本記事は国家一般職(高卒者試験)の一次試験と二次試験について、
- 試験内容
- 実施結果(倍率)
- 合格点
をそれぞれ解説しています。
試験内容は幅広いので、きちんと傾向を把握してから対策を始めましょう。
国家一般職(高卒者試験) 一次試験の内容
ここでは国家一般職(高卒者試験)の一次試験の内容をまとめています。
選考は段階式で行われ、まず一次選考で受験者を篩にかけ人数を絞ります。その後、一次選考の合格者を対象に二次選考を行い最終合格者を決定するという流れです。
試験種目 | 事務区分 | 技術区分 |
---|---|---|
基礎能力試験 | 4/9 | 2.3/9 |
適性試験 | 2/9 | |
作文試験 | 1/9 | |
専門試験 | 4.7/9 |
基礎能力試験
計算力や読解力を確かめる「一般知能」と、これまでの学力を確かめる「一般知識」で構成される筆記試験です。
試験時間 | 90分 |
問題数 | 40問 |
出題形式 | 五肢択一式(マークシート) |
試験科目 | 【一般知能】 数的推理 判断推理 空間把握 資料解釈 文章理解 【一般知識】 社会科学(政治、経済、社会、倫理) 人文科学(地理、日本史、世界史、国語、英語) 自然科学(数学、物理、化学、生物、地学) |
配点比率 | 事務: $$\frac{4}{9}$$ 技術: $$\frac{2.3}{9}$$ |
▼こんな問題が出ます▼
過去問チャレンジ
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問題難易度は中学〜高校レベルなので、きちんと勉強してきた人からすれば簡単。しかし、科目や範囲はハンパなく膨大なので頭を悩ませている人は多いです。
やみくもに勉強するのではなく、科目の傾向や特徴を理解してから対策しましょう。詳しくは以下の記事でまとめています。
なお、すでに試験科目を知っている方は、基礎能力試験の勉強方法を以下の記事で解説しています。
適性試験
決められた手順にそって、短時間で速く・正確に課題処理ができるかどうかを測る筆記試験です。
試験時間 | 15分 |
問題数 | 120問 |
出題傾向 | 計算 照合 置換 分類 図形把握 これらの形式から3パターンが出題される。 |
配点比率 | $$\frac{2}{9}$$ |
▼こんな問題が出ます▼
過去問チャレンジ

1問1点で計算されるので、高得点が取れると基礎能力試験の負担を減らせます。
特別な対策は必要ありませんが、何回かは時間を計って問題形式になれるようにしましょう。
詳しくは以下の記事でも解説しています。
作文試験
課題に対して文章を書かせることで、受験者の考え方や熱意といった人間性を総合的に判断しようとする記述式の試験です。
試験時間 | 50分 |
問題数 | 1題(テーマ) |
文字数 | 600字 |
配点比率 | $$\frac{1}{9}$$ |
▼こんな問題が出ます▼
過去問チャレンジ
ただ単に文章を書くのではなく、 課題を正しく読み取り、自分の経験や体験を盛り込みつつ説明できるかなど、知識の総合的な応用力が問われます。
対策に時間がかかるため、早めに取り掛かることが大事です。
詳しい傾向や過去問を以下の記事でまとめているので、参考にしてください。
専門試験
志望区分に関する専門知識力を測る筆記試験です。
試験時間 | 100分 |
問題数 | 100問 |
解答数 | 40問 |
出題形式 | 五肢択一式(マークシート) |
試験科目 | 【必須問題】 数学・物理・情報 【選択問題】 電気・情報系 機械系 土木系 建築系 |
配点比率 | $$\frac{4.7}{9}$$ |
▼こんな問題が出ます▼
過去問チャレンジ


基礎能力試験に比べて配点が2倍になります。
そのため、できるだけ専門試験で点数を取ることが大事!
国家一般職(高卒者試験) 一次試験の結果
ここでは国家一般職(高卒者試験)の一次試験の実施結果をまとめています。
2020年度(令和2年度)
地域 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
北海道 | 616 | 120 | 5.1 |
東北 | 849 | 197 | 4.3 |
関東甲信越 | 5,461 | 1,745 | 3.1 |
東海北陸 | 730 | 189 | 3.9 |
近畿 | 714 | 179 | 4.0 |
中国 | 458 | 83 | 5.5 |
四国 | 269 | 54 | 5.0 |
九州 | 1,261 | 291 | 4.3 |
沖縄 | 409 | 57 | 7.2 |
2021年度(令和3年度)
地域 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
北海道 | 547 | 119 | 4.6 |
東北 | 879 | 190 | 4.6 |
関東甲信越 | 5,162 | 1,929 | 2.7 |
東海北陸 | 469 | 219 | 2.1 |
近畿 | 544 | 167 | 3.3 |
中国 | 395 | 85 | 4.6 |
四国 | 211 | 48 | 4.4 |
九州 | 1,373 | 236 | 5.8 |
沖縄 | 371 | 33 | 11.2 |
2022年度(令和4年度)
地域 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
北海道 | 439 | 272 | 1.6 |
東北 | 721 | 243 | 3.0 |
関東甲信越 | 3,994 | 1,876 | 2.1 |
東海北陸 | 533 | 231 | 2.3 |
近畿 | 484 | 180 | 2.7 |
中国 | 363 | 77 | 4.7 |
四国 | 215 | 60 | 3.6 |
九州 | 1,016 | 239 | 4.3 |
沖縄 | 296 | 51 | 5.8 |
一次試験の実施結果は、あまり気にしなくてOK。
なぜなら、まともに勉強していない(=不合格が確実な)人も多く含んでいるからです。
結局のところ2倍でも、5倍でもやることは同じなので数値に惑わされないようにしましょう。
国家一般職(高卒者試験)の全体結果は以下の記事でまとめています。
国家一般職(高卒者試験) 一次試験の合格点
ここでは国家一般職(高卒者試験)の一次試験の合格点をまとめています。

作文試験は一次試験の合格者を対象に評価します!
2020年度(令和2年度)
地域 | 合格点 |
---|---|
北海道 | 388点 |
東北 | 384点 |
関東甲信越 | 390点 |
東海北陸 | 388点 |
近畿 | 395点 |
中国 | 394点 |
四国 | 388点 |
九州 | 411点 |
沖縄 | 433点 |
2021年度(令和3年度)
地域 | 合格点 |
---|---|
北海道 | 392点 |
東北 | 392点 |
関東甲信越 | 379点 |
東海北陸 | 342点 |
近畿 | 394点 |
中国 | 376点 |
四国 | 373点 |
九州 | 421点 |
沖縄 | 471点 |
2022年度(令和4年度)
地域 | 合格点 |
---|---|
北海道 | 288点 |
東北 | 357点 |
関東甲信越 | 361点 |
東海北陸 | 350点 |
近畿 | 378点 |
中国 | 381点 |
四国 | 340点 |
九州 | 387点 |
沖縄 | 425点 |
なお、筆記試験の点数は素点(正解数)ではなく、試験種目ごとに平均点、標準偏差を用いて算出した標準点で計算します。
詳しくは以下の記事で解説しているので、参考にしてください。
国家一般職(高卒者試験) 二次試験の内容
ここでは国家一般職(高卒者試験)の二次試験の内容をまとめています。
個人面接
筆記試験では判断できない、受験者の性格や仕事に対する熱意,公務員としての適性などをみる人物試験です。
試験時間 | 15~20分程度 |
面接官 | 3人 |
面接カード | 事前記入 (一次試験後にダウンロードする) |
質問内容 | 長所・短所 志望動機 希望する部署 学生時代に頑張ったこと 所属した部活・サークル など |
配点比率 | $$\frac{2}{9}$$ ※事務、技術共通 |
▼こんな質問が聞かれます▼
過去問チャレンジ
- 緊張していますか。
- 会場までどうやってきましたか。
- 志望動機を言ってください。
- 希望する官庁はありますか。
- 官庁説明会には参加しましたか。
- 30秒で自己PRしてください。
- あなた自身を1分間で表現してみてください。
- どのようなタイプの友人が多いですか。
- 卒業後、公務員になることを親はなんと言っていますか。
- 大学へ進学しようと思いませんでしたか。
- 部活動は何をやっていましたか。
- 新聞は読んでいますか。
- 気になるニュースはありますか。
- 公務員の不祥事をどう思いますか。
- 最後に言い残したことはありませんか。
最終合格者は一次と二次の合計点で決定するので、一次試験の出来が良くなくても挽回できます。逆に面接が苦手だと一次試験が余裕でも落ちてしまうため早めに対策を始めましょう。
より詳しい内容や本試験で聞かれた質問などを以下の記事でまとめています。
国家一般職(高卒者試験) 二次試験の結果
ここでは国家一般職(高卒者試験)の二次試験の結果をまとめています。
2020年度(令和2年度)
地域 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
北海道 | 120 | 83 | 1.4 |
東北 | 197 | 128 | 1.5 |
関東甲信越 | 1,745 | 1,428 | 1.2 |
東海北陸 | 189 | 125 | 1.5 |
近畿 | 179 | 119 | 1.5 |
中国 | 83 | 52 | 1.6 |
四国 | 54 | 34 | 1.6 |
九州 | 291 | 180 | 1.6 |
沖縄 | 57 | 38 | 1.5 |
2021年度(令和3年度)
地域 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
北海道 | 105 | 95 | 1.1 |
東北 | 173 | 135 | 1.3 |
関東甲信越 | 1,699 | 1,376 | 1.2 |
東海北陸 | 188 | 155 | 1.2 |
近畿 | 158 | 141 | 1.1 |
中国 | 68 | 56 | 1.2 |
四国 | 45 | 37 | 1.2 |
九州 | 202 | 170 | 1.2 |
沖縄 | 30 | 22 | 1.4 |
2022年度(令和4年度)
地域 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
北海道 | 218 | 176 | 1.2 |
東北 | 220 | 167 | 1.3 |
関東甲信越 | 1,676 | 1,367 | 1.2 |
東海北陸 | 210 | 160 | 1.3 |
近畿 | 165 | 144 | 1.1 |
中国 | 70 | 59 | 1.2 |
四国 | 52 | 43 | 1.2 |
九州 | 204 | 165 | 1.2 |
沖縄 | 48 | 40 | 1.2 |
二次選考はきちんと対策をして試験に臨んでいる人ばかりなので、一次試験よりレベルは高いです。
そのため倍率は低いですが、数値ほど簡単ではありません。
努力量に比例して上達する筆記試験とは違い、面接は第三者の評価が点数になります。なので、どんなに頑張って対策しても報われない人は多いんですよね。
自分では面接がバッチリできていると思っても自己満足にしかならないので、時間をかけて対策しましょう。
国家一般職(高卒者試験) 二次試験の合格点
ここでは国家一般職(高卒者試験)の二次試験の合格点をまとめています。
2020年度(令和2年度)
地域 | 合格点 |
---|---|
北海道 | 563点 |
東北 | 560点 |
関東甲信越 | 521点 |
東海北陸 | 573点 |
近畿 | 585点 |
中国 | 570点 |
四国 | 571点 |
九州 | 588点 |
沖縄 | 632点 |
2021年度(令和3年度)
地域 | 合格点 |
---|---|
北海道 | 540点 |
東北 | 555点 |
関東甲信越 | 545点 |
東海北陸 | 484点 |
近畿 | 529点 |
中国 | 532点 |
四国 | 526点 |
九州 | 577点 |
沖縄 | 645点 |
2022年度(令和4年度)
地域 | 合格点 |
---|---|
北海道 | 453点 |
東北 | 532点 |
関東甲信越 | 523点 |
東海北陸 | 522点 |
近畿 | 540点 |
中国 | 535点 |
四国 | 498点 |
九州 | 548点 |
沖縄 | 596点 |
詳しくは以下の記事で解説しているので、参考にしてください。
国家一般職(高卒者試験)の試験内容まとめ
今回は国家一般職(高卒者試験)の一次試験と二次試験を紹介しました。
試験=ペーパーテストと思う人は多いですが、公務員になるための就職試験です。なので、面接や作文などの幅広い試験が課されています。
再度、試験内容を確認すると、
このとおり多いです。
やみくもに対策するのではなく、きちんと傾向を理解してから進めてください。
当ブログでは国家一般職(高卒者試験)の情報を公開していますので、ぜひ活用していただければと思います。

