- 入国警備官になるにはどうすればいいの?
- 結論:9月にある入国警備官採用試験(国家公務員試験)を受験して合格すればなれる!ちなみに学歴は関係ないので高卒・大卒どちらでも受験可。
最近は、入国警備官になりたい人の相談がとても多くなっています。
高校(大学)を卒業したら入国警備官になりたい人、民間企業に就職したけど入国警備官になりたい人から、とりあえず入国警備官の採用試験を知りたい人までさまざまです。
- 入国警備官になるにはどうしたらいいの…。
- 入国警備官の採用試験は難しいのかな…。
- 入国警備官の採用試験に受かるにはどうすればいいんだろう…。
なかでも、このような採用試験に関する悩みはどの人でも抱えています。
合格するのに、めちゃくちゃ高レベルなスキルが求められることはなく、高校までに学んだ知識を活用し、体力があり、コミュニケーションが取れれば受かります。
試験レベルやボーダーラインの観点でいえば、ぶっちゃけ簡単な試験です。
しかし、この簡単な試験に一人で合格できるかと言えば、実際にやるのは難しい。 だからこの記事のようなノウハウが必要なのかもしれません。
そこで今回は、大きく以下について詳しく解説していきます。
- 入国警備官の採用試験は簡単だけど対策が難しい理由
- どうやって対策すればいいのかポイントを解説
この記事を読めば、入国警備官採用試験の難易度から合格までに必要な情報がまとめて押さえられるようになります。

タップできるもくじ
高卒・社会人で入国警備官になるには?採用試験の概要
入国警備官は,法律に違反する外国人に対して厳正に対処し,日本の安全と国民生活を守り社会秩序を維持するという重要な使命を担っています。入国警備官が退去強制手続を執った外国人は,令和2年中に1万5,875人にも及んでいますが,依然として不法残留している外国人は8万2,868人(令和3年1月1日現在)にも達しています。このような状況に対応するためにも,入国警備官の重要性がますます高まっています。
出入国管理在留管理庁
このような仕事をする国家公務員公安職のひとつで、高卒でも大卒でも受験することができます。
試験は一般選考のほかに社会人採用もあるので該当する区分で受験しましょう。
受験資格は?40歳まで受験できる
入国警備官採用試験は年齢によって受験できる区分が異なりますが、最長40歳まで受験できます。
受験区分 | 年齢制限 |
---|---|
一般 | 2022年4月1日において高校又は中等教育学校を卒業した日の翌日から換算して5年以内の者及び2023年3月までに卒業する見込みの者 |
社会人 | 1982年4月2日以降に生まれ一般区分に該当しない者 |

学歴は関係ないので高卒、大卒どちらでも受験できます。
試験はいつ?9月〜10月に実施
入国警備官の採用試験は段階式で行われます。
※一次試験の合格者を対象に二次試験を実施して合格者を決める方法。
試験の流れは以下のとおり。
受付期間 | 2022年7月19日〜28日 |
一次試験 | 2022年9月25日(日) |
一次試験合格発表 | 2022年10月12日(水) |
二次試験 | 2022年10月25日〜27日の間で指定された1日 |
最終合格 | 2022年11月22日(火) |
合格率はどれくらい?平均6%
出入国管理在留管理庁(人事院)のデータによれば、令和3年度の合格率は平均6.0%でした。これは公務員試験のなかではかなり難度が高いです。
関連記事:【職種別】国家公務員試験(高卒)の難易度ランキング【合格率の推移】
区分ごとの合格率は以下のとおり。
区分 | 合格率 | 受験者 | 合格者 |
---|---|---|---|
一般 | 6.4% | 944 | 60 |
社会人 | 3.6% | 137 | 5 |
合格率は国家公務員の中では低い方なので、対策なしに合格はできません。合格率は参考程度とし、愚直に対策をしていきましょう。
関連記事:入国警備官採用試験の倍率は高い?過去の推移から一次・二次の倍率まで解説
試験内容は筆記と面接が中心
入国警備官の採用試験は入国警備官になる(就職する)試験なので筆記試験のほかに面接も課されます。
勉強だけ得意でも最終合格はできないためバランスよく対策するようにしましょう。試験内容は以下のとおり。
選考 | 試験 | 内容 |
---|---|---|
一 次 試 験 | 基礎能力 (教養試験) | 一般知能と一般知識に関する筆記試験。試験レベルは全区分共通(同じ問題)で高校卒業程度。 |
作文 | 文章による表現力、課題に対する理解力などについて論じる試験。 | |
二 次 試 験 | 体力検査 | 立ち幅跳びや上体起こしなど、任務遂行に必要な体力を測る試験 |
口述試験 | 志望動機や自己PRに関する個人面接 | |
身体測定・検査 | 健康診断 |
このように、やらなければいけないことがたくさんあるため、計画を組んでから対策をはじめましょう。
関連記事:入国警備官採用試験の内容は?苦手な教養試験を効率よく勉強する手順
入国警備官採用試験の対策が難しい3つの理由
ここまで試験概要を紹介してきましたが、冒頭でいった、「入国警備官採用試験は簡単だけど対策が難しい」という理由がわかったでしょうか?
カンの鋭い方はわかったと思いますが、とにかくやらなければいけない対策が多いんですよね…。
では、いったい対策の何が難しいのか。理由を3つ解説します。
- 試験科目が多い
- 多くの勉強時間が必要
- 作文や面接が合否を左右する
理由①:試験科目が多い
一つ目の理由は、筆記(教養試験)で出題される科目がとても多いこと。
その科目数は15以上なんですよね…。
分野 | 科目 | |
---|---|---|
基礎能力試験 | 数的処理 | 数的推理 / 判断推理 / 資料解釈 |
文章理解 | 現代文 / 英文 / 古文 | |
社会科学 | 政治 / 経済 / 社会時事 | |
人文科学 | 日本史 / 世界史 / 地理 / 倫理 / 国語 / 英語 | |
自然科学 | 数学 / 物理 / 化学 / 生物 / 地学 |
これだけの科目を勉強しなくてはいけないので、対策は簡単ではありません。実際、科目の多さにやる気を失い、受験を諦める人もけっこういます。
試験は他にも作文や面接もあるため、筆記対策だけに時間を使うことはNGです。出題数の多い科目や頻出分野を把握して、効率よく勉強してください。
関連記事:【入国警備官採用試験】教養試験の出題範囲を科目別に解説!
理由②:多くの勉強時間が必要
二つ目の理由は、合格までに多くの勉強時間が必要なこと。
今までの学力などもありますが、やはり合格している人は少なくとも400〜500時間は勉強しています。
入国警備官採用試験の選考内容は筆記だけでなく、面接や作文の勉強も必要です。合間をみて筋トレも必要ですよね。闇雲に勉強時間を増やせばいいわけではありませんが、入国警備官になるにはそれなりの勉強時間が必要なため簡単ではありません。
学校・会社に行きながら勉強時間の確保をすることは簡単なことではないので、出題傾向を把握して効率よく勉強する、スキマ時間を上手く活用することが重要です。自らの生活スタイルに合った1日の勉強時間を考慮して、本試験日から逆算して勉強を開始するようにしましょう。
関連記事:入国警備官採用試験の内容は?苦手な教養試験を効率よく勉強する手順
理由③:作文や面接が合否を左右する
面接や作文が合否を左右することも理由の一つです。というのも、面接や作文はどれだけ努力を重ねても評価が第三者(試験官)に委ねられているため、思っている以上に対策は難しいです。
筆記試験なら問題を解いて覚えていけば点数は取れますが、面接や論作文は評価されなければ0点なんですよね…。そのため面接や作文の対策を疎かにした結果、筆記で点数が取れたのに不合格になる受験者が後を絶ちません。
筆記の点数があまりよくなくても、面接・作文の結果次第で大逆転できているケースはたくさんあるので、バランス良く対策していくことがポイントです。
関連記事:【過去のテーマ有】入国警備官採用試験の作文で落ちる?文字数や書き方を解説!
関連記事:【初心者向け】入国警備官採用試験の面接とは?過去の質問や対策法を解説
勉強は量を増やせばいいわけではなく、質(効率)が悪ければ勉強時間を増やしても意味がありません。逆に効率性を重視して勉強していけば、短期間・短時間での合格も十分可能ということです。
使える時間はどの受験者も同じですが、どうやって使うかは人それぞれです!限られた時間を上手に使って合格を目指していきましょう!
入国警備官採用試験に合格るための対策5ポイント
ここまで解説したように入国警備官採用試験の対策は難しいため、合格の可能性を少しでも上げたいなら早めに対策をはじめることが大切です。
とはいえ、手当たり次第に対策しても時間の無駄になってしまいます。
そこで、これから対策をはじめるときのポイントを5つ紹介!ぜひ、以下のポイントを意識して対策をしてみてください。
- どの試験が重要なのか把握する
- 主要科目から攻略する
- 出題範囲は絞る
- 論作文対策は早めに始める
- 面接対策を後回しにしない
ポイント①:どの試験が重要なのか配点比率を把握する
1つ目のポイントは試験ごとの重要度を知ること。
要は配点比率です。
試験内容 | 一般 | 社会人 |
---|---|---|
教養試験 | 57% | |
作文 | 可否のみ | 14% |
面接試験 | 可否のみ | 29% |
体力検査 | 可否のみ |
まずは1番配点が高い教養試験(基礎能力試験)から攻略するといいでしょう。面接や作文は、教養試験の勉強がある程度進んだら始められるといいですね。
ポイント②:主要科目から攻略する
2つ目のポイントは、主要科目から勉強すること。入国警備官採用試験での主要科目は次の3つ。
- 数的推理
- 判断推理
- 文章理解
これらの科目は、出題数が多く、理解するのに時間がかかる、または物理的に量が多いというのが理由です。逆に言えば、主要科目で点数が取れると勉強の負担を減らせるので、優先して勉強しましょう。
関連記事:入国警備官採用試験の内容は?苦手な教養試験を効率よく勉強する手順
ポイント③:出題範囲は絞る
3つ目のポイントは、出題範囲を絞ること。というのも公務員試験は出題範囲が膨大なので、まともに勉強すると試験までに終えることができません。
たとえば、主要科目の一つである数的推理の出題範囲は以下の15項目(250ページ)で構成されています。
① 方程式
出典:オープンセサミ参考書(一般知能)
② 割合
③ 速さ
④ 確率
⑤ 図形の計量
⑥ 整数
⑦ 規則性
⑧ その他
仮に1項目10時間を使って勉強すると、一通り手をつけるだけで80時間もかかる計算になります。ただでさえ試験科目は15以上あるので、確実に試験本番までに終わりません。
出題範囲は広いですが、全範囲から満遍なく出題されているわけではないため、すべてに力をいれて勉強することはNGです。最初に過去の出題範囲を把握して、効率よく勉強することがポイント!
関連記事:【入国警備官採用試験】教養試験の出題範囲を科目別に解説!
ポイント④:作文対策は早めにする
4つ目のポイントは、作文試験は早めに手をつけること。なぜなら、作文で一定の評価を得る(対策する)には独学では限界があるからです。
一つ考えてみてほしいのですが、とりあえず書いてみた答案と何回か指導を受けたあとに書く答案の評価は同じでしょうか?
おそらく1回目よりも確実に書けるようになっているはずです。
- 論文・作文の傾向を把握する(1週間)
- 書き方を勉強する(2週間)
- 書いて添削を繰り返す(2~3週間)
このように論文・作文のノウハウを知るだけなら1カ月で対策できますが、必要なのは添削を繰り返すこと。だいたい1回のやりとりが2~3週間かかるので、3回するとしても2ヵ月は必要です。
作文はA~Cの三段階評価のうちC評価で足切り(不合格)なので、苦手意識がある人はできるだけ早い段階から準備をはじめましょう!
関連記事:【過去のテーマ有】入国警備官採用試験の作文で落ちる?文字数や書き方を解説!
ポイント⑤:面接対策を後回しにしない
面接対策を後回しにしないことも合格するために必要なポイントです。僕自身も経験ありますが、面接対策ってやることが多いんですよね…。
まず自己PRや志望動機を考えて、何度も繰り返し話す練習をするのですが、納得できる内容を作ることができません。その後も実戦形式で話す練習をしたり、印象よくするために表情や姿勢を確認したりなど、想像しているよりもやることは多いです。
誰からも好印象を持たれる人気者であれば、少し練習するだけでも評価は高いと思いますが、一般人がマネすると間違いなく痛い目を見ます。
早い段階からガッツリ面接対策をする必要はありませんが、勉強と並行して自己PRや志望動機を考えていくことが大切です。
関連記事:【初心者向け】入国警備官採用試験の面接とは?過去の質問や対策法を解説
まとめ:入国警備官採用試験の難易度は低いが対策は難しい!
本記事は「入国警備官採用試験の難易度と対策するポイント」について解説してきました。
この記事を最後まで読んだ人は、合格するには何をすればいいのかわかったと思うので、あとは意識的に行動できるかどうかです。入国警備官は公安系公務員の中でも、合格率がとても低いですし、筆記試験をはじめ、作文や面接など幅広いため簡単に合格できません。
とはいえ、合格ラインは思っているほど高くありません。つまり、しっかり計画を立てて対策すれば充分に合格できるということです。
僕の経験上、「なるほど…。試験は難しいから早めに準備しなきゃ!」と意気込む人は多いけど、本当に今から行動できるのは一握りなんですよね…。基本的に公務員試験は科目も範囲も膨大ですが、頻出部分は全体の2~3割しかありません。初心者はどの科目・分野が重要なのか知ることがスタートです。
小難しい話になりましたが、要は、対策は難しいけど効率よく勉強すれば合格は余裕だよ!ってことです。焦る必要はないので、やれることから少しずつやっていきましょう。
今回は以上です。
