【海上保安学校(特別)】基礎能力試験の出題傾向と効果的な対策法

海上保安学校(特別)の基礎能力試験対策

本記事では、海上保安学校(特別)の基礎能力試験を徹底解説します。

「基礎能力試験はどんな科目・傾向なのか」「基礎能力試験の効率的な勉強方法が知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

試験の概要を知ることは、合格への第一歩。
まずは、基礎能力試験がどんなものか、大まかにつかんでいきましょう。

その他の試験内容についても下記記事で解説しています。

タップできる目次

海上保安学校(特別)の基礎能力試験とは?

基礎能力試験とは、海上保安学校(特別)の一次選考で行われる筆記試験のことです。

公務員として働くうえで必要な、基礎学力(思考力・判断力や一般教養)がどれくらい備わっているかを測る目的があります。

基礎能力試験の概要

試験時間90分
問題数40問
出題形式五肢択一式(マークシート)
レベル高校卒業程度
海上保安学校(特別) 基礎能力試験の概要

基礎能力試験の科目

基礎能力試験は、「一般知能(思考力や判断力を測る科目)」と「一般知識(高校までに習った基礎学力を測る科目)」で構成されます。

分野科目出題数
一般知能数的処理数的推理4
判断推理7
資料解釈2
文章理解現代文4
英文2
古文1
一般知識社会科学政治2
経済2
社会1
人文科学日本史1
世界史2
地理2
国語2
英語2
思想1
自然科学数学1
物理1
化学1
生物1
地学1
海上保安学校(特別) 科目別出題内訳
  • 2023(令和5)年度本試験より作成
  • 2024(令和6)年度より情報科目が追加されます。
  • 上記の科目別出題数は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。

このように、中学~高校までに学んだ内容から多く出題されるので、科目の多い大学入試共通テストと僕は思っています。

共通テストとの大きな違いは、科目選択の有無です。

たとえば共通テストであれば、社会なら日本史か世界史、理科なら物理か生物のように、受験に必要な科目を選択して試験を受けられます。しかし、基礎能力試験では、全科目から出題があるのです。

つまり、社会なら日本史も世界史も、理科なら物理も生物もすべて勉強しないといけません。闇雲に勉強するのではなく、出題傾向を踏まえた対策が必要不可欠といえるでしょう。

えもと

これまでの受験勉強とは少し違った工夫が必要なので、次に効率的な勉強方法を紹介しますね。

海上保安学校(特別) 基礎能力試験の出題傾向

海上保安学校(特別)の基礎能力試験について、出題傾向を解説します。

数的推理

数的推理は、思考力や計算力を測る科目です。例年、4〜5問の出題があります。

分野主な項目
方程式方程式、不等式、平均算・年齢算
割合比、混合算、仕事算、ニュートン算
速さ速さ、旅人算、流水算、時計算
確率場合の数、順列、確率
図形多角形、円、空間計量
整数整数・約数・倍数、記数法
規則性数列、規則性
その他計算パズル、その他
数的推理の出題範囲一覧

このうち、もっとも出題率の高い分野は「確率」です。過去10年間で9回(11問)出ているため、今後も狙われる可能性が高いと言えるでしょう。

海上保安学校(特別)の出題傾向・数的推理
海上保安学校(特別)の出題傾向・数的推理

その他、図形問題も頻出なので、併せて対策できるといいですね。

判断推理

判断推理は、判断力や瞬発力を測る科目です。例年、4〜5問の出題があります。

分野主な項目
順序関係順序関係
対応関係二集合対応、多集合対応、組分け
集合ベン図、線分図
論理論理、三段論法、ド・モルガンの法則
位置関係直線、平面、空間、方向
試合試合数、トーナメント、リーグ戦
証言証言
暗号暗号問題
数量数量問題、貸し借り
日歴算日歴算
手順ルール、天秤
道順道順、順列
判断推理の出題範囲一覧

このうち、もっとも出題率の高い分野は「位置関係」です。過去10年間で9回(9問)出ているため、今後も狙われる可能性が高いと言えるでしょう。

海上保安学校(特別)の出題傾向・判断推理
海上保安学校(特別)の出題傾向・判断推理

その他、対応関係も3年連続で出ているので、併せて対策するといいですね。

空間把握

空間把握は、空間認識力や図形の理解を測る科目です。例年、2問程度出ています。

分野主な項目
平面図形等積図、パズル
折り紙図形の折り方、折り紙
軌跡多角形の軌跡、円の軌跡
立体図形正多面体、立体構成
展開図正多面体の展開図、サイコロ
投影図形投影図、陰影
切断図形切断図、切断面の計算
回転移動回転体、回転と移動
経路最短経路、一筆書き
空間把握の出題範囲一覧

このうち、もっとも出題率の高い分野は「展開図」です。過去10年間で5回(5問)出ているため、今後も狙われる可能性が高いと言えるでしょう。

海上保安学校(特別)の出題傾向・空間把握
海上保安学校(特別)の出題傾向・空間把握

その他、立体図形もよく出ているので、併せて対策してください。

資料解釈

資料解釈は、グラフや表から条件に当てはまる設問を選ぶ科目です。例年、2問程度出ます。

分野主な項目
数表表計算
グラフグラフ、データ
複合数表とグラフ
資料解釈の出題範囲一覧

どちらの分野からも均等に出題があります

海上保安学校(特別)の出題傾向・資料解釈
海上保安学校(特別)の出題傾向・資料解釈

時間をかければ解ける問題が多いです。早く解けるように練習しましょう。

文章理解

文章理解は、300〜400字程度の文章を読んで趣旨把握や内容把握を行う科目です。例年7問出ています。

分野主な項目
現代文趣旨把握・内容一致、空欄補充、文章整序
英文趣旨把握・内容一致、空欄補充、文章整序
古文・漢文趣旨把握・内容一致、空欄補充、文章整序
文章理解の出題範囲一覧

現代文も英文も10年連続で出ているので、対策は必須です。とくに、現代文は趣旨把握・内容一致以外からも出題があるので、接続詞や助詞などの知識も必須。

海上保安学校(特別)の出題傾向・文章理解
海上保安学校(特別)の出題傾向・文章理解

古文・漢文は2年連続で出題がないので、今後は出ないかもしれません。

社会科学

中学校〜高校で学んだ基礎学力を測る科目です。例年6問ほど出ています。

分野主な項目
政治日本国憲法、統治機構、政治学、国際政治
経済市場経済、日本経済、国民経済、国際経済
社会労働問題、社会保障、人口問題、現代社会(時事)
社会科学の出題範囲一覧

このうち、もっとも出題率の高い分野は「政治」です。とくに、統治機構に関する問題は過去10年間で8回(8問)出ていることから、今後も狙われる可能性が高いといえるでしょう。

海上保安学校(特別)の出題傾向・社会科学
海上保安学校(特別)の出題傾向・社会科学

その他、経済は国民経済、社会は現代社会、倫理は西洋思想が頻出です。

人文科学

中学校〜高校で学んだ基礎学力を測る科目です。例年9問出ていましたが、2024年から8問に減ります。

分野主な項目
日本史原始・古代、中世、近世、近・現代、通史
世界史西洋史、東洋史、現代史
地理地図、人類と環境、生活と産業、地誌
国語漢字、四字熟語、ことわざ、現代文法
英語文法、英単語
思想西洋思想、中国思想、日本思想
人文科学の出題範囲一覧

このうち、もっとも出題率の高い分野は「国語」です。とくに、同音異義語に関する問題は9年連続で出ていることから、今後も狙われる可能性が高いといえるでしょう。

海上保安学校(特別)の出題傾向・人文科学
海上保安学校(特別)の出題傾向・人文科学

その他、日本史は近・現代、世界史は西洋史全般、地理は人類と地球、英語は文法がそれぞれ頻出です。

自然科学

中学校〜高校で学んだ基礎学力を測る科目です。例年5問の出題ですが、2024年から情報(1問)が追加されます。

分野主な項目
数学数と式、二次関数・方程式、図形、三角比、数列、微分法
物理速度、力、熱、波動、電磁気
化学物質の構成、化学結合、化学反応式、金属元素、有機化合物
生物細胞、遺伝、恒常性、植物と動物、生命の集団
地学地球の構造、地殻の構成、大気の運動、太陽系と宇宙
情報情報知識、PC用語、プログラミング
自然科学の出題範囲一覧

このうち、もっとも出題率の高い分野は「数学」です。とくに、二次関数・二次方程式に関する問題は過去10年間で6回(6問)出ていることから、今後も狙われる可能性が高いといえるでしょう。

海上保安学校(特別)の出題傾向・自然科学
海上保安学校(特別)の出題傾向・自然科学

その他、物理は電磁気、化学は金属元素、生物は恒常性、地学は大気の運動がそれぞれ頻出です。

より詳しい出題傾向は下記記事で解説しています。

【海上保安学校(特別)】基礎能力試験に関するFAQ

最後に、海上保安学校(特別)の基礎能力試験対策でよくある質問(FAQ)を紹介します。

オススメの参考書・問題集はありますか?

  • オープンセサミシリーズ(セサミ)
  • スーパー過去問ゼミ(スー過去)

この2冊がオススメです。

公務員予備校東京アカデミーが監修している”初心者〜中級者向け“の参考書です。

情報量が豊富でこれ1冊を覚えるだけでかなりの点数が取れます。

しかし、無駄な情報もそれなりに含まれているので出題範囲を絞って使いましょう。

編集:東京アカデミー
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過去問はどこで入手できますか?

人事院に行政文章開示請求をすることで入手できます。解説はありませんが、問題形式やレベルなどの把握には十分です。

また、次の記事でも一部の問題・解答をまとめているので、参考にしてください。

過去問(問題・解答)はこちら。

ボーダーラインは何割くらいですか?

6割(24/40問)あれば十分合格できます。

ボーダーラインは年度によって変動するため一定ではありませんが、例年5割前後で推移しています。なので、最低5割を目安に6割〜7割取れるように準備してください。

今回は以上です。

海上保安学校(特別) 基礎能力試験対策を効率よく始めよう!

海上保安学校(特別)の基礎能力試験は、高校までにきちんと勉強してきた人からすればそれほど難しいわけではありません。

それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、試験科目・範囲が膨大だからです。

事実、「科目が多くて何から勉強すればいいか分からない」という相談・お問合せが相当多いんですよね。

基礎能力試験を効率よく勉強するには、出題範囲の理解(=過去問分析)がとても重要です。必要な科目・分野に沿って勉強すれば、これまでよりずっとラクに合格点を超えるようになると僕は考えます。

合格点は5~6割程度です。そんなに高くありません。なので、闇雲に無駄な勉強をするのではなく、過去の出題傾向を軸に勉強してください。

まずは科目ごとの出題範囲を理解する。
そこから始めていきましょう!

以上、海上保安学校(特別)の基礎能力試験についてでした。

この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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