【難しい】航空保安大学校の偏差値は?難易度や入試対策のコツ

航空保安大学校の難易度
この記事でわかること
  • 航空保安大学校の概要や偏差値
  • 航空保安大学校の実施状況
  • 航空保安大学校の難易度
  • 航空保安大学校の対策方法

空の安全を支える航空保安業務の専門家を養成する専門機関「航空保安大学校」。

そんな航空保安大学校はどのくらいの偏差値なのでしょうか。

結論、航空保安大学校の偏差値を表すことはできません。

一般的な大学とは違い、偏差値を測るデータが存在しないからです。後ほど詳しく解説していますが、筆記試験の他にも面接試験などが課せらます。

本記事では、航空保安大学校の難易度や対策方法を網羅的に解説しています。

「これから航空保安大学校を目指したい」「受験勉強を始めたばっかり」という高校生や社会人はぜひ参考にしてください。

えもと

なお、航空管制官(管制科)は大卒者を対象とした試験です。詳しくはこちらを参考にしてください。

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航空保安大学校の偏差値

結論、航空保安大学校の偏差値を表すことはできません。

なぜなら、一般的な大学入試とは内容も科目も異なる試験だからです。

英語検定や漢字検定を受験するときに偏差値なんて調べないですよね。それと同じ。

したがって、高校や大学とは違い予備校が出すような偏差値という指標(データ)はありません。

航空保安大学校に入るには?入試概要を解説

航空保安大学校に入るには、人事院が行う「航空保安大学校学生採用試験(公務員試験)」に合格する必要があります

一般的な大学とは違い、入試日程も内容も違うので注意が必要です。

ここでは、令和5年度(2023年実施)航空保安大学校の入学試験概要を紹介します。

  • 受験資格
  • 募集区分
  • 採用人数
  • 選考スケジュール
  • 入試内容
  • 入試倍率

受験資格(年齢制限)

  1. 2023(令和5)年4月1日において高等学校又は中等教育学校を卒業した日の翌日から起算して3年を経過していない者及び2024(令和6)年3月までに高等学校又は中等教育学校を卒業する見込みの者。
  2. 高等専門学校の第3学年の課程を修了した者で、2023(令和5)年4月1日において当該課程を修了した日の翌日から起算して3年を経過していない者及び2024(令和6)年3月までに高等学校又は中等教育学校を卒業する見込みの者。
  3. 高等学校卒業程度認定試験に合格した者で、2023(令和5)年4月1日において当該試験に合格した日の翌日から3年を経過していないもの等人事院が1に掲げる者と同等の資格があると認める者

募集区分

航空保安大学校には、次の学科があります。

航空情報科

航空通信、航空情報の提供及び運航管理などの業務に従事

航空電子科

航空管制システムの運用、管理などの業務に従事

採用後は、航空保安大学校で2年間の研修を受けた後、全国各地の航空交通管制部や空港に配属されます。

採用人数

令和5年度(2023年実施)は合わせて50名の採用を予定しています。

実施年航空情報科航空電子科
20232030
20222030
20212030
20202030
20192530
えもと

採用人数は2023年6月14日現在の予定です。変動する場合があります。

入試日程

受付期間2023年7月18日~27日
一次試験2023年9月24日(日)
一次試験
合格発表
2023年10月11日(水)
二次試験2023年11月13日~16日の間で指定された日
最終合格2023年12月19日(火)

入試内容

  • 基礎能力試験
  • 学科試験
  • 口述試験(面接)
  • 身体検査

航空保安大学校は、航空管制官になるための就職試験です。そのため、筆記試験だけでなく、人物試験も実施されます。

筆記試験のみで良い点数を取っても、口述試験で評価を得られなければ合格できません。

試験内容や傾向を把握し、効率よく対策することが重要です。

入試倍率

2022年に実施された令和4年度航空保安大学校の最終倍率は2.6倍でした。

2022年度区分別実施状況
区分受験者数合格者数倍率
航空情報科183424.4
航空電子科123781.6
合計3161202.6

この数値の中には、まともに対策していない人も多く含まれているので、実際はもっともっと低いです。

地方公務員(県や市)の倍率は10倍を超えることが多いので、数値だけ見れば”航空保安大学校は受かりやすい“と思われても仕方ないですね。

航空保安大学校の倍率について、詳しくは次の記事で解説しています。

航空保安大学校の難易度

航空保安大学校の難易度・・・は決して高くないです。

理由は以下のとおり。

  • 合格率はやや高め
  • 試験問題は中学〜高校レベル
  • 合格ラインは5〜6割程度

合格率はやや高め

2022年に実施された令和4年度海の合格率は38.0%でした。

区分合格率受験者数合格者数
航空情報科23.0%18342
航空電子科63.4%12378
合計38.0%316120
2022年度区分別合格率

この数値の中には、まともに対策していない人も多く含まれているので、実際はもっともっと高いです。

公務員試験合格率の平均は15~20%なので、数値だけ見れば”航空保安大学校の難易度は高くない”と思われても仕方ないですね。

試験問題は中学〜高校1年レベル

航空保安大学校の入試問題は、あなたが今までに学んだ内容から出題されます。

なので、高校までにきちんと勉強してきた人からすれば、それほど難しいわけではありません。

たとえば、次はメイン科目の一つである数的推理の問題です。

航空保安大学校(基礎能力試験)の問題
「速さ」という単元で、中学校1年生で学習するような問題です。

算数、数学が苦手な人は悩むかもしれませんが、少し勉強すれば思い出すのではないでしょうか。

たまに大学入試レベルの問題も出ていますが、多くは中学〜高校入試ぐらいの問題です。

ボーダーラインは低い

採用数や問題によってボーダーラインは変動しますが、だいたい5割~6割取れれば合格できています。

同じ公務員試験でも、裁判所事務官は最低8割必要ですし、東京消防庁も7割程度。比較すると航空保安大学校のボーダーラインは大したことありません。

5~6割程度の点数であれば、傾向に沿って勉強すれば十分に取れるので、そこまで難度は高くないでしょう。

えもと

こんな感じで、航空保安大学校の難易度・・・はそこまでハードじゃありません。

航空保安大学校に合格するのは難しい

航空保安大学校の難易度は高くありませんが、決して受かりやすいわけじゃないです。

理由は次の3つ。

  1. 競争試験だから
  2. 試験科目が多いから
  3. 圧倒的な人物重視だから

競争試験だから

航空保安大学校は、一定数の採用枠に対して成績上位者から順に合格が決まる競争試験です。

そのため、受験者全員が合格できるわけではなく、ライバルたちとの競争によって合否が決まります。

資格試験(英検や漢検など)であれば偏差値の高い人が何人いても基準点を取れれば合格できますが、競争試験では偏差値の高い人たちよりも1点でも多くの点数を取らなければ合格できないのです。

えもと

受験者の大半が偏差値の高い学生だったら勝てる気がしないですよね…。

試験科目が多いから

筆記試験(基礎能力試験)の科目は5分野21科目もあります。

分野科目
数的処理数的推理|判断推理|空間把握|資料解釈
文章理解現代文|英文|古文
社会科学政治|経済|社会時事|倫理
人文科学日本史|世界史|地理|国語|英語
自然科学数学|物理|化学|生物|地学
令和5年度の情報(全区分共通)

高校・大学入試の約3倍の科目数なので、対策には相当な時間が必要です。そのため、受験者にとっては大変な試験の一つと言えるでしょう。

問題レベルは、中学校から高校までに学んだことのある内容ばかりですが、それをもう一回勉強しないといけないので簡単ではありません。

やみくもに勉強を始めるのではなく、出題傾向を理解して効率よく勉強することがポイントです。

人物重視だから

最終合格するには、知識や学力だけでなく、適性・資質や人間性(コミュニケーション能力)も必要です。

単純な学力だけでなく、多角的な能力が求められることになります。

これまでの入学試験や資格試験では、知識を詰め込んでいれば合格できたものが、航空保安大学校学生採用試験では、能力を総合的に評価されるため単に知識を詰め込んでいるだけでは合格できないのです。

どれだけ筆記試験の点数が高くても、面接で一定の評価を得られないと最終合格に至らない可能性があるということ。

何かの試験に偏った対策をするのではなく、どの試験科目もバランスよく対策しましょう。

航空保安大学校合格に向けた対策のコツ

航空保安大学校学生採用試験に合格するには、しっかりとした対策が必要です。

これから対策を始めるためのコツを3つ紹介します。

スキマ時間を有効活用する

始めにこれを伝えておかなければいけません。

公務員試験でとにかく大切なことは、『時間は無限ではない』ということです。

じゃあ具体的にどうやって時間を捻出するの?というと、『スキマ時間を有効活用する』という結論に達します。

  • 通学時間
  • 学校での休み時間
  • 食事の前後
  • 入浴時間
  • 寝る前の10分間 など

全てを使うのは難しくても、自分の生活スタイルに合わせてこの中のいくつかを取り入れるだけでも十分スキマ時間を活用できますよ。

たとえば1回20分のスキマ時間でも、1年で7,300分(約120時間)になります。

これが1日の中で3回(朝、昼、夜)繰り返されるだけで、年間365時間も勉強できることになりますよね。

最終合格までに必要な勉強時間は400~500時間なので、スキマ時間だけでも6~7割ぐらいの勉強ができてしまうのです。

基礎能力試験は効率よく勉強する

数ある試験の中でも、基礎能力試験は厄介な試験科目の一つです。

5分野21科目から出題があり、範囲も広いため、やみくもに勉強を進めると相当な時間がかかってしまいます。

たとえば、数的推理や判断推理は4〜5問出ますが、物理や日本史は1問ずつしか出ていません。少しでも合計点を上げたいなら、問題数の多い科目で点を取らないとダメですよね。

また、どの科目も最初から最後まで満遍なく出ることはありません。ある分野は毎年出ているけど、この分野は全く出ていないってことがあるのです。

そういった傾向を一つでも多く理解してから勉強を始めましょう。

航空保安大学校の基礎能力試験について、詳しくは次の記事で解説してます。

面接対策を後回しにしない

大前提として理解しておくべきことは、航空保安大学校をはじめとする公務員試験は人物重視(面接評価が重要)ということです。

基礎能力試験や学科試験の配点は高く対策に時間がかかることは事実ですが、どれだけ高得点を取れたとしても人物試験で評価がもらえないと最終合格できません。

面接を攻略するには、自己分析が超重要。

自己分析

自分の長所や短所、価値観などを知るための作業です。早い段階から始めることで、十分な時間をかけ、自分を深く理解することができます。

毎年、面接カードの添削をやっていて思いますが、まともに自己分析できている人は数パーセントしかいないんですよね…。

えもと

この自己PRや志望動機でいいのって人が本当に多くて…心配になってしまいます。

自己分析では、自分を知ること以外にも航空管制官(情報官・技術官)の仕事内容も理解しておく必要があります。仕事内容を理解しておけば、志望動機や自己PRに説得力を持たせることができるからです。

自己分析→面接の自主練習→模擬面接を受けて話し方や表現力を確認」と、面接対策はとにかくやることが多いです。

面接力をある程度のレベルにもっていくには時間がかかるので、早めに自己分析を進めて準備を始めましょう。

航空保安大学校の面接について、詳しくは次の記事で解説しています。

えもと

以上のように、航空保安大学校に合格するためには、効率的な勉強方法を取り入れると同時に、面接にも時間をかけて取り組むことが大切です。

航空保安大学校に入りたいなら戦略が大切!

難易度だけで考えれば、航空保安大学校に入ることはそんなに難しくないです。

試験問題は中学〜高校レベルですし、合格ラインも5〜6倍程度ですからね。

しかし、単純に筆記試験の点数を取れば合格できるものではなく、面接による人間性が最重視されるため、努力がそのまま結果に結びつかない難しさがあるんですよね。

適当に勉強を進めるのではなく、試験内容や傾向ををきちん理解してから効率よく行うことが大切です。

本サイトでは、航空保安大学校合格に必要な情報を多く配信しています。
ぜひ、参考にして対策を始めてくださいね。

タップできる目次