東京消防庁の消防官になるには?採用試験の概要と対策ガイド2023

東京消防庁一類採用試験の概要と対策
この記事でわかること
  1. 東京消防庁消防官になる方法
  2. 東京消防庁採用試験の概要
  3. 東京消防庁採用試験に合格するための手順
  4. 東京消防庁採用試験に受かるコツ

日本の首都東京。そんな街で暮らす人、働く人、そして、訪れる人々をあらゆる災害から守る使命を担う「東京消防庁」。

そんな東京消防庁の消防官になるには、東京消防庁消防官採用試験に合格することが必要です。

今回は、東京消防庁の消防官になりたい方に向けて「マニュアル」を作る気持ちで書きました。最後まで読めば、採用試験の概要から合格に向けた準備まで行うことができますよ!

目次

東京消防庁の消防官になるには?

結論から言うと、東京消防庁消防官採用試験に合格する必要があります。

東京消防庁消防官採用試験は、東京都で働く消防官を採用するために行われる公務員試験の一つです。試験区分は、学歴や年齢によって以下のように分かれます。

  • 一類:大卒者を対象とした選考区分
  • 二類:短大・専門卒を対象とした区分
  • 三類:高卒者を対象とした区分

大学を卒業して東京消防庁の消防官になりたい場合は一類を、高校を卒業してすぐなら三類をそれぞれ受験しましょう。

令和5年度は実施なしですが、二類は大卒者、高卒者ともに受験することが可能です!

東京消防庁消防官採用試験の概要

ここでは、令和5年度東京消防庁消防官採用試験の概要を解説します。

  • 受験資格(年齢制限)
  • 採用人数
  • 試験日
  • 試験内容(科目)

受験資格(年齢制限)

次の条件を満たす必要があります。

  1. 1994年4月2日以降に生まれた人
  2. 大学を卒業している人(2024年3月卒業見込み含む)
  3. 日本国籍を有する人
  4. 欠格条項に概要しない人

試験日

令和5年度東京消防庁消防官採用試験は、以下の日程で行われます。

一類は年に2回の選考を行っています。

1回目令和5年5月14日(日)
2回目令和5年9月24日(日)

1回目は東京会場の他に、大阪会場と福岡会場があります。

詳しい試験の流れは令和5年度東京消防庁の試験日はいつ?オススメの併願パターンも紹介を参考にしてください。

採用人数

令和5年度東京消防庁消防官採用試験では、合計630人の採用を予定しています。

  • 一類(1回目):310人
  • 一類(2回目):140人
  • 三類(高卒者):180人

なお、過去の採用数については令和5年度東京消防庁の採用人数は増加傾向?過去の採用数も紹介でまとめています。

試験内容(科目)

東京消防庁採用試験は、二段階選抜方式で行われます。まず一次選考で受験者をふるいにかけ人数を絞ります。その後、一次選考の合格者を対象に二次選考を行い最終合格者を決定。

それぞれの試験内容(科目)は以下のとおり。

一次試験教養試験消防官として必要な一般教養についての択一式試験。
論作文試験テーマにそって、自分の考えを論じる記述式試験。
適性検査消防官としての適性を測る検査
二次試験身体・体力検査消防官として職務遂行に必要な身体、体力及び健康度を検査
口述試験個人面接を実施

なお、こちらの【初心者向け】東京消防庁採用の試験内容(科目)と傾向を徹底解説で、より詳しい内容や傾向をまとめています。

東京消防庁消防官採用試験の難易度

ここでは、東京消防庁消防官採用試験の合格率やボーダーライン、合格基準について解説します。

  • 合格率
  • 合格基準

合格率

東京消防庁の合格率は、この10年、平均値が約10%で推移しています。

最新のデータでは、令和4年の実績が、受験者数4,608人に対し合格者が551人で約12%となっています(一類の場合)。すなわち、10人のうち1人以上は合格できる試験というわけです。

公務員試験で10人に1人の合格者数であることから、決して簡単な試験ではありませんが、真面目に勉強していない人も多く含まれています。なので、しっかり勉強すれば十分に合格できる試験です。

詳しい実施状況は以下の記事でそれぞれまとめています。

合格基準

東京消防庁の合格基準は以下のとおりです。

  • 一次試験では、教養試験の成績が一定点(3割)に達しない場合は不合格となります。
  • 最終合格者は、一次試験、二次試験及び受験資格の確認結果を総合的に判定して決定する。

東京消防庁の採用試験は、一定数の採用枠に対して、成績上位者から順に合格が決まる競争試験です。つまり、受験者全員が合格するわけではなく、ライバルたちとの競争によって合否が決定されるのです。

なお、より詳しい東京消防庁の難易度や難しさを東京消防庁採用の難易度と合格することは想像以上に難しい理由で解説しているので参考にしてください。

東京消防庁消防官採用試験に合格するまでの対策手順

つづいて、東京消防庁消防官採用試験に合格するまでの対策手順を紹介します。

  1. 教養試験の対策から始める
  2. 論文試験の対策を始める
  3. 模試を受ける
  4. 自己分析を進める
  5. 面接練習を始める

教養試験の対策から始める

まずは、教養試験の対策から始めましょう。

なぜなら、5分野18科目から出題があるので、対策には相当な時間が必要だからです。そのため、受験者にとっては大変な試験の一つと言えるでしょう。

問題レベルは、中学校から高校までに学んだことのある内容ばかりですが、それをもう一回勉強しないといけないので簡単ではありません。

あれもこれも手をつけているうちに時間だけが過ぎていき、準備不足のまま本番を迎えてしまわないように、出題傾向をきちんと理解して対策することが大事です。

詳しい出題傾向や勉強方法を【独学向け】東京消防庁採用の教養試験とは?勉強法と出題傾向を解説で紹介しています。参考にしてください。

論作文試験の対策を始める

論作文試験は教養試験と違いどう対策したらよいか悩むため、多くの人は対策を後回しにしてしまいがちです。僕自身、そうでした。

しかし、東京消防庁の合否を分けるのは間違いなく論作文です。なぜなら、筆記試験の点数が低いのに合格しているケースが多々あるからです。

文章構成や出題傾向の確認、書いた答案の添削と修正など、論作文対策はかなりの時間がかかるので、できるだけ早めに準備を始めるといいでしょう。

詳しい傾向やテーマなどを【東京消防庁の論作文対策】過去問や傾向から書き方まで徹底解説でまとめています。

模試を受ける

ある程度、試験対策が進んだら模擬試験を受けましょう。

  • 初見問題への対応
  • 時間配分の確認
  • 弱点の把握

模試を受けることで、これらのメリットがあるからです。東京消防庁タイプの模試は数が少ないので、試験レベル「大学卒業程度(一類)、高校卒業程度(三類)」のものをいくつか受けてみましょう。

オススメの模試

自己分析を進める

あなたがこれまでに経験してきた入学試験(高校・大学入試)や資格試験では、単純な学力だけが問われ、知識を詰め込んでいれば合格が狙えました。

しかし、東京消防庁に最終合格するには個人面接で好成績をとらなければ、筆記試験が満点でも不合格となるのです。

面接では、自分自身の強みや魅力を的確にアピールできるように面接練習を行い、自分自身を客観的に見つめ直すことが大切です。自己分析が不十分だと、深掘りした質問に返答できないので、時間をかけて自己分析してください。

詳しい内容は東京消防庁の面接カードはいつ提出する?内容や書き方を徹底解説でまとめています。

面接練習を始める

最後は、早めに面接練習をしましょう。

なぜなら、思っていることを声に出して伝えることは難しいからです。せっかく自己分析に時間をかけて自己PRや志望動機を考えても、それが面接官に伝わらないと意味がありません。

また、話す内容が良くても、表情や話し方、態度などが悪ければ評価を上げることはできません。そういった部分は1人では判断できないので、必ず第三者に見てもらいながら練習してください。

詳しくは東京消防庁採用の面接対策!過去の質問や落ちる人の特徴を解説を参考にしてください。

東京消防庁消防官採用試験に受かるコツ

東京消防庁消防官採用試験に受かるコツ(大切なこと)を解説します。

  • スキマ時間を有効活用する
  • 仲間をつくる

スキマ時間を有効活用する

公務員試験でとにかく大切なことは、『時間は無限ではない』ということです。

じゃあ具体的にどうやって時間を捻出するの?というと、『スキマ時間を有効活用する』という結論に達します。

  • 通学時間
  • 学校での休み時間
  • 食事の前後
  • 入浴時間
  • 寝る前の10分間 など

全てを使うのは難しくても、自分の生活スタイルに合わせてこの中のいくつかを取り入れるだけでも十分スキマ時間を活用できますよ。

たとえば1回20分のスキマ時間でも、1年で7,300分(約120時間)になります。

これが1日の中で3回(朝、昼、夜)繰り返されるだけで、年間365時間も勉強できることになりますよね。最終合格までに必要な勉強時間は500~600時間なので、スキマ時間だけでも6~7割ぐらいの勉強ができてしまうのです。

仲間をつくる

対策はやることが多いので…まぁ、シンドイです。モチベーションを長期間保ちながら筆記対策も面接対策もする必要があるため、相当な覚悟が求められます。

想像してみてください、周囲が遊んでいる中で自分だけ勉強漬けの毎日、飲み会やイベントなどの誘いをシャットアウトしながら勉強に集中して高いパフォーマンスを維持しなければならないのです。

実際、合格を目指して勉強を始める人は多いですが、途中で挫折する人も相当多いです。100人いて30〜50人ぐらい、半分はいなくなります。

試験に合格するためには、同じ目標を持った仲間を作ることが大切です。共通の目標を持つ仲間と一緒に勉強したり、励まし合ったりすることで、モチベーションが高まり、成績も向上することが期待できます。

また、仲間と情報を共有することも重要です。受験に必要な情報や知識を共有し合うことで、受験の準備がより効率的に進められます。さらに、受験に不安や悩みがあれば、仲間と共有して相談することで、心の負担を軽減することができます。

東京消防庁消防官採用試験でよくある質問FAQ

最後に、お問い合わせフォームからよく寄せられる質問をまとめています。

一類と三類の違いは何ですか?

試験の問題レベルや給料などが違います。

例えば、日本史なら一類は日本史Bレベルの知識が必要ですが、三類なら日本史Aレベルといった感じです。なので、受験区分に応じた参考書・問題集を使って勉強するようにしてください。

また、給料(初任給)は以下のとおり。

  • 一類:259,300円
  • 三類:221,800円

※令和5年1月1日現在の給与月額に、地域手当を加えたものです。
※上記のほか、扶養手当、住居手当、通勤手当などが支給されます。

過去問はどこで入手できますか?

東京消防庁の過去問はダウンロードできる?入手方法と使い方を解説からダウンロードできます。

解説はありませんが、最新の問題を見ることができるので、出題内容や形式、問題レベルを測るには十分に役立つでしょう。

ボーダーラインは何割くらいですか?

教養試験のボーダーラインは6割程度です。

15科目以上の量を勉強して、合格点が8~9割なら無理ゲーですが、6割程度なら出題傾向を理解して正しく勉強すれば十分に取れますよ。

詳しい内容は東京消防庁のボーダーラインは何割?効率よく合格点を取る2つのコツで解説しています。

筆記と面接はどちらが重要ですか?

倍率だけで判断すれば、筆記(一次試験)の方がやや高いです。

しかし、最終合格するには、筆記も面接も重要なので、バランスよく対策することが重要。詳しくは【東京消防庁採用】一次試験と二次試験の倍率を徹底解説!を参考にしてください。

東京消防庁の消防官になるために勉強を始めよう!

今回は、東京消防庁の消防官になる方法や、採用試験に合格するまでの道のりを解説しました。

最後に、東京消防庁消防官採用試験に合格するまでの手順を振り返りましょう。

  1. 教養試験の対策から始める
  2. 論文試験の対策を始める
  3. 模試を受ける
  4. 自己分析を進める
  5. 面接練習を始める

採用試験に合格するのは簡単ではありませんが、きちんと対策すれば受かることは十分可能な試験です。出題傾向を把握して、効率よく勉強を始めましょう。

今回は以上です。

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この記事を書いた人

公務員試験の指導を13年間やっています。新卒で大手専門予備校に就職→公務員課で5年間勤務、在職中に公務員試験を受験するも不合格→退職→公務員試験の勉強→国立大学法人、政令市、市役所に合格→現在、某大学の職員として8年目。 2018年6月からサイトを運営中。普段はカフェで珈琲飲んでます。

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