算、流水算、時計算
確率場合の数、順列、確率
図形の計量多角形、円、空間計量
整数整数・約数・倍数、記数法
規則性数列、規則性
その他計算パズル、その他
公務員試験 数的推理の出題範囲一覧

このうち、もっとも出題率の高い分野は「確率分野」です。

とくに「確率」は、過去10年間で7回出ており、今後も出題される可能性が高いと言えます。

海上保安学校の出題傾向(数的推理)
海上保安学校の出題傾向(数的推理)

その他、方程式も頻出なので、併せて対策できるといいですね。

えもと

ワニ本で出題パターンを理解し、オープンセサミで問題演習を重ねるといいですね!

判断推理

判断推理は、判断力や瞬発力を測る数的処理の1科目です。

出題数は4〜5問で、次の12分野から構成されています。

分野主な項目
順序関係順序関係
対応関係二集合対応、多集合対応、組分け
集合ベン図、線分図
論理論理、三段論法、ド・モルガンの法則
位置関係直線、平面、空間、方向
試合試合数、トーナメント、リーグ戦
証言証言
暗号暗号問題
数量数量問題、貸し借り
日歴算日歴算
手順ルール、天秤
道順道順、順列
公務員試験 判断推理の出題範囲一覧

このうち、もっとも出題率の高い分野は「対応関係」です。

とくに「二重集合対応」は、過去10年間で7回(3年連続)出ており、今後も出題される可能性が高いと言えます。

海上保安学校の出題傾向(判断推理)
海上保安学校の出題傾向(判断推理)

その他、位置関係も同じくらい出ているので、併せて対策するといいですね。

えもと

ワニ本で出題パターンを理解し、オープンセサミで問題演習を重ねるといいですね!

空間把握

空間把握は、図形に関する空間認識力や特徴に関する数的処理の1科目です。

出題数は2〜3問で、次の9分野から構成されています。

分野主な項目
平面図形等積図、パズル
折り紙図形の折り方、折り紙
軌跡多角形の軌跡、円の軌跡
立体図形正多面体、立体構成
展開図正多面体の展開図、サイコロ
投影図形投影図、陰影
切断図形切断図、切断面の計算
回転移動回転体、回転と移動
経路最短経路、一筆書き
公務員試験 空間把握の出題範囲一覧

このうち、もっとも出題率の高い分野は「平面図形」です。過去10年間で8回(8問)出ているため、今後も狙われる可能性が高いと言えるでしょう。

海上保安学校の出題傾向(空間把握)
海上保安学校の出題傾向(空間把握)

その他、展開図もよく出ているので、併せて対策してください。

資料解釈

資料解釈は、グラフや表を読み取り、正しい設問を選ぶ数的処理の1科目です。

出題数は2問で、次の3項目から構成されています。

分野主な項目
数表表計算
グラフグラフ、データ
複合数表とグラフ
公務員試験 資料解釈の出題範囲一覧

どちらの分野からもよく出ていますが、比較すると数表の方がよく出ています

海上保安学校の出題傾向(資料解釈)
海上保安学校の出題傾向(資料解釈)

たまに、複合問題も出ているので、どちらにも対応できるように準備しましょう。

えもと

ワニ本で数表やグラフの読み取り方を理解し、速く解けるように演習を繰り返しましょう!

文章理解

文章理解は、300〜400字程度の現代文や英文を読み、趣旨や内容に合致するものを選ぶ科目です。

出題数は7問で、次の3項目から構成されています。

分野主な項目
現代文趣旨把握・内容一致、空欄補充、文章整序
英文趣旨把握・内容一致、空欄補充、文章整序
古文・漢文趣旨把握・内容一致、空欄補充、文章整序
公務員試験 文章理解の出題範囲一覧

このうち、もっとも出題率の高い分野は「1 要旨把握(現代文)」です。

10年連続で出ており、出題数も4問と多いため攻略不可欠と言えます。

海上保安学校の出題傾向(文章理解)
海上保安学校の出題傾向(文章理解)

古文・漢文は交互に出ています。2023年度は漢文だったので、2024年度は古文からの出題が濃厚です。

えもと

1日1〜2問解いて、文章に慣れることが大事です!

社会科学

社会科学は、中学〜高校で学んだ政治経済や社会時事の理解力を測る科目です。

出題数は5問で、次の3分野(科目)から構成されています。

分野主な項目
政治日本国憲法、統治機構、政治学、国際政治
経済市場経済、日本経済、国民経済、国際経済
社会労働問題、社会保障、人口問題、現代社会(時事)
倫理西洋思想、中国思想、日本思想
公務員試験 社会科学の出題範囲一覧

このうち、もっとも出題率の高い分野は「政治」です。とくに、統治機構に関する問題は過去10年間で7回(8問)出ていることから、今後も狙われる可能性が高いといえるでしょう。

海上保安学校の出題傾向(社会科学・政治分野)
海上保安学校の出題傾向(社会科学・政治分野)

その他、「社会(労働問題に関する問題)」も比較的出ているので、併せて対策するといいでしょう。

人文科学

人文科学は、中学〜高校で学んだ地理歴史や国語の理解力を測る科目です。

出題数は8問で、次の6分野(科目)から構成されています。

分野主な項目
日本史原始・古代、中世、近世、近・現代、通史
世界史西洋史、東洋史、現代史
地理地図、人類と環境、生活と産業、地誌
国語漢字、四字熟語、ことわざ、現代文法
英語文法、英単語
倫理西洋思想、中国思想、日本思想
公務員試験 人文科学の出題範囲一覧

このうち、もっとも出題率の高い分野は「国語」です。とくに、四字熟語に関する問題は過去10年間で7回で出ていることから、今後も狙われる可能性が高いといえるでしょう。

海上保安学校の出題傾向(人文科学・国語分野)
海上保安学校の出題傾向(人文科学・国語分野)

その他、地理(人類と環境に関する問題)も比較的出ているので、併せて対策するといいでしょう。

自然科学

自然科学は、中学〜高校で学んだ理科の理解力を測る科目です。

例年5問の出題ですが、2024年から情報(1問)が追加されます。

分野主な項目
数学数と式、二次関数・方程式、図形、三角比、数列、微分法
物理速度、力、熱、波動、電磁気
化学物質の構成、化学結合、化学反応式、金属元素、有機化合物
生物細胞、遺伝、恒常性、植物と動物、生命の集団
地学地球の構造、地殻の構成、大気の運動、太陽系と宇宙
情報情報知識、PC用語、プログラミング
公務員試験 自然科学の出題範囲一覧

このうち、もっとも出題率の高い分野は「数学」です。とくに、二次関数・二次方程式に関する問題は過去10年間で6回(6問)出ていることから、今後も狙われる可能性が高いといえるでしょう。

海上保安学校の出題傾向(自然科学・数学分野)
海上保安学校の出題傾向(自然科学・数学分野)

その他、地学(地殻の構成に関する問題)が比較的よく出ています。

より詳しい出題傾向は下記記事で解説しています。

海上保安学校学生採用試験 基礎能力試験でよくある質問FAQ

海上保安学校学生採用試験の基礎能力試験でよくある質問(FAQ)に回答します。

基礎能力試験でオススメの参考書・問題集は?

「オープンセサミ(通称:セサミ)」と「畑中敦子シリーズ(通称:ワニ本)」です。

公務員予備校東京アカデミーが監修している”初心者〜中級者向け“の参考書です。

情報量が豊富でこれ1冊を覚えるだけでかなりの点数が取れます。

しかし、無駄な情報もそれなりに含まれているので出題範囲を絞って使いましょう。

編集:東京アカデミー
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基礎能力試験の過去問は?

海上保安学校の過去問は人事院のHPで最新年度の問題が公開されています。

また、下記記事でも3年分の問題と解答をまとめているので、ぜひ活用してください。

過去問(問題・解答)はこちら。

基礎能力試験のボーダーラインは?

6割(24/40問)あれば十分合格できます。

ボーダーラインは年度によって変動するため一定ではありませんが、例年5割前後で推移しています。なので、最低5割を目安に6割〜7割取れるように準備してください。

より詳しいボーダーラインはこちら。

海上保安学校学生採用試験 基礎能力試験の勉強を始めよう!

海上保安学校学生採用試験の基礎能力試験は、高校までにきちんと勉強してきた人からすればそれほど難しいわけではありません。

それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、試験科目・範囲が膨大だからです。

事実、「科目が多くて何から勉強すればいいか分からない」という相談・お問合せが相当多いんですよね。

基礎能力試験を効率よく勉強するには、出題範囲の理解(=過去問分析)がとても重要です。必要な科目・分野に沿って勉強すれば、これまでよりずっとラクに合格点を超えるようになると僕は考えます。

合格点は6割程度です。そんなに高くありません。なので、闇雲に無駄な勉強をするのではなく、過去の出題傾向を軸に勉強してください。

まずは科目ごとの出題範囲を理解する。
そこから始めていきましょう!

以上、海上保安学校学生採用試験の基礎能力試験についてでした。

この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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