- 海上保安学校・大学校の面接試験はどんな質問をされ(聞かれ)ますか?
- 結論:自分自身に関することから海上保安官になりたい理由まで幅広く聞かれている。
筆記試験で8割、9割の点数を取れても面接で評価されなければ海上保安官になることはできません。あと一歩で海上保安官になれる権利を得るのに、面接で不合格になることは絶対に避けたいですよね。
そこで今回は、海上保安学校・大学校の面接試験を突破するうえで知っておいた方がいい面接対策の内容をまとめました!
- 海上保安学校・大学校の面接は何が聞かれるんだろう?
- 海上保安学校・大学校の面接カードはどうやって書けばいいの?
- 海上保安学校・大学校の面接対策はいつから始めればいいの?

このような面接に関する悩み・相談はとても多いです。ぜひ本記事を参考にして少しでも合格に近づけるように準備を始めてくださいね。
過去の傾向が丸わかり!
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海上保安学校・大学校学生採用試験の面接とは
※2021年の情報をもとに作成
海上保安学校・大学校学生採用試験の面接は、一次合格者を対象に実施されます。
面接では、筆記試験では判断できない受験者の人間性や性格、公務員としての適性や資質を見るのが目的です。形態は面接官3人に対して受験者1人で行う個人面接で、一人に対して集中してチェックできるため、面接官は様々な視点から評価できるんですね。
面接の試験時間
試験時間は1人25〜30分です。
時間が短いなかで多くをアピールしなければいけないため、簡潔にまとめて話すようにしましょう。
面接の評価基準
以下に示すのは、人事院が示す「面接の評価観点」です。
項目 | 観点 |
---|---|
積極性 | ・自ら課題解決に当たれるか。 ・必要な自己主張ができるか。 ・やる気を持って、物事に取り込めるか。 |
堅実生 | ・真面目で、中途半端なところはないか。 ・粘り強く物事を進めることができるか。 ・組織の一員として自覚を持って行動できるか。 |
判断力 | ・物事を的確に判断できる。 ・集中して物事に取り組める。 ・冷静に状況を判断できる。 |
表現力 | ・質問に対する応答は的確か,的外れなところはないか ・話している内容に一貫性があるか,矛盾しているところはないか ・話し方がわかりやすく簡潔か,要領を得ないところはないか |
態度 | ・まじめに応答しているか,質問をはぐらかすところはないか ・動作はきちんとしているか,だらしのないところはないか ・落ち着いており安定感があるか,動揺しやすいところはないか |
これらの観点ごと面接官それぞれがA~E(1~5)で評価をつけ、それを突き合わせて最終評定をつける方法が一般的です。そのうちD,E評価は足切りとなり即不合格なので注意しましょう。

筆記試験より配点は低いですが、最終的な合否を決めるため対策を後回しにすることはNGです。
海上保安学校・大学校学生採用試験 面接では何が聞かれる?
試験では過去の経歴や経験、志望動機や今後の抱負などを幅広く聞かれています。
間違いのない回答を目指すことも重要ですが、あまりマニュアルに頼るのではなく、それ以上に自分らしさや海上保安官への熱意をアピールできるように準備しておきましょう。どの試験(区分)も聞かれる内容に大差はないので、すべてに自信を持って回答できるように準備してください。
海上保安学校(特別)で聞かれた質問
- 自己PRをしてください。
- 今までに挑戦したことを1つ教えてください。
- 好きな学科は何ですか。
- 高校では、何か委員会に所属していましたか。
- 部活動は何をやっていましたか。
- 志望動機をいってください。
- 第一希望のコースとその選んだ理由を言ってください。
- 志望する管区とその理由を教えてください。
- 管区とコースではどちらを優先しますか。
- 試験に不合格だったらどうしますか。
- 海上保安官の具体的な仕事内容を知っていますか。
- どのような仕事がしたいですか。
- 海上保安官のイメージを言ってください。
- 海上保安学校は厳しいですが、大丈夫ですか。
- 第十管区はどこにあるか知っていますか。
- 緊張していますか。
- 就職での面接は初めてですか。
- 合格通知に同封していた手引きはしっかり読みましたか。
- 海上保安庁のニュースで知っていることはありますか。
- 最近の関心事を教えてください。
- 最近気になるニュースとそれに対する意見を教えてください。
最近の面接では回答した内容を深堀して、受験者の行動特性を探る技法で行っています(コンピテンシー型面接)。具体的な問われ方(技法)や他にも過去に聞かれた質問を下記記事でまとめているので、参考にしてください。
CHECK:【海上保安学校(特別)の面接】頻出質問と回答例!過去問127個を紹介
海上保安学校(9月試験)で聞かれた質問
- 志望動機を教えてください。
→なぜ船舶コースを志望したのですか。 - 高校を卒業してから何をしていますか。
→大学へ進学しなかった理由は何ですか。 - 希望管区は決まっていますか。
→その理由はなぜですか。
→希望する管区に行けない場合はどうしますか。 - 今までの人生で一番印象に残っている経験はなんですか。
- 高校生活で一番の思い出は何ですか。
→そのときの出来事から何を学びましたか。 - 趣味はありますか。
→いつからやっていますか。 - 今後勉強してみたいことはありますか。
→なぜ英語を勉強したいと思ったのですか。
→英語を活かしてどんな仕事をしたいですか。 - 採用されたら希望する管区はありますか。
→第二希望、第三希望はどこですか。 - 志望動機をいってください。
→もう一度、自分の言葉で志望動機を言ってください。 - 海上保安庁の仕事はいつ知りましたか。
→興味をもったのも同じ時期ですか。
→どうやって調べましたか。
→いつから海上保安庁を目指していますか。 - 学生生活で印象に残っている出来事を教えてください。
- 最近関心のある出来事はありますか。
→なぜそれに関心をもったのですか。
→ほかにありますか。 - 海上保安庁のYoutubeを見たことはありますか。
→見てどう思いましたか。
→印象に残っている映像はありますか。 - 趣味と特技を教えてください。
→趣味をやっていて苦痛に感じたことはありますか。 - 長所は何ですか。
→もう少し具体的に教えてください。 - 今までの成功した経験は何がありますか。
→反対に失敗したことは何ですか。 - 最後に何か言いたいことはありますか。
最近の面接では回答した内容を深堀して、受験者の行動特性を探る技法で行っています(コンピテンシー型面接)。具体的な問われ方(技法)や他にも過去に聞かれた質問を下記記事でまとめているので、参考にしてください。
CHECK:【海上保安学校学生の面接】頻出質問と回答例!過去問135個を紹介
海上保安大学校で聞かれた質問
- 海上保安大学校を目指そうとしたきっかけは何ですか
- 海上保安大学校を志望する理由を教えてください。
- 警察官や自衛隊ではなく海上保安官に向いていると考えた理由は何ですか。
- 海上保安大学校に進学するのになぜその高校に進学したのですか。
- なぜ海上保安大学校を志望したのですか。
- 海上保安大学校の良さを教えてください。
- 併願状況を教えてください。
- 海上保安官になるために日々どんなことを努力していますか。
- 海上保安庁長官の氏名を教えてください。
- 第四管区はどの地域にあるかを教えてください。
- 年間の出動数を知っていますか。
最近の面接では回答した内容を深堀して、受験者の行動特性を探る技法で行っています(コンピテンシー型面接)。具体的な問われ方(技法)や他にも過去に聞かれた質問を下記記事でまとめているので、参考にしてください。
CHECK:【海上保安大学校の面接対策】自己PR、志望動機と過去の質問大全
海上保安学校・大学校学生採用試験 面接カードの重要性
面接カードは面接で使われる資料のことです。面接官は提出された面接カードを参考にして質問してきます。なので、書く内容によってある程度聞かれることを予測することができるんですね。
面接カードは一次試験の合格発表日に人事院のHPからダウンロードできます。そして提出は二次試験(面接)の日なので、忘れないように、汚れないように持っていきましょう。
面接カードの内容は自己PRと志望動機が中心
- 受験の動機
- 印象に残っている体験(学校生活や職務、社会生活、ボランティア活動など)
- 関心事項(最近関心を持った出来事、取り組んでいることなど)
- 趣味・特技など
- 自己PR(自分の長所について)
内容は毎年おなじです。合格発表後から面接まで10日くらいしかありません。面接の練習は面接カードがないとできないので、はやめに考えておくことが重要です。
面接カードの書き方
僕自身、多くの面接カードを添削していますが、書き方を知らない人は多いです。文章が苦手な人は「PREP法」を使って書くことをおすすめしています。
- P:結論、主張(Point)
- R:理由、根拠(Reason)
- E:例、体験(Example)
- P:結論、主張(Point)文章に自信がなくても、PREP法にしたがって書けば伝わりやすい内容が書けます。
PREP法とは文章を簡潔・論理的に伝える型のことでストレスなく伝わりやすい文章を書くことができます。なお、作成した面接カードは一人では良い悪いが判断できないので、添削を受けるようにしましょう。

自己PRや志望動機の作り方は下記記事で解説しています。併せて確認してみてください。
特別(5月試験):【海上保安学校(特別)の面接】頻出質問と回答例!過去問127個を紹介
一般(9月試験):【海上保安学校学生の面接】頻出質問と回答例!過去問135個を紹介
大学校:【海上保安大学校の面接対策】自己PR、志望動機と過去の質問大全
海上保安学校・大学校学生採用試験 面接対策4ステップ
面接対策といってもするべきことはたくさんあるので、いつ、何をするべきか計画を立てることが大切です。
面接対策は思っている以上に時間がかかるため、まだ先のことだからと後回しにしていると十分な対策ができないまま面接を受けることになってしまいます。後で慌てなくてもいいように、余裕を持って面接対策をはじめましょう!
ここからは、実際に僕がしていた面接対策を次の4ステップで紹介します。
- 面接のノウハウを勉強する
- 質問内容(過去問)の把握
- 話す内容を考える(自己PR・志望動機の作成)
- 模擬面接を繰り返す
ステップ①:面接のノウハウを勉強する
まずは参考書を使って、面接試験の流れやルールなどのノウハウを勉強しましょう。
おすすめの面接対策本は「公務員試験 現職採点官が教える! 合格面接術」です。現職の採点官がノウハウを解説している参考書です。
現職採点官が教える!合格面接術の特徴
特徴はマンガ形式で解説されているので、すごく読みやすく覚えやすいんですよね。様々な質問に対して、良い回答例と悪い回答例を勉強することができます。なかでも、悪い回答例は落ちる人の共通点ともいえるので、徹底して読み込むといいでしょう。
ステップ②:質問内容(過去問)の把握
続いて、面接の過去問を把握しましょう。
なぜなら、実際の面接で何がどのように聞かれているのかを知り、自分がどのくらい答えられるのかを知っておく必要があるからです。また、過去問を見ておけば、よく聞かれている質問、あまり聞かれていない質問との差がわかるので、メリハリをつけて対策ができますよ。
過去問は下記記事で公開しています。
特別(5月試験):【海上保安学校(特別)の面接】頻出質問と回答例!過去問127個を紹介
一般(9月試験):【海上保安学校学生の面接】頻出質問と回答例!過去問135個を紹介
大学校:【海上保安大学校の面接対策】自己PR、志望動機と過去の質問大全
ステップ③:話す内容を考える
ステップ①、②で把握した内容をもとに、次の手順で自己PRや志望動機を考えていきました。
過去問を一問一答形式で使い、何でもいいので、思いつくだけ回答を書き出します。
例)長所は?→明るい、元気、面倒見がいい、責任感がある。
STEP1で書き出した内容に、根拠(理由)を添えていきます。
例)長所は?→明るい(なぜ?)→落ち込むことがあっても表に出さないから。
STEP2で考えた理由を裏付ける経験や体験を付け足します。
例)長所は?→明るい(なぜ)→落ち込むことがあっても表に出さないから→高校の部活動で〜。
このようにアピールしたいことを深掘りしていくことで、本来の自分が見えるようになってきます。面接官が知りたい部分でもあるので、時間をかけて考えてください。
ステップ④:模擬面接を受ける
最後は模擬面接を通して実践練習をしましょう。
考えた内容を実際に表現することは難しいからです。
また、面接では話す内容よりも表情や伝え方のような印象面が評価されやすいので、模擬面接をやらないと何もわかりません。自分がどれだけ最高の志望動機を考えても、笑顔でハキハキ話せていると思っても、面接官(第三者)に伝わらなければ、それはただの自己満足なんですよね。
面接で落ちる人は共通して「ちゃんと喋れたのに落ちた理由がわからない…。」って言うんですけど、伝わっていないから落ちるんですよ。とくに面接が苦手と思っている人は、1回や2回の模擬面接くらいでは何も見えてこないので、時間がある限り回数を重ねていくことをおすすめします。

僕自身、面接はものすごく苦手だったので、なんとか形になるまで練習しまくりましたよ。無料、有料問わずに15回は実践練習をしました!
海上保安学校・大学校学生採用試験 面接で落ちない方法=早めに対策すること
- 面接対策を後回しにしている
- 自己PRや志望動機が重要だと思っている
- 筆記試験で高得点取れればいいと思っている
- 自分の言葉で話せない
- 模擬面接をしない
このような思考回路の人は注意が必要です。配点だけを考えれば、筆記:面接=7.5:2.5なので筆記ばかりに時間を使うのは正しいです。
とはいえ、面接が最終合否に関わってくることも事実なので、対策を後回しにすることはNGです。とくに面接に苦手意識がある人は最後まで面接練習をしない傾向があるため、それでは合格は厳しい。
面接は筆記試験に比べて不透明な部分が多く、努力が直結しない試験です。そのためやり方がわからずに対策不足で落ちてしまう原因になります。面接対策は筆記試験よりもやることが多く、かなり時間が必要です。できるだけ早めに手をつけて攻略していきましょう!
その他試験の対策は「海上保安学校・大学校の試験内容は?独学で受かるための勉強法を解説」を参考にしてください。