警視庁の二次試験に行われる「口述(面接)試験」。
今までに面接を経験したことがある人は少ないため、不安を感じていたり、いつから練習を始めるべきなのか気になるのではないでしょうか。
今回は、警視庁警察官(一類、三類)の面接について以下の内容をまとめています。
- 面接試験の概要
- 面接カードの内容や書き方
- 面接試験の過去問(質問)
- 面接試験の対策方法
- 面接試験で落ちる人の特徴
「初めて警視庁警察官の面接を受ける人」、「これから面接対策を始める人」は特に参考にしてください。
早いうちに面接試験の概要や傾向をつかみ、面接試験を攻略できるように準備を始めましょう。
※その他、警視庁警察官の試験情報は「【大卒高卒】警視庁採用の難易度は高くないが難しい理由と対策方法」でまとめています。
警視庁採用 面接試験の概要
面接は、自己PRや志望動機を問うことで、あなたが警察官・社会人として相応しいかどうかを評価・判断する試験です。
面接試験の概要は次のとおり。
試験時間 | 30分〜40分 |
---|---|
面接官 | 3人 |
面接試験を軽視する人は多いですが、筆記試験が満点でも面接の評価が悪いと最終合格できません。
【最終合格者の決定方法】
募集要項より
試験の最終結果は、第1次及び第2次試験の結果を総合的に判定し、決定されます。
面接試験は筆記試験と違い、どのような対策をすれば良いのかが分かりにくく、努力がそのまま結果に繋がらない不透明な試験です。
自己分析をしたり、志望動機を考えたり、想像の何倍もやることが多い試験なので試験日の2~3ヶ月前くらいから徐々に準備を始めましょう。
警視庁採用 面接カードとは?
面接カードとは、面接試験で使用される資料のことです。
氏名や学歴などの基本情報にくわえ、志望動機や自己PRなど、面接官が「受験者はどんな人物なのか?」を見極めるための役割があります。
実際の試験では、提出する面接カードに基づいて過去の経歴や経験、志望動機や今後の抱負など幅広く聞かれているので、わかりやすくアピールできる内容を考えなくてはいけません。
二次試験日に作成・提出
警視庁の面接カードは、二次試験当日に試験会場で作成し、そのまま提出します。
記入時間は30分しかないため、あらかじめ書く内容を考えておく必要があります。
内容は自己PRや志望動機、違反歴など
面接カードの内容は、「面接でPRしたいこと」を中心に、職歴や過去の受験状況、併願、体調面などを記入します。
なかでも職歴や病歴などは期間を含めて明記する必要があるため、正確な年月を確認しておくことが重要です。
面接カードの内容は以下のとおり。
- 事故・違反・停学等の処分歴
- 学歴・表彰歴の有無と内容
- 職歴・アルバイト経験
- 資格
- 自動車運転免許の有無
- 高校・大学でのスポーツ歴
- ボランティア活動の有無
- 長所、自己PR
- ゼミ・研究室の活動内容
- 過去の受験歴
- 趣味・特技
- 希望する部署とその理由
- 読書の有無と読書量、その理由
- SNSの使用状況(アカウント名記入)
- 家族構成
出典:2022年度警視庁警察官Ⅰ類受験者報告より作成

記入する際は資料などを持ち込むことはできないようなので、あらかじめ書けるように練習しておきましょう。
面接カードの書き方
面接カードを作成するときの書き方は次のとおり。
- 自己分析
- 結論から先に書く
- 抽象的な表現は避ける
- 一文を長くしない
- 装飾を上手に使う
①自己分析
まずは、自分自身はどんな人間なのか、なぜ警視庁を志望するのか、といった自己分析をしましょう。
面接では、自己PRと志望動機を中心に問われるため、自己分析がきちんとできていないと面接官を納得させられないからです。
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これまでの人生で自己PRできるようなことをしてきてないよ…。
このように悩んでいる方もいるかもしれませんが、必ず、自分を見つめなおせば、「好きなこと」「熱中したこと」「やりたいこと」が見えてきます。
面接カードに書く内容は、自分が経験したことや考えていることを正直に書くものです。
しかし、0から1をつくってはいけませんが、1を100にふくらますことは許されます。
これはあくまで例ですが、とにかく警察官に向いている、素質がある人材だということをアピールしなきゃいけないので、自分の好きなこと・やりたいことに関する話1を100に盛って、警察官として活かせる能力を得られたというアピールを考えてみましょう。



僕自身、大学サークルは2年間しかやっていませんでしたが、4年間全うしたことにしましたよ…(苦笑)
②結論から書く
これ、とても重要です。
面接カードだけでなく、論作文でも、面接試験でも、これからの社会人生活でも…「結論」と「根拠」を分かりやすく明確に伝えるようにしましょう。
もっとも大切なのは『結論』なので、それが面接官に伝わらないとまったく意味がないですよね。また、その根拠をシンプルに説明できないと納得してもらえません。



回りくどい説明や、結論がどこに書いてあるか分からない面接カードは、ただただ迷惑でしかない!
だから結論を先に書く!
その根拠(の要約)も最初に説明しておく!
この2点を厳守するだけで、あなたの自己PRや志望動機は格段にレベルアップしますよ。
③抽象的な表現を多用しない
少しでも面接官に伝わる自己PRや志望動機を書きたいのであれば、抽象的な表現を使わずに文章を書きましょう。
たとえば「社交性」とか「協調性」などです。そもそも社交性、協調性とは?ってなりますし、だいたい使い方を間違っているケースがほとんとです。
抽象的な表現を使うときは、かならず簡単な〝例″を添えるなどしてわかりやすくするように心がけてください。



読みにくい文章の人って、やたら抽象的な表現を使いたがるんですよね…。
なので、文章を書くときには「小学生程度の子どもでもわかるように書く」ことを意識してみるといいでしょう。
小難しい文章を書くよりも、シンプルでわかりやすい文章のほうが面接官からしても評価は高いのです。
④一文を長くしない
自己PRや志望動機がわかりにくい人は、一文が長い(無駄な表現が多い)です。
たとえば、次の文章を見比べてみると…
私が警視庁を志望した理由は、東京都民の安全を守りたいと思ったことや昔から警察官に憧れていたこと、そしてこれまでの人生経験を存分に活かせると思ったからです。
私が警視庁を志望した理由は、東京都民の安全を守りたいと思ったからです。また、昔から警察官に憧れがあり、これまでの人生経験を存分に活かせると思ったからです。
内容は同じですが、文章Bの方が読みやすいですよね。
一文が長くなると途端に読みにくくなりますし、主述の関係もわかりにくく理解が難しくなります。また、ギッシリと一文を詰め込みすぎるのも読みにくくなる原因なので、余白を上手く使ってみてください。



接続詞「~ので」、「~だが」を使いすぎると長くなりやすいので注意!
⑤装飾をうまく活用する
基本的に面接官は短時間でササっと内容を確認しますし、1日に何十人もの面接カードに目を通すのでたくさんの文章なんて読みたくない!と思っていることを前提に書く必要があります。
実際、面接官はあなたが思っているほどには内容を読みこんでくれません。
だいたいの場合は冒頭や結末、強調箇所だけをひろって流し読みするだけです。これは実際に面接官役をやってみるとわかりますが、短時間で一言一句を読むことはできませんし、頭に入ってきません。
となれば、少しでも伝わるように書き方を工夫する必要がありますよね。
さっき説明したように結論を先に書いたり、抽象的な表現を避けたり、一文を短くしたり…という工夫もそのためです。
そのほかにも重要な部分を太字にしたり、『』【】で目立たせたり…という文字修飾も、面接官に少しでも内容を伝えるようにするために大切なのですね。



とはいえ、やりすぎは厳禁です!ゴチャゴチャしてよけいに読みにくくなるので…。
以上が、警視庁警察官採用試験の面接カードの書き方です。
警視庁採用 面接試験の過去問(質問内容)
ここでは、過去の面接試験で具体的に聞かれた質問をまとめています。
自分なりの回答を練って対策をはじめましょう!
一類(大卒)
※試験は第1回~第3回に分かれていますが、基本的に内容に違いはないです。
- 自己紹介をしてください。
- 志望動機を言ってください。
⇒なぜ警視庁を志望するのですか。
⇒警視庁のイメージを言ってください。 - 長所と短所を簡潔に言ってください。
- 趣味はありますか。
⇒どのくらいやっていますか。
⇒なぜ始めたのですか。 - 語学はどのくらいできますか。
⇒これから極めたい語学はありますか。 - 友人はどれくらいいますか。
⇒友人からどのように思われていると思いますか。
⇒親友の名前と漢字を教えてください。 - 警察官になることを誰かに相談しましたか。
⇒両親はなんと言っていますか。
⇒友人はなんと言っていますか。 - 新聞は読んでいますか。
⇒なぜ読んでいないのですか。
⇒社会的なニュースはどうやって集めていますか。 - 最近気になっているニュースはありますか。
⇒なぜそのニュースが気になるのですか。
⇒そのニュースについてどのくらい調べましたか。
何を聞かれるのかがあらかじめわかっていれば、事前に備えることができます。一方で、何を聞かれるのかが不明瞭では、準備のしようがありませんからね。
なお、ここには掲載しきれなかった質問や模範回答例を次の記事でまとめています。たくさん練習したい方は、ぜひ参考にしてください。


三類(高卒)
※試験は第2回~第3回に分かれていますが、基本的に内容に違いはないです。
- 昨夜はどこに宿泊しましたか。
- 志望動機を言ってください。
⇒なぜ警視庁の警察官を志望するのですか。 - 警察官になることを親はなんと言っていますか。
- 警察官の仕事内容をどれくらい知っていますか。
⇒希望部署はありますか。 - 学校では何を学んでいますか。
⇒得意教科はありますか。
⇒なぜ得意なのですか。 - 普段は読書をしますか。
⇒どんな本を読むのですか。
⇒おすすめの1冊を教えてください。 - 新聞はどのくらい読んでいますか。
⇒家で新聞は購読していないのですか。
⇒新聞は必要だと思いませんか。 - 最近、気になっているニュースはありますか。
⇒それはなぜですか。 - 部活動は何かやっていますか。
⇒部活動で苦労したことはありますか。
⇒部活動で何を学びましたか。 - 長所をエピソードつきで教えてください。
- 新しい総理大臣には誰が就任したか知っていますか。
- 警視庁に要望することはありますか。
何を聞かれるのかがあらかじめわかっていれば、事前に備えることができます。一方で、何を聞かれるのかが不明瞭では、準備のしようがありませんからね。
なお、ここには掲載しきれなかった質問や模範回答例を次の記事でまとめています。たくさん練習したい方は、ぜひ参考にしてください。


警視庁採用 面接試験の対策方法
面接試験の対策を始めるときの手順を解説します。
- 自己分析を進める
- 模擬面接で実践練習
自己分析に時間をかける
自分自身をきちんと理解(自己分析)しましょう。
なぜなら、自己分析が中途半端だと、面接官を納得させられる話をできないからです。
たとえば、「あなたの長所は何ですか」と聞かれたら何と回答しますか?
- 「リーダーシップが取れる」
- 「責任感がある」
- 「計画的に行動できる」
など、簡単に回答できると思います。
では、なぜ「それが長所なのですか?」とか、「どんなときに長所を活かせましたか」と聞かれたどう回答しますか。
何も考えていなければ、スラスラ答えることはできないと思います。
そして面接官が一番聞きたいのが、回答に詰まった部分なので、答えられない=評価は低い(不合格)ってことです。
多くの方は自分という人間について深く理解し、売り込む経験をしたことなんてないですよね。
なので、自己分析をきちんと行って話す内容を考えておかなければ、面接では絶対に上手くアピールすることはできないのです。
過去の質問内容などを使いながら、面接で話す内容(自己PRや志望動機)を作るところから始めていきましょう。
人に話す練習をする
ある程度、話す内容を考えたら第三者に聞いてもらいましょう。
自分で考えていることを分かりやすく伝えるのは難しいからです。
僕自身、毎年多くの自己PRや志望動機を見たり、聞いたりしますが、初っ端から理解できる内容はほとんどありません。
せっかく面接カードに良い内容を書いているのに、自分の言葉で伝えられずに損している人を多く見てきました。
面接は、あなたの発言内容を聞いて第三者である面接官が客観的に評価します。なので、どんなにいいことを発言しても伝わらなければ意味がないのです。
恥ずかしがらずに自分の言葉でスラスラ喋れるまで練習してください。
模擬面接を最低3回受ける
最後は、模擬面接を受けて実践力を鍛えましょう。
- 本番特有の緊張感
- 回答に困る深掘りポイント
- 客観的な評価
このように1人で面接練習をしていては気が付かない部分がたくさん発見できるからです。
練習相手は友達や家族でもいいですが、できるだけ経験者(予備校やその道のプロ)にもみてもらってください。
警視庁採用 面接試験で落ちる人の特徴
結論からいうと、面接で落ちる(落ちやすい)人は以下に当てはまる人です。
- 機械的な受け答えしかできない
- 印象が悪い(笑顔・元気・熱意)
- 警察官・社会人としての適性が感じられない
機械的な受け答えしかできない
簡単にいうと、聞かれたことしか答えない人のことです。
たとえば、「学生時代に頑張ったことはなんですか?」という質問。
この質問では、「学生時代に頑張ったことを通して、警察官としてどのような活躍・貢献ができるのか」という将来性を知りたいのですが…。
面接で落ちる人は「部活動です!」とか「アルバイトを頑張ったことです!」みたいな、一言だけで終わる人が圧倒的に多いんですよね。
別に頑張ったことはどうでもいいんですよ。大事なのは、その活動を通してどうなったのか、今後どうしていきたいのか、ってこと。
結論を述べたら、そこに至るまでの経緯や自分の考えも補足できるようにしてみましょう。
印象がよくない
面接となれば、
- なにかスゴイことを言わないといけない!
- 自慢できる体験がないとダメだ!
- 全国大会で優勝できるくらいの実績が必要!
みたいな、内容に拘わりがちですが、面接では話の内容よりも印象(雰囲気)が重要なんですよね。
もしあなたが面接官だったら、とても素晴らしい内容なのに、うつむきながらボソボソ話したり、カンペ通りに棒読みしたりする受験者がいたらどう感じますか?採用したいと思います?
僕なら、その受験者が高学歴でも、全国チャンピオンや難関資格をたくさん持っていても、そんな人を採用したいとは思いません。
それよりも、誇れるような経験はしていないけど、一生懸命に嚙みながらも大きな声で明るく、自分の言葉で話している人を採用したいですよね。
なので、面接で受かりたいなら話す内容に時間をかけるのではなく、どういう振る舞い、話し方をすれば受け入れてもらえるのか考えてください。
印象をよくするには?
結論、第三者に指摘してもらうことです。
自分が他人からどう見れれているかを知らないことには、印象が良い悪いの判断はできません。そもそも面接を評価するのは面接官です。あなたではなく、第三者なんですよね。
なので、どれだけ自分が上手に話せている、笑顔で印象がいいはずと感じていても意味がないのです。
最終的には第三者に「この人なら採用してもいい、良い人間だ」と思わせられるかどうかが重要なので、客観的な意見をもらうことが大事!
警察官(社会人)としての適性がない
- 挨拶がきちんとできない
- 正しい敬語が使えない
- 時間が守れない
このような行動は、警察官として、社会人としての適性に欠けます。とくに少し圧迫気味な質問をされて、すぐに不機嫌になったり、逆ギレしたりするのはNGです。
警察官・社会人として恥ずかしくない振る舞いをしてください。
当然、これらの不合格フラグは1人では判断できません。必ず第三者に協力してもらうことが面接で落ちないポイントと言えるでしょう。
警視庁採用 面接試験合格に向けて準備しよう
今回、解説した内容を理解して対策すれば、面接で最低評価をもらうことはなくなりますよ!
繰り返しになりますが、面接に受かる(落ちない)には、印象面をよくすることが重要です。もちろん話す内容も大切ですが、人間が人間を評価する試験なので、発言内容で面接官の感情が動くことは草々ありません。
面接対策は筆記試験よりもやることが多く、上達するまでかなり時間が必要です。
できるだけ早めに手をつけて攻略していきましょう!
今回ご紹介させていただいたのはほんの一例ですが、ぜひ取り入れていただければ幸いです。
まずは面接の過去問を使いながら話す内容を考えてみましょう。
大卒


高卒

