- 刑務官採用試験の作文で不合格になることはありますか?どんな人が落ちるのでしょうか?
- 結論:作文で落ちることは十分にある。たとえば、文字数が少ないとか、内容が支離滅裂など。
刑務官採用試験を受験する人は知っているかもしれませんが、一次試験では教養試験の他に作文試験があります。
関連記事:【初心者向け】刑務官採用試験の内容は?科目と独学で受かる勉強法を解説
作文試験は一次選考の合否に関係はありませんが、最終合格者を決めるときに重要な判断材料となります。
💡刑務官採用試験の合格者の決定方法
◎ 一次試験の合格者は、基礎能力試験の得点に基づいて決定します。
公式案内より抜粋
◎ 最終合格者の決定は、身体検査、身体測定及び体力検査に合格し、作文試験において基準点以上であり、かつ人物試験においてA〜Cの評価である者を対象とし、(略)
つまり、どれだけ筆記試験で8割、9割取れても作文で評価がもらえなければ落ちる。なのに、作文対策を後回しにする人は多いんですよね。上達までに時間がかかるので苦手意識を持っている人は注意が必要です。
そこで今回は作文試験で不合格にならないように、文字数などの傾向から過去の出題テーマ、具体的な対策方法まで解説していきます!

そもそも作文試験って何?と思っているかもしれません。まずは作文がどのような試験なのか、どんなテーマが出ているのか把握してみましょう!
過去の傾向が丸わかり!
タップできるもくじ
刑務官採用試験の作文試験とは?文字数や評価基準を解説!
「リーダーシップについて」
作文試験とは、このようなお題に対して文章を書かせることで、受験者の考え方や熱意といった人間性を総合的に判断しようとする試験です。
今までの経験から具体的に考える必要があるのでけっこう大変です。
作文の試験時間
作文試験の試験時間は50分です。
「時間が全然足りない・・・」と悩んでいる人は多いので、時間配分に注意しながら書きましょう。
- テーマの把握、構想:10分
- 書く:35分
- 見直し:5分
このくらいの配分で書けるといいですね。何度か書いてみて自分なりの感覚を身につけてください。
作文の文字数
刑務官の作文試験は文字数の指定がありません。問題文の表紙を見ても「〇文字以上~以内」って書かれていないんですね。
実際の作文用紙をもとに算出すると600字(25×24マス紙)となっています。作文のルールとして最大字数の8割くらいが基準となるので、450字~500字を目安に書けるといいでしょう。

文字数が少ないとどうなるの?
文字数が埋まらなくても落ちることはありません。しかし、半分(300字)も書けないと、内容自体がめちゃくちゃになっていると思います。
その場合は判定されず、不合格になる可能性もあるので注意したいですね。
作文の評価基準
採点官2名が、次の着眼点に基づいてA~Cの三段階で評価します。
評定項目 | 着眼点 |
---|---|
内容 | ・課題の把握力 ・文章の長さ |
表現 | ・わかりやすく、まとまっている ・表現や用語の使い方 |
文字 | ・誤字、脱字 ・字体(丁寧か、読みやすいか) |
2名ともC評価がつくと不合格です。この基準で重要なのは「文字」と「表現」。
後述していますが、刑務官の課題は難しくないためテーマの把握で苦労することはないと思います。また、内容が悪くても読みやすい文章であれば最低評価をつけられることは少ないです。
なので書き方を知ることが何よりも大切なんですね。

内容はともかく、文字で減点されないようにしましょう。
刑務官採用試験 作文の過去問テーマ
刑務官の作文は「ルール・規範」や「社会生活とのつながり」が題材になりやすいです。
いずれにしても刑務官の仕事内容や志望熱意・自己アピールなどがまとまっていないことには説得力のある文章を書くことができません。時間を見つけて情報収集をしましょう。
それでは、実際に出題された過去問を見てレベルや内容を把握してみてください。3年分の過去問をまとめています。
2019年(令和元年度)
2020年(令和2年度)
2021年(令和3年度)
2019年より前の過去問や作文用紙の使い方(ルール)などを下記記事でまとめているので確認してください。
関連記事:【刑務官採用】作文の過去問テーマ【2021年〜2011年】
【刑務官採用試験】作文試験の書き方は?手順を5ステップで解説
作文の試験時間や文字数、過去問で内容を理解したらいよいよ作文を書いて対策をはじめましょう。
とはいえ、実際にどんな手順で書いていけばいいのか知らない人も多いのではないでしょうか。そこで、作文を書く手順を5つのステップで解説していきます。
- テーマのしっかり把握する
- 文章構成を知る
- 実際に書く
- 推敲(見直す)
- 添削を受ける
ステップ①:テーマをしっかり把握する
まずは、与えられた課題テーマを正確に把握することが重要です。なぜなら、テーマからズレた内容を書いてしまえば、どれだけ文章力があっても評価されないから。
たとえば、「挫折した経験とそこから得たこと」というテーマの場合、挫折した経験から何を得たかが主旨なので、挫折経験だけで終わっている作文ではテーマを正確に把握しているとはいえません。
また、「これからの人生で頑張りたいこと」というテーマなら、刑務官になるための作文であることを念頭において、刑務官の職業や仕事をベースにした内容にできると評価はよくなりやすいです。つまり、職業や仕事にまったく触れないで、自分の書きたいことだけを書くのは、あまりよろしくありません。
このようにテーマをしっかり把握しているかどうかで作文の内容は180度違ったものになってきます。したがって、作文を書くときは採用側が何を書かせたいのかを考えたうえで、課題を把握することが重要です。
ステップ②:文章構成を知る
正確に課題を把握できたら、どんな構成で文章を組み立てていくか考える必要があります。ポイントは最初に結論(自分の主張)を決めること。
結論が決まっていれば、あとはこれを述べるためにどのような根拠や経験をどんな順番で書くのかを考えればそれなりの文章ができます。根拠や経験を書く際は、内容を具体的に箇条書きにしてみると整理しやすいのでオススメです。
このように文章構成をあらかじめ決めておけば、スムーズに書き始めることができる点にくわえ、論理的な文章になるため採点者も読みやすい=評価は上がる。
作文は「三段型」を使って書くことをオススメします。
- 序論:本論につなげるための導入や結論
- 本論:序論の根拠を例を示すなど、テーマの中心となる内容
- 結論:本論を締めくくるまとめや今後の抱負
ステップ③:実際に書いてみる
文章構成が決まったら、その型どおりに書いていきましょう。なお、刑務官の場合、文字数の制限はありませんが、原稿用紙(600字)の8割以上書くのが無難です。
刑務官の場合、作文は一次試験で採点されず最終合格者の決定で評価されます。作文で不合格になる人の多くは文字数が足りていないか、内容がめちゃくちゃな場合が多いので注意。
ステップ④:推敲(見直す)
最後に文章を書き終えたら、必ずもう一度読み直してください。その際、見るべき部分は以下のとおり。
- 誤字・脱字
- 送り仮名の誤り
- 文字数は8割以上埋まっているか
- 段落はしっかりわけられているか
- 結論(言いたいこと)と根拠、まとめは書かれているか
試験時間は50分しかないので、すべてを見直すことは難しいかもしれませんが、少なくとも誤字脱字や文字数だけでもチェックするようにしたいです。
ステップ⑤:添削を受ける
ここまで解説したとおり、作文ではテーマの把握や文章構成が評価を上げるために必要です。しかし、これらの観点は素人がどれだけ頑張っても限界があります。
そこで重要になるのが、第三者に見てもらい客観的な評価を受けること。どれだけ自分が素晴らしい内容を書けたとしても、テーマからずれていたり、論理的におかしい構成だったりすれば評価は上がりません。
その点、しっかりした人に添削をしてもらえば自分の弱点や伸ばすべきポイントも簡単に把握できるため効率よく作文対策を進めていくことができますよ。オススメの添削サービスを「公務員試験の論作文対策で添削が重要な理由とおすすめの添削サービスを紹介」で紹介しているので参考にしてください。
刑務官採用試験の作文で足切りにならないように対策しよう!
本記事は刑務官採用試験の作文についてまとめていました。
刑務官の作文試験は一次選考で実施されるが評価は最終選考でつかわれる構成です
💡刑務官採用試験の合格者の決定方法
◎ 一次試験の合格者は、基礎能力試験の得点に基づいて決定します。
公式案内より抜粋
◎ 最終合格者の決定は、身体検査、身体測定及び体力検査に合格し、作文試験において基準点以上であり、かつ人物試験においてA〜Cの評価である者を対象とし、(略)
つまり、どれだけ筆記で高得点を取ったとしても作文の出来がわるければ、合格者候補に選ばれることはありません(=不合格)。作文は筆記試験とは違い、正確な解答がないため対策を後回しにしがちです。そのため、早めに添削してもらえる人を探して対策を進めていくようにしましょう。
作文では高度なスキルを求められることはありません。ルールに従って、しっかりテーマを把握し、わかりやすく書ければ合格点はもらえます。ぜひ、作文で不合格になることのないように準備をはじめてくださいね。