【海上保安学校(船舶・航空他)】面接試験の質問内容と対策方法

海上保安学校(船舶運航システム課程、航空課程)の面接対策

本記事では、海上保安学校学生採用試験(船舶運航システム課程や航空課程など)における面接試験を徹底解説します。

今までに面接を経験したことがある人は少ないため、不安を感じていたり、いつから練習を始めるべきなのか気になるのではないでしょうか。

「初めて海上保安学校の面接を受ける人」、「これから面接対策を始める人」は特に参考にしてください。

早いうちに面接試験の概要や傾向をつかみ、面接試験を攻略できるように準備を始めましょう。

その他の試験内容についても下記記事で解説しています。

タップできる目次

海上保安学校学生採用試験 面接試験の質問内容(過去問)

海上保安学校学生採用試験(船舶・航空他)の面接試験で聞かれた質問内容(過去問)を紹介します。

主な質問内容を抜粋し、まとめているので参考にしてください。

  • 志望動機を教えてください。
    →なぜ船舶コースを志望したのですか。
  • 高校を卒業してから何をしていますか。
    →大学へ進学しなかった理由は何ですか。
  • 希望管区は決まっていますか。
    →その理由はなぜですか。
    →希望する管区に行けない場合はどうしますか。
  • 今までの人生で一番印象に残っている経験はなんですか。
  • 高校生活で一番の思い出は何ですか。
    →そのときの出来事から何を学びましたか。
  • 趣味はありますか。
    →いつからやっていますか。
  • 今後勉強してみたいことはありますか。
    →なぜ英語を勉強したいと思ったのですか。
    →英語を活かしてどんな仕事をしたいですか。
  • 採用されたら希望する管区はありますか。
    →第二希望、第三希望はどこですか。
  • 志望動機をいってください。
    →もう一度、自分の言葉で志望動機を言ってください。
  • 海上保安庁の仕事はいつ知りましたか。
    →興味をもったのも同じ時期ですか。
    →どうやって調べましたか。
    →いつから海上保安庁を目指していますか。
  • 学生生活で印象に残っている出来事を教えてください。
  • 最近関心のある出来事はありますか。
    →なぜそれに関心をもったのですか。
    →ほかにありますか。
  • 海上保安庁のYoutubeを見たことはありますか。
    →見てどう思いましたか。
    →印象に残っている映像はありますか。
  • 趣味と特技を教えてください。
    →趣味をやっていて苦痛に感じたことはありますか。
  • 長所は何ですか。
    →もう少し具体的に教えてください。
  • 今までの成功した経験は何がありますか。
    →反対に失敗したことは何ですか。
  • 最後に何か言いたいことはありますか

試験は各区分に分かれていますが、基本的にどの区分でも聞かれる内容に違いはありません。

何を聞かれるのかがあらかじめわかっていれば、事前に備えることができます。一方で、何を聞かれるのかが不明瞭では、準備のしようがありませんからね。

なお、ここには掲載しきれなかった質問や模範回答例を次の記事でまとめています。たくさん練習したい方は、ぜひ参考にしてください。

海上保安学校学生採用試験の面接試験とは?

海上保安学校学生採用試験(船舶・航空他)の面接試験とは、第二次選考で行われる人物面に関する試験のことです。

これまでに頑張ったことや海上保安学校への進学理由などを問うことで、あなたが将来の海上保安官として相応ふさわしいかどうかを評価・判断します。

面接試験の概要

実施形式個人面接
試験時間30分程度
面接官3人
面接カードあり
配点1/4
海上保安学校学生採用試験 個人面接の概要(2023年度)

形式は個人面接です。
集団面接とは違い、受験者は自分一人だけなので緊張しやすい形式ですが、他の受験者がいないことから集中でき、自分をアピールしやすいという利点があります。

面接試験の流れ

  • 面接カードの提出
  • 控え室で待機
  • 順番になったら、面接室の前で待機
  • 入室→着席→面接
  • 退室

控え室や、面接が終わった後も見られている可能性があるので油断しないようにしましょう。

また、面接の終盤は気が抜けがち。
終わった後に安心して挨拶や退室が雑にならないように、最後まで集中を切らさないでくださいね。

面接試験の評価基準

項目着眼点
積極性・自ら課題解決に当たれるか。
・必要な自己主張ができるか。
・やる気を持って、物事に取り込めるか。
堅実生・真面目で、中途半端なところはないか。
・粘り強く物事を進めることができるか。
・組織の一員として自覚を持って行動できるか。
判断力・物事を的確に判断できる。
・集中して物事に取り組める。
・冷静に状況を判断できる。
表現力・質問に対する応答は的確か,的外れなところはないか
・話している内容に一貫性があるか,矛盾しているところはないか
・話し方がわかりやすく簡潔か,要領を得ないところはないか
態度・まじめに応答しているか,質問をはぐらかすところはないか
・動作はきちんとしているか,だらしのないところはないか
・落ち着いており安定感があるか,動揺しやすいところはないか
人物試験実施基準より作成(人事院)

3人の面接官それぞれが項目ごとにa~eの5段階で評価を行い、最終的にA~Eの総合判定をつけます。

なお、面接試験の評価がD、E評価は足切りとなり即不合格なので注意しましょう。

面接試験の配点(標準点)

総合評価(ランク)に応じた標準点を紹介します。

評価ABC
船舶運航218166115
情報システム218166115
管制課程218166115
海洋科学218166115
航空課程216166116
大学校1189364
海上保安学校 二次試験の配点(2022年度)

詳しい配点(合格点)は下記記事を参考にしてください。

海上保安学校学生採用試験の面接カードとは?

面接カードとは、面接試験で使用される資料のことです。

氏名や学歴などの基本情報にくわえ、志望動機や自己PRなど、面接官が「受験者はどんな人物なのか?」を見極めるための役割があります。

面接カードの内容

海上保安学校学生採用試験の面接カード
海上保安学校学生採用試験の面接カード
  • 個人情報
  • 志望動機・受験動機
  • 専攻分野・得意分野(学業や職務経験を通じたもの)
  • 最近関心や興味を持った事柄(社会生活、時事問題、社会情勢)
  • 印象深かったこれまでの体験(学校生活や職務、ボランティア活動、アルバイト)
  • 自己PR(長所や人柄について)
  • 趣味・特技

面接カードのサンプル(PDF)

面接カードは、一次試験の合格発表後に人事院HPからダウンロードし、二次試験日に提出します。

面接カードの書き方

STEP
結論から書く

これ、とても重要です。

面接カードだけでなく、論作文でも、面接試験でも、これからの社会人生活でも…「結論」と「根拠」を分かりやすく明確に伝えるようにしましょう

もっとも大切なのは『結論』なので、それが面接官に伝わらないとまったく意味がないですよね。また、その根拠をシンプルに説明できないと納得してもらえません。

だから結論を先に書く!
その根拠(の要約)も最初に説明しておく!

この2点を厳守するだけで、あなたの自己PRや志望動機は格段にレベルアップしますよ。

STEP
一文を長くしない

自己PRや志望動機がわかりにくい人は、一文が長い(無駄な表現が多い)です。

たとえば、次の文章を見比べてみると…。

文章A

私が海上保安官を志望した理由は、海の安全を守りたいと思ったことや昔から海上保安官に憧れていたこと、そしてこれまでの人生経験を存分に活かせると思ったからです。

文章B

私が海上保安官を志望した理由は、海の安全を守りたいと思ったからです。また、昔から海上保安官に憧れがあり、これまでの人生経験を存分に活かせると思ったからです。

内容は同じですが、文章Bの方が読みやすいですよね。

一文が長くなると途端に読みにくくなりますし、主述の関係もわかりにくく理解が難しくなります。また、ギッシリと一文を詰め込みすぎるのも読みにくくなる原因なので、余白を上手く使ってみてください。

STEP
抽象的な表現を多用しない

少しでも面接官に伝わる自己PRや志望動機を書きたいのであれば、抽象的な表現を使わずに文章を書きましょう。

たとえば「社交性」とか「協調性」などです。そもそも社交性、協調性とは?ってなりますし、だいたい使い方を間違っているケースがほとんとです。

抽象的な表現を使うときは、かならず簡単な〝例″を添えるなどしてわかりやすくするように心がけてください。

繰り返しになりますが、面接官は面接カードの内容をもとに質問してきます。

「丁寧に書かれていない」「書いてある内容が意味不明」、そんな面接カードでは、面接試験が始まる前から不合格が決まったようなものです。

わざわざ自分を不利にする必要はないので、時間をかけて仕上げましょう。

海上保安学校学生採用試験 面接試験の対策方法

海上保安学校学生採用試験(船舶・航空他)の面接対策を始めるときの手順を解説します。

定番の質問内容を把握する

まずは、面接試験で問われる定番質問を把握しましょう。

なぜなら、筆記試験のように面接試験にも傾向があるからです。

  • 基本的な質問事項が多いのか
  • 時事的な質問は聞かれるのか
  • 専門的な(海上保安に特化した)質問はあるのか

このような傾向を把握しておけば、面接の準備を効率よく進めることができます。

たとえば、「自己PRをしてください」や「志望動機は何ですか?」のような一般的な質問が多ければ、書店に売っている参考書を読み込んで対策できます。

一方で、「数ある職業の中で海上保安官を志望する理由は?」や「成人年齢の引き上げについてどう思いますか?」といった質問が多ければどうでしょうか?

このような海上保安官に関連した質問や時事的な質問が多ければ、仕事内容や組織、社会情勢についても深く知っておく必要がありますよね。

無駄な時間を過ごさないためにも、よく出る定番質問に目を通し、傾向を押さえておきましょう。

模範回答を作り込む

続いて、定番質問をもとに回答を作成しましょう。

回答を作るときのポイントは、結論+理由(根拠)+具体例(体験談)のセットで考えること。

たとえば、「あなたの長所は何ですか」と聞かれたら何と回答しますか?

  • 「リーダーシップが取れる」
  • 「責任感がある」
  • 「計画的に行動できる」

これくらいなら、少し考えれば回答できると思います。

では、なぜ「それが長所なのですか?」とか、「どんなときに長所を活かせましたか」と理由や経験を聞かれたどう回答しますか?

何も考えていなければ、スラスラ答えることはできないと思います。

しかし、面接官が一番聞きたいのは、ココ(理由や経験)なんですよね。自分の回答に対して論理的に答えられないと評価は上がらないのです。

ぜひ、時間をかけて自分自身をきちんと理解(自己分析)してください。

模範回答例は下記記事で紹介しています。

人に話す練習をする

ある程度、話す内容を考えたら第三者に聞いてもらいましょう。

自分で考えていることを分かりやすく伝えるのは難しいからです。

僕自身、毎年多くの自己PRや志望動機を見たり、聞いたりしますが、初っ端から理解できる内容はほとんどありません。せっかく面接カードに良い内容を書いているのに、自分の言葉で伝えられずに損している人を多く見てきました。

面接は、あなたの発言内容を聞いて第三者である面接官が客観的に評価します。なので、どんなにいいことを発言しても伝わらなければ意味がないのです。

恥ずかしがらずに自分の言葉でスラスラ喋れるまで練習してください。

模擬面接は最低2回受ける

最後は、模擬面接を受けて実践力を鍛えましょう。

  • 本番特有の緊張感
  • 回答に困る深掘りポイント
  • 客観的な評価

このように1人で面接練習をしていては気が付かない部分がたくさん発見できるからです。

練習相手は友達や家族でもいいですが、できるだけ経験者(予備校やその道のプロ)にもみてもらってください。

まとめ|海上保安学校学生採用試験の面接対策は大変

海上保安学校学生採用試験(船舶・航空他)に受かるには、面接試験の攻略が必要不可欠です。

面接攻略には次のステップに沿って対策することがポイント。

早い段階から定番質問や回答を作り、自分の考えをわかりやすく話す(伝える)練習を繰り返すようにしましょう。

面接対策は筆記試験よりもやることが多く、上達するまでかなり時間が必要です。
できるだけ早めに手をつけて攻略していきましょう!

今回ご紹介させていただいたのはほんの一例ですが、ぜひ取り入れていただければ幸いです。

海上保安学校学生採用試験の定番質問や模範回答例は下記を参考にしてください。

タップできる目次