【一類・三類】東京消防庁採用の試験内容と傾向【一次・二次試験】

東京消防庁の試験内容 (1)

今回は、東京消防庁消防官採用の試験内容(一次、二次)を徹底解説します。

日々の学校や仕事で忙しい中、効率よく対策できるかどうかは試験内容をどれだけ理解しているかが重要です。

本記事を読めば「試験概要から最終合格するには何をすればいいかまで」網羅的に理解できますよ。

えもと

対象は一類(大卒)三類(高卒)です!

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東京消防庁採用試験の内容

まずは東京消防庁採用試験の内容(概要)を解説します。

  • 試験区分
  • 受験資格(年齢制限)
  • 採用人数
  • 試験日
  • 実施状況

試験区分

試験区分は、学歴や年齢によって以下のように分かれます。

  • 一類:大卒者を対象とした選考区分
  • 二類:短大・専門卒を対象とした区分
  • 三類:高卒者を対象とした区分

大学を卒業して東京消防庁の消防官になりたい場合は一類を、高校を卒業してすぐなら三類をそれぞれ受験しましょう。

えもと

令和5年度は実施なしですが、二類は大卒者、高卒者ともに受験することが可能です!

受験資格(年齢制限)

一類・1994年4月2日以降に生まれた人
・大学を卒業している人(2024年3月卒業見込み含む)
・日本国籍を有する人
欠格条項に概要しない人
三類・2002年4月2日から2006年4月1日までに生まれた人
・日本国籍を有する人
欠格条項に概要しない人
*すべてを満たすことが必要

採用予定人数

令和5年度東京消防庁消防官採用試験では、合計630人の採用を予定しています。

一類
(1回目)
310人
一類
(2回目)
140人
三類180人
*一類は年に2回の選考を行っています。

東京消防庁の採用予定人数(過去)について、詳しくは次の記事でまとめています。

試験日程

一類
(1回目)
令和5年5月14日(日)
一類
(2回目)
令和5年9月24日(日)
三類令和5年9月3日(日)
*一類は年に2回の選考を行っています。

東京消防庁の試験日程について、詳しくは次の記事で解説しています。

試験内容(種目)

東京消防庁採用試験では、筆記試験の他にも面接や体力検査などが課せられています。

具体的な試験内容は次のとおり。

一次試験教養試験
論作文試験
適性試験
二次試験面接試験
体力検査
身体検査

まず、一次選考で受験者をふるいにかけ人数を絞ります。その後、合格者を対象に二次選考を行い最終合格者を決定するという二段階選抜方式です。

えもと

傾向と対策方法は後述しています。ぜひ、参考にしてください。

実施状況

東京消防庁は、全国から受験者が集まるため倍率は高めです。しかし、近年は受験者数の減少、採用人数の増加に伴い低下傾向にあります。

直近5年間の実施状況は次のとおり。

実施年受験者数合格者数倍率
20228,38212716.6
20219,37472812.9
20209,4581,3507.0
201912,40987614.2
201814,11795414.8
*一類〜三類の合計

東京消防庁の倍率について、詳しくは次の記事で解説しています。

東京消防庁採用試験の傾向と対策

東京消防庁採用試験に合格するには、幅広い試験をパスしなければいけません。

一次試験教養試験
論作文試験
適性試験
二次試験面接試験
体力検査
身体検査

闇雲に対策するのではなく、傾向を把握してから始めましょう。

それぞれ詳しく解説します。

教養試験

消防官(社会人)として必要な、基礎能力や一般教養がどれくらい備わっているかを測る筆記試験です。

区分一類三類
試験時間120分
問題数45問
レベル大学卒業程度高校卒業程度
出題形式五肢択一式
解答方式マークシート
*2023年度本試験より作成

試験科目が多い

計算力や読解力を測る『一般知能』と、今までに勉強してきた基礎学力を測る『一般知識』から合計18科目の出題があります。

試験科目一覧(共通)
分野科目
一般知能数的処理数的推理|判断推理|空間把握|資料解釈
文章理解現代文|英文
一般知識社会科学政治|経済|社会
人文科学日本史|世界史|地理|国語|英語
自然科学数学|物理|化学|生物

このように中学~高校までに学んだ内容から多く出題されるので、”科目の多い大学入試共通テスト“だと僕は思っています。

共通テストとの大きな違いは、科目選択の有無です。

例えば共通テストであれば、社会なら日本史か世界史、理科なら物理か生物のように、受験に必要な科目を選択して試験を受けられます。しかし、教養試験では全科目が必須です。

東京消防庁の試験科目

なので、社会なら日本史も世界史も、理科なら物理も生物もすべて勉強しないといけません。

対策のポイント

まずは、一般知能や自然科学から攻略しましょう。

なぜなら、出題数が多いからです。これらの科目で点数が取れないと、ボーダーを超えるのが難しくなるんですよね…。

また、どの科目も出題範囲は広いので、闇雲に進めることはNGです。頻出度の高い分野から手をつけてください。

東京消防庁の教養試験について、詳しくは次の記事で解説しています。

論文・作文試験

自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。一類、二類は「論文試験」、三類は「作文試験」がそれぞれ課されます。

試験時間90分
問題数1題
文字数800字以上~1200字以内
評価基準・内容
・表現
・文字
*2023年度本試験より作成

筆記試験では判断できない、論理的思考力や読解力、人間性などを総合的に測ることを目的としています。

自己分析が重要

「自分自身」について論じるテーマが多いです。

論作文のテーマ例
一類消防職員の使命についてあなたの考えとその達成に向けてあなたができることを述べよ。(令和5年度第1回より)
三類東京消防庁の職員として、10年後のあなたがどんな成長を遂げているか述べなさい。
(令和4年度より)

今までの経験や出来事を具体的に書かなければ点数はもらえません。また、東京消防庁や消防官の職務内容なども理解しておく必要があります。

対策のポイント

まずは、文章の型(書き方)を勉強しましょう。

なぜなら、どんなに書く題材(内容)が良くても、文章構成が誤っていれば評価されないからです。

毎年、論作文で評価がもらえずに不合格となる受験者は一定数いるので、早めに準備をしてください。

東京消防庁の論作文について、詳しくは次の記事で解説しています。

身体検査

消防官として職務遂行に必要な身体(四肢関節機能含む。)や健康度を検査します。

主な検査項目は以下のとおり。

視力視力(矯正視力を含む)が0.7以上、かつ、一眼でそれぞれ0.3以上。なお、裸眼視力に制限はありません。
色覚石原式色覚検査で実施。
聴力オージーメータを使用し、純音聴力検査を実施。
その他尿検査、胸部X線検査、心電図、血液検査により健康度を検査。

特に対策は必要ありませんが、視力などに不安がある人はあらかじめ眼科などを受診しておきましょう。

体力検査

消防官として必要な、基礎的な体力が備わっているかどうかを判断する試験のことです。

検査種目は以下のとおり。

1㎞走6分間で走りきるペース(グループ制)
反復横とび20秒間
上体起こし30秒間
立ち幅とび2回実施
長座体前屈2回実施
握力左右1回実施
腕立て伏せ15回(合図に従い上げ下げ)
※最後は10秒間キープ
*2022年度本試験より作成(共通)

普段から鍛えていれば難度は低いと思います。

正しくやることが重要

正確なフォームで行わないとカウントされないので注意が必要です。

受験者

・我流でやってもカウントしてもらえなかった。
・腕立て伏せはかなり低い位置まで下げないとノーカン。
・監視員によって評価が曖昧なところが気になる。

受験者たちからは、このような感想をいただいています。

しっかりルールを把握して対策しましょう。

なお、正しいフォームややり方は文部科学省の資料「新体力テスト実施要項」を参考にしてください。

口述(面接)試験

志望動機や自己アピールなどを問うことで、あなたが東京消防庁の消防官として相応ふさわしいかどうかを評価・判断する人物試験です。

試験時間20分~30分
面接官3人
形式個人面接
*2022年度本試験より作成(共通)

受験者の人柄や対人能力(コミュニケーション)をみるための試験で、個人面接により行われます。

幅広く質問される

他の公務員試験よりも厳しい視点でチェックされるため、より徹底した準備が必要です。

  • 緊張していますか。
  • 会場までどのような手段で来ましたか。
  • 東京消防庁を志望した理由は何ですか。
  • 消防官を目指したきっかけは何ですか。
  • 消防官になりたい理由を教えてください。
  • なぜ警察や自衛隊ではなく消防官を志望するのですか。
  • 東京消防庁と他市消防の違いは何ですか。
  • 将来はどのような消防官になりたいですか。
  • どのような社会人になりたいですか。
  • 東京消防庁の魅力は何ですか。

「なぜ東京消防庁を選んだのか?」を深く突っ込まれるのも特徴。この質問に論理的に回答し、「東京消防庁消防官にどうしてもなりたい!」という熱意をアピールすることがカギとなります。

また、面接官は東京都や消防庁職員。東京都・東京消防庁に精通している熟練者でもあるので、東京消防庁の施策だけでなく、東京都についてもHPをチェックして、東京都を深く理解していることをアピールしましょう。

対策のポイント

まずは、過去問をみて、どんな質問が聞かれているのか知ることから始めましょう。

なぜなら、何を聞かれるのか知らないと効率的に対策できないからです。

一般的な質問が多ければ就職用の参考書で十分カバーできますが、東京都や消防庁関連の質問が多ければ職種研究にも多くの時間を割かないといけません。

筆記対策と並行して面接練習を行うことが重要です。自分らしさや消防官への熱意をアピールできるように準備していきましょう。

東京消防庁の面接について、詳しくは次の記事で解説しています。

東京消防庁採用試験でよくある質問FAQ

最後に、東京消防庁消防官採用試験でよく相談される質問に回答します。

東京消防庁は難しいですか?

難易度は高くないですが、合格するのは簡単ではありません。

単純に筆記試験の点数を取れば合格できるものではなく、面接・論作文などによる人間性が最重視されるため、努力がそのまま結果に結びつかない難しさがあるのです。

東京消防庁の難易度について、詳しくは次の記事で解説しています。

過去問はどこで入手できますか?

東京消防庁HPで最新の問題と解答をダウンロードできます。

東京消防庁の過去問について、詳しくは次の記事で解説しています。

ボーダーラインは何点くらいですか?

だいたい6割です。論作文の結果がかなり重要度を占めているので、そんなに高くありません。

東京消防庁のボーダーラインについて、詳しくは次の記事で解説しています。

まとめ|東京消防庁採用の試験内容を理解して対策しよう!

今回は、東京消防庁消防官採用の試験内容と傾向を解説しました。

効率よく対策を始めるには試験内容の理解が重要なので、必ず把握してください。

対策することは多いので、やみくもに進めるのではなく、傾向を把握してから始めましょう。

今回は以上です。

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