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警視庁の警察官を目指して勉強を始めたのですが…教養試験の試験科目が多くて、何から手をつければいいか困っています。どこから勉強すれば効率よく点数が取れるのでしょうか。出題傾向を教えてください!
そんな悩みを解消するなら、過去の出題傾向を踏まえた勉強方法がオススメです。
過去の出題傾向とは、簡単に説明すると、
- 配点の高い科目と低い科目の選別
- 出題範囲の理解
という勉強の方向性を決めるために必要なデータのことです。
勉強ができない人ほど出題傾向を無視してメチャクチャに勉強しているんですよね。それだとどんなに時間があっても合格点を取ることはできません。
そこで本記事では、教養試験を効率よく勉強する手順から出題傾向を知る方法まで具体的に解説しています。
やり方を間違えずに取り組めば、勉強が苦手でも教養試験で合格ラインを越えれます。本記事に書いてあることを実行しつつ勉強していきましょう。
なお、オススメの出題範囲を知る方法はnoteを活用することです。過去10年分の出題範囲を科目別・分野別に一覧化しているので、「何から勉強すればいいの?」と悩まずに効率よく勉強を進められますよ。
\ 過去10年分の出題範囲が丸わかり /
▼この記事を書いている人▼


公務員試験の指導を12年間やっています。新卒で大手専門予備校に就職→公務員課で5年間勤務、在職中に公務員試験を受験するも不合格→退職→公務員試験の勉強→国立大学法人、政令市、市役所に合格→現在、某大学の職員として7年目。 2018年6月からサイトを運営中。普段はカフェで珈琲飲んでます。
【前提知識】警視庁採用の教養試験はどんな試験なのか
教養試験とは、一般知能と一般知識で構成される筆記試験のことです。
- 一般知能
-
計算力や読解力を測る問題
- 一般知識
-
高校までの基礎的な学力を測る問題
勉強を始めるにも、どんな内容なのか知らないと上手に対策できませんよね。
なので、勉強を始める前に傾向を紹介します。
試験科目が多い
僕自身、公務員試験を受験して大学職員として働いていますが、総じて大変だったのは「科目数が多すぎる」ということです。
これまでにあなたが経験した高校・大学受験なら5科目~7科目ぐらいですが、警視庁警察官採用試験は19科目もあるんですよね…。
科目 | 警察官1類 | 警察官3類 |
---|---|---|
数的処理 | 数的推理 判断推理 空間把握 資料解釈 | 数的推理 判断推理 空間把握 資料解釈 |
文章理解 | 現代文 英文 | 現代文 英文 |
社会科学 | 政治 経済 社会 倫理(思想) | 政治 経済 社会 倫理(思想) |
人文科学 | 日本史 世界史 地理 国語 英語 | 日本史 世界史 地理 国語 英語 |
自然科学 | 物理 化学 生物 地学 | 物理 化学 生物 地学 |
これだけの科目を勉強しなくてはいけないので、何から手をつけていいか悩むのも納得です。
適当に対策を始めるのではなく、出題傾向を把握して勉強を進めることが大事。
》出題傾向を知る方法はこちら。
解答時間が短い
教養試験の試験時間は120分です。
それに対する問題数は50問もあるので、1問あたりにかけられる時間は3分もありません。
こんな問題を3分かけずに解けますか?
※タップ(クリック)すると問題が拡大します。




複雑な問題も含め、すべての問題をこの時間内で解ききることは、簡単なことではないですよね。
実際に、教養試験で時間が足りずに問題を解ききれない人は少なくありません。
マークシートへの記入や見直しの時間も考えると、テンポよく解答していくことが必要になってきます。普段の勉強から時間配分を意識しておくなど、十分な対策をとっておくことが必要です。



僕は最初に一般知識を1問1分かけずに片付けて、残った時間で一般知能をじっくり考えるという戦略をとっていましたよ!
合格ラインは6割あればOK
合格ラインは非公開であり、採用人数や問題レベルによっても変動するため確かなことは言えませんが、合格者からの情報提供や過去のデータから5割〜6割程度だと推測できます。
教養試験の問題数は50問であり、そのうち25〜30問の正解ができれば合格の可能性が高いと言えるでしょう。
満点を目指して勉強ガチ勢になるのもいいですが、6割を安定してとれるような勉強をしてください。



余談ですが、点数にバラツキがあるのは警視庁は論作文の重要度が高いからです。実際に教養試験で点数の低い人が合格できているんですよね。
以上が、教養試験の傾向です。
高校・大学受験に比べると試験科目が倍増するので、科目の多さに手こずることがあります。これまでの受験勉強とは少し違った工夫が必要なので、次に対策方法を紹介しますね。
警視庁採用の教養試験を効率よく勉強する方法
教養試験の科目数はハンパないため、行き当たりばったりで勉強するのはNGです。時間や労力の無駄を減らすために、効率よく必要なプロセスを考える必要があります。
ここでは、僕自身が意識していた勉強のポイントを紹介します!
優先順位をつける
警視庁の試験科目は多いですが、配点(問題数)はバラバラです。
なので、適当に勉強を進めるのではなく、どの科目から勉強すれば点を伸ばしやすいか考える必要があります。
配点が低い科目にどれだけ時間を使っても総合点は上がりません。少しでも効率よく勉強を進めたいなら、この科目選択が今後の勉強効率を大きく左右します。
以下に科目ごとの配点(問題数)をまとめているので、どの科目から勉強するのか優先順位をつけてみましょう。
科目別の配点(問題数)一覧
※2022年本試験問題より作成
試験科目 | 一類 | 三類 |
---|---|---|
数的推理 | 7 | 7 |
判断推理 | 5 | 5 |
空間把握 | 3 | 3 |
資料解釈 | 2 | 2 |
現代文 | 6 | 6 |
英文 | 2 | 2 |
政治 | 4 | 3 |
経済 | 1 | 3 |
社会 | 4 | 3 |
倫理 | 1 | 1 |
日本史 | 2 | 2 |
世界史 | 2 | 2 |
地理 | 2 | 2 |
国語 | 3 | 3 |
英語 | 2 | 2 |
物理 | 1 | 1 |
化学 | 1 | 1 |
生物 | 1 | 1 |
地学 | 1 | 1 |
このように、科目によって配点(問題数)が違います。すべてを勉強して中途半端になるよりも、まずは出題数の多い科目を確実に正解することが大切。
その他の科目はメイン科目に一区切りがついた段階でやればOK。



僕なら数的推理、判断推理、現代文、政治、社会、国語をメインにするかな。これだけでも5割は取れる!
正しい出題範囲の理解
ちょっと意外と思うかもですが、合格点を取りたいなら一般論で勉強してはダメです。ここでいう一般論とは、どの試験でも共通していえることを指します。
たとえば社会科学の政治で、神奈川県警でも、東京消防庁でも、海上保安学校でも「国会・内閣・裁判所」が頻出というデータがあったとしましょう。
一般論で考えれば、警視庁でも「国会・内閣・裁判所が出るんじゃないかな?」と思って何十時間も勉強するはずです。
▼図にするとこんな感じ▼


でも、公務員試験は職種によって試験問題(傾向)が違うので、一般論で勉強することはNGです。
事実、警視庁の政治では「国会・内閣・裁判所」からの出題はほとんどありません。
▼参考(第1回一類)の出題データ▼


基本的人権の出題率は圧倒的に高いですが、国会・内閣・裁判所はあまり出ていません。つまり一般論を鵜呑みにして勉強しても…コスパが悪いんですよね。



参考書や問題集にも重要度や頻出度ってあるけど、あれも全体の平均(一般論)なので注意!
どの科目にもよく出る分野と出ない分野があります。なるべく重要な科目に時間を使えるように警視庁の出題範囲を理解して勉強してみてください。
▼図にするとこんな感じ▼


出題範囲に知らないまま、どれだけ勉強量を増やしたとしても、時間や労力が無駄になりかねないことは避けたいですね。
出るところがわかれば、勉強が苦手な人でも簡単に取り組めるので必ず出題範囲を理解してから勉強しましょう。
\ 過去10年分の出題範囲が丸わかり /
復習に重点をおく
また、勉強において重要なのは先に進むことよりもどれだけ復習をしたかということです。
教養試験で点数が取れない(覚えられない)という人の多くは復習を軽視しています。というか、驚くほどやっていません。
復習するタイミングですが、僕は勉強した箇所は3日連続で見るというルールで覚えていきました。要するにその日に解いた問題は短いスパンで3回見るというものです。
1日目 | 問題1〜10をやる |
---|---|
2日目 | 問題1〜10を見直して、問題11〜20をやる |
3日目 | 問題1〜20を見直して、問題21〜30をやる… |
とくに重要なのが翌日の復習。
勉強した次の日に復習しないだけで一気に知識の定着が悪くなります。記憶の法則で有名なエビングハウスの忘却曲線でも人間の記憶力は翌日にガタ落ちすることが立証されていますからね。
最初のうちはけっこうシンドイですが、1カ月ほど続けてみれば結果が見えてくるので、反復練習を意識して勉強していきましょう。
警視庁採用の教養試験で出題範囲(傾向)を知る3つの方法
教養試験を効率よく勉強するには出題範囲の理解がとても重要です。
「数的推理が何問出た」とか「社会科学を捨てると落ちる」などの情報は、予備校の説明会に参加したり、ネットで探したりすれば無料で発掘できます。
でも、肝心の「何をどこまでやればいいのか」といったデータはまったくでてきません。
そこで、ここでは警視庁の出題範囲を知る方法を3つ紹介します。
▼出題範囲を知る方法まとめ▼
1 自力で過去問を分析する
こういった市販されている過去問集を購入。
そして、自分が使う教材に合わせて自力で出題傾向表を作成します。
メリット | デメリット |
---|---|
費用が抑えられる(3,000円程度) 手取り早く過去問を入手できる | 自力で分析する手間がかかる 初心者には難しい 分析できる年数が少ない 誤った分析をしてしまうリスク |
費用は過去問集代だけなので負担は少ないです。
しかし、直近3年分ぐらいしか分析できません。出題傾向を理解するには不十分です。
また、科目知識のない初心者が傾向分析しようとすれば、「この問題は数的かな?判断かな?」と、間違って分類してしまう危険性があります。
ある程度、知識がある人ならいいかもですが、何から勉強すればいいの?と悩んでいる人にはキツイかもです。




2 予備校を利用する
公務員試験対策に定評のある予備校を使うことで、効率的に傾向を知ることができます。
メリット | デメリット |
---|---|
情報量が多い 分析済みのデータが入手しやすい 誤った分析をしてしまうリスクが少ない | 費用が必要(数万円〜) 講座・講義にも出席が必要 予備校によって情報量が違う |
公務員試験を専門に扱っているため、情報量は多い傾向にあります。そのため、過去問や傾向が多く手に入りやすいです。
しかし、授業料や教材費などの出費が必要(10万円~20万円)。
また、予備校によって情報量やサポート面に差があります。入会前に規模を確認することが大事。
3 noteを活用する
過去10年間(2013~2022年実施)の出題を科目別・分野別に分類してオリジナルの出題傾向表をnoteで公開しています。
メリット | デメリット |
---|---|
過去10年間の出題傾向が丸わかり 分析済みのデータが入手できる 誤った分析をしてしまうリスクが少ない 費用が抑えられる(1,980円) | 使う問題集が限定的 完璧主義の人には不要 |
出題傾向表を見て、繰り返し出題されている科目・分野から勉強すればOK。
ただ一つだけ欠点があります。それは使う問題集が一類は「警察官・消防官 新スーパー過去問ゼミ」、三類は「オープンセサミシリーズ」を推奨していること。
▼一類(大卒程度)の使用教材▼


▼三類(高卒程度)の使用教材▼


というのは、これらのテキストの目次をもとに出題傾向表を作成したためです。
なので、スー過去やオープンセサミを使えば目次と出題分野がリンクしているので並行学習が可能ですよ。
出題傾向表を見て、繰り返し出題されている科目・分野から勉強すればOK。逆に出題がない分野は見る必要すらないので、「どこを勉強すればいいんだろう…」と悩む心配がありません。
スー過去やセサミでない場合は効果をフル活用できませんが、効率よく勉強を進めたい方はぜひ役立ててほしいです。
\ 過去10年分の出題範囲が丸わかり /
まとめ:警視庁採用の教養試験攻略には出題範囲の理解が大切!
今回は、警視庁警察官採用試験の教養試験を効率よく勉強するなら出題範囲の理解が大事という話をしました。
教養試験の問題は、高校までにきちんと勉強してきた人からすれば、それほど難しいわけではありません。
それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、試験科目が多いからです。1科目あたりの出題範囲も広いので、出題範囲を理解して効率よく勉強することが大切です。
出題範囲を知る方法はいくつもありますが、早めに把握することで遠回りをせずに勉強できます。そうすれば、科目・範囲ともに膨大な教養試験の勉強は、これまでよりずっとラクに合格点を超えるようになると僕は考えます。
まずは科目ごとの出題範囲を理解する。そこから始めていきましょう!
\ 過去10年分の出題範囲が丸わかり /