- 国家一般職(高卒程度)の試験内容は?
- 国家一般職(高卒程度)の合格に必要な勉強時間や期間は?
- 国会一般職(高卒程度)に独学で合格する勉強法を知りたい。
この疑問に回答します。
国家一般職採用試験(高卒程度)の最大の特徴は試験内容が多すぎるということ!
「【対策法あり】国家一般職(高卒)の難易度を合格率や内容から解説!」でも解説していますが、国家一般職(高卒程度)の合格率はそこそこ高いし、ボーダーもまぁまぁ低いので難度は決して高くはありません。
しかし、試験内容が幅広いので対策は本当に難しいんですよね…。
なので適当に勉強しても合格は無理!
そこで本記事では、国家一般職採用試験(高卒程度)に受かるために必要な勉強法を解説していきます。
▼この記事を書いている人▼

公務員試験の指導を12年間やっています。新卒で大手専門予備校に就職→公務員課で5年間勤務、在職中に公務員試験を受験するも不合格→退職→公務員試験の勉強→国立大学法人、政令市、市役所に合格→現在、某大学の職員として7年目。 2018年6月からサイトを運営中。普段はカフェで珈琲飲んでます。
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【基礎知識】国家一般職採用試験(高卒)の内容を知ろう!
国家一般職(高卒)は、筆記のほかにも多くの試験が課されています。
まずどんな試験内容なのか知らないことには効率よく対策できないので、簡単に把握しましょう。
一次試験の内容
試験内容 | 問題数 / 時間 | 内容 |
---|---|---|
基礎能力試験 (教養試験) | 40問 / 90分 | 計算力や読解力を測る試験 |
適性試験 | 120問 / 15分 | 事務処理能力を測る試験 |
作文試験 | 1題 / 50分 | テーマに沿って論じる試験 |
二次試験の内容
試験内容 | 試験時間 | 内容 |
---|---|---|
人物試験 | 15分〜20分 | 個人面接 |
配点
教養 | 適性 | 作文 | 面接 | |
---|---|---|---|---|
素点 | 40 | 120 | 3段階 | 5段階 |
配点比率 | 4/9 | 2/9 | 1/9 | 2/9 |
合格者の決定方法
一次試験の合格者は「基礎能力試験(教養試験)」と「適性試験」の合計点で、最終合格者は二次試験の面接結果に、一次試験の結果と作文の評価を総合的に判断して決定します。
また、国家一般職(高卒)では、素点をそのまま点数にするのではなく、平均点や標準偏差、配点比率を用いて点数化します。
例えば、基礎能力試験において40問中27問を正解、平均点が23点、標準偏差が5.5点の場合、この受験者の点数は304点になります。
詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。
>>国家一般職(高卒)のボーダーは何割?地域別に解説【一次の合格率】
国家一般職(高卒)の合格に必要な勉強時間
勉強時間が多ければ合格できるわけではありませんが、不合格者の多くは勉強時間が圧倒的に不足しています。
今の学力にもよりますが、ある程度の目標を決めて計画を立てることが重要です。
目安は600時間
予備校や合格者の体験談を聞く感じ「500時間〜600時間」ぐらいの勉強時間を目安にするといいでしょう。

ちなみに僕は800時間ほど勉強し、大学法人をはじめ、政令市、市役所に合格しています。
600時間も必要なのか…。と思うかもしれませんが、1日3時間やれば約半年で達成できる勉強時間です。
1日の勉強時間 | 期間 |
---|---|
2時間 | 10ヶ月〜12ヶ月 |
3時間 | 6ヶ月〜7ヶ月 |
4時間 | 5ヶ月 |
5時間 | 4ヶ月 |
6時間 | 3ヶ月 |
効率性を意識して勉強すれば、実際にはもっと少なくても合格は可能です。
短期集中がポイント
また、勉強期間が長ければ逆に効率が悪くなるので注意が必要です。
なぜなら、公務員試験の多くは暗記科目であり、人の記憶は長期間になればなるほど忘れてしまうから。
なので、できるだけ短期集中(6ヶ月ぐらい)で覚えていくことが重要です。

試験は9月なので、高校3年生になるぐらいから本格的に始めていけばOK!
国家一般職(高卒)のおすすめ勉強スケジュール
限られた時間を上手に使うにはスケジューリングをしっかり決めることが大切です。
苦手な科目、試験を克服することも大切ですが、受かるための対策を意識する必要があります!
まずは主要科目の攻略からはじめる
結論からいえば、主要科目の攻略からはじめましょう!
国家一般職(高卒)の主要科目は次のとおり。
- 数的推理
- 判断推理
- 作文試験
- 面接試験
数的推理や判断推理は、単純な暗記ではなく計算を含み、解き方を理解し使えるようになるまで時間がかかるからです。
問題数も多いため、数的と判断にある程度のメドが立たないと合格点を超えることは難しい。
出題範囲が広いという理由から1〜2問しか出ない日本史や世界史を最初に勉強している人もおりますが、問題数の多い科目を後回しにするようなリスクは取らないようにしましょう。
作文と面接も同時進行で対策する
また、作文や面接を後回しにする受験者は多いですが、筆記試験と違い正解がないため早い段階から指導を受けておく必要があります。
作文の書き方や志望動機を考えるだけなら1日、2日でもできますが、大切なのは試験官が評価するということ。
自分では素晴らしい作文が書けても、涙が出るような志望動機を考えても、それを試験官が見て、聞いて伝わらなければ0点です。
本当に自信を持って、作文テーマに沿って書けていますか?誤字脱字、文法は完璧ですか?声の大きさや表情は好印象を与えられていますか?
けっこう確認してもらわないといけない部分は多いですよ。
思っている以上に時間がかかるので、勉強を始めた段階から並行して対策するようにしましょう!
スケジュール | ガッツリする | 少しずつする |
---|---|---|
① 最初からする対策 | 数的推理 / 判断推理 | 作文 / 面接 |
② ①にメドがたったら対策 | ①に加えて国語 / 社会科学 | ①に加えて資料解釈 / 文章理解 |
③直前期に(8月〜) | 上記に加えて好きな科目 | 上記を継続 |
国家一般職(高卒)の勉強法
試験内容や目標とする勉強時間がわかったら、いよいよ勉強をはじめていきましょう。
ここからは試験ごとに勉強方法をまとめていきます。
基礎能力試験の勉強法
結論からいうと、出題傾向を把握して勉強しましょう。
出題傾向を知る理由はいろいろあるんですけど、初心者でも勉強しやすくなるからだと思ってください。
では、どうやって出題傾向を知るかっていうと、過去問5年分〜10年分ぐらいを分析します。
- 科目ごとの内訳(出題数)
- 頻出の単元、分野
このような出題傾向がわかれば、短時間・期間でも点数に直結する勉強ができるので無駄が減ります。
基本的に公務員試験は無駄が多すぎるので、まともに勉強するといつまで経っても終わりません。
国家一般職(高卒)の合格ラインは6割なので、解けない科目があっても問題ないんですよね。
勉強する科目と範囲がわかったら、問題集を中心に「正文化」という方法を使い覚えていきましょう。
詳しくは「国家一般職(高卒)の試験科目は?出題範囲や頻出単元を徹底解説!」を参考にしてください。
適性試験の勉強法
結論から言えば、試験の仕組みを知ることが重要です。
というのも対策方法ってないんですよね…。
ぶっちゃけノー対策でも7割は余裕で取れるからです。
とはいえ、試験内容を知らなければ大きなミスをしてしまい落ちることも事実。
なので、試験の仕組みを把握して、問題集を一通りこなしておけば大丈夫。
>>【国家一般職・税務職員】適性試験とは?傾向や勉強法を徹底解説!
作文試験の勉強法
「作文の勉強は模範解答を読んでおけば大丈夫」
確かにこういう人もたまにいますが、一般人がこれを鵜呑みにすると落ちます。
例えるなら、ギターのコードを本で勉強して、練習せずに弾けるのかってことです。
基本的には無理ですよね?
書き方を理解しているのと、実際に書けることを混同してはいけません。
具体的な手順
まずは国家一般職の作文テーマはどのような内容なのか把握しましょう。
- 時事的な内容
- 仕事に関すること
- 自分自身に関すること
傾向があるので、どのような材料があれば書けるのか把握してください。
- 原稿用紙の使い方
- 句読点、濁点の使い方
- 主語、述語、接続語の使い方
知らなければいけないルールがたくさんあります。
文字数を埋めることができても、ルールが守られていないと高評価はもらえません。
最後は書いた内容を先生に見せて評価指導を受けましょう。
- テーマからずれていないか
- 書き方は正しいか
- 時間内に書けたか
実際に書いて、見せることでわかることは多いです。
作文は筆記と違い解答がないので、何が良くて悪いのか知る方法が限られています。
そこがわからないと対策はできませんし、得点も伸ばせないので苦手な人ほど早めに準備をはじめましょう。
>>国家一般職(高卒)の作文は何文字必要?評価基準から過去問まで解説!
面接試験の勉強法
結論からいえば、はやめに模擬面接を受けることです。
なぜなら、現時点でのレベルを把握しておく必要があるからです。
- 聞かれたことに上手に回答できているのか
- 緊張で噛みまくってしまう
- まったく回答できない
早い段階に一度模擬面接をしておけば、面接で受かるために必要なこと(不足しているスキル)がわかり、メリハリをつけて対策ができます。

僕は模擬面接で回答内容が薄いとわかったので、過去問をたくさん使い話す内容を考えるようにしましたよ!
面接対策の具体的な手順
参考書などを使って面接のイロハ(最低限のマナーやルール)を勉強する。
学校の先生や親、友人に協力してもらい模擬面接をします。
7~10個ぐらいの質問をしてもらい、実際に回答してみましょう。
「まったく話せない」「話せるけど表情が固い」など課題が浮き彫りになります。
- 話す内容が薄い:過去の質問集を使って内容を考える
- 話せるけど噛みがち:滑舌の練習
- 表情が固い:笑顔の練習
- 緊張してしまう:多くの人と練習して場数を踏む
課題が見えたことで、対策にメリハリをつけることできます。
自己PRや志望動機を考えるだけで合格はできません。
納得いくまで練習を繰り返しましょう。
面接の評価が悪い人は圧倒的に練習不足です。
多くが話す内容だけに全時間を使っている場合が多いので注意してください。
面接も作文と同じように1人では完結できない試験なので、はやめに準備を始めることがポイントです。
>>【聞かれる質問は?】国家一般職(高卒)の面接対策法と面接カード
国家一般職(高卒)の勉強法まとめ
国家一般職(高卒程度)の内容は幅広いため対策には多くの時間が必要です。
今までの知識量にもよりますが、合格までに必要な勉強時間は500時間〜600時間ほど。
1日3時間の勉強を続ければ約6ヶ月で完結します。
やることは多いので、試験日から逆算してスケジュールを立てることが重要。
まずは主要科目である数的推理や判断推理から勉強し、同時進行で作文と面接をやれるといいでしょう。
どの試験も傾向があるので、勉強を始める前に把握しておくことが重要です。
使える時間はどの受験者も同じですが、どのように使うかはあなた次第。
時間を上手に使って合格を目指しましょう!