- 海上保安学校・大学校のボーダーライン(合格最低点)は何割取れれば合格できるの?
- 結論:6割取れれば安全圏、5割前後で合格している年もあるので、そこまで高得点は必要ない。
これから海上保安学校・大学校の受験勉強をはじめる上で、ボーダーライン(合格最低点)は多くの受験者にとって気になる指標ですよね。
とはいえ、具体的な数値までは、海上保安庁は提示してくれていないため、「何割ぐらい正答できれば受かるのか」がさっぱり見当もつかないはず。
そこで本記事では、過去のボーダーラインを課程ごとに解説していきます。合格点を超えるためのコツも紹介しているので参考にしてください。

試験ごとの合格率は「海上保安学校・大学校の倍率は低い?過去の推移を課程・試験別に解説」で確認できます!
過去の傾向が丸わかり!
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【前提知識】海上保安学校 合格者の決定方法
海上保安学校の合格者は、各試験種目の成績を総合して決定されます。そのため、一つの試験に偏った対策をするのではなく、バランスよく行うことが重要です。
一次合格者の決定方法
一次試験の合格者は、基礎能力試験と学科試験(船舶運航システム課程を除く)の正解した問題数をもとに、下記の方法で標準点を算出し、その標準点の合計で決定します。
標準点の算出方法

具体的な数値を使って標準点を算出してみましょう。
- 素点:23点(40問中23問を正解)
- 平均点:21.349
- 標準偏差:5.722
- 配点比率:3/4
※2021年度海上保安学校学生採用試験(特別)のデータ
これらの数値を公式に当てはめて計算すると、この受験者の標準点は「407.5」となります。

1次試験合格最低点は387点だったので、この受験者は合格したことになります。

ちなみに素点が22点だった場合の標準点は387.8点なので、2021年度のボーダーは22問以上の正答でした。
二次合格者の決定方法
最終合格者は人物試験においてA~C評価であり、作文、身体検査、体力検査に合格した者を対象として、基礎能力試験及び人物試験の標準点を合計した得点に基づいて決定。

なお、試験ごとの基準点があります(筆記3割、面接C以下)。一つでも基準点に達していないと総合点を超えていても不合格(=足切り)となります。
海上保安学校の合格最低点(ボーダーライン)
「【対策法あり】海上保安学校学生の難易度は低いけど対策は難しい理由」でも解説していますが、一次試験の合格最低点(ボーダーライン)は低いです。
合格最低点は、平均点や標準偏差を基準に算出するため一定ではありませんが、だいたい4割〜5割あれば合格できています。
2019年から2021年までのボーダーラインを課程ごとにまとめたので、確認してみましょう!

ここで紹介する問題数以上を正答できれば、標準点に換算した合格ラインを超えることになります。
2019年(令和元年度)
区分 | 基礎能力 | 学科試験 |
---|---|---|
船舶運航システム課程(特別) | 19 | – |
船舶運航システム課程 | 17 | – |
情報課程 | 12 | 8 |
管制課程 | 12 | 10 |
海洋科学 | 16 | 16 |
2020年(令和2年度)
区分 | 基礎能力 | 学科試験 |
---|---|---|
船舶運航システム課程(特別) | 22 | – |
船舶運航システム課程 | 21 | – |
情報課程 | 12 | 10 |
管制課程 | 12 | 10 |
海洋科学 | 15 | 15 |
2021年(令和3年度)
区分 | 基礎能力 | 学科試験 |
---|---|---|
船舶運航システム課程(特別) | 22 | – |
船舶運航システム課程 | 18 | – |
情報課程 | 12 | 8 |
管制課程 | 12 | 8 |
海洋科学 | 14 | 14 |
年によって変動はありますが、船舶運行システムは5割、それ以外は基準点を超えていれば合格できていますね。自分の点数を上げるには一般知能の攻略がポイントになるので、優先して勉強するようにしましょう。
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海上保安学校の合格最低点(ボーダー)を超えるコツ
海上保安学校の合格最低点(ボーダー)は高くないので、傾向を把握して効率的に勉強することが大切です。
効率よく勉強するには、次の2つを意識すること。
- 主要科目から勉強する
- 出題範囲を絞る
それぞれ解説していきます。
主要科目から勉強する
1つ目のポイントは、主要科目から勉強すること。
海上保安学校学生採用試験の主要科目は次の3つ。
- 数的推理
- 判断推理
- 文章理解
これらの科目は、必須解答であるうえに、問題数も多いため得点できないと合格点に達することは難しくなります逆に言えば、主要科目で点数が取れると勉強の負担を減らせるので、優先して勉強しましょう。
出題範囲を絞る
2つ目のポイントは、出題範囲を絞ること。というのも公務員試験は出題範囲が膨大なので、まともに勉強すると試験までに終えることができません。
たとえば、主要科目の一つである判断推理は22分野で構成されています。仮に1分野10時間を使って勉強すると220時間もかかる計算になりますよね。
過去問をしっかり分析して出題傾向を把握すれば、出題されている部分は全体の2~3割ぐらいまで絞ることができます。やることが多い試験なので傾向を把握して効率性を重視して勉強しましょう。
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高得点よりも合格点主義で勉強しよう!
本記事は海上保安学校学生採用試験の合格最低点(ボーダーライン)をまとめていました。
傾向を把握して効率よく勉強できれば合格点を超えることは余裕です。
配点は筆記試験が一番高いので、可能な限り高得点を目指して勉強していきましょう。
とはいえ、面接や専門論文をおろそかにしていると最終的に落ちてしまう可能性があるのでバランス良く取り組むことが大切です。