【独学向け】東京消防庁採用の教養試験とは?勉強法と出題傾向を解説

東京消防庁の教養試験
この記事でわかること
  • 教養試験の科目一覧
  • 教養試験の出題傾向
  • 教養試験の勉強方法

※対象区分:一類、二類、三類

本記事では、東京消防庁消防官採用の教養試験について解説します。

教養試験の科目や出題傾向、勉強方法をわかりやすくまとめたので東京消防庁消防官を目指す方はぜひ参考にしてください。

教養試験は誰でも簡単に勉強できるものではありませんが、本記事で紹介する内容を理解して実践すれば効率よく勉強を進めることができますよ。

※採用試験の概要は『東京消防庁の消防官になるには?採用試験の概要と対策ガイド2023』で解説しています。始めて受験する方は合わせてチェックしましょう。

目次

東京消防庁採用 教養試験の科目一覧

教養試験とは、 計算力や読解力を測る『一般知能』と、今までに勉強してきた基礎学力を測る『一般知識』で構成される筆記試験のことです。

東京消防庁の採用試験では、以下の5分野18科目から出題があります。

一般知能数的推理数的推理、判断推理、空間把握、資料解釈
文章理解現代文、英文
一般知識社会科学政治、経済、社会
人文科学日本史、世界史、地理、国語、英語
自然科学数学、物理、化学、生物
令和4年度の情報より

試験科目の多くが、中学校から高校までに習う内容です。実際にどんな問題なのか紹介します。

数的処理

計算力や思考力、空間認識力などを測る分野で、以下の4科目で構成されています。

  • 数的推理
  • 判断推理
  • 空間把握
  • 資料解釈
東京消防庁の数的推理

こんな感じで計算が必要だったり、あれこれと思考したりする問題がたくさん出ています。

数学的要素が強いため、苦手とする人が多いんですよね。僕自身も超苦手でした…。とはいえ、出題数は一番多い分野なので苦手のままだと詰みます。

いきなり問題集で勉強するよりは、簡単な参考書で解法パターンを把握することが大事!多くの類似問題を解いて、速く正確に解けるようにしましょう。

文章理解

日本語や英語で書かれた300字〜400字程度の文章を読み解く力を測る分野で、次の2科目で構成されています。

  • 現代文
  • 英文
東京消防庁の文章理解(現代文)

出題形式は、現代文が文章の主旨や要旨を問うものに対し、英文は会話文や文章整序(単語を並び替えて意味の通る内容にする)が出題されています。

時間をかければ正解できる問題は多いですが、1問あたり2分程度で解かないと時間切れになりやすいので注意が必要です。普段の勉強から時間を計ることが大事。

社会科学

高校までに習った基礎学力を測る分野で、次の3科目で構成されています。

  • 政治
  • 経済
  • 社会
東京消防庁の文章理解(政治)

憲法や選挙制度、日本国内外の政治経済、そして社会時事(話題になっている近年の社会問題)などから出題があります。

日頃から新聞・ニュース等で取りあげられる政治、経済、社会問題にアンテナを貼っておけば解ける問題もあるので、きちんと情報収集をしましょう。

人文科学

高校までに習った基礎学力を測る分野で、次の5科目で構成されています。

  • 日本史
  • 世界史
  • 地理
  • 国語
  • 英語
東京消防庁の文章理解(日本史)

科目から想像できるように、The 暗記科目です。1科目あたりの出題範囲が膨大なので、ポイントを絞りつつ要点を整理して覚えることが大切。

出題数の多い国語は確実に正解できるようにして、他は高校での選択科目を中心に勉強しましょう。

自然科学

高校までに習った基礎学力を測る分野で、次の4科目で構成されています。

  • 数学
  • 物理
  • 化学
  • 生物
東京消防庁の文章理解(数学)

見てのとおり理系科目がメインなので、自然科学を捨てる人は多いです。しかし…、出題数は数的処理に次ぐ9問ほど。なので、自然科学を全部捨て科目にするのはリスクが高いんですよね。

理系科目といっても、化学や生物は暗記するだけで点が取れる分野もあります。そういった問題だけでも正解できるように勉強しましょう。

以上が、東京消防庁の教養試験科目です。科目数はハンパないので、きちんと傾向を理解して勉強することが大事

東京消防庁採用 教養試験の出題傾向

試験時間120分
問題数45問
試験レベルⅠ類「大学卒業程度」
Ⅲ類「高校卒業程度」
出題形式五肢択一式
解答方式マークシート

制限時間120分で、45問に解答します。
出題形式は、5つの選択肢から正しい(誤りの)肢を選ぶ「五肢択一式」です。

試験科目は5分野18科目もありますが、問題数は科目によって異なります。詳細は以下のとおり。

区分一類二類三類
数的推理554
判断推理444
空間把握232
資料解釈554
現代文555
英文212
政治333
経済111
社会321
日本史112
世界史112
地理112
国語233
英語111
数学333
物理222
化学222
生物222
令和4年度問題より作成

このように、科目によって配点(問題数)が違います。すべてを勉強して中途半端になるよりも、まずは出題数の多い科目を確実に正解することが大切

問題数が多い科目に重点を置き、知識をインプットしていきましょう。

頻出分野に沿って効率的に勉強しよう

過去10年間の試験問題を分析して、その出題内容を科目別・分野別に分類した「note」を配信しています。頻出分野を理解して、効率よく勉強を進めたい方にオススメです!

東京消防庁採用 教養試験の勉強法

東京消防庁の教養試験を効率よく勉強する方法を解説します。

  1. 優先順位を決める
  2. 頻出分野の理解
  3. 復習メインで進める

優先順位を決める

科目数は多いですが、問題数(配点)はバラバラです。なので、適当に勉強を進めるのではなく、どの科目から勉強すれば点を伸ばしやすいか考える必要があります

たとえば、次のような傾向があるとしたら、どの科目から勉強するといいでしょうか?

  • 数的推理:5問
  • 判断推理:4問
  • 日本史:1問
  • 世界史:1問

どんなに日本史が苦手でも、出題数の多い数的推理から勉強した方が効率的ですよね。

全科目に手をつけて中途半端になるよりも、まずは出題数の多い科目を優先して勉強することが大切です。その他の科目については、安定して点数を取ることができるようになったら勉強すればOK。

頻出分野の理解

どの科目も全範囲から出題はありません。頻出分野を理解することで、得点に直結する勉強ができます。

例えば、公務員試験の数的推理では『速さ』が良く出ます。しかし、東京消防庁の数的推理でも同様の傾向があるかどうかは、過去問分析をしないことには判断できません。もしかしたら『速さ』はほとんど出題されていない可能性もあります。

そのため、ネットで書かれているような一般的な傾向を鵜呑みにして勉強をするのではなく、東京消防庁の出題傾向に特化した勉強が重要です。

出題のない分野に時間をかけても意味がありません。必ず頻出分野を把握して、無駄な時間と労力を省き勉強しましょう。

東京消防庁の頻出分野については【初心者向け】東京消防庁一類の過去問を徹底分析!出題傾向完全ガイド2023を参考にしてください。

復習メインで進める

また、勉強において重要なのは先に進むことよりもどれだけ復習をしたかということです。

教養試験で点数が取れない(覚えられない)という人の多くは復習を軽視しています。というか、驚くほどやっていません。

復習するタイミングですが、僕は勉強した箇所は3日連続で見るというルールで覚えていきました。要するにその日に解いた問題は短いスパンで3回見るというものです。

1日目問題1〜10をやる
2日目問題1〜10を見直して、問題11〜20をやる
3日目問題1〜20を見直して、問題21〜30をやる…

とくに重要なのが翌日の復習

勉強した次の日に復習しないだけで一気に知識の定着が悪くなります。記憶の法則で有名なエビングハウスの忘却曲線でも人間の記憶力は翌日にガタ落ちすることが立証されていますからね。

最初のうちはけっこうシンドイですが、1カ月ほど続けてみれば結果が見えてくるので、反復練習を意識して勉強していきましょう。

東京消防庁採用 教養試験でよくある質問FAQ

ここでは、東京消防庁の教養試験でよくある質問をまとめています。

過去問はどこで入手できますか?

教養試験の問題と解答は東京消防庁の過去問はダウンロードできる?入手方法と使い方を解説でまとめています。

解説はありませんが、最新の問題を見ることができるので、出題内容や形式、問題レベルを測るには十分に役立つでしょう。

ボーダーラインは何割ですか?

教養試験のボーダーラインは6割程度です。

15科目以上の量を勉強して、合格点が8~9割なら無理ゲーですが、6割程度なら出題傾向を理解して正しく勉強すれば十分に取れますよ。

オススメの参考書は?

一類、二類は「スーパー過去問ゼミ」、三類は「オープンセサミ」です。

合格者の多くも使用しており、定番です。僕自身も使っていました。良問が多く、解説もしっかりしているので、かなりの力がつきますよ。

今から(試験日の3カ月前くらい)でも間に合いますか?

現在の学力や環境によっては、間に合います。

本試験まで期間・時間が短い場合でも、スケジュールを立てて勉強していくことが大切です。簡単なことではありませんが、頻出分野を中心に知識をインプットしていけば結果を出せるでしょう。

東京消防庁の頻出分野については【初心者向け】東京消防庁一類の過去問を徹底分析!出題傾向完全ガイド2023で解説しています。

まとめ|教養試験の出題傾向を理解して対策を始めよう!

今回は、東京消防庁の教養試験について、試験科目や出題傾向、効率的な勉強の進め方まで解説しました。

教養試験の問題は、高校までにきちんと勉強してきた人からすれば、それほど難しいわけではありません。それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、試験科目が多いからです。

一般知能数的推理数的推理、判断推理、空間把握、資料解釈
文章理解現代文、英文
一般知識社会科学政治、経済、社会
人文科学日本史、世界史、地理、国語、英語
自然科学数学、物理、化学、生物
令和4年度の情報より

また、1科目あたりの範囲も広いので、出題傾向を理解してから勉強することが大切です。

出題のない分野に時間をかけても意味がありません。出題範囲を把握して、無駄な時間と労力を省き勉強しましょう。

頻出分野に沿って効率的に勉強しよう

過去10年間の試験問題を分析して、その出題内容を科目別・分野別に分類した「note」を配信しています。頻出分野を理解して、効率よく勉強を進めたい方にオススメです!

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この記事を書いた人

公務員試験の指導を13年間やっています。新卒で大手専門予備校に就職→公務員課で5年間勤務、在職中に公務員試験を受験するも不合格→退職→公務員試験の勉強→国立大学法人、政令市、市役所に合格→現在、某大学の職員として8年目。 2018年6月からサイトを運営中。普段はカフェで珈琲飲んでます。

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