
横浜市役所の公務員試験は難しいの?
こんなお悩みを解決します。
本記事は「横浜市職員採用試験(大学卒業程度)」に関する記事です。
- 横浜市職員採用(大学卒業程度)とは
- 横浜市職員採用の難易度
- 横浜市職員採用の対策方法
最近は、横浜市役所の公務員を志望する人の相談がとても多くなっています。
大学を卒業したら横浜市職員になりたい人、民間企業に就職したけど横浜市で働きたい人から、とりあえず横浜市役所の採用試験を知りたい人までさまざまです。
結論からいうと「試験は簡単だけど対策は難しい」といえるでしょう。
合格するのに、めちゃくちゃ高レベルなスキルが求められることはなく、高校までに学んだ知識を活用し、コミュニケーションが取れれば受かります。試験レベルやボーダーラインの観点でいえば、ぶっちゃけ簡単な試験です。
この記事を読めば、横浜市役所の難易度から合格までに必要な情報がまとめて押さえられるようになります。

試験に一人で合格できるかと言えば、実際にやるのは難しい。 だからこの記事のようなノウハウが必要なのかもしれませんね。
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【基礎知識】横浜市役所職員採用試験とは?
横浜市職員採用試験とは、文字通り、「横浜市の職員(公務員)を採用する選抜試験」のことです。
この試験に合格すると横浜市の公務員として各区役所や部署に配属され仕事がはじまります。
試験はいつあるの?
横浜市の採用試験は年齢や経歴によって受験できる区分(日程)が異なります。
具体的には以下の3区分。
区分 | 日程 | 受験資格 |
---|---|---|
大学卒業程度 | 6月 | ●平成4年4月2日〜平成13年4月1日までに生まれた人 |
高校卒業程度 | 9月 | ●平成13年4月2日~平成17年4月1日までに生まれた人 |
社会人採用 | 9月 | ●昭和38年4月2日~平成4年4月1日までに生まれた人 ●社会人経験5年以上 |

学歴は関係ないので、高卒者でも大卒程度の試験を受験できます!
合格率はどれくらいなの?
横浜市人事委員会のデータによると、令和3年度(2021年実施)の最終合格率は「事務19.3%」、「学校事務21.0%」でした。
区分 | 合格率 | 受験者 | 合格者 |
---|---|---|---|
事務 | 19.3% | 2,000 | 386 |
学校事務 | 21.0% | 114 | 24 |
一見、ものすごく合格率は低いので諦めモードになったかもしれませんが、あまり気にする必要はありません。なぜなら、本気で合格を目指している人はそこまで多くないからです。
横浜市は試験内容が他の自治体に比べて簡素的なので、民間企業と併願している人なども受験しやすいです。しかし、それらの受験者の中には、まともに対策していない人も多く含まれているため、対策をきちんとやって試験に臨めば数値ほど難しくありません。
合格率は気にせず、愚直に対策をしてください。
関連記事:【大卒事務・学校事務向け】横浜市役所職員採用試験の倍率推移を解説!
試験内容は何があるの?
横浜市の採用試験は公務員になる(就職する)試験なので筆記試験のほかに面接や論文も課されます。
学力に自信があっても最終合格はできないためバランスよく対策することが重要です。
試験内容は以下のとおり。
選考 | 試験 | 内容 |
---|---|---|
一次試験 | 教養試験 | 一般知能と一般知識に関する筆記試験。試験レベルは「大学卒業程度」。 |
論文 | テーマに沿って文章で論じる記述式の試験。 | |
二次試験 | 面談 | (事務)担当職員との面談 |
面接 | (学校事務)自己PRや志望動機などに関する個人面接 | |
三次試験 | 面接 | (事務)志望動機や自己PRに関する個人面接 |
このように、やらなければいけないことがたくさんあるため、計画を組んでから対策をはじめましょう。
関連記事:【大卒事務向け】横浜市役所の試験内容は?合格に必要な勉強時間と手順
横浜市役所職員採用試験が難しい3つの理由
ここまで試験概要を紹介してきましたが、冒頭でいった、「横浜市役所は簡単だけど対策が難しい」という理由がわかったでしょうか?
カンの鋭い方はわかったと思いますが、とにかくやらなければいけない対策が多いんですよね…。
では、いったい対策の何が難しいのか。理由を3つ解説します。
- 試験科目が多い
- 多くの勉強時間が必要
- 人物重視の選考方針
理由①:試験科目がヤバい
一つ目の理由は、筆記(教養試験)で出題される科目がとても多いこと。
その科目数は10以上なんですよね…。
◉ 数的処理(数的推理、判断推理、空間把握、資料解釈)
◉ 文章理解(現代文、英語)
◉ 社会科学(法律、政治、経済、社会時事)
出典:令和3年度本試験より作成
これだけの科目を勉強しなくてはいけないので、対策は簡単ではありません。実際、科目の多さにやる気を失い、受験を諦める人もけっこういます。
試験は他にも論文や面接もあるため、筆記対策だけに時間を使うことはNGです。出題数の多い科目や頻出分野を把握して、効率よく勉強してください。
関連記事:【横浜市役所】一般教養試験の攻略メソッド【×高得点、◎合格点】
理由②:勉強時間が必要
二つ目の理由は、合格までに多くの勉強時間が必要なこと。
横浜市役所の選考は筆記試験だけでなく、面接や論文の対策も必要です。現在の状況(学生なのか社会人なのか)や今までの学力などもありますが、やはり合格している人は少なくとも700~800時間は勉強しています。
闇雲に勉強時間を増やせばいいわけではありませんが、合格するにはそれなりの勉強時間が必要なため簡単ではありません。学校・会社に行きながら勉強時間の確保をすることは簡単なことではないので、出題傾向を把握して効率よく勉強する、スキマ時間を上手く活用することが重要です。

自らの生活スタイルに合った1日の勉強時間を考慮して、本試験日から逆算して勉強を開始するようにしましょう。
理由③:人物重視の選考方法
人物重視(面接や論文)であることも理由の一つです。
というのも、横浜市職員採用試験は、「筆記」よりも「人物(面接や論文)」の方が評価されるんですね。たとえば、試験ごとの配点が以下のとおり。
◉筆記試験:15点
◉論文試験:15点
◉面接試験:630点
出典:令和4年度受験案内より作成(事務)
このように人物試験の配点が圧倒的に高くなっています。また、筆記試験は努力した分だけ結果に繋がるので達成感を得られますが、人物試験(面接や論作文)は正解がないため対策に苦労する受験者は多いです。実際、面接や論文の対策を疎かにした結果、筆記で点数が取れたのに不合格になる受験者が後を絶たないんですよね……。
筆記の点数があまりよくなくても、面接・論文の結果次第で大逆転できているケースはたくさんあるので、バランス良く対策していくことがポイントです。
横浜市役所職員採用試験に合格るための対策5ポイント
ここまで解説したように横浜市役所の対策は難しいため、合格の可能性を少しでも上げたいなら早めに対策をはじめることが大切です。
とはいえ、手当たり次第に対策しても時間の無駄になってしまいます。
そこで、これから対策をはじめるときのポイントを5つ紹介!ぜひ、以下のポイントを意識して対策をしてみてください。
- どの試験が重要なのか把握する
- 主要科目から攻略する
- 出題範囲は絞る
- 論作文対策は早めに始める
- 面接対策を後回しにしない
ポイント①:配点の把握
これから対策を始めるうえで配点や選考方法を知っておくことは重要です。ココを間違えてしまい、見当違いな対策にならないように注意して勉強しましょう。
試験内容 | 事務 | 学校事務 | |
---|---|---|---|
一次 | 教養試験 | 510点 | 510点 |
二次 | 面接(面談) | 200点 | 300点 |
論文 | 100点 | 100点 | |
(教養) | – | 40点 | |
三次 | 面接 | 600点 | – |
(面談) | 30点 | – | |
(教養) | 15点 | – | |
(論文) | 15点 | – |
まずは1番配点が高い教養試験から攻略していきますが、表にあるとおり圧倒的に人物重視(面接重視)です。そのため、教養試験の勉強がある程度進んだら早い段階で面接や論文対策にも手を出すようにしましょう。
ポイント②:主要科目から攻略する
2つ目のポイントは、主要科目から勉強すること。
横浜市の主要科目は次の4つ。
- 数的推理
- 判断推理
- 資料解釈
- 文章理解
これらの科目は、出題数が多く、理解するのに時間がかかる、または物理的に量が多いというのが理由です。逆に言えば、主要科目で点数が取れると勉強の負担を減らせるので、優先して勉強しましょう。
関連記事:【大卒事務向け】横浜市役所の試験内容は?合格に必要な勉強時間と手順
ポイント③:出題範囲は絞る
3つ目のポイントは、出題範囲を絞ること。というのも公務員試験は出題範囲が膨大なので、まともに勉強すると試験までに終えることができません。
たとえば、主要科目の一つである数的推理の出題範囲は以下の項目で構成されています。
・数の計算
出典:スーパー過去問ゼミ 数的推理(実務教育出版)より作成
・素因数分解
・約数・倍数
・商と余り
・記数法
・計量問題
・覆面算・魔法陣
・数列
・方程式
・不等式
・時計・年齢・平均算
・集合
・速さ
・旅人算・流水算
・ダイヤグラム
・比・割合
・濃度
・仕事・ニュートン算
・三角形
・円
・立体図形
・場合の数
・順列
・組合せ
・確率
仮に1項目10時間を使って勉強すると、一通り手をつけるだけで物凄い計算になります。ただでさえ試験科目は多いいので、確実に試験本番までに終わりません。
このように教養試験の出題範囲は広いですが、全範囲から満遍なく出題されているわけではないため、すべてに力をいれて勉強することはNGです。最初に過去の出題範囲を把握して、効率よく勉強することがポイント!
関連記事:【横浜市役所】一般教養試験の攻略メソッド【×高得点、◎合格点】
ポイント④:論文対策は早めにする
4つ目のポイントは、論文試験は早めに手をつけること。なぜなら、論文で一定の評価を得る(対策する)には独学では限界があるからです。
一つ考えてみてほしいのですが、とりあえず書いてみた答案と何回か指導を受けたあとに書く答案の評価は同じでしょうか?
おそらく1回目よりも確実に書けるようになっているはずです。
- 論文・作文の傾向を把握する(1週間)
- 書き方を勉強する(2週間)
- 書いて添削を繰り返す(2~3週間)
このように論文・作文のノウハウを知るだけなら1カ月で対策できますが、必要なのは添削を繰り返すこと。だいたい1回のやりとりが2~3週間かかるので、3回するとしても2ヵ月は必要です。
教養試験の点数があまりよくなくても、論文の結果次第で合格していることから重要なのは事実。苦手意識がある人はできるだけ早い段階から準備をはじめましょう!
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ポイント⑤:面接対策を後回しにしない
面接対策を後回しにしないことも合格するために必要なポイントです。僕自身も経験ありますが、面接対策ってやることが多いんですよね…。
まず自己PRや志望動機を考えて、何度も繰り返し話す練習をするのですが、納得できる内容を作ることができません。その後も実戦形式で話す練習をしたり、印象よくするために表情や姿勢を確認したりなど、想像しているよりもやることは多いです。
誰からも好印象を持たれる人気者であれば、少し練習するだけでも評価は高いと思いますが、一般人がマネすると間違いなく痛い目を見ます。
早い段階からガッツリ面接対策をする必要はありませんが、勉強と並行して自己PRや志望動機を考えていくことが大切です。
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まとめ:横浜市役所採用試験に落ちないために
本記事は、横浜市職員採用試験が難しい理由から対策に必要な方法まで解説していました。
横浜市に落ちる人には特徴があって、まずはそこを理解することが重要です。
試験に落ちる人の特徴は以下のとおり。
- 筆記試験は全科目・範囲の勉強が必要だと思っている
- 論文や面接を後回しにする
- 筆記で高得点が取れれば合格できると思っている
基本的に公務員試験は科目も範囲も膨大ですが、頻出部分は全体の2~3割しかありません。初心者はどの科目・分野が重要なのか知ることがスタートです。論文も面接も後回しにする初心者は多いですが、独学では良い悪いが判断できないのでかなり時間がかかります。
また、ここポイントなんですけど、筆記試験の対策ばかりしてちゃダメですよ!横浜市は筆記より人物重視だと言いましたよね。少し小難しい話になりましたが、要は、試験は難しいけど効率よく勉強すれば合格は余裕だよ!ってことです。
この話を聞いて「ふーん、なるほどね♪」で終わるのか、しっかり傾向を把握して今日から行動するのかで1年後の未来は変わってきますよ。
焦る必要はないので、やれることから少しずつやっていきましょう。