【大卒・高卒】福岡市消防官になるには?採用試験の難易度や対策方法を解説

福岡市消防官の難易度
悩んでいる人

将来は福岡市の消防官になりたいです。どうやったらなれますか?採用試験の難易度や対策方法を教えてほしいです。

福岡市の消防官になるには、以下の試験に合格して消防学校に入る必要があります。

  1. 福岡市職員採用試験「区分:消防吏員A」
  2. 福岡市職員採用試験「区分:消防吏員B」

入学後半年~の専門教育・研修を受けて卒業すれば、消防官になれるという感じです。

学歴や年齢によって受験できる試験が異なるので、本記事を参考に試験の仕組みや難易度を理解してみてください。

タップできる目次

福岡市の消防官になるには?採用試験の概要を解説

福岡市の消防官になるまでの道のりを簡単に示すと、主に3パターンあります。

  1. 高校→大学→福岡市職員採用試験「区分:消防吏員A」に合格
  2. 高校→福岡市職員採用試験「区分:消防吏員B」に合格
  3. 高校→短大・専門学校→福岡市職員採用試験「区分:消防吏員B」に合格

高卒・短大卒(専門卒)でも大卒でも福岡市消防官になれますが、受験資格や日程は違います。

ここでは採用試験の概要をまとめたので確認してみましょう。

年齢制限(受験資格)

消防吏員A1993年4月2日〜2001年4月1日までに生まれた人
消防吏員B1998年4月2日〜2005年4月1日までに生まれた人
令和4年度採用の場合

【補足】
※高卒・短大卒(専門卒)でも年齢制限を満たせば消防吏員Aを受験できます。
※4年制大学在学者及び卒業者は消防吏員Bを受験できません。

採用人数

実施年度消防吏員A消防吏員B
202210人13人
202122人22人
202022人28人
令和4年度採用の場合

採用までの流れ(試験日程)

受付期間2022年5月2日(月)~5月17日(火)
一次試験2022年6月19日(日)
一次試験
合格発表
2022年6月23日(木)
二次試験【1日目】2022年7月1日(金)
【2日目】2022年7月下旬~9月上旬の間で指定された日
最終合格2022年9月下旬

試験内容

試験は大きく「筆記試験」と「人物試験」に分類できます。

選考は段階式で行われ、まず一次選考で受験者をふるいにかけ人数を絞ります。その後、一次選考の合格者を対象に二次選考を行い最終合格者を決定するという流れです。

試験種目消防吏員A
(大卒程度)
消防吏員B
(高卒程度)
教養試験
論文試験
面接試験
(口頭試問)
体力試験
身体検査
令和4年度採用の場合

合格率

実施年度消防吏員A
(大卒程度)
消防吏員B
(高卒程度)
20224.1%3.4%
20218.4%4.6%
20207.6%7.2%

詳細は以下の記事でまとめています。

【難しい?】福岡市消防官採用試験の難易度

結論からいうと、福岡市消防官採用試験の難易度・・・は高くありません。難関高校・大学や難関資格に受かる方が圧倒的に難しいです。

しかし…、最終合格することは想像より簡単ではありません。

試験問題は中学〜高校1年レベル

公務員試験の問題は、今までに勉強してきた内容が試験範囲です。

なので、高校までにきちんと勉強してきた人からすれば、それほど難しいわけではありません。

たとえば、次はメイン科目の一つである数的推理の問題です。

福岡市役所の過去問

「速さ」という単元で、中学校1年生で学習するような問題です。

算数、数学が苦手な人は少し悩むかもしれませんが、少し勉強すれば思い出すのではないでしょうか。

たまに大学入試レベルの問題も出ていますが、多くは中学〜高校入試ぐらいの問題です。

試験科目が多い

とはいえ、多くの受験者が「福岡市消防は難しい…」と悩んでいるのは試験科目が多いからです。

なんと15科目以上もあるんですよね…。

試験科目一覧

分野科目
数的処理数的推理|判断推理|空間把握|資料解釈
文章理解現代文|英文
社会科学政治|経済|社会
人文科学日本史|世界史|地理
自然科学数学|物理|化学|生物|地学

高校・大学受験でも5~7科目くらいですからね…約3倍はあるのです。

中学校から高校までに一度は学んだことのある科目ばかりだと思いますが、それをもう一回勉強しないといけないので…正直、キツイですね。

詳しい試験科目は以下の記事で解説しています。

学力よりも人間力が重要

賢い(頭がいい)だけでは消防官になれません。

あなたがこれまでに経験してきた入学試験(高校・大学入試)や資格試験では、単純な学力だけが問われ、知識を詰め込んでいれば合格が狙えました。

しかし、採用試験の内容は筆記試験だけではありません。面接や体力試験もあるんですよね…。

『消防官になるための試験=就職試験』でもあるため、公務員としての適性・資質や人間性(コミュニケーション能力)も総合して評価されるのです。

最終合格に筆記試験の点数は反映されない

最終合格は、第2次試験科目の総合成績のみにより決定し、第1次試験の成績は反映されません。
(福岡市職員募集要項より)

単純に筆記の点数だけでは合格できないので、努力がそのまま結果に結びつかない難しさがあります。

継続力がないと合格は厳しい

対策はやることが多いので…まぁ、シンドイです。

合格するために必要な勉強時間は過去のデータから500時間~600時間ほど。1日2時間の勉強を約1年間続けるようなものです。

合格目標「600時間」の勉強計画

1日の勉強時間600時間に到達するまでの日数
2時間300日(約10ヶ月)
3時間200日(約7ヶ月)
4時間150日(約5ヶ月)

モチベーションを長期間保ちながら筆記対策も面接対策もする必要があるため、相当な覚悟が求められます。

想像してみてください、周囲が遊んでいる中で自分だけ勉強漬けの毎日、飲み会やイベントなどの誘いをシャットアウトしながら勉強に集中して高いパフォーマンスを維持しなければならないのです。

実際、合格を目指して勉強を始める人は多いですが、途中で挫折する人も相当多いです。100人いて30〜50人ぐらい、半分はいなくなります。

えもと

以上が福岡市消防の難易度です。試験内容が難しいというよりは、対策内容が多く、メンタルのコントロールが大変って感じです。

福岡市消防官採用試験に落ちないためのコツ

確実に合格する方法はありませんが、少しでも合格率を上げるコツならあります

スキマ時間を有効活用する

始めにこれを伝えておかなければいけません。

公務員試験でとにかく大切なことは、『時間は無限ではない』ということです。

じゃあ具体的にどうやって時間を捻出するの?というと、『スキマ時間を有効活用する』という結論に達します。

  • 通学時間
  • 学校での休み時間
  • 食事の前後
  • 入浴時間
  • 寝る前の10分間 など

全てを使うのは難しくても、自分の生活スタイルに合わせてこの中のいくつかを取り入れるだけでも十分スキマ時間を活用できますよ。

たとえば1回20分のスキマ時間でも、1年で7,300分(約120時間)になります。

これが1日の中で3回(朝、昼、夜)繰り返されるだけで、年間365時間も勉強できることになりますよね。

最終合格までに必要な勉強時間は500~600時間なので、スキマ時間だけでも6~7割ぐらいの勉強ができてしまうのです。

出題傾向を理解してから勉強する

試験内容は幅広いですが、時間の多くを筆記対策に充てなければいけません

教養試験の科目が多いことは説明しましたが、出題範囲も膨大です。

そのため、「数的推理は満点をとる」とか、「日本史は嫌いだから捨て科目にして」などと戦略を立てて対策することがポイント。

別に点数(6割~7割)が取れれば、全科目・全範囲を勉強しなくても大丈夫なんですよね。

大事なのは、何を勉強すれば効率よく点が取れるのかってこと。

  • 数的推理は4問中4問を正解する
  • 資料解釈は2問中1問は正解する
  • 世界史は「二大大戦の分野」だけする
  • 生物は「動物の行動」だけ見る

こんな感じで、勉強する前に戦略を練っておきましょう。

科目・範囲ともに広範な教養試験を攻略するには、出題傾向をきちんと理解することがポイントです。

詳しくは以下の記事を参考にしてください。

論文を軽視しない

論文は教養試験と違い独学では十分な対策ができません。

  • 過去問を見て傾向をつかむ
  • 参考書を読んで『書き方』を学ぶ
  • 時間を計って書く

独学でもこのような主観的・・・な対策はできます。しかし、論文は第三者が採点するので、自分がどんなに頑張っても評価されないと意味がありません。

テーマの把握や文章構成、誤字脱字など…。一人では判断できない部分は多いんですよね。

たとえるなら、Youtubeでホームランの打ち方を学び、懸命に素振りを重ねてもいきなり実践でホームランが打てないのと同じです。

コーチからアドバイスをもらい修正と検証を繰り返すことで、なんとか打てるようになりますよね。対策を後回しにすればするだけ合格から遠のいていくことは覚えておいてくださいね。

面接対策を試験日の2ヵ月前から始める

最終合格は、第2次試験科目の総合成績のみにより決定し、第1次試験の成績は反映されません。
(福岡市職員募集要項より)

そのため筆記試験の勉強だけに時間を費やしても最終合格できませんし、今まで面接を受けたことのない初心者が合格基準に達するには、繰り返し練習する必要があるため、かなりの時間が必要です。

すでに面接でA、B評価をもらえる人なら一次試験が終わってからでも十分間に合うかもしれませんが、面接に自信を持てない人がマネすると確実に落ちてしまいます。

面接試験で評価を得るには準備が必要です。長所短所を考えたり、志望動機を考えたり…と、かなり時間がかかりますよ。

なので、早めに、できれば試験日の2~3か月前ぐらいから取り掛かるといいでしょう。

まとめ:福岡市消防官採用試験の難易度は低いが簡単に合格はできない

本記事では、福岡市消防官の難易度や受かるためのコツを解説しました。

難易度だけで考えれば、福岡市消防はそんなに難しくないです。試験問題は中学〜高校レベルですし、ボーダーラインも6割程度でパスできますからね。

しかし、合格するのは簡単ではありません。

  • 試験科目が多い
  • 学力<人物が必要
  • モチベーション維持

と、試験内容が難しいというよりは、対策内容が多く、メンタルのコントロールが大変って感じですね。

「これをやれば確実に合格できる」という方法はありませんが、「効率よく対策するために意識するポイント」はあります。

具体的には以下の5つ。

  • スキマ時間を有効活用する
  • 出題傾向を理解する
  • 論文を軽視しない
  • 面接対策を試験日の2ヵ月前から始める

このようなポイントを踏まえて対策できれば短期間でも十分に合格を狙えます!

焦る必要はないので、やれることから少しずつやっていきましょう。

この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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この記事を書いた人

公務員試験の指導を13年間やっています。新卒で大手専門予備校に就職→公務員課で5年間勤務、在職中に公務員試験を受験するも不合格→退職→公務員試験の勉強→国立大学法人、政令市、市役所に合格→現在、某大学の職員として8年目。 2018年6月からサイトを運営中。普段はカフェで珈琲飲んでます。

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