【刑務官になるには?】採用試験の内容と傾向【2024年対策】

刑務官の試験内容 (1)
この記事でわかること
  • 刑務官採用試験の内容
  • 刑務官採用試験の傾向

日々の学校や仕事で忙しい中、効率よく試験対策できるかどうかは、選考内容や傾向をどれだけ理解しているかが重要です。

今回は、刑務官採用の試験内容(一次、二次)を徹底解説します。試験内容だけでなく、それぞれの傾向も解説しているので、ぜひ参考にして対策を始めましょう!

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刑務官になるには?

刑務官とは、刑事施設(刑務所や拘置所)の収容者に対し、日常生活の指導、職業訓練指導、悩みごとなどの指導を行うとともに、刑事施設の保安警備に従事する国家公務員のことです。

刑務官になるには、人事院が実施する「刑務官採用試験」に合格しなければいけません。

刑務官になるまでの道のり-1

この採用試験に合格すれば、志望する管轄地域内の刑務所や拘置所などに配属されて、刑務官としての仕事がスタートします。

刑務官採用試験の内容

ここでは、令和5年度の情報をもとに、刑務官採用試験の内容を解説します。

  • 受験資格(年齢制限)
  • 採用の仕組み
  • 採用人数
  • 試験日程
  • 試験内容

年齢制限(受験資格)

刑務A・B(高卒・大卒)

1994年4月2日~2006年4月1日までに生まれた人

刑務A・B(社会人)

1983年4月2日~1994年4月1日までに生まれた人

えもと

Aは男性、Bは女性の区分です!

学歴は関係ないので、高卒でも大卒でも社会人でも、年齢制限を満たしていれば受験できます。

採用の仕組み

刑務官採用試験は全国を九つの地域(ブロック)にわけて実施されます。

地域採用時の勤務地
北海道北海道
東北青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県
関東甲信越静茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 山梨県 新潟県 長野県 静岡県
東海北陸岐阜県 愛知県 三重県 富山県 石川県 福井県
近畿滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
中国鳥取県 島根県 広島県 岡山県 山口県
四国徳島県 香川県 愛媛県 高知県
九州福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県
沖縄沖縄県

地域規模によって採用者数は大きく異なってくるため、志望地域の現状をしっかり把握しておくことが大切です。

えもと

試験日や試験内容はどの地域も同じです!

採用人数

地域高卒・大卒社会人
北海道205
東北156
関東10535
東海257
近畿4010
中国307
四国207
九州4010
沖縄5
えもと

採用予定数は6月14日現在の見込みであり、今後変動する場合があります。

試験日程

受付期間2023年7月18日~27日
一次試験2023年9月17日(日)
一次試験
合格発表
2023年10月11日
二次試験2023年10月19日~25日の間で指定された日
最終合格2023年11月21日

試験科目

試験は大きく「筆記試験」と「面接試験」に分類できます。

選考は段階式で行われ、まず一次選考で受験者をふるいにかけ人数を絞ります。その後、一次選考の合格者を対象に二次選考を行い最終合格者を決定するという流れです。

一次試験基礎能力試験公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての筆記試験
作文試験文章による表現力、課題に対する理解力などについての筆記試験
二次試験人物試験人柄、対人的能力などについての個別面接
身体検査・測定一般内科系検査
体力検査立ち幅跳び、反復横跳び、上体起こしによる身体の筋持久力等についての検査

最終合格するには筆記と面接の両方で点数を取ることが重要なので、いずれかの試験に偏った対策をするのではなく、計画を立ててバランスよく対策しましょう。

えもと

傾向と対策方法を後述しています!

実施状況

実施年受験者数合格者数倍率
20232,090
20222,3541,0452.3
20212,6201,0192.6
20203,0621,0692.9
20199,1441,2107.6
全区分の合計

刑務官の倍率について、詳しくは次の記事で解説しています。

刑務官採用試験の傾向と対策

試験は大きく「筆記試験」と「面接試験」に分類できます。

選考は段階式で行われ、まず一次選考で受験者をふるいにかけ人数を絞ります。その後、一次選考の合格者を対象に二次選考を行い最終合格者を決定するという流れです。

一次試験基礎能力試験公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての筆記試験
作文試験文章による表現力、課題に対する理解力などについての筆記試験
二次試験人物試験人柄、対人的能力などについての個別面接
身体検査・測定一般内科系検査
体力検査立ち幅跳び、反復横跳び、上体起こしによる身体の筋持久力等についての検査

基礎能力試験

試験時間90分
問題数40問
レベル高校卒業程度
出題形式五肢択一式
解答方式マークシート
配点比率4/7
全区分共通

基礎能力試験とは、 計算力や読解力を測る『一般知能』と、今までに勉強してきた基礎学力を測る『一般知識』で構成される筆記試験のことです。

制限時間90分で、40問に解答します。
出題形式は、5つの選択肢から正しい(誤りの)肢を選ぶ「五肢択一式」です。

刑務官の過去問(経済)

出題科目

分野科目
数的処理数的推理|判断推理|空間把握|資料解釈
文章理解現代文|英文|古文
社会科学政治|経済|社会|倫理
人文科学日本史|世界史|地理|国語|英語
自然科学数学|物理|化学|生物|地学
2022年度の情報

このように、中学校から高校までに学んだことのある内容ばかりですが、6年間で習った範囲を短期間で勉強し直さないといけないので簡単ではありません。

また、社会時事(最近、日本や世界で起こった出来事)等に関する問題もあります。そのため、ニュースを見たり、新聞を読んだりして、普段の生活から情報収集をしておきましょう。

出題範囲は広いので、どの分野が多くでるのか、どの分野は苦手なのか、出題傾向を理解したうえで勉強することがポイントです。

なお、出題傾向や勉強方法はこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ、参考にしてください。

作文試験

試験時間50分
問題数1題
文字数600字
評価基準・内容
・表現
・文字
配点比率1/7
全区分共通

作文試験は、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。筆記試験では判断できない、論理的思考力や読解力、人間性などを総合的に測ることを目的としています。

評価は以下の観点に沿って行われ、最終的にA~Cの三段階で評価。

  • 内容
  • 表現
  • 文字

試験官の主観による要素も含まれるため、丁寧に、きれいに書くことが大切です。

作文は、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあります。

勉強すればしただけ成果が見える筆記試験とは違い、客観的な評価(添削してもらうこと)でしか習熟度がわからないため、なんとも厄介な試験といえるでしょう。

毎年、作文で評価がもらえずに不合格となる受験者は一定数いるので、早めに準備をしてください。

過去のテーマなどはこちらの記事でまとめています。

口述試験(面接)

試験時間20分
面接官3人
形式個人面接
配点比率2/7
全区分共通

口述試験とは、志望動機や自己アピールなどを問うことで、あなたが刑務官として相応ふさわしいかどうかを評価・判断する面接試験のことです。

試験時間は一人20分で、一般的な口頭試問(質疑応答)が行われます。

個人面接は1人の受験者に対して、集中してチェックできるため、面接官は様々な観点から評価することができます。また、集団面接とは違い、受験者は自分一人だけなので緊張しやすい形式ですが、他の受験者がいないことから集中でき、自分をアピールしやすいという利点があります。

間違いのない回答を目指すことも重要ですが、あまりマニュアルに頼るのではなく、それ以上に自分らしさや刑務官への熱意をアピールできるように準備していきましょう。

過去の質問や対策方法はこちらの記事で詳しくまとめています。

身体検査・測定

刑務官として職務を行うにあたり、健康に問題ないかどうかを判断する検査です。

  • 呼吸器
  • 循環器
  • 耳鼻咽喉
  • 言語
  • 聴器

これらの項目について検査。

体力検査

体力検査とは、刑務官として必要な、基礎的な体力が備わっているかどうかを判断する試験のことです。

検査種目は以下のとおり。

項目男性女性
立ち幅跳び205㎝以上147㎝以上
反復横跳び
(30秒間)
44回以上37回以上
上体起こし
(30秒間)
21回以上13回以上
令和4年の情報

なお、正確なフォームで行わないとカウントされないので注意が必要です。

正しいフォームややり方については、文部科学省の資料「新体力テスト実施要項」を参考にするといいでしょう。

刑務官採用試験でよくある質問FAQ

最後に、よく相談される質問に回答します。

過去問はどこで入手できますか?

刑務官採用試験の過去問について、詳しくは次の記事で解説しています。

ボーダーラインは何点くらいですか?

だいたい5割です。

そんなに高くありません。

やみくもに勉強するのではなく、出題傾向を把握して効率よく対策してください。

刑務官のボーダーラインについて、詳しくは次の記事で解説しています。

刑務官は受かりやすいですか?

倍率やボーダーだけで考えれば受かりやすいと言えます。

とはいえ、最終合格するには筆記の点数だけでなく、作文や面接の評価も必要なので簡単に合格はできません。

傾向を把握して効率よく対策しましょう。

刑務官の難易度について、詳しくは次の記事で解説しています。

刑務官採用試験の内容と傾向まとめ

今回は、刑務官採用試験の内容と傾向を解説しました。効率よく対策を始めるには試験内容の理解が重要なので、必ず把握してください。

再度、試験内容をまとめます。

対策することは多いので、やみくもに進めるのではなく、傾向を把握してから始めましょう。

今回は以上です。

その他、刑務官採用試験の情報はこちら。

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