【出題傾向】刑務官の基礎能力試験は何から勉強する?科目や対策方法を解説

刑務官採用試験の試験科目と対策法

本記事は、刑務官採用試験の基礎能力試験を効率よく・・・・対策したい人向けの内容です。

  • 基礎能力試験の科目は?
  • 基礎能力試験は何から勉強すればいいの?
  • 基礎能力試験の勉強方法は?

こんな悩みを解決します。

結論からいうと、基礎能力試験を効率よく進めたいなら過去の出題傾向を踏まえた勉強方法がオススメです。

過去の出題傾向とは、簡単に説明すると、

  1. 配点の高い科目と低い科目の選別
  2. 出題範囲の理解

という勉強の方向性を決めるために必要なデータのことです。

勉強ができない人ほど出題傾向を無視してメチャクチャに勉強しているんですよね。それだと…どんなに時間があっても合格点を取ることはできません。

そこで本記事では、基礎能力試験を効率よく勉強する手順から出題傾向を知る方法まで具体的に解説しています。

やり方を間違えずに取り組めば、勉強が苦手でも充分に対策できます。本記事に書いてあることを実行しつつ勉強していきましょう。

刑務官の出題範囲がまるわかり

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刑務官採用試験の基礎能力試験とは?傾向を解説します

基礎能力試験とは、受験者の計算力や読解力を測る「一般知能」と、これまでに学習してきた基礎学力を測る「一般知識」で構成される筆記試験です。

まずは傾向を3つ紹介します。

5分野21科目から出題

僕自身、公務員試験を受験して大学職員として働いていますが、総じて大変だったのは「科目数が多すぎる」ということです。

これまでにあなたが経験した中学・高校入試なら5科目~7科目ぐらいですが、刑務官の試験科目は5分野21科目もあるんですよね…。

刑務官の試験科目

分野試験科目
数的処理数的推理
判断推理
空間把握
資料解釈
文章理解現代文
英文
古文
社会科学政治
経済
社会
倫理(思想)
人文科学日本史
世界史
地理
国語
英語
自然科学数学
物理
化学
生物
地学

問題自体は中学~高校レベルなので大したことないですが、科目数は高校・大学入試の3倍近くもあります。

これだけの科目を勉強しなくてはいけないので、計画をきちんと立てて勉強を進めましょう。

なお、科目の特徴や問題例は後述しています。初めて受験する人は参考にしてください。

試験科目の特徴を確認する

速答が求められる

試験時間は90分です。

対する問題数は40問もあるので、1問あたりにかけられる時間は3分もないですね…。

こんな問題を3分かけずに解けますか?

刑務官の過去問(資料解釈)
(資料解釈)
刑務官の過去問(英語文章)
(文章理解)

複雑な問題も含め、すべての問題をこの時間内で解ききることは、簡単なことではないですよね。

実際に、基礎能力試験で時間が足りずに問題を解ききれない人は少なくありません。

マークシートへの記入や見直しの時間も考えると、テンポよく解答していくことが必要になってきます。普段の勉強から時間配分を意識しておくなど、十分な対策をとっておくことが必要です。

合格点は4割程度

試験科目は多いですが、高得点は必要ありません。ボーダーラインは4~5割程度です。

21科目もの量を勉強して、合格点が8割、9割なら無理ゲーですが、4~5割ぐらいなら出題傾向を理解して正しく勉強すれば十分に取れますよ。

刑務官採用試験のボーダーラインは以下の記事でくわしく解説しています。あとで確認してみてくださいね。

以上が、基礎能力試験の傾向です。

【問題例あり】刑務官採用試験の科目を徹底解説!

刑務官採用試験の基礎能力試験は、以下の5分野21科目から出題があります。

  1. 数的処理
  2. 文章理解
  3. 社会科学
  4. 人文科学
  5. 自然科学

それぞれの傾向や問題例を解説するので確認してみましょう。

数的処理
一般知能分野

計算力や思考力、空間認識力などを測る分野で、以下の4科目で構成されています。

  • 数的推理
  • 判断推理
  • 空間把握
  • 資料解釈

数学的要素を多く含む分野なので、苦手とする人が多いです。

▼こんな問題が出ます▼

刑務官の過去問(数的推理)

内容の多くは中学・高校入試で出てくるような問題です。

なので、時間をかけて解けば正答できます。しかし、1問あたりに使える時間は2分程度しかないので、じっくり考えることができません。

問題数は全40問のうち13問を占めているので、苦手な人は早めに手を打つことが大事です。

オススメの対策本

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文章理解
一般知能分野

日本語と英語で書かれた300字〜400字程度の文章を読み解く力を測る分野で、以下の3科目で構成されています。

  • 現代文
  • 英文
  • 古文

現代文は得意な人が多いです。でも、英文を苦手とする人はけっこういます。

▼こんな問題が出ます▼

刑務官の過去問(現代文)

判断推理や資料解釈と同じように時間をかければ解ける問題は多いです。

しかし、繰り返しになりますが1問あたり2分程度で解かないと時間切れなんですよね…。速く正確に解けるように練習が必要

問題数は7問と多いので、捨てないようにしましょう。

オススメの対策本

社会科学
一般知識分野

高校までの基礎学力(社会科目の知識力)を測る分野で、以下の4科目で構成されています。

  • 政治
  • 経済
  • 社会
  • 倫理(思想)

日本国憲法や選挙制度、経済政策や社会時事(日本国外で起きた最新の出来事)などを勉強します。

▼こんな問題が出ます▼

刑務官の過去問(政治)

基本的な知識にくわえて、時事問題に関連した出題もあります。

なので、日頃から新聞・ニュース等で取りあげられる政治、経済、社会問題にアンテナを貼っておくようにしましょう。

出題数は6問です。

オススメの対策本

人文科学
一般知識分野

高校までの基礎学力(歴史や語学の知識力)を測る分野で、以下の5科目で構成されています。

  • 日本史
  • 世界史
  • 地理
  • 国語
  • 英語

科目を見てわかるように、The 暗記科目がメインです。

▼こんな問題が出ます▼

刑務官の過去問(日本史)

暗記科目なので、覚えれば覚えた分だけ点数を取りやすいです。

しかし、出題範囲が広く覚えても覚えてもキリがないため、やり過ぎには注意が必要

出題数は9問、一般知識の中では最大です。

オススメの対策本

自然科学
一般知識分野

高校までの基礎学力(数学や理科の知識力)を測る分野で、以下の5科目で構成されています。

  • 数学
  • 物理
  • 化学
  • 生物
  • 地学

見てのとおり、理系科目です。数的処理と同じように計算力が求められるので苦手な人が多いです。

▼こんな問題が出ます▼

刑務官の過去問(数学)

僕も理系科目は嫌いだったので、自然科学を捨てたくなる気持ちはわかります。でも化学や生物、地学は暗記するだけでも点が取れる問題もありますよ

全部捨てて点数を下げるよりは、そういった問題を取ることが重要です。

出題数は5問と少ないので、優先順位は後でOK。

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以上が、刑務官採用試験で出題される試験科目です。

このように科目数はハンパないので、きちんと傾向を理解して勉強することが大事。

高校・大学受験に比べると試験科目が倍増するので、科目の多さに手こずることがあります。これまでの受験勉強とは少し違った工夫が必要なので、次に対策方法を紹介しますね。

刑務官採用試験の基礎能力試験を効率よく勉強するポイントを解説!

基礎能力試験の科目数はハンパないため、行き当たりばったりで進めるのはNGです。

ここでは、僕自身が意識していた勉強のポイントを紹介します!

優先順位をつける

刑務官採用試験の科目は多いですが、配点(問題数)はバラバラです。

なので、適当に勉強を進めるのではなく、どの科目から勉強すれば点を伸ばしやすいか考える必要があります

余談ですが、僕は理系科目が苦手だったので物理や化学から勉強していました。でも、どちらも1問しか出なかったんですよね…。一方で、数的推理や判断推理の出題数は5問~6問ほど。明らかに勉強する順番を間違ってました(苦笑)。

配点が低い科目にどれだけ時間を使っても総合点は上がりません。少しでも効率よく勉強を進めたいなら、この科目選択が今後の勉強効率を大きく左右します。

以下に科目ごとの配点(問題数)をまとめているので、どの科目から勉強するのか優先順位をつけてみましょう。

科目別の問題数一覧

数的推理4
判断推理5
空間把握2
資料解釈2
文章理解7
政治2
経済2
社会1
日本史1
世界史2
地理2
国語2
英語2
思想1
数学1
物理1
化学1
生物1
地学1
2022年本試験問題より作成

すべてを勉強して中途半端になるよりも、まずは出題数の多い科目を確実に正解することが大切です。

その他の科目はメイン科目に一区切りがついた段階でやればOK。

“刑務官に特化した”情報で対策する

ちょっと意外と思うかもですが、合格点を取りたいなら一般論・・・で勉強してはダメです。ここでいう一般論とは、どの試験でも共通していえることを指します。

たとえば、次の2パターンがあったとします。

Aパターン

刑務官の数的推理は「速さ分野」がよく出る

Bパターン

公務員試験の数的推理は「速さ分野」がよく出る

どちらのパターンで勉強すべきでしょうか?

効率よく勉強したいならAパターンですよね。「刑務官で出るのは速さ」だと断定しているわけですから。

Bパターンは「公務員試験全体で速さが出やすい」って話なので、他の試験がそうだとしても刑務官に当てはまるとは限りません。

しかし、多くの受験者はBパターンの思考で勉強してしまっています。

これは仕方のないことでして…、基本的に予備校や参考書、ネットの多くが一般論(Bパターン)で解説しているからです。

もちろん、本記事のように刑務官採用試験に特化して解説しているなら問題なしですが、世の中に多く出回っている一般論を鵜呑みにして勉強しても…コスパが悪いので注意してください。

刑務官の出題範囲がまるわかり

復習に重点をおく

また、勉強において重要なのは先に進むことよりもどれだけ復習をしたかということです。

復習するタイミングですが、僕は勉強した箇所は3日連続で見るというルールで覚えていきました。要するにその日に解いた問題は短いスパンで3回見るというものです。

1日目問題1〜10をやる
2日目問題1〜10を見直して、問題11〜20をやる
3日目問題1〜20を見直して、問題21〜30をやる…

とくに重要なのが翌日の復習

勉強した次の日に復習しないだけで一気に知識の定着が悪くなります。記憶の法則で有名なエビングハウスの忘却曲線でも人間の記憶力は翌日にガタ落ちすることが立証されていますからね。

最初のうちはけっこうシンドイですが、1カ月ほど続けてみれば結果が見えてくるので、反復練習を意識して勉強していきましょう。

刑務官採用試験の出題傾向を理解して対策を始めよう!

今回は、刑務官採用試験の試験科目と効率よく勉強するなら出題範囲の理解が大事という話をしました。

基礎能力試験の問題は、高校までにきちんと勉強してきた人からすれば、それほど難しいわけではありません。

それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、試験科目が多いからです。1科目あたりの出題範囲も広いので、出題範囲を理解して効率よく勉強することが大切です。

正直、21科目もまともに勉強しようと思えばとんでもない時間がかかってしまいます。

そこで大事なのが適当に勉強を進めるのではなく、どの科目から勉強すれば点を伸ばしやすいか考えること。具体的にいうと出題範囲の理解が必要です。

出題範囲を理解して勉強すれば、

  • どの科目がよく出て、
  • 必要ない分野はどこなのか

を、簡単に判断できます。逆にいえば、何も知らないまま適当に勉強するから落ちるのです。

出題傾向を理解して勉強すれば科目・範囲ともに膨大な基礎能力試験の勉強は、これまでよりずっとラクに合格点を超えるようになると僕は考えます。

まずは科目ごとの出題範囲を理解する。そこから始めていきましょう!

刑務官の出題範囲がまるわかり

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この記事を書いた人

公務員試験の指導を12年間やっています。新卒で大手専門予備校に就職→公務員課で5年間勤務、在職中に公務員試験を受験するも不合格→退職→公務員試験の勉強→国立大学法人、政令市、市役所に合格→現在、某大学の職員として7年目。 2018年6月からサイトを運営中。普段はカフェで珈琲飲んでます。

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