警視庁採用一類・三類の教養試験科目は?出題傾向や勉強方法を解説

警視庁警察官の試験科目と勉強方法

警視庁警察官採用の一次試験で実施される教養試験。

初めて受験するうえで、どんな試験科目が出ているのか気になるのではないでしょうか。

そこで今回は、警視庁警察官一類・三類の教養試験に関する下記内容を紹介します。

この記事でわかること

  • 警視庁採用の教養試験科目
  • 警視庁採用の教養試験傾向
  • 警視庁採用の教養試験勉強法
  • 教養試験勉強の効率性をアップする裏技・ポイント

「教養試験はどんな科目・傾向なのか」「教養試験の効率的な勉強方法が知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

なお、過去10年間の出題範囲をまとめたデータを下記記事で公開しています。手っ取り早く傾向が知りたい方は活用してください。

タップできる目次

警視庁採用の教養試験科目

次の”19科目“が警視庁採用の教養試験科目です。

分野試験科目
一般知能数的処理数的推理|判断推理|空間把握|資料解釈
文章理解現代文|英文
一般知識社会科学政治|経済|社会|倫理
人文科学日本史|世界史|地理|国語|英語
自然科学物理|化学|生物|地学
(一類、三類共通)

科目数はハンパないですが多くは中学~高校までに学んだ内容なので、科目の多い高校・大学入試だと思ってください。

高校・大学入試との大きな違いは、科目選択の有無です。

たとえば大学入試であれば、社会なら日本史か世界史、理科なら物理か生物のように、受験に必要な科目を選択して試験を受けられます。

しかし、教養試験では全科目が必須です。社会なら日本史も世界史も、理科なら物理も生物もすべて勉強しないといけません。

警視庁の試験科目
日本史も世界史も容赦無く出てきます!

これが公務員試験の面倒な部分であり、難しいといわれる所以ゆえんです。

なお、実際の問題(過去問)が見たい人はこちらの「【過去問】警視庁の試験問題と解答【使い方と目的も解説】」を参考にしてください。

警視庁採用 教養試験の傾向

区分一類三類
試験時間120分120分
問題数50問50問
レベル大卒程度高卒程度
出題形式択一式択一式
解答方式マークシートマークシート
第1回〜第3回共通

速読・速答力が必要

問題1問あたり使える時間は2分程度しかありません。

教養試験の制限時間は120分です。対する問題数は50個もあるので、単純計算すると”1問2.4分”で解かないと時間切れになってしまいます。

複雑な問題も含め、すべての問題をこの時間内で解くのは簡単ではありません。

過去問チャレンジ

次の問題を解いてみましょう!
制限時間は3分間です。

警視庁一類の問題
解答をみる(タップして表示)

正解 (5)

どうでした?しっかり3分以内で解けたでしょうか。

実際に、教養試験で時間が足りずに問題を解ききれない人は少なくありません。本番で時間が足りなくなってしまう理由は、試験時間の配分ミスにあるといえるでしょう。

えもと

僕は最初に一般知識を1問1分かけずに片付けて、残った時間で一般知能をじっくり考えるという戦略をとっていましたよ!

マークシートへの記入や見直しの時間も考えると、テンポよく解答していくことが必要になってきます。普段の勉強から時間配分を意識しておくなど、十分な対策をとっておくことが必要です。

暗記系科目が多い

主な暗記系科目

  • 日本史
  • 世界史
  • 地理
  • 政治
  • 経済
  • 社会
  • 倫理

これら7科目の出題数は16問ほど。全体の30%以上を暗記系科目が占めています

同じ公務員試験でも、海上保安官採用試験は25%、東京消防庁でも22%なんですよね。

試験海上保安官東京消防庁警視庁
出題数10問10問16問
割合25%22%32%
令和4年度の場合

暗記系科目は勉強すればすぐに結果がでます。しかし、記憶維持が大変なのと、問題レベルに差があるので安定して点数を取れません。

闇雲に勉強するのではなく、「出題範囲を絞る」、「短期集中型で一気に覚える」といった戦略を立てて対策しましょう。

なお、出題範囲をまとめたデータを以下の記事で公開しています。ぜひ、活用してください。

合格点は6割程度

教養試験の合格点は6割程度です。

19科目もの量を勉強して合格点が8~9割なら無理ゲーですが、6~7割ぐらいなら出題傾向を理解して正しく勉強すれば十分に取れますよ。

満点を目指して勉強ガチ勢になるのもいいですが、6~7割を安定してとれるような勉強をしてください。

えもと

高校・大学受験に比べると試験科目が倍増するので、科目の多さに手こずることがあります。これまでの受験勉強とは少し違った工夫が必要なので、次の章では対策方法を詳しく紹介しますね。

警視庁採用 教養試験の勉強法

教養試験の勉強は次の3ステップで行います。

  • 実力を確認する
  • 参考書・問題集を揃える
  • 復習メインで進行する

STEP①実力を確認しよう

まずは過去問を解き、現在の実力を確認しましょう。

  • 7割以上:公務員試験用のテキストで1日1〜2時間勉強する
  • 5割以上:公務員試験用のテキストで1日3時間勉強する
  • 5割以下:高校受験のテキストから勉強し直す

このように、これからの方向性が判断できるからです。

すでに基礎学力があるのに初級レベルのテキストを勉強しても時間の無駄ですし、逆に基礎がないのに上級レベルの勉強をしても意味がありません。

効率的に勉強を進めるためにも、はやめに実力確認をしてください。なお、実力確認には以下の記事で公開している問題例を使うといいでしょう。

STEP②参考書・問題集を揃えよう

自分の実力がわかったら、見合った参考書や問題集を準備してください。

オススメの参考書・問題集は次のとおりです。

初級レベル(点数が4割以下)

中・上級レベル(5割以上)

番外編(総仕上げ)

STEP③復習をメインに覚える

覚える方法は参考書を読み込んだり、ノートに書いたり、あなたにあったスタイルでOKです。しかし、どの方法でも重要なのは、先に進むことよりもどれだけ復習をしたかということです。

たとえるなら、先にどんどん進んで勉強することは、穴の開いたバケツで次々と水をむようなもの。そのままだとんだそばから水が漏れてしまいますよね。

それよりも漏れをふさぐほうがはるかにいい結果になることは明白。

えもと

僕の経験上、どれだけ勉強量を増やしても復習に時間をかけていないと覚えることはできません。僕も勉強時間の7割ぐらいを復習に充てていました。

覚えた翌日に再度見る

では、どのタイミングで復習するのがベストなのでしょうか。

人にもよりますが、僕は勉強した箇所は3日連続で見るというルールで覚えていきました。

要するにその日に解いた問題は短いスパンで3回見るというものです。

1日目問題1〜10をやる
2日目問題1〜10を見直して、問題11〜20をやる
3日目問題1〜20を見直して、問題21〜30をやる…

とくに重要なのが翌日の復習

勉強した次の日に復習しないだけで一気に知識の定着が悪くなります。記憶の法則で有名なエビングハウスの忘却曲線でも人間の記憶力は翌日にガタ落ちすることが立証されていますからね。

最初のうちはけっこうシンドイですが、1カ月ほど続けてみれば結果が見えてくるので、復習メインを意識して勉強していきましょう。

教養試験勉強の効率性をアップする方法

結論、過去問を分析して出題範囲を知ることです。

そうすれば、科目ごとによく出る分野とそうでない分野がわかるから。

配点の高い科目から勉強する

警視庁の試験科目は5分野19科目あります。

しかし、全科目から均等に出るわけではありません。科目ごとに配点(問題数)が違うのです。

科目別出題数
-令和4年度-

試験科目一類三類
数的推理77
判断推理55
空間把握33
資料解釈22
現代文66
英文22
政治43
経済13
社会43
倫理11
日本史22
世界史22
地理22
国語33
英語22
物理11
化学11
生物11
地学11
第1回〜第3回共通

このとおり配点(問題数)はバラバラです。

なので、適当に勉強を進めるのではなく、どの科目から勉強すれば点を伸ばしやすいか考える必要があります

配点が低い(問題数が少ない)科目に時間をかけても総合点は上がらないのです。

余談ですが、僕は理系科目が苦手だったので物理や化学から勉強していました。でも、どちらも1問しか出なかったんですよね…。一方で、数的推理や判断推理の出題数は5問~6問ほど。明らかに勉強する順番を間違ってました(苦笑)。

すべてを勉強して中途半端になるよりも、まずは出題数の多い科目を確実に正解することが大切。

頻出分野を勉強する

たとえば、一般的な公務員試験だと世界史は「現代(第一次大戦〜)」が頻出分野です。各種参考書や予備校でもそう言われています。

しかし、警視庁ではまったく出ていません(下図参照)。

警視庁三類の出題傾向
(第2回三類のデータ)

なので、一般的な情報を鵜呑みにして現代分野を勉強しても時間の無駄です。

反対に東洋史はよく出ています。なかでも中国史は頻出なので、時間をかけてでも覚えると効率的。

警視庁三類の出題傾向
2回に1回は出ている!

こんな感じで、頻出分野がわかれば効率よく勉強できそうじゃないですか?

えもと

まずは出るところから!その他の分野は一通り終わってからでOKです。

出題範囲を知る(過去問分析する)のは簡単ではありませんが、効率よく勉強するには欠かせないデータです。

出ない分野をどれだけ勉強しても0点なので、メンドーですがやりましょう!

なお、過去10年間の出題範囲をまとめたデータを下記記事でそれぞれ公開しています。手っ取り早く傾向が知りたい方は参考にしてください。

出題範囲がわかれば合格点は取れる

警視庁の教養試験は、高校までにきちんと勉強してきた人からすればそれほど難しいわけではありません。

それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、試験科目・範囲が膨大だからです。

事実、「科目が多くて何から勉強すればいいか分からない」という相談・お問合せが相当多いんですよね。

教養試験を効率よく勉強するには、出題範囲の理解(=過去問分析)がとても重要です。必要な科目・分野に沿って勉強すれば、これまでよりずっとラクに合格点を超えるようになると僕は考えます。

警視庁のボーダーラインは5割〜6割です。そんなに高くありません。なので、闇雲に無駄な勉強をするのではなく、過去の出題傾向を軸に勉強してください。

まずは科目ごとの出題範囲を理解する。
そこから始めていきましょう!

過去10年間の出題範囲をまとめたデータを下記記事で公開しています。手っ取り早く傾向が知りたい方は参考にしてください。

今回は以上です。

その他、警視庁の試験情報を下記記事でまとめています。

タップできる目次