海上保安官になるのは難しい?海上保安学校・大学校の難易度と対策方法を徹底解説

海上保安官採用試験の難易度を解説します。

高2の少年
高2の少年

海上保安官になりたいけど採用試験の難易度はどれくらいなの?難しいって聞くけど……。どうやって対策すればいいのか教えてほしいです。

こんな疑問を解決します。

今回は海上保安官になりたい人向けに採用試験に関する内容をまとめています。

本記事の内容

  • 海上保安学校・大学校の難易度はどれくらい?
  • 海上保安学校・大学校は難しい?
  • 海上保安学校・大学校に落ちないために必要なこと

海上保安官になるための採用試験は「難しい」と思っている人は多いです。そのため、試験対策をはじめる前から怖気づいている人もいるでしょう。

江本
江本

結論から先にいうと、海上保安官になるのは難しいです。

とはいえ、試験内容や傾向をきちんとリサーチしたうえで対策していけば、独学でも十分に合格できます。

今回は、海上保安官(学校・大学校)が難しい理由から、合格に向けた対策の始め方について解説していきます。

▼この記事を書いている人▼

海上保安官になるには?採用試験の概要を解説

海上保安官になるには、まず人事院が実施する採用試験に合格する必要があります

合格後は、京都府鶴舞市にある海上保安学校などで一定の研修・教育を受けた後、それぞれの管区へ配属されます。採用試験は学歴や年齢によって受験資格が異なるため、いくつか紹介します。

採用試験の種類

試験内容実施学歴年齢
海上保安官採用試験6月大卒30歳
海上保安学校(特別)5月高卒
(既卒)
30歳
海上保安学校(一般)9月高卒30歳
海上保安大学校10月高卒20歳

海上保安官採用試験

大卒(見込み含む)を対象とした海上保安官の幹部候補生としての採用試験です。採用後は海上保安大学校で2年間の研修を受けた後、現場に配属されます。

受付期間2022年3月18日~3月25日
一次試験2022年6月5日
一次合格2022年7月6日
二次試験2022年7月12日~20日の間で指定された日
最終合格2022年8月16日
出典:令和4年度受験案内より作成

海上保安学校(特別)

高卒(既卒者)を対象とした海上保安官の中途採用です(大卒でも受験可能)。採用後は海上保安学校で2年間の研修を受けた後、現場に配属されます。

受付期間2022年3月18日~3月25日
一次試験2022年5月15日
一次合格2022年6月3日
二次試験2022年6月8日~29日の間で指定された日
最終合格2022年7月29日
出典:令和4年度受験案内より作成

海上保安学校(一般)

高卒(見込み含む)を対象とした海上保安官候補生を決める採用試験です (大卒でも受験可能) 。試験は大学のように学部(課程)があるので、希望する課程を選んで出願・受験します。

課程内容(カリキュラム)
船舶運行システム巡視船艇の運航や海上犯罪取締り等に必要な知識・技能を習得
情報システム通信機器の運用管理や航行安全、海上犯罪取締り等に必要な知識・技能を習得
管制船舶交通の管制に必要な知識・技能を習得
航空航空機のパイロットになるための基礎教養や海上犯罪取締り等に必要な知識・技能を習得
海洋科学海洋の科学的資料の収集・解析等に必要な知識・技能を習得
出典:令和4年度パンフレットより作成

採用後は海上保安学校で2年間の研修を受けた後、現場に配属されます。

受付期間2022年7月19日~28日
一次試験2022年9月25日
一次合格2022年10月12日
二次試験2022年10月18日~27日の間で指定された日
最終合格2022年11月22日
出典:令和4年度受験案内より作成

海上保安大学校

20歳までの高卒者(見込み含む)を対象とした海上保安官の幹部候補生としての採用試験です 採用後は海上保安大学校で約4年間の研修を受けた後、初級幹部職員として、日本全国の巡視船等に配属されます。

その後、本庁や管区海上保安本部、巡視船等に勤務しつつ、幹部職員として経験を積んでいくことになります。

受付期間2022年8月25日~9月5日
一次試験2022年10月29、30日
一次合格2022年12月9日
二次試験2022年12月16日
最終合格2023年1月19日
出典:令和4年度受験案内より作成

試験内容は筆記と面接

海上保安学校・大学校採用試験は海上保安官になる(就職する)試験なので筆記試験のほかに面接も課されます。

試験内容は以下のとおり。

出典:令和4年度受験案内より作成

このように試験内容は幅広いです。筆記試験の勉強だけ得意でも最終合格はできないためバランスよく対策するようにしましょう。

海上保安学校・大学校学生採用試験の難易度はどれくらい?

一般的に「公務員試験は難しい」といわれることが少なくありません。これから海上保安学校・大学校を受験するつもりなら、本当の難しさを知っておきたいところですよね。

結論からいえば、海上保安学校・大学校の難度が高いのは事実です。先ほど見てもらったように試験の種類は多いので、適当に試験を受けても合格はできないでしょう。

試験内容は、思考力・判断力を測るような計算・読解問題から、高校までに学んだ知識まで出題されるため、何も対策しなければ問題の意味も十分に理解できない可能性が高いといえます。

とはいえ、あくまでも「基本」についての試験なので、必要以上に恐れることはありません。初心者でもしっかり勉強をしていれば合格できます。ボーダーラインもおおむね6〜7割でパスできていることから、本人が十分な努力をできさえすれば、独学でも十分に合格できる難易度です。

では、なぜ難しいとされるのでしょうか?

関連記事海上保安学校・大学校の倍率は低い?過去の推移を課程・試験別に解説

海上保安学校・大学校 学生採用試験はなぜ難しいのか?

公務員試験は就職試験であるため今までの高校・大学受験や資格試験とは別物です。そのため初心者で知識がない人ほど難しいと感じるでしょう。

しかし、海上保安学校・大学校の試験内容は明確で、出題科目も過去問もわかっています。それにも関わらず、難しいと感じてしまうのはなぜなのでしょうか?

主な理由は以下の3つ。

  1. 競争試験でチャンスが1回しかない
  2. 合格するのに多くの勉強時間が必要
  3. 試験科目・範囲が膨大すぎる

競争試験でチャンスが1回しかない

一つ目の理由は、海上保安学校・大学校学生採用試験は競争試験であること。

競争試験というのは、採用人数が決まっていて、その人数に達するまで成績上位者から順に合格させる試験のことを指します。

これに対して、簿記や英検のような資格試験の場合は、70点以上といった合格基準が設定されていて、基本的には基準点を超えた人は全員合格することができます。

競争試験である海上保安学校・大学校の場合、実力的には合格してもおかしくない人でも、ライバルたちが自分よりも成績が良ければ合格することができません

江本
江本

要するにめちゃくちゃ努力して9割取れても、周りが9.5割ばかりなら落ちるってことだね…。

また、資格試験の中には、年に数回実施されるものもありますが、海上保安学校・大学校の選考試験は基本的には年に一度しか実施されません。教員採用試験のような一次合格者を対象とした筆記試験の免除制も採用されていないので、不合格になれば、翌年は一から試験を受け直すことになります。

合格できる人数が決まっていて、受験チャンスも年に1回しかないので早い時期から行動することが重要です。

多くの勉強時間が必要

二つ目の理由は、合格までに多くの勉強時間が必要なことです。

試験といっても筆記試験の他に、二次試験対策(面接など)まで対策しなければいけません。学生ならまだしも、社会人が仕事をしながら勉強しようとしても、なかなか時間を見つけられません。

僕自身、働きながら勉強をしていたこともありますが、平日はもちろん、休日さえ集中的に対策することはできませんでした。そういう人は多いはずです。

海上保安学校・大学校はただでさえ難度が高いうえに、試験範囲も決して狭くはありません。今までの学力などもありますが、やはり合格している人は少なくとも500~600時間は勉強しています。

学校・会社に行きながら勉強時間の確保をすることは簡単なことではないので、出題傾向を把握して効率よく勉強する、スキマ時間を上手く活用することが大切です。

関連記事海上保安学校・大学校の試験内容は?合格に必要な勉強時間と対策方法

試験科目が多すぎる

試験科目・範囲が膨大なのも無視できない傾向です。

基礎能力試験(教養試験)の問題は、高校までにきちんと勉強してきた人からすれば、それほど難しいわけではありません。それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、科目数が多すぎるからです。

たとえば、社会科目。大学受験のように日本史か、世界史か、の選択ができるならなんとか勉強できるでしょう。しかし、公務員試験の問題は日本史からも、世界史からも出題があります。さらには地理や政治、経済の知識さえも問われてくるのです。

他にも理科や数学など、勉強しなければならない科目が多いため、基礎能力試験の対策だけでもたいへんな労力を注がなくてはなりません。それ故に、最初はやる気満々だった人が、あまりの量に圧倒されてしまい公務員試験を断念するケースが後を絶ちません。

あれもこれも手をつけているうちに時間だけが過ぎていき、準備不足のまま本番を迎えてしまわないように、出題傾向をきちんと理解して対策することが大事です。過去の出題傾向を下記記事で解説しているので参考にしてください。

海上保安官採用試験準備中
海上保安学校(特別)【海上保安学校(特別)の勉強法】教養は何から手をつける?過去の出題傾向まとめ
海上保安学校(一般)【予備校でも教えてくれない】海上保安学校に受かる「正しい」勉強法
海上保安大学校【簡単】海上保安大学校の基礎能力試験で楽して点を取る勉強法【過去問分析】

海上保安学校・大学校学生採用試験に落ちないためには?

ここまで解説したように海上保安学校・大学校学生採用試験に合格するのは簡単なことではありません。

「これをやれば確実に合格できる」という方法はありませんが、ここでは「試験に落ちないために意識するポイント」を解説します。

具体的には以下の3つ。

  • 正しい方法で勉強する
  • 「質と量」の両方が必要
  • 面接や論作文を軽視しない

正しい方法で勉強する

数ある試験のなかでも筆記試験の勉強は、正しい方法を理解したうえで実行することがポイントです。

初心者の方は特に、過去の出題傾向を理解しきれていないまま(または理解したつもりで)さまざまな科目・分野を勉強してしまう傾向があります。しかし、出題傾向とズレていることに気づかないまま間違った勉強を続けていても、それは時間の無駄になってしまいかねません。

たとえるなら、間違ったフォームのまま素振りを何百回、何千回重ねても、ホームランを打つのが難しいのと同じです。確実に点数を取るには、正しい知識に基づく勉強方法が必要不可欠です。

出題傾向を正しく理解して効率よく勉強するためには、過去数年分の問題(最低5年分)を用いて、詳細なデータ分析を行う力も求められます。

なお、対策に苦労する基礎能力試験の出題傾向については以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。

海上保安官採用試験準備中
海上保安学校(特別)【海上保安学校(特別)の勉強法】教養は何から手をつける?過去の出題傾向まとめ
海上保安学校(一般)【予備校でも教えてくれない】海上保安学校に受かる「正しい」勉強法
海上保安大学校【簡単】海上保安大学校の基礎能力試験で楽して点を取る勉強法【過去問分析】

「質と量」の両方を意識する

仮に出題傾向を理解していたとしても、勉強量や時間が不足していては結果を出すことは難しいでしょう。

公務員試験対策は、出題傾向の理解から点を取れるまでに、最低でも3か月から1年の時間をかけて勉強するのが一般的です。また、点数が取れるようになっても知識を忘れないよう継続する必要もあります。

土に巻いた種が芽を出して花を咲かせるまでに長い時間が必要なように、公務員試験対策も長期的な目線を持って計画を立てることが重要です。

もちろん、どれだけ勉強量を増やしたところで、正しい方法(質を意識した方法)が身についていないと、かけた時間が無駄になりかねないことは覚えておいてくださいね。

関連記事海上保安学校・大学校の試験内容は?合格に必要な勉強時間と対策方法

面接や作文を軽視しない

大前提として理解しておくべきことは、海上保安学校・大学校をはじめとする公務員試験は人物重視(面接や作文の評価が重要)ということです。

筆記試験対策に時間がかかることは事実ですが、どれだけ高得点を取れたとしても人物試験で評価がもらえないと最終合格できません。筆記試験は、あくまで大量の受験者をふるいにかけるための選考手段に過ぎません。

実際に、筆記試験で5割程度の点数しか取れない受験者でも二次試験の結果次第で合格できています。逆に7~8割の点数が取れても、評価によって落ちてしまうというケースがけっこうあります。

基礎能力試験の勉強ばかりに時間をかけるのではなく、人物試験(作文や面接)が合否を左右するというイメージを持ってバランスよく取り組むことが重要といえます。

関連記事海上保安学校・大学校の作文で不合格になる?必要な字数と過去問テーマを解説

関連記事海上保安学校・大学校の面接は何が質問される?対策方法と面接カードの書き方

海上保安官になるのは難しいけど独学でも対策可能

海上保安官になるための試験対策は、やることが多く、勉強時間がかかる難易度の高いものです。

懸命に基礎能力の知識をインプットしても、人物重視(作文や面接が重要)の選考方針のため時間をかけすぎるのはよくありません。海上保安官の業務内容は基本的には人命救助や地域の安全確保が多いので、当然だともいえるでしょう。

少しでも効率よく勉強するためには、過去問分析をきちんと行い出題傾向を理解することが重要です。ボーダーラインを超えるのに必要な科目・分野から優先して勉強できるので、他の対策にも時間を使うことができます。

バランスよく対策をして最終合格を目指しましょう!

基礎能力試験の出題傾向を科目ごとに分析!データを公開しています。
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