本記事は海上保安官になりたい方向けに、採用試験の内容をまとめています。
対象の採用試験は以下のとおり。
- 海上保安官採用試験
(大学校「初任科」) - 海上保安学校学生採用試験
- 海上保安大学校学生採用試験
試験と聞けばペーパテストを思い浮かべるかもですが、海上保安官の採用試験では他にも多くの試験が課されます。
ですので、きちんと試験内容・傾向を把握してから対策を始めましょう。
なお、「自分はどの試験を受ければいいんだろう…?」と迷っている方は以下の記事も併せて読んでみてくださいね。
海上保安官採用試験(学校・大学校含む)の内容は?
海上保安官採用試験(海上保安学校・大学校含む)は段階式で行われ、まず一次選考で受験者を篩にかけ人数を絞ります。その後、一次選考の合格者を対象に二次選考を行い最終合格者を決定するという流れです。
試験内容は以下のとおり。
試験種目 | 海保 | 海学 (特別) | 海学 | 海大 |
---|---|---|---|---|
基礎能力試験 (レベル) | 大卒程度 | 高卒程度 | 高卒程度 | 高卒程度 |
学科試験 | 船舶除く | |||
課題論文 | ||||
作文試験 | ||||
口述試験 | ||||
身体検査 | ||||
身体測定 | ||||
体力検査 |
海上保安官採用試験(学校・大学校含む) 一次試験の内容
- 基礎能力試験
- 学科試験
- 課題論文
- 作文試験
それぞれ解説します。
基礎能力試験
一般知能と一般知識で構成される筆記試験です。
項目 | 海上保安官 | 海保学 | 海保大 |
---|---|---|---|
試験時間 | 140分 | 90分 | 90分 |
問題数 | 40問 | 40問 | 40問 |
出題形式 | 択一式 | 択一式 | 択一式 |
レベル | 大卒 | 高卒 | 高卒 |
試験科目 | 15科目 | 21科目 | 21科目 |
配点比率 | $$\frac{3}{6}$$ | $$\frac{3(3)}{4(8)}$$ | $$\frac{2}{7}$$ |
高校までにきちんと勉強してきた人からすれば、それほど難しいわけではありません。それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、試験科目・範囲が膨大だからです。

高校・大学受験でも5~7科目くらいですからね…軽く3倍はあるのよ…。
ボーダーラインは5割〜5.5割なので高くありませんが、対策の大半を学習に充てなければなりません。あれもこれも手をつけているうちに時間だけが過ぎていき、準備不足のまま本番を迎えてしまわないようにしてください。
基礎能力試験の勉強方法を以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
学科試験
数学と英語についての筆記試験です。
項目 | 海保学 (情報、航空、管制) | 海保学 (海洋科学) | 海保大 |
---|---|---|---|
試験時間 | 120分 | 180分 | ①120分 ②80分 |
問題数 | 26問 | 39問 | ①26問 ②2〜6題 |
出題形式 | 択一式 | 択一式 | ①択一式 ②記述式 |
試験科目 | 数学 英語 (例題) | 数学 英語 物理 (例題) | 数学 英語 (①例題) (②例題) |
配点比率 | $$\frac{3}{8}$$ | $$\frac{3}{8}$$ | $$\frac{4}{7}$$ |
大学入試レベルの内容です。そのまま高校の授業が役立つので、先生に聞くなどして対策しましょう。
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課題論文・作文試験
文章による表現力、課題に対する理解力・判断力・思考力などについての記述式試験です。
項目 | 海上保安官 | 海保学 (船舶) | 海保大 |
---|---|---|---|
試験内容 | 課題論文 | 作文 | 作文 |
試験時間 | 180分 | 50分 | 50分 |
問題数 | 2題 | 1題 | 1題 |
配点比率 | $$\frac{2}{6}$$ | 合否のみ | 合否のみ |
テーマについて自分の経験を絡め書いていく必要があります。
何を書くのか構成を決めて書けるようにするには、ある程度の時間を必要とします。本番までには練習を重ねて、客観性や一貫性のある文章が書けるようにしておきたいところです。
詳しいテーマや対策方法を以下の記事で解説しています。参考にしてください。
海上保安官採用試験(学校・大学校含む) 二次試験の内容
- 人物試験
- 体力検査
それぞれ解説します。
人物試験
受験者の人柄や対人能力(コミュニケーション)をみるための試験で、個人面接により行われます。
項目 | 海上保安官 | 海保学 | 海保大 |
---|---|---|---|
試験時間 | 15分 | 15分 | 15分 |
人数 | 1人 | 1人 | 1人 |
面接官 | 3人 | 3人 | 3人 |
配点比率 | $$\frac{1}{6}$$ | $$\frac{1(2)}{4(8)}$$ | $$\frac{1}{7}$$ |
賢い(頭がいい)だけでは海上保安官になれません。『海上保安官になるための試験=就職試験』でもあるため、海上保安官としての身体・運動能力や人間性(コミュニケーション能力)も総合して評価されるのです。
配点だけをみれば一番高い基礎能力試験や学科試験に時間を使うべきです。しかし、どれだけ点数が高くても面接で一定の評価を得られないと合格できません。
面接試験で評価を得るには準備が必要です。長所短所を考えたり、志望動機を考えたり…と、かなり時間がかかりますよ。
使える時間は限られているので、以下の記事を参考にして早めに面接対策もやってくださいね。
体力検査
- 上体起こし
-
ひざを曲げ、あおむきに寝た姿勢で、30秒間のうちに何回上体を起こすことができるかを検査します。
- 反復横跳び
-
100cm間隔に引かれた3本のライン上で、20秒間のうちに何回サイドステップすることができるかを検査します。
- 鉄棒ぶら下がり
-
水平に設置された直径2.8cmの鉄棒を両手でにぎり、両足を床から離してぶら下がれるか検査します。
これらを行い、それぞれ基準を満たすかどうかを検査します。
基準は、次のとおりです。
種目 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
上体起こし | 21回以上 | 13回以上 |
反復横跳び | 44回以上 | 37回以上 |
鉄棒 | 10秒以上 | 10秒以上 |
「体力検査は出来て当たり前」の部分が強いので、日頃からトレーニングをしておきましょう。
なお、基準に達しないものが一つでもある場合は、不合格となります。得意種目を伸ばすだけでなく、苦手種目を減らせるように頑張ってみてください。



どの種目も正しい方法で取り組まないと回数にカウントされないので、「新体力テスト実施要項(文部科学省)」に目を通して方法や基準を知ってくださいね。
海上保安官の試験内容まとめ
今回は海上保安官採用試験(海上保安学校・大学校含む)の内容を紹介しました。
試験=ペーパーテストと思う人は多いですが、海上保安官になるための就職試験です。なので、面接や論作文などの幅広い試験が課されています。
再度、試験内容を確認すると、
試験種目 | 海保 | 海学 (特別) | 海学 | 海大 |
---|---|---|---|---|
基礎能力試験 (レベル) | 大卒程度 | 高卒程度 | 高卒程度 | 高卒程度 |
学科試験 | 船舶除く | |||
課題論文 | ||||
作文試験 | ||||
口述試験 | ||||
身体検査 | ||||
身体測定 | ||||
体力検査 |
このとおり多いです。
やみくもに対策するのではなく、きちんと傾向を理解してから進めてください。
当ブログでは海上保安官採用試験の情報を公開していますので、ぜひ活用していただければと思います。