これから警視庁警察官を目指す方向けに、採用試験の難易度や対策方法を解説します(一類、三類ともに共通する内容です)。
■ 警視庁警察官採用試験は難しいの?
■ 警視庁警察官採用試験に合格するにはどうすればいいの?
■ 警視庁警察官採用試験の対策方法は?
結論からいうと、警視庁警察官採用試験に合格するのは簡単なことではありません。
面接試験や論作文試験の重要度が高く、勉強する科目は大学受験の3倍以上もあるため、実際に対策してみるとヤバさに気づくはずです。
とはいえ、コツコツと正しい努力ができれば最終合格することはできます。
そこで本記事では、警視庁警察官採用試験が難しい理由から合格するために必要な手順を初心者でもわかるように解説します!
『警視庁の警察官になりたい』、『採用試験に挑戦したい』と思っている方はぜひご覧ください。
▼この記事を書いている人▼

公務員試験の指導を12年間やっています。新卒で大手専門予備校に就職→公務員課で5年間勤務、在職中に公務員試験を受験するも不合格→退職→公務員試験の勉強→国立大学法人、政令市、市役所に合格→現在、某大学の職員として7年目。 2018年6月からサイトを運営中。普段はカフェで珈琲飲んでます。
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警視庁警察官採用試験が難しい3つの理由
勉強が苦手な人の場合、筆記試験を終わらせるのに何百時間かかることもザラにあります。
そして、たとえ筆記試験で満点が取れたところで人物(面接)が評価されなければ不合格です。
このように警視庁警察官採用試験は難しいので、その理由を解説します。
- 競争試験
- 試験内容が多い
- 試験科目・範囲が膨大
①競争試験であるため
競争試験というのは、採用人数が決まっていて、その人数に達するまで成績上位者から順に合格させる試験のことを指します。
これに対して、簿記や英検のような資格試験の場合は、70点以上といった合格基準が設定されていて、基本的には基準点を超えた人は全員合格することができます。

警視庁警察官採用試験は競争試験であるため、実力的には合格できるような人でも、ライバルたちが自分よりも成績が良ければ合格できないのです。
また、資格試験の中には、年に数回実施されるものもありますが、警視庁は年に2~3回しかチャンスがありません。
合格できる人数が決まっていて受験チャンスも少ないため、難度は高いと言えるでしょう。

最新の採用人数や競争率はこちらを参考にしてね!
②試験内容が多い(勉強時間がたくさん必要)
- 面接試験
- 体力検査
- 身体検査
※試験名をタップ(クリック)すると傾向や対策方法を確認できます。
このように対策しなければいけない試験が多いので、合格までに多くの勉強時間が必要になります。
学生ならまだしも、社会人が仕事をしながらこれだけの対策をしようと思っても、なかなか時間を作ることは難しいですよね。
今までの学力などもありますが、やはり合格している人は少なくとも500~600時間は勉強しています。
傾向をきちんと理解すれば、短期間でも効率よく対策できるのですが、これだけの量に圧倒され途中で諦めてしまう人は相当多いです。

僕自身、働きながら勉強をしていたこともありますが、平日はもちろん、休日さえ集中的に対策することはできませんでしたからね…。
③試験科目・範囲が膨大
教養試験(筆記試験)の問題は、高校までにきちんと勉強してきた人からすれば、それほど難しいわけではありません。
それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、科目数・範囲が膨大すぎるからです。
たとえば、社会科目は大学受験のように日本史か、世界史か、の選択ができるならなんとか勉強できるでしょう。
しかし、公務員試験の問題は日本史からも、世界史からも出題があります。さらには地理や政治、経済の知識さえも問われてくるのです。

他にも理科や数学など、勉強しなければならない科目が多いため、教養試験の対策だけでもたいへんな労力を注がなくてはなりません。
あれもこれも手をつけているうちに時間だけが過ぎていき、準備不足のまま本番を迎えてしまわないように、出題傾向をきちんと理解して対策することが大事です。
以上が、警視庁警察官採用試験が難しい3つの理由です。

教養試験を効率よく勉強する方法はこちらで解説しています!参考にしてみてくださいね。
警視庁警察官採用試験の合格に必要な2つの条件とは
ここからは、初心者の方が効率よく対策するための方法を解説します。
- 出題傾向を理解して勉強する
- 人物対策を並行して対策する
①出題傾向を理解して勉強する
警視庁警察官採用試験の対策で一番時間がかかり、受験者を悩ませるのが『教養試験(筆記)』です。
まず教養試験を何とかして攻略しないことには、警視庁で働くことはできません。教養試験を効率よく勉強するには、出題傾向を知ることが必須です。
具体的には過去問10年分を使って、
- 『問題数の把握』:勉強する順番を決めるために必要
- 『頻出分野の理解』:時間・労力のロスを防ぐために必要
のように、科目ごとの問題数や頻出分野をきちんと理解することで、無駄な勉強をしなくてよくなります。
対策に一番時間のかかる教養試験を効率よく勉強して、浮いた時間で面接や論作文対策ができれば合格の可能性が上がりますよ!

適当に勉強を始めてしまい、まったくでない科目・分野にまで手をつけている受験者さんが相当多いので注意しましょう。
②人物対策(面接や論作文)を早めに行う
少しでも最終合格率を上げるには、論作文や面接対策も早めに行いましょう。
早めに論作文や面接対策をすべき理由はこちらです。
- 上達するまでに時間がかかる
- 正しい答えがない
- 客観的な評価なので協力者が必要
このように教養試験と違って、勉強した時間に比例して成果が出る試験ではありません。
そして、
●論作文なら、テーマはズレていないか、文章構成は正しいか、誤字脱字・文法はおかしくないか。
●面接なら、自己PRや志望動機は分かりやすいか、表情や雰囲気は悪くないか。
といった部分が評価を上げるために重要であり、1人で対策していても良し悪しが判断できません。
そのため、合格率を少しでも上げたいなら、人物対策も筆記対策と同じくらいのタイミングで取り掛かるのがポイントです。遅くとも試験日の3カ月前には準備をはじめてください。
以上が、警視庁合格に必要な2つの条件となっています。
警視庁警察官採用試験を効率よく対策するポイント
「これをやれば確実に合格できる」という方法はありませんが、「効率よく対策するために意識するポイント」はあります。
具体的には以下の4つ。
- 参考書籍を購入する
- 勉強する科目を決定する
- 全部を勉強しない
- 面接や作文を軽視しない
①参考書籍を購入する
まず、勉強で必要な参考書籍(教科書や過去問題集)を準備します。
書店に行けばたくさんあるので、自分に合う1冊を選んでみてください。
なお、僕のオススメは以下のとおり。
教養試験:『畑中敦子シリーズ』『スーパー過去問ゼミシリーズ
』『ダイレクトナビシリーズ
』
論文試験:『よくわかる! 公務員試験のための論作文術』
面接試験:『公務員試験 現職採点官が教える! 合格面接術』
教養試験:『畑中敦子シリーズ』『オープンセサミシリーズ
』『スーパー過去問ゼミシリーズ
』
作文試験:『よくわかる! 公務員試験のための論作文術』
面接試験:『公務員試験 現職採点官が教える! 合格面接術』

試験レベルは区分によって違うので、1類は「大学卒業程度(地方上級)」、3類は「高校卒業程度(地方初級)」のテキストを選べばOK。
②勉強する科目を決定する
参考書籍を購入したら、勉強する科目を決めましょう。
なぜなら、科目ごとに出題数が違うからです。
初心者の方は特に、過去の出題傾向を理解しきれていないまま(または理解したつもりで)さまざまな科目・分野を勉強してしまう傾向があります。
しかし、出題傾向とズレていることに気づかないまま間違った勉強を続けていても、それは時間の無駄になってしまいかねません。
たとえるなら、間違ったフォームのまま素振りを何百回、何千回重ねても、ホームランを打つのが難しいのと同じです。
効率よく勉強するには出題傾向の把握が必須なので、どの科目が重要なのか理解して勉強してくださいね。

科目ごとの出題数はこちらの記事でまとめています。
③全部を勉強しない
教養試験の出題数は多いですが、科目ごとによく出る分野と出ない分野が決まっています。
たとえば、日本史の出題範囲が江戸時代から明治時代に限定されていたら平安時代や鎌倉時代の勉強はするでしょうか?
しないですよね。出題範囲じゃないので勉強するだけ時間の無駄です。
でも、実際には、縄文時代から現代まで全部を勉強する人ばかり…。これだと、どれだけ時間があっても本試験までに間に合わせることはできません。
このような出題傾向に気づかないまま、どれだけ勉強量を増やしたとしても、時間や労力が無駄になりかねないことは覚えておいてくださいね。

科目別の出題傾向をまとめたので、参考にしていただければと思います。
④人物試験を軽視しない
大前提として理解しておくべきことは、警視庁をはじめとする公務員試験は人物重視(面接や論作文の評価が重要)ということです。
筆記試験は難しいですし、対策に時間がかかることも事実ですが、どれだけ高得点を取れたとしても人物試験で評価がもらえないと最終合格できません。
実際に、筆記試験で5~6割程度の点数しか取れない受験者でも二次試験の結果次第で合格できています。逆に7~8割の点数が取れても、評価によって落ちてしまうというケースがけっこうあります。
したがって、教養試験は正しい勉強法に基づいて効率よく勉強し、浮いた時間を上手に使って、人物試験(論作文や個人面接)対策にもバランスよく取り組むことが重要です。
以上が、効率よく対策するためのポイントです。
警視庁警察官採用試験でよくある質問
警視庁警察官採用試験でよくある質問に回答します。
Q1.合格率はどれくらいですか?
過去10年間(2012~2021年)の平均合格率は、男性警察官14.8%、女性警察官12.6%です。
区分ごと(一類、三類)の合格率は、以下の記事でくわしく解説しています。
Q2.一類と三類の違いは何ですか?
簡単にいえば学歴による試験(レベル)の違いです。
1類は大卒、3類は高卒の人がそれぞれ受験できます。
その他は給料面で約4万円の差があったり、昇進試験を受験できる年数が変わったりする違いもあります。
Q3.頭が悪くても合格できますか?
はい、問題ありません。
高校までの学力があるに越したことはありませんが、公務員試験は元々の学力よりも『勉強の仕方」を知っているかどうかが重要です。
正しい勉強の仕方をこちらの記事で解説しているので参考にしてください。
Q4.何から勉強すればいいですか?
対策に時間のかかる「教養試験」です。
中でも一般知能科目(数的推理や判断推理)から始めるといいでしょう。
問題数が多く、点数が取れるまでに時間がかかるからです。
科目別の出題傾向を以下の記事で解説しているので参考にしてください。
以上が、警視庁警察官採用試験についてのよくある質問です。
まとめ:警視庁は難しいけどやり方次第で合格可能
この記事では、警視庁警察官採用試験が難しい理由をまとめました。
警視庁警察官採用試験が難しい理由は次の3つです。
初心者の方が対策するときに意識することは、こちらの2つです↓
このような条件を念頭に置いて対策できれば短期間でも合格を狙えます。

僕の経験上、「なるほど…。試験は難しいから早めに準備しなきゃ!」と意気込む人は多いけど、本当に今から行動できるのは一握りなんですよね…。
基本的に公務員試験は科目も範囲も膨大ですが、頻出部分は全体の2~3割しかありません。
初心者はどの科目・分野が重要なのか知ることがスタートです。
小難しい話になりましたが、要は、対策は難しいけど効率よく勉強すれば合格は余裕だよ!ってことです。焦る必要はないので、やれることから少しずつやっていきましょう。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!