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航空保安大学校を目指しているけど、難しいと聞いてビビっています。独学だと合格は無理でしょうか?これから勉強を始めるど素人でも受かる方法を教えてください。
こんなお悩みを解決できる記事を書きました!
結論からいうと、航空保安大学校学生採用試験は難しく、大半のひとが途中で挫折しているのが現実です。
とはいえ、傾向を理解して愚直に努力を続ければ独学でも十分に合格できます!中途半端に対策して途中で投げ出してしまうのはもったいないですよ。
本記事では、なぜ航空保安大学校学生採用試験が難しいのか、合格するためにはどうすればいいのかを初心者でも分かるように解説します。
【2023年度】航空保安大学校学生採用試験受験ガイド
まずは簡単に航空保安大学校学生採用試験の概要を紹介します。
受験資格(年齢制限)
- 2023(令和5)年4月1日において高等学校又は中等教育学校を卒業した日の翌日から起算して3年を経過していない者及び2024(令和6)年3月までに高等学校又は中等教育学校を卒業する見込みの者。
- 高等専門学校の第3学年の課程を修了した者で、2023(令和5)年4月1日において当該課程を修了した日の翌日から起算して3年を経過していない者及び2024(令和6)年3月までに高等学校又は中等教育学校を卒業する見込みの者。
- 高等学校卒業程度認定試験に合格した者で、2023(令和5)年4月1日において当該試験に合格した日の翌日から3年を経過していないもの等人事院が1に掲げる者と同等の資格があると認める者
募集区分と採用人数
航空保安大学校には、次の学科があります。
- 航空情報科
-
航空通信、航空情報の提供及び運航管理などの業務に従事
- 航空電子科
-
航空管制システムの運用、管理などの業務に従事
採用後は、航空保安大学校で2年間の研修を受けた後、全国各地の航空交通管制部や空港に配属されます。
採用人数の推移
区分 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
---|---|---|---|---|---|
航空情報 | 25 | 25 | 20 | 20 | 20 |
航空電子 | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 |
採用までの流れ(試験日程)
受付期間 | 2023年7月18日~27日 |
一次試験 | 2023年9月24日(日) |
一次試験 合格発表 | 2023年10月11日(水) |
二次試験 | 2023年11月13日~16日の間で指定された日 |
最終合格 | 2023年12月19日(火) |
試験内容
試験は大きく「筆記試験」と「人物試験」に分類できます。
選考は段階式で行われ、まず一次選考で受験者を篩にかけ人数を絞ります。その後、一次選考の合格者を対象に二次選考を行い最終合格者を決定するという流れです。
試験 | 内容 |
---|---|
一次選考 | 基礎能力試験(多肢択一式) |
学科試験(多肢択一式) | |
二次選考 | 人物試験(個別面接) |
身体検査 | |
身体測定 |
合格率
区分(学科) | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
航空情報科 | 183 | 42 | 23.0% |
航空電子科 | 123 | 78 | 63.4% |
合計 | 316 | 120 | 38.0% |
なお、過去の航空保安大学校の結果については以下の記事でくわしく解説しています。
航空保安大学校は難しい?難易度を解説します。
結論からいうと、航空保安大学校の難易度は高くありません。難関高校・大学や難関資格に受かる方が圧倒的に難しいです。
しかし…、最終合格することは想像より簡単ではありません。
試験問題は中学〜高校1年レベル
公務員試験の問題(基礎能力試験や学科試験)は、今までに勉強してきた内容が試験範囲です。
なので、高校までにきちんと勉強してきた人からすれば、それほど難しいわけではありません。
たとえば、次はメイン科目の一つである数的推理の問題です。
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「速さ」という単元で、中学校1年生で学習するような問題です。
算数、数学が苦手な人は少し悩むかもしれませんが、少し勉強すれば思い出すのではないでしょうか。
たまに大学入試レベルの問題も出ていますが、多くは中学〜高校入試ぐらいの問題です。
ボーダーラインは低い
採用数や問題によってボーダーラインは変動しますが、だいたい5割~6割取れれば合格できています。
高校・大学入試のように8割、9割必要なら難しいですが、6割程度なら傾向に沿って勉強すれば十分に取れますよ。
問題レベルも今までに学習した範囲なので、そんなに難しくはないでしょう。
なお、航空保安大学校のボーダーラインについては以下の記事でまとめています。
試験科目が多い
とはいえ、多くの受験者が「航空保安大学校(公務員試験)は難しい…」と悩んでいるのは試験科目が多いからです。
なんと15科目以上もあるんですよね…。
試験科目一覧
分野 | 科目 |
---|---|
数的処理 | 数的推理|判断推理|空間把握|資料解釈 |
文章理解 | 現代文|英文|古文 |
社会科学 | 政治|経済|社会|倫理 |
人文科学 | 日本史|世界史|地理|国語|英語 |
自然科学 | 数学|物理|化学|生物|地学 |
高校・大学受験でも5~7科目くらいですからね…約3倍はあるのです。
中学校から高校までに一度は学んだことのある科目ばかりだと思いますが、それをもう一回勉強しないといけないので…正直、キツイですね。
なお、航空保安大学校の試験科目については以下の記事でくわしく解説します。
学力よりも人間力が重要
賢い(頭がいい)だけでは合格できません。
あなたがこれまでに経験してきた入学試験(中学・高校入試)や資格試験では、単純な学力だけが問われ、知識を詰め込んでいれば合格が狙えました。
しかし、採用試験の内容は筆記試験だけではありません。面接もあるんですよね…。
『公務員になるための試験=就職試験』でもあるため、公務員としての適性・資質や人間性(コミュニケーション能力)も総合して評価されるのです。
継続力がないと合格は厳しい
対策はやることが多いので…まぁ、シンドイです。
合格するために必要な勉強時間は過去のデータから500時間~600時間ほど。1日2時間の勉強を約1年間続けるようなものです。
合格目標「600時間」の勉強計画
1日の勉強時間 | 600時間に到達するまでの日数 |
---|---|
2時間 | 300日(約10ヶ月) |
3時間 | 200日(約7ヶ月) |
4時間 | 150日(約5ヶ月) |
モチベーションを長期間保ちながら筆記対策も面接対策もする必要があるため、相当な覚悟が求められます。
想像してみてください、周囲が遊んでいる中で自分だけ勉強漬けの毎日、飲み会やイベントなどの誘いをシャットアウトしながら勉強に集中して高いパフォーマンスを維持しなければならないのです。
実際、合格を目指して勉強を始める人は多いですが、途中で挫折する人も相当多いです。100人いて30〜50人ぐらい、半分はいなくなります。



以上が航空保安大学校の難易度です。試験内容が難しいというよりは、対策内容が多く、メンタルのコントロールが大変って感じですね。
航空保安大学校の対策ポイント
航空保安大学校学生採用試験に合格するためのコツを紹介しましょう。
スキマ時間を有効活用する
始めにこれを伝えておかなければいけません。
公務員試験でとにかく大切なことは、『時間は無限ではない』ということです。
じゃあ具体的にどうやって時間を捻出するの?というと、『スキマ時間を有効活用する』という結論に達します。
- 通学時間
- 学校での休み時間
- 食事の前後
- 入浴時間
- 寝る前の10分間 など
全てを使うのは難しくても、自分の生活スタイルに合わせてこの中のいくつかを取り入れるだけでも十分スキマ時間を活用できますよ。
これが1日の中で3回(朝、昼、夜)繰り返されるだけで、年間365時間も勉強できることになりますよね。
最終合格までに必要な勉強時間は500~600時間なので、スキマ時間だけでも6~7割ぐらいの勉強ができてしまうのです。
出題傾向を理解してから勉強する
試験内容は幅広いですが、時間の多くを筆記対策に充てなければいけません。
基礎能力試験の科目が多いことは説明しましたが、出題範囲も膨大です。
そのため、「数的推理は満点をとる」とか、「日本史は嫌いだから捨て科目にして」などと戦略を立てて対策することがポイント。
5割~6割くらいの点が取れれば、全科目・全範囲を勉強しなくても大丈夫なんですよね。
大事なのは、何を勉強すれば効率よく点が取れるのかってこと。
- 数的推理は4問中4問を正解する
- 資料解釈は2問中1問は正解する
- 世界史は「二大大戦の分野」だけする
- 生物は「動物の行動」だけ見る
こんな感じで、勉強する前に戦略を練っておきましょう。
科目・範囲ともに広範な基礎能力試験を攻略するには、出題傾向をきちんと理解することがポイントです。
詳しくは以下の記事を参考にしてください。
面接対策を後回しにしない
大前提として理解しておくべきことは、航空保安大学校をはじめとする公務員試験は人物重視(面接評価が重要)ということです。
基礎能力試験や学科試験の配点は高く対策に時間がかかることは事実ですが、どれだけ高得点を取れたとしても人物試験で評価がもらえないと最終合格できません。
すでに面接でA、B評価をもらえる人なら一次試験が終わってからでも十分間に合うかもしれませんが、面接に自信を持てない人がマネすると確実に落ちてしまいます。
面接試験で評価を得るには準備が必要です。長所短所を考えたり、志望動機を考えたり…と、かなり時間がかかりますよ。
なので、早めに、できれば試験日の2~3か月前ぐらいから取り掛かるといいでしょう。
まとめ|航空保安大学校は難しいけどやり方次第で合格可能
本記事では、航空保安大学校学生採用試験の難易度や受かるためのコツを解説しました。
難易度だけで考えれば、航空保安大学校はそんなに難しくないです。試験問題は中学〜高校レベルですし、ボーダーラインも5割~6割程度でパスできますからね。
しかし、合格するのは簡単ではありません。
- 試験科目が多い
- 学力<人物が必要
- モチベーション維持
と、試験内容が難しいというよりは、対策内容が多く、メンタルのコントロールが大変って感じですね。
「これをやれば確実に合格できる」という方法はありませんが、「効率よく対策するために意識するポイント」はあります。
具体的には以下の3つ。
- スキマ時間を有効活用する
- 出題傾向を理解する
- 面接対策を試験日の2ヵ月前から始める
このようなポイントを踏まえて対策できれば短期間でも十分に合格を狙えます!
焦る必要はないので、やれることから少しずつやっていきましょう。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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