- 論作文の傾向
- 論作文の過去問
- 論作文の書き方
- 論作文で落ちる人の特徴
- 論作文の対策を始める時期
警視庁採用の一次試験に実施される「論作文試験」。
論作文対策を始めたものの、きちんと書けたはずなのに評価がまったく上がらない・・・なんで?と思っている人は多いのではないでしょうか。
論作文には書き始めるまでの事前準備や評価を上げるための工夫が必要で、ただ必死になって文字を書いただけでは合格点をもらえる答案は作れません。
そこで本記事では、警視庁採用試験の小論文について、傾向や過去問、対策方法を徹底解説!不合格になってしまう人の特徴も紹介しています。
ぜひ、この記事を参考にして論作文で落ちないように準備をはじめましょう!

対象は警察官一類と三類です。


警視庁採用試験 論作文の傾向
論作文試験とは、課題に沿って文章を書かせることで、受験者の考え方や熱意といった人間性を総合的に判断する記述式の試験です。
ただ単に文章を書ければいいのではなく、 課題を正しく読み取り、自分の経験や体験を盛り込みつつ説明できているかといった知識の総合的な応用力が問われます。
文字数はやや多め
論作文対策をはじめるときに、意外と知らないのが文字数制限です。結論からいうと、警視庁の文字数は1000字以内となっています。
論作文を書くときには文字数が重要で、制限いっぱいを埋める必要はありませんが少なすぎると減点になります。
- 文字数をオーバーしてはいけない。
- 文字数は少なすぎても減点
- 半分も埋まっていなければ採点されない場合がある
目安として9割前後(900字~)書ければ文字数での減点はありません。長文をいきなり書くのは難しいので、何度も書く練習をしてくださいね。



練習の段階から時間を計り、しっかり文字数を埋められるように準備してください。
時間配分に注意が必要
論文・作文ともに試験時間は80分です。
試験時間は十分かと思いますが、実際に時間が足りず途中で提出してしまい落ちる人はけっこういるんですよね…。時間配分に注意して書くようにしてください。
オススメの時間配分は以下のとおり。
- 課題の把握、文章構成:10分
- 執筆:65分
- 推敲(見直し):5分



このくらいの配分で書けるといいですね。何度か書いてみて自分なりの感覚を身につけてください。
配点は高い
警視庁の配点は公表されていませんが、受験者からの報告や開示データ、他県の警察官採用試験から推測すると以下のようになります。
試験内容 | 配点比率 |
---|---|
教養試験 | 15% |
論作文 | 20% |
国語試験 | 5% |
面接試験 | 40% |
体力検査 | 20% |
合計 | 100% |
このようにかなり重要だとわかるはずです。実際、教養試験の点数が低い方が合格していることからも論文(作文)の重要度は高いと言えるでしょう。
勉強すればした分だけ成果が見える筆記試験とは違い、解答は添削者の力量次第で変わってくるため、なんとも厄介な試験といえるでしょう。苦手意識がある人は特に注意が必要です。
警視庁採用 論作文の過去問テーマ
ここでは、警視庁警察官一類、三類採用試験の論作文で出題された過去の課題を紹介します。
2023年(令和5年度)
一類 | これまで最も苦労した経験に触れ、そこから学んだことをどのように警察官の仕事に活かしていきたいか述べなさい。 |
三類 | 募集なし |
2022年(令和4年度)
一類 | これまであなたが人との関わりから学んだことについて触れ、今後それを警察官の仕事にどのように活かしていきたいか述べなさい。 |
三類 | 募集なし |
2021年(令和3年度)
一類 | 現在、自らの成長に必要なものを理由とともに述べた上で、今後、その成長に向けてどのように努力し、警察官として自らの能力を発揮していきたいか述べなさい。 |
三類 | 募集なし |
2020年(令和2年度)
一類 | 新型ウイルスの影響で中止 |
三類 | 募集なし |
2019年(令和元年度)
一類 | 警視庁警察官という職業についてあなたの考えを述べた上で、警察官になることに対する自信と不安について述べなさい。 |
三類 | 募集なし |
2018年(平成30年度)
一類 | 失敗に学び成長した経験と、その経験を警察官としてどのように活かしていきたいか述べなさい。 |
三類 | 募集なし |
警視庁採用 論作文の書き方
論作文の書き方を3ステップで解説していきます。
- テーマをしっかり把握する
- 文章構成を知る
- 書く→添削を繰り返す
テーマ(傾向)をしっかり把握する
まず、課題を正確に把握することが重要です。
なぜなら、課題からズレた内容を書いてしまえば、どれだけ文章力があっても評価されないからです。
たとえば、「挫折した経験とそこから得たこと」という課題の場合、『挫折した経験から何を得たか』がメインテーマなので、挫折経験だけで終わっている作文では課題を正確に把握しているとはいえません。
論作文を書くときは何を書かせたいのか(求めているのか)を把握したうえで書き始めましょう。
》警視庁の論作文テーマをみる
文章構成を知る
次に、どんな順番で書けばいいのか「文章構成」を考えましょう。
なぜなら、どのような順番で書いていくのかを検討しないと、テーマに矛盾があったり、話がとびとびになったりして、評価をもらえる合格答案を書くことができないからです。
たとえるなら家の設計図。お家を建てるときは、最初に設計図を組み、その通りに家を建てないと欠陥住宅になりかねませんよね。
文章構成をあらかじめ決めておけば、スムーズに書き始めることができる点にくわえ、論理的な文章になるため採点者も読みやすい=評価は上がるという算段です。
なお、より詳しい手順については、【公務員試験】論作文の対策手順|書き方と評価を下げるNGポイントで解説しています。
書いて添削をうける
文章構成が決まったら、その型どおりに書いていきましょう。知識があっても、それを文章にすることは難しいからです。
ここまで解説したとおり、論作文では課題テーマの把握や文章構成が評価を上げるために必要です。しかし、これらの観点は素人がどれだけ頑張っても理解することはできません。
そこで重要になるのが、第三者に見てもらい客観的な評価を受けること。しっかりした人に添削をしてもらえば自分の弱点や伸ばすべきポイントも簡単に把握できるため効率よく論作文対策を進めていくことができます。
オススメの添削サービスは公務員試験の論作文対策で添削が重要な理由とおすすめの添削サービスを紹介を参考にしてください。
警視庁採用 論作文で落ちる人の特徴
「独学で論作文対策をしているから」というのが僕の意見です。
なぜなら、知識のない人が適当に文章を書いても、
- テーマの読み取り
- 文章構成
- 原稿用紙の使い方
- 正しい語句、文法
- 誤字・脱字
といった部分を、きちんと書けているのかどうか判断できないからです。ここが判断できずに独学で突き進んだ結果、落ちてしまう人を何十人も見てきたんですよね…。
採点方法を知らない
論作文は2~3人の試験官が採点しています。試験官が独自の感覚で採点すると評価に偏よりが出てしまいます。それを防ぐためには、採点基準をそろえる必要がありますよね。
そこで採用されているのが「減点法」です。
実際に書いた答案から、
- 文字数が少ない(多い):マイナス10点…
- 論点からずれている:マイナス3点…
- 文章構成がでたらめ:マイナス5点…
- 漢字ミスがある:マイナス1点…
- 熟語の使い方が違う:マイナス2点…
といった感じで点数を引いていき総合点を決定するのです。当然、論作文を書いたところで独学では判断できませんよね…。
内容が大事だと思っている
ということは…、どんなに内容が良くても上記で示した観点が守られていないと点数は上がらないのです。つまり不合格。
僕自身、論作文は内容が良ければ点数もいいだろう!って感じで勉強していました。でも、論旨からズレていたり、文法ミスがあったりして思ったように高評価をもらえなかったんですよね…。
模範解答を読み込んで書けるつもりになっている人は多いです。模範解答で知識をどれだけ頭に入れても、論作文の基礎ができていないと意味がありません。
内容も大事ですが、論旨把握や文章構成がきちんとできているかを考えて書いた方がいいわけです。
書いたら書きっぱなし
論作文で落ちる人ほど、書いたら書きっぱなしってことが多いんですよね…。
論作文を書いて誰にも見せないというのは、問題を解いても答え合わせをしないのと同じことです。正解不正解がわからないまま対策を続けても成績は伸びないので、書いた答案は必ず添削してもらいましょう。
学生なら学校の先生や就職課、社会人なら予備校やオンライン添削サービスなど、方法はたくさんありますよ。なお、オススメの添削サービスを公務員試験の論作文対策で添削が重要な理由とおすすめの添削サービスを紹介でまとめています。周りに頼れる人がない方は参考にしてみてください。
警視庁採用 論作文対策は早めに始めることが大事
論作文を攻略するには、多くの時間が必要です。
- 課題の把握力(読解力)
- 文章構成力
- 表現力
- 語彙力
- 漢字(日本語)の知識
これらの知識を身につける必要があります。そしてこれらの力は短期間で身につくものではありません。
語彙力や漢字の知識くらいなら1ヶ月でも何とかなりますが、他の力を短期間で身につけるのは厳しいです。
論作文の書き方を勉強する
↓
実際に書いてみる
↓
添削を受けて、弱点を知る
↓
何度か繰り返す(最低でも3回)
こういった順番で勉強することになるので、やはり最低でも3ヶ月は必要だと思って学習スケジュールを組んでみてください。
今回は以上です。