国立大学職員の勉強は何から?ボーダーラインと対策方法を徹底解説

国立大学法人等職員採用試験の勉強方法

悩んでいる人
悩んでいる人

国立大学法人等職員採用試験の教養試験はどうやって勉強すればいいんですか?何からやればいいのか教えてほしいです。

そんな悩みを解決します。

本記事は、これから国立大学法人等職員採用試験の勉強をはじめる方向けに、教養試験の勉強方法を解説しています。

本記事の内容

  • 教養試験の概要(試験科目や合格基準)
  • 教養試験の勉強は過去問分析から始める理由
  • 教養試験の勉強方法

どんな勉強でもそうですが、どれだけ時間をかけて努力したとしても、それが間違った方法であれば意味がありません。

とくに公務員試験は未知な部分が多いので、はじめて受験する方であればこそ、正しい勉強方法を知り、効率よく勉強していくことが大切です。

そこで今回は、勉強をはじめるうえで重要なポイントや実際に僕がやってみて有効だった勉強方法を紹介します。初心者の方でもわかるように丁寧に解説しているので参考にしてみてくださいね。

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【前提知識】国立大学法人等職員採用試験 教養試験の概要

教養試験の問題には、大きくわけて「一般知能」、「一般知識」という2分野があります。

試験科目を知ることは、勉強への第一歩。まずは、それぞれの問題がどんなものか、大まかにつかんでいきましょう。

試験科目は一般知能と一般知識の2分野

分野科目問題数
一般知能数的処理数的推理④|判断推理④|空間把握④|資料解釈①13問
文章理解現代文③|英文④7問
一般知識社会科学政治②|経済②|社会・時事②6問
人文科学日本史②|世界史②|地理②|国語①7問
自然科学数学①|物理①|化学②|生物②|地学①7問
出典:令和3年度本試験より作成

すべての地区が同じ問題を同じ日に解きます。問題数は表のとおりですが、今後予告なく新傾向の出題になる可能性もあるため、変更に対応できるような心構えは持っておいたほうがいいでしょう。

えもと
えもと

問題レベルは「大学卒業程度」。国家一般職や地方上級(県庁や政令市)と同じです。

一般知能の特徴

一般知能分野では、文章を理解したうえで判断する読解力や、課題を解決する計算力が問われます。時間をかけて考えれば解ける問題もありますが、試験時間は短いため、スピーディーに解いていく力が必要です。

一般知識の特徴

一般知識分野では、科目によって出題数に大きな違いがあるだけでなく、科目の中でも出題されやすい単元とそうでないものがあります。高校までに学んだ内容ばかりなので、得意・不得意があるかもしれませんが、闇雲に手を出すのではなく出題傾向を見極めて効率的に勉強を進めましょう。

短い試験時間に注意

試験時間は120分です。

解答数は40問なので、単純計算すると1問にかけられる時間はわずか3分ほど。

マークシートへの記入や見直しの時間も考えると、テンポよく解答していくことが必要になってきます。普段の勉強から時間配分を意識しておくなど、十分な対策をとっておくことが必要です。

江本
江本

僕は最初に一般知識を1問1分かけずに片付けて、残った時間で一般知能をじっくり考えるという戦略をとっていましたよ!

合格基準(ボーダーライン)は6~7割が目標

一次試験をパスするためには、教養試験の点数が上位20~30%以内であることが必要です。

合格基準(ボーダーライン)は非公開であり、地域や問題レベルによっても変動するため確かなことは言えませんが、合格者からの情報提供や他サイトのデータから6~7割程度だと推測できます。ですので、高得点を目指して勉強するより、6〜7割を安定して取ることが大切で、くれぐれもオーバーワークにならないように気をつけてください。

江本
江本

ちなみに僕は自己採点で27/40問で最終合格まで行きました!7割なくても合格はできますよ。

注意すべきことは、二次試験が本番だということ。国立大学職員は筆記試験はそこそこ通して、二次試験でガッツリ落とします。というか、採用人数が少ないのでしょうがないんですけどね。

したがって、筆記試験の対策は大切ですが、それだけでは合格できないことを理解してバランスよく対策しましょう。

関連記事【受かりやすいのは?】国立大学職員採用試験の倍率推移を地域別に解説

国立大学法人等職員採用試験の勉強はまずこれから!絶対に優先すべきこと

教養試験の勉強を始めるにあたって、最初にすべきことは土台作りです。つまり、「過去問」の徹底的な理解です。

いきなり過去問を解けと言っているわけではありません。分析するのです。過去問分析がきちんとできていれば、どの科目から勉強すればいいのかわかるので、「何から勉強すればいいんだろう…。」と悩まなくてよくなります。

また、「どこから」勉強するのか知るうえでも過去問分析は大切です。たとえば、判断推理は以下のように22分野で構成されています。

項目分野
形式理論集合|論理(命題)
文章推理対応関係|順序関係|位置関係|試合|発言推理
数量条件数量関係|操作(ルール)
暗号規則暗号|規則性
平面図形平面構成|平面分割|移動回転|折り|位相経路|方位
空間図形立体構成|正多面体|展開図|投影図|切断
出典:スーパー過去問ゼミ(実務教育出版)より作成

このうち最も出題頻度が高いのは、「対応関係」で、過去6年間の出題率は100%です。切断図も過去5年間、直近は3年連続で出題がありました。

つまり、時間がないからといって過去問分析を避けていては、まったく出題のない箇所も勉強してしまう…という事態になりかねないのです。

出典:2016〜2021年本試験より作成

江本
江本

僕自身、経験ありなのですが、バカマジメに1ページ目から勉強してたんですよね……。集合なんてほとんど出てなかったのに(笑)

しかし、このようなデータは大手予備校や塾はほとんど公開していないのが現状です。だって、ここをやれば点が取れるって簡単にわかったら商売にならないですからね……。そもそも、出題傾向を理解するためには、その前提となる科目知識を正しく理解しておく必要があるため初心者には少しハードルが高いかもしれません。

最初は時間がかかるかもしれませんが、過去問と参考書を行き来しながら分析してみてください。この土台がきちんとできていないと無駄な努力を続けることになるかもしれません。対策することは他にもいっぱいあるので効率性を重視して勉強しましょう。

なお、下記記事では実際に過去問分析をしたデータを公開しています。正しい方法で勉強を始めたいと思う方は参考にしてみてください。

関連記事【過去問を徹底分析】国立大学職員合格のための「正しい」勉強法

国立大学法人等職員採用試験 教養試験の勉強法

試験科目や合格基準、出題傾向がわかったらいよいよ勉強をはじめていきます。

ここからは実際に僕もやってきた手法だったり、参考書だったりを紹介していくので参考にしてくださいね。

使える「過去問題集」を選ぶ

まずは勉強に必要なテキストを購入しましょう!教養試験の勉強は参考書ではなく、過去問題集を軸に勉強することをオススメします。

僕自身、最初は参考書をきちんと読み込み、問題集で実力確認することが勉強だと思っていました。しかし、なんとなく理解したつもりになって、問題集に挑戦したところ、まったく解けなかったんですよね。しかも、時間をかけて参考書を読み込んだはずなのに、まったく前に進めていないという状況に焦り、落ち込んでしまった経験があります。

そもそも参考書って文章ばかりなんですよね。こういった活字だけの本では、どこがどういう形式で問われるのかが見当つきません。しかも、参考書には問題の解き方が書かれているわけでもないし、試験には必要ない知識もかなり網羅されているので試験ではあまり役に立ちません。

そこで発想を逆転させて、「過去問題集から勉強し、知識を得てから必要な部分のみ参考書を読み込む」という方法で勉強するようにしました。「杓子しゃくしは耳掻きにならぬ」ということわざがあるように、過去問から得た知識だけで、正答を選ぶか、誤答に✕をつけることができ、点数を取れるようになりました。

ぶっちゃけ、知識を正確に覚えていなくても問題を見てなんとなく思い出せれば正解できますからね。出題形式は択一式(マークシート)なので、問題を解くために必要な知識だけあればいいと思って勉強することが大事。

悩んでいる人?
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いきなり過去問って、知識もないし解けないんじゃないの?

このように思った方もいるかもしれませんが、問題を解くことが勉強ではありません。解けない問題を解けるようにするために過去問を使うのです。

したがって、過去問の正しい使い方は、問題を読んだら自力で解かず、すぐに解答と解説を読みます。そして、正解を導くためにはどのような知識を知っていればよいのかをはっきりさせて、再度、問題にトライし、きちんと正解が得られるかどうかを確かめるというのが正解です。

なお、オススメの過去問題集は「スーパー過去問ゼミ」シリーズと「過去問ダイレクトナビ」シリーズです。一般知能はスーパー過去問ゼミで、一般知識はダイレクトナビという感じで使い分けしていました。

江本
江本

ダイレクトナビの方が解説が丁寧で詳しいので初心者~中級者向け、スーパー過去問は中上級向けって感じです!

「正文化」して覚える

続いて、購入した問題集の使い方を紹介します。

結論からいうと、「正文化」する方法が最も効果的でした。言葉として聞いたことがある方もいると思います。

簡単に言えば、間違いの選択肢を正しい文章に直して覚えるという手法。これの良いところは、試験に出る知識を、本試験と同じレベル・形式でインプットできることです。

言葉で言っても意味不明かもしれないので実例を見てイメージしてみましょう。

公務員試験 過去問題集の使い方
出典:過去問ダイレクトナビ 日本史(実務教育出版)

このように、選択肢ごとにどこがどう違っているのかを直して読んでいきます。漫然と参考書を読んでいるライバルたちに比べれば、これだけで勉強効率が数倍変わってくるでしょう。

選択肢について正答は言うまでもなく大切ですが、勉強において重要なのは誤答の方です。最近の傾向は正解をちょこっとひねって誤答にしてあるのですが、そこが受験者の間違えやすいポイントなのです。意識して押さえておくようにしましょう。

なお、科目ごとの攻略法は下記記事で解説しています。併せて確認してください。

関連記事【過去問を徹底分析】国立大学職員合格のための「正しい」勉強法

復習のタイミングが重要

また、勉強において重要なのは先に進むことよりもどれだけ復習をしたかということです。

僕の経験上、どれだけ勉強量を増やしても復習に時間をかけていないと覚えることはできません。僕も勉強時間の7割ぐらいを復習に充てていました。

たとえるなら、穴の開いたバケツで次々と水を汲むようなもの。そのままだと汲んだそばから水が漏れてしまいます。それよりも漏れをふさぐほうがはるかにいい結果になることは明白ですよね。

では、どのタイミングで復習するのがベストなのでしょうか。人にもよりますが、僕は勉強した箇所は3日連続で見るというルールで覚えていきました。要するにその日に解いた問題は短いスパンで3回見るというものです。

1日目問題1〜10をやる
2日目問題1〜10を見直して、問題11〜20をやる
3日目問題1〜20を見直して、問題21〜30をやる…

とくに重要なのが翌日の復習。これをしないだけで一気に知識の定着が悪くなります。記憶の法則で有名なエビングハウスの忘却曲線でも人間の記憶力は翌日にガタ落ちすることが立証されていますからね。

最初のうちはけっこうシンドイですが、1カ月ほど続けてみれば結果が見えてくるので、復習メインを意識して勉強していきましょう。

国立大学職員の勉強は独学でもやり方次第で十分可能

本記事は国立大学法人等職員採用試験の勉強法を解説していました。

国立大学職員志望者に指導するようになって思うのは、目的に対して的外れなことをしてしまっている人が相当多いということです。

解説してきたように、教養試験の試験科目は多いのであまりの量に、「結局どこからどう手をつけたらいいのかわからない」というのが現状です。その結果、得点源にすべき科目を捨てたり、逆にまったくでない科目や分野に時間をつかったりと、目的に対して的外れな勉強ばかりしてしまい落ちる受験者を多く見てきました……。

僕を含め公務員試験に合格している人の多くは、何か特別なことをして合格したわけではありません。僕らが合格するのに意識していたことは「普通」の方法です。

「そんな普通の方法だったら全員受かりますよね?」と鋭いツッコミをいれられるかもしれませんが、その「普通の方法」を知らない、または理解しようとしないから、多くの受験者が勉強に苦しんでいるのです。

独学でも大学職員に合格することは十分可能です。実際に多くの受験者は独学で勝利を勝ち取っています。

とはいえ、先ほども紹介したように試験科目や範囲は膨大です。やり方を間違えずに正しい道筋(出題傾向)を知り、それに沿って問題を解く。そうすれば、科目・範囲ともに膨大な教養試験の勉強は、これまでよりずっとラクに合格点を超えるようになると僕は考えます。

関連記事【過去問を徹底分析】国立大学職員合格のための「正しい」勉強法